EP82スターレット・サーキット走行最高! 警察は?( ^ ^ ;

EP82スターレット・サーキット走行最高! 警察は?( ^ ^ ;

その29-1以降



お待ちの方、新シリーズの連載開始です!
今回は警察の不祥事に焦点を当てます。

わいせつ警官についての記事 をご覧下さい。

神奈川県警といえば、不祥事が多いことで有名のようです。
その26シリーズで私を検問したのも神奈