CO2の売買

 CO2の売買。大気をお金で取引するという全く新しい取り組みがシカゴで始まっています。
近年開設されたシカゴ気候取引所では、企業間のCO2の売買を仲介している。
今、世界中でCO2の排出量が規制されている。
守らない企業にはペナルティが与えられる場合もある。そこで企業は排出量を買って、そのペナルティを満たそうとしている。
例えば排出量を減らさなければならない、A社とB社があるとします。A社は目標より多く減らせたため余った分を売ることができます。

一方、自力で減らすことができなかったB社は、足りない分をA社から買って、目標を達成します。このような取引は☆排出量取引☆と呼ばれていす。
 企業は排出量を売るために、CO2を減らす努力をします。減らせない企業はお金を出して、他社の削減を後押しします。
こうして企業全体で排出量を減らす取り組みです。この売買はインターネット上で行われています。
現在50社がシカゴの取引に参加しています。
この排出量取引は、将来世界中で行われると見られています。世界単位では10兆円規模の市場になるとの試算もあります。
CO2の削減をめぐって動く巨額の資本。実はこの大気を買うという試みによって、破壊された森を蘇らせることができるとのこと。

 企業がCO2の削減に取り組むきっかけとなったのは7年前に行われた京都会議です。
1997年、各国の代表が京都に集まりCO2など、温室効果ガスの削減目標を決めました。日本6%アメリカ7%EU8%など、
国ごとの目標が定められました。

 現在、国や企業はこの目標を達成するために工場などから出るCO2を減らそうとしています。しかし簡単に減らすことはできません。

そこで、森の保護や植林をすることに注目が集まっています。京都議定書では樹木がCO2を吸収した分を、排出削減量とみなすことが認められているのです。(京都議定書より)
 工場から出るCO2を減らさなければならない企業があるとします。工場の設備改修には費用がかかりすぎるため、植林に出資することにしました。木は成長過程でたくさんのCO2を吸収します。この吸収量を工場の削減分とみなそうというのです。これはCO2の相殺(ソウサイ)と呼ばれています。

アメリカオレゴン州ではCO2の相殺が法律によって実施されている。オレゴン法(新設される発電所のCO2排出量を規制)は
発電所が出すCO2の排出量を規制するものです。州外に造られる発電所には、排出できるCO2の量が決められています。基準以上に排出する場合は超過金を第三者機関に支払わなければなりません。
発電所は第三者機関(クライミットトラスト)に超過した分の金額を支払います。クライミットトラストは、その資金を植林などの
プロジェクトに出資します。こうすることで発電所が出すCO2を相殺できる。
 クライミットトラストは、CO2を相殺するために作られた機関です。オレゴン州内の発電所が支払った総額500万ドルの資金を管理し、植林などのプロジェクトに出資しています。
企業は、本来、技術的な工夫をしてCO2の排出を減らす必要がある。
しかし直ぐに全ての排出を抑えられるわけではないので、CO2を相殺することが重要になってくる。
このCO2の相殺の方法ならば、今すぐに削減対策を始めることができるとのこと。

 南米エクアドルの北西に広がる熱帯雨林。
オレゴン州の発電所が出した資金は、環境保護団体にわたり、ここでの植林に使われている。
目的はCO2の吸収と森の再生です。長年森林破壊が行われてきたこの地域は、いま危機に瀕している。
1960年代から過剰な木々の伐採が行われてきました。この30年あまりで98%セントもの森林が失われてしまった。
多くの命を育んできた自然の楽園が今、消えようとしている。
現在、森の破壊は、多様な生き物たちの生息地を減らし、絶滅の危機に追いやっている。
例えば、独特の泣き声を発するマントホエザル。口ばしの下にぶら下げた肉だれを使って鳴く、ナガエカサドリなどなど。
現在は一部の地域でしか見られなくなっている。
この失われ行く森に、CO2を相殺する資金が投じられました。
アメリカワシントンDC企業による、二酸化炭素削減を環境保護に結びつけたNGO グループがあります。
そのNGOは植林によるCO2の吸収量と引き換えに、企業などから資金を得て活動している。
オレゴン州の発電所が出した資金も、ここへ渡っている。
植林や保護をしているのは多様な生物が絶滅の危機にある地域、○ホットスポット○と呼ばれるところです。
現在、25の地域が指定されています。
企業が出資する理由は二つあり、一つはCO2の削減が法律によって決められていること。
もう一つは企業イメージのため。
 今の消費者は、企業が環境問題に取り組むことに期待しており、企業はそれを重視している。
そのNGOが集めた資金は、エクアドルの環境回復に利用されている。

