ル三パン世のつぶやき

ル三パン世のつぶやき

裁判所



午前 10:00
~Uxbridge Magistrates Court(アックスレッジマジスター裁判所)

椅子の並んだ広い待合室でひとり弁護士を待つ。

「Are you Mr.○木?」

綺麗なクィーンイングリッシュで話しかけられ、ふと顔をあげるとショートカットにスーツ姿の女性が立っていた。

「今日法廷で弁護をさせて頂くローランです。
よろしく」


イギリスの弁護士制度は日本とは少し異なる。

英語の授業では、BarristerとSolicitorはともに「弁護士」と習ったが、実際に法廷に立つのはBarrister だ。

取調べに立ち会ってくれたおっさんはどうやらSolicitorということになる。

当初、国選弁護人の弁護費用は無料ということだったのだが、私が昨夜留置所でなく外泊したため無料弁護の許可が下りなかったらしい。
にもかかわらず、ローランは無料でやってくれるという。
ありがたい。

裁判に先立ち調書の確認と裁判の打ち合わせが始まった。
私の目をじっと見つめ的確に話すその姿はまさしく「デキる敏腕弁護士」だ。

What a COOL!

彼女の話ではイギリスの裁判は過去の判例をもとに判決が下されることがほとんどだという。

ちょうど私の法廷の前に、同じ銃刀所持で逮捕された黒人青年の裁判があるらしく、おそらくこの判決に倣うだろうということだった。

開廷までの空いた時間を利用して、彼女といろいろな話をした。

日本での出身地、スポーツ経験、大学での専攻、イギリスで住んでいた場所、通っていた学校、アルバイト経験・・etc

私の通っている大学が「KINKI University」(近畿大学)だと言うと彼女は声をだして笑い出した。

Kinkyとは英語で「裸の男性がブラジャーをつける」というような意味合いらしい。

私が、
「I am a kinky boy.」
(私は近畿ボーイだ)
というと涙目になって笑っていた。

そんな彼女の笑顔を見て少し気が楽になった。


午後1:30
~裁判控え室

黒人青年の判決を待つ。
この判決が私の運命を、いや人生を決めるのだ。


裁判が終りドアが開いた。


判決は・・・・







『懲役一年の実刑判決』


頭が真っ白になり、思わず弁護士のほうへ目をやる。

「・・・大丈夫。
心配しないで。
私に任せて」

その真っ直ぐ見つめた目は、言葉より強かった。


午後1:50
~開廷

比較的小さな法廷室。

裁判長の横に書記の女性、その前に検察官と弁護士のローランが向かい合って座る。
裁判長の正面少し離れた所に一段高く橋のような手摺のついた台があり、私はそこへ立つ。

開廷に先立ち、今からここで話すことに嘘や偽りがないことを約束する。
私は手を上げて「宣言書」を読み上げ神に誓いをたてる。


午後2:00
~法廷室

運命の裁判が始まった。

・・・・to be continued.


★第七章『裁判』★




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