環境革命(ｸﾞﾝﾀｰ,ﾊﾟｳﾘの実践)
未来はゴミの中に グンター・パウリの革命（ゼロエミッション・ゴミから産業を）
登場人物 ゼロエミッション提案者
グンター・パウリ
廃棄物ゼロの社会。ゼロエミッション。環境革命家のグンター・パウリは世界中を回っています。
グンターは横浜の小学校にやってきました。五年生の子供たちに地球上には、ゴミが存在しないことを教えるためです。
その授業内容は、バナナの皮と卵の殻をで電気を作るというもの。
二つのゴミから電気を作る。グンターはバナナの皮を切り、細かく砕いて粉末にします。さらに卵の殻もミキサーで細かくします。粉末にしたバナナの皮と卵の殻を混ぜ合わせ、さらにすりつぶします。
そこに水を加え、さらにレモンの絞り水を加える。これで準備完了。
グンター先生は、その混ぜ合わせた物質に家庭用テスターのスイッチを入れました。すると、テスターのメモリが上がり、０．０３ボルトの電気が発生したのです。〔０．０３ボルトあれば、人間の心臓は動くことができるとのこと。〕グンター・パウリは、ゴミから電気が発生することを証明しました。
これは、実は簡単な化学の原理を応用したものです。バナナの皮はカリウム、卵の殻はカルシウム。そこにレモン汁の酸を加えることで、化学反応を起こし電気が発生したのです。
子供達の、グンターの授業の感想。「普段、捨てているもので、簡単に電気が作れるというのがすごいな。」
「今まで人間は、資源をもったいなく使ってきたから、今度からは大事に使おうと思う。」とのこと。
グンターは、(人間は常識にとらわれてしまうが、実際にゴミに見えるものが有益な物質だとわかれば、その認識は変わる。とのこと。)
地球上にゴミは存在しない。グンター・パウリが提唱する、廃棄物ゼロの考え方は、ゼロエミッションと名付けられ、今世界中から注目されています。実際にゴミから産業を起こす活動も行っている。アフリカのケニアでは、処分に困っていたゴミ、刈り取った後のホテイアオイを苗床にして、きのこを栽培することに成功し、飢餓に苦しむ人々を助けてきました。
さらにグンターは、自ら絵本を作り、各国の子供たちにゼロエミッションをわかりやすく教えています。
ゼロエミッションの実践。その最初の舞台となったのが、北欧バルト海に浮かぶ、ゴットランド島でした。
かつてバイキング貿易の拠点として栄えたこの島には、農業以外にこれといった産業がなく、若者は職を求めて島を去り、さびれていく一方でした。
この島でグンターが目をつけた廃棄物、それは人参でした。ゴットランドでは年間およそ四千トンもの人参が、廃棄処分されていたのです。この島の人参は品質、生産量共にヨーロッパ一を誇っていましたが、市場に出荷されるのは、綺麗に形の整ったものだけでした。１９９５年、ゴットランドにやってきたグンターはショックを受けました。
それは人参が豚の餌になっていたためである。あまりにももったいない･･･。これは新しい産業を生み出せるとグンターは直感しました。
廃棄される人参。そこに新たな価値を見出すことが鍵だと考えたグンターは、世界中の知り合いにメールを送り、アイデアを求めました。多くの意見を聞くことが、より有効な手立てを見つける最善の方法であると、グンターはいいます。そして編み出したアイデア。それは廃棄された人参をマフィン(食用の粉)に変えることでした。
グンター・パウリが着目したのは、人参の持つ栄養素「Ｂ―カロテン」でした。美容効果の高いＢ―カロテンは、バターなどの油と同時に食べると体内吸収率が十倍にも上がります。マフィンにすれば人参の持つ力を最大限に活かすことができるとのこと。
経営戦略者でもあるグンターは、もともと交易の島だったゴットランドの利点と、日持ちがする、マフィンの人参の格好の条件を元に、輸出が多くでき、生産量を増やせるに違いない、と考えました。そのアイデアは見事に的中しました。一個二百円で販売された人参マフィンは、折からの健康ブームにも乗って、売り上げを伸ばし、わずか五年で三億五千万年の産業に成長しました。
人参のほかにもゼロエミッションの実践が進められ、ビール工場から捨てられていた、ビールの絞りかすを使 って、新たに大麦パンが作り出されたのです。
１９９１年、グンターは地元ベルギーで洗剤会社の経営を任されました。当時この会社は工場から出る下水が問題視され、業績がひどく落ち込んでいました。グンターは化学薬品の使用を止め、やしの油を原料としたエコ洗剤の開発に着手。同時に排水を一切出さない、自然浄化システムにも取り組みました。一年後、ようやく完成したエコ洗剤は一気に売り上げを伸ばし、会社は見事に立ち直ったのです。
環境経営者、グンター・パウリは世界中から注目されました。
しかし、グンターは、洗剤の原料となるヤシ油の森林伐採の現状にショックを受けました。実は自分自身がインドネシアの森を壊す、環境破壊者だったと･･･。その為、グンターは会社経営から身を引きました。
どうしたら誰にも負担を掛けない産業社会が作れるのか？悩んだ末にたどり着いたのが、 〈ゼロエミション〉だったのです。
産業社会は大量のゴミを出す。そのゴミを有益な資源に変えることができれば、廃棄物ゼロの新しい産業社会会を作れるはずだ。
ゼロエミションという結論を得たグンターは、世界に向かって訴え始めました。各地で公演を繰り返すうちに、しだいに賛同者が増え、再び彼は世界の注目を集めました。グンターの発信するゼロエミッション。その完成系ともいえる工場が、日本に誕生しました。
世界中を駆け回るグンター・パウリ。彼の自宅はベルギーの古都アントワープにある。故郷を愛するグンターですが、アントワープに戻れるのは一月のうち、三日ほどしかないという。家族と顔を合わすことができるのは、わずかな時間だけです。久しぶりに囲まれる家族の食卓でも、もっと家族と一緒の時間を割いて欲しいと、グンターの奥さんと子供は願っています。
グンターいわく。(家族には迷惑を掛けてすまないと思っているが、世界はこの家よりももっと広く、今ゼロエミッションを進めなければ子供たちの世代にもっと大きな負担を残すことになる。いつか子供達もわかってくれることを信じるだけです。と。。。)
グンターは今活動を止めることができないのです。。。
グンター・パウリがまいた種は、今世界各地で芽吹き始めています。二千二年、ゼロエミッションの完成系とも言える工場が、日本に誕生しました。グンターのアイデアを元に、セメントを生産する大規模な設備に改良が加えられました。ゴミを資源に変える、新しいシステムが出来上がったのです。
市の行政が担当していたゴミは、これまで焼却された後、埋め立て処分されていました。 セメント工場は、その全てのゴミを受け入れ、その処理する契約を、市役所と結んだのです。
工場に運ばれたゴミは、以前、セメント材料の攪拌に使われていた、筒状の設備へと送られていきます。低速回転でかき混ぜられるゴミは、有機物が完全分解して、三日後には雑菌のない状態になります。その後ゴミは、千四百五十度の高温で燃やされます。[ダイオキシンの発生は抑えられ、ゴミ自体が燃料となるため、二酸化炭素の排出量も削減できます]
ゴミは灰となり、冷やされ小石のような塊に生まれ変わります。この塊を分砕すると、セメントの材料になるのです。グンター・パウリのゼロエミッションを実現させた新たなシステム。街から出る一日六十トンのゴミが今度は資源として再び町へと戻っていきます。
グンターいわく。「市役所と企業が、パートナーシップを図り、セメント工場の基盤の上に非常に上手く、ゼロエミッションが進んでいる。ユニークであると。］
廃棄物ゼロの社会を目指して･･･。
グンターいわく「いま始めた数多くの小さな活動が、結びついて百年後の将来には、世界中でゼロエネミションが実現するはずです。」
ゼロエミション。グンター・パウリは未来に向けて、発信し続けている。
まとめ。
このグンター・パウリ氏は管理人が尊敬する人物でもあります。
ゼロエネミッション。百年後ならず、もっと早い将来実現可能になると良いと思います。自分も実践できること身近なところからでも考えていきたいと思います。
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