 首都から北西に300キロのビルサ生物保護圏。ジャングルの奥地で植林活動が行われている。コロンビアからエクアドルにかけて伸びる熱帯雨林は、現在、伐採によって分断 されている。ビルサ生物保護圏への植林はバラバラになった森を結びつけるための第一歩。
この地域の森が繋がれば、多くの生き物たちの生息環境を広げることができる。保護圏を管理しているのは、エクアドルのNGOハトゥン・サチャ財団。先述のNGOと共にCO2の吸収と森の再生を目指した、プロジェクトを進めている。 活動資金はCO2の吸収量に対して出されている。
その活動内容は、植林によってどのくらい吸収できる量を調べている。測定は伐採されずに残った原生林で行っている。
ここを植林によって再生した森と見立てるのです。一定の範囲内に生えている木の種類や本数。それぞれの大きさなどを調べます。この数値を元にCO2の吸収量を割り出している。

 この森にある全ての木から、他の木よりも多くのCO2を吸収することのできる、26種類の木だけを選んで植林している。
CO2を吸収しやすい樹木はセンダン科やアカテツ科など幹が堅く大きく育つ種類。自然環境を変えないために、固有種のみを植えなければならない。
植林するためには一年間に十万個の種が必要とのこと。集めた種は腐葉土を敷き詰めた苗床に植える。

ここで3ヶ月から、半年ほどかけて苗木を育てるのです。植林するのは、伐採により多くの木を失った地域です。【過去に破壊され、再生しつつある森は☆二次林☆と呼ばれています。】この二次林に木を植えていく。二次林は原生林と比べると木が少なく生えている種類が偏っている。ここに多様な種類の苗木を植え、元の森の状態に戻すとのこと。

 現地の植林スタッフの話では、「何もしなければ、森が再生するまで300年もかかる。植林をすれば100年で回復し、より多くのCO2を吸収できる。」現在、植林は275ヘクタールの地域に行っている。森の再生によって、《100年間で12万五千トンのCO2を吸収できる》
これは日本の家庭、約二万四千世帯が一年間に出す量に相当する。

 現地の人の話では、この植林作業のために、周辺の村の人たちを雇い、ここで仕事ができるようにしているとのこと。
このようなことが他の地域でも行われ、住民たちの収入源になればいいとのこと。
 このように植林への投資が雇用を生んでいる。
働く機会に恵まれない人々にとって、貴重な仕事。
ビルサ生物保護圏の近くには、20の村がある。過剰な伐採は、住民たちの生活にも影響を与えました。
 畑を作ったり、木材を売るために伐採をしていた人たちが、森の大切さを見直しはじめています。
村人たちによる森の再生計画が進んでいます。安易に伐採せず、自然と共に生きる道を選んだのです。
CO2を減らすための資金が、森に住む動物や人々の未来を変えようとしています。今まで環境を破壊してきた先進国が、自然を守るための投資を始めました。エクアドルで始まったこの試みは、他の地域へも広がろうとしています。地球温暖化の最も良い解決策は、自然を本来の姿に戻すこと。失った森を蘇らせるために、今、世界は動き出している。

まとめ
CO2の相殺は初めて知りました。まだ、日本では行われていないようです。しかし、企業、工場からでるCO2の排出を抑えるという、温暖化問題の、根底の原因の一つ。
相殺というこんな方法でも、果敢に取り組んでいかなければならないことです。できるところから・・。
といったところでしょうか。理想は工場等からのCO2の排出すら押さえらることだと思いますが、(今、新クリーンエネルギーの開発は
進ンでいる中、もう手に負えないくらいの地球温暖化が進んでしまっているという現世界の状況を踏まえたうえでの、自分の個人的意見ですが・・・)世界では、緑を再生していこうという動きが、日本よりも早く、積極的な活動が行われていることは頼もしいと感じます。
自分もNGOのこのような活動に参加してみたいとも考えていたりします。


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