CONTAX SL300R T*
勝手にインプレッション
エンゾーには良くあることだが、完全に見た目優先で買ったツールの一つである。なにせ、凡百のデジカメとは一線を画すクールなデザインで、その上チタンボディに本革張り、極めつけはT*レンズ搭載と来たもんだ。こう聞くと、なにやら10年以上前に流行ったコンセプトを思い出すが、とにかくCONTAXの名は伊達ではない。
はっきり言ってしまえば、性能は大したことないカメラだ( ̄▽ ̄;)。発色やシャープネスはなかなか良いが、ディストーションが目立ち、白飛びも盛大だ。全般的にコントラストが高い写りをする。
暗いところでAFがまったく合わないのは、このクラスのカメラだから仕方がないとしても、バッテリーの持ちの悪さはかなり辛い。フラッシュを多用しようものなら、ものの20枚も撮らないうちにバッテリーマークが点滅し始め、ほどなく電源が落ちてしまう。すさまじい大食いカメラである。50球肩のリリーフエースのようなものか。
一方で、使い勝手そのものは良好だ。とにかく、起動時間が短くすぐ撮影に入れる。ズーミングの動作、再生モード切り替えともに軽快で、テンポよい撮影が出来る。オペレーションに関しては、本当に良く考えられたカメラである。
また、このサイズでスイベル式と言うのはなかなか使いやすい。ちょっとしたメモ程度なら、まったく不満のない性能を持っている。記憶媒体はSDメモリーカードなので、*ist Dsとのコンビならカードを共有できる。
このカメラの最大の長所は、そのスタイリッシュなデザインに尽きる。このくらい所有欲を満たすデジカメを世に送り出したメーカーが、既にカメラ部門から撤退してしまったことは非常に残念な限りだ。
そういう意味で、このSL300Rは、CONTAXらしさを凝縮した京セラ最後の忘れ形見と言えるかもしれない。
長所
○コンタックスお得意の「チタン・黒塗装・本革貼り・T*」無敵の4段コンボ。
一部のフリークにとっては、これだけですでに反則気味。性能の陳腐化が激しい
コンパクトデジタルカメラで、あえてこれをやったところに意味がある。
○一切の無駄がない、骨っぽく洗練されたデザイン。さながらステーショナリー。
○なかなか味のある写りをするレンズとエンジン。T*の名は伊達ではない。
○使いやすいスイベル式。
短所
●とにかく恐ろしいまでに電池が持たない。メインで使うなら、バッテリーを
複数持つこと。
●表面に使用しているのが本革だけに、経年変化でテカテカになりやすい。
●樽型のディストーションがかなりキツイ。直線の多い被写体には不向き。
●(このカメラに限った話ではないが)暗い被写体では全く役に立たないAF。
超個人的オススメ度
(10点満点)
☆☆
偏愛度
(10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆
Yahooオークション出現率
(10点満点)
☆☆☆☆
*限りなくお勧めしにくいカメラだ。というか、既に新品では入手不可能だが。