蝦の部屋

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エビッチの事件簿


第1羽『奪われた指輪』

これはエビッチが保育園時代の話だと思う。夕方頃、幼馴染の朋ちゃんと近所の駄菓子屋さんに行き、指輪のカタチした飴を二人で買った。その頃のエビッチは、まだエビッチとは呼ばれてなく、自分のことを「コックン(ヨッ君って、言えなかったらしい)」なんていうお茶目でキュートな少年だった。今と比べれば5分の1ぐらいの痩身ボディー、髪はなぜか茶色っぽく、ハーフとか(ニュウハーフじゃありません)女の子と間違われるぐらいのかわいい王子様だった。ホント今とは比べ物にならない。ドコで転んで今の自分になったのかまったくわからない。親も泣いている。「昔のあんたはそりゃーかわいくてかわいくて。あのきれいな瞳はどこいったんだろう・・・腕みたいだった足は、丸太のようになり、小枝のような腕は、足のような腕になり・・・ホント今のあんたは汚いね!!」こんなことを言われ、マジで木刀で殴り殺そうかと思ったが、またエビッチの事件簿が増えるし、大変ダルいのでやめといた。とにかく話を戻す。
飴を味わう二人。夕日はあと2時間ぐらいで落ちる。エビッチ少年は家の近くを通る東横線に目をやった。そして飴をまたしゃぶろうと、その時!
あ、あめがない・・・コックンの指輪の飴が・・・
電車の走る音と、あの日の夕日は涙とともにエビッチ少年の心を傷つけた。

ココで問題!飴はどこへ行ったでしょう?

正解は幼馴染の胃袋です。彼女の飴の食べ方は異常です。なめません。ガリガリ食べます。小さい頃からそうです。だから、一緒に飴を買い、同時に食べても彼女のほうが先に食べ終わります。エビッチはまだペロペロ、チュパチュパ(←いやらしいな、なんか)味わっています。それを見た幼馴染。口から涎をたらし、目を光らせ、一瞬のすきに奪う。気づかぬエビッチ(エビッチは鈍感です)。走りながら、飴を食す幼馴染。そして飴がないことに気づくエビッチ。今なら走って間に合う距離だ!行け、走れ!!走る!走る!!追いつかない!!!エビッチは超運動神経がない。だからトロイ。遅い。鬼ごっこしてもいつまでも鬼なタイプ。対する幼馴染はサル並の運動能力。とにかく走るのが得意。鬼ごっこで涎をたらしながら追ってくる鬼みたいなタイプ。そんな化け物に、みんなの王子様エビッチが勝てるわけもなく、「チャ~チャ~ン、朋ちゃんが~・・・エーン。」と母に助けを求める。でも助けてもらっても、もう遅い。飴は彼女の胃の中だ。ホントこれには、心が傷ついた。あの日の飴を返してもらいたい。

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