E★C★E ♪アメリカ幼児教育とゆかいな子供たち♪

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怖いものなし!最強カイリー


私が彼と出会ったのは、4年制大学に編入してすぐに、その大学の管轄下であるチャイルドケアで、新たに働き始めたころの事だ。

ニコール(上記参照)との別れを経て、また新しい場所で1から働きはじめると言う事で、不安でいっぱいだった。
子供たちはどんなだろう、どんなスケジュールなのか、先生たちはいい人か、などなど。。。

そして私が新たに派遣されたのが、Early Head Startと言うところで、
このチャイルドケアは他とは少し事情が違っていた。
ここには、低所得の家の子供、シングルマザーの家、ティーンエイジャーのママの子供、障害のある子供などが主で、
いわゆる家庭に問題のある子供たちが来る所だった。
政府がお金を出してくれているので、預かり代はもちろんの事、朝、昼と出る食事、おやつ、洋服、オムツなど全てタダ。
他にも色んなサポートが無償で受けられるのだ。

そんなところにカイリーはいて、初めて会った当時まだ1歳になったばかりでおしゃぶりをくわえっぱなしで、
私を、「誰だ、こいつ?」と言うような顔で見つめていた。
もう今では何と言ったか忘れてしまったが、私が何か話し掛けたとき、彼はすかさず「ふん!」と言い、
ものすごい勢いで私とのコンタクトを拒絶した。
その後もカイリーは愛想一つ見せず、ごくたまに機嫌のいい時だけ、その可愛い笑顔を垣間見る事ができた。

そしてカイリーが2歳になった時、彼も私にだんだんと心を開いてくれるようになった。
そして持ち前の好奇心でどんどん色んなことを覚えてゆき、もちろん私の名前もしっかり覚えてくれ、色んなことを話せるようになった。
しかし苦労はここからだった。

それからさらに月日は流れ、カイリーはついに、クラスで一番年上となったのだ。
そうなってくると、今まで自分より年上の子供にこき使われていた彼も、自分が一番上であるということを認識し始め、
ものすごく威張るようになっていった。
まだ小さな彼より年下の子供たちは子分と化してゆき、カイリーも彼らをいい様に利用するようにまでなった。
気に入らない事があるとすぐに暴力を振るい、さらにはそれを注意する先生にまで手を出す始末。
何でもかんでも自分の思い通りにならないと気がすまないのだった。
私も何度もカイリーを注意をしたり、他の子に手を出さないようにずっと彼に付きまとっていたり、毎日かなり手を焼いた。
すごい2歳児であった。

しかし、私はそんなカイリーが好きだった。彼はものすごく頭が良く、私とも色々話をする事ができた。
時には掃除などを手伝ってくれたり、一緒に走り回って遊んだりもした。
カイリーもいつも私の名前を呼んで、小さな子供たちよりももはや私と一緒に遊びたがった。
みんなそれを見て、「カイリーはもっと大きな子どもたちのいっぱいいるところに行く準備はとっくに万全のようだわね!」と言っていた。

そしてカイリーも3歳を迎え、ついにここのチャイルドケアセンターを去らなければならない日がやって来た。
彼はそれまで毎日のように、「もう僕はビッグボーイなんだ!もうすぐ新しい学校に行くんだよ!」と言っていて、
新しい学校に行くのが本当に楽しみのようだった。
なので、最後の日になっても、彼は分かっているんだか、分かっていないんだか分からない様子のまま、
いつものように「バーイ!!」と言って去っていった。

今ごろは、プリスクールで自分より年上で大きな子供たちに囲まれて、どんな生活を送っているのだろうか?
相変わらず威張りんぼうなのか、それともおとなしくやっているのか、それが気になる今日この頃だ。

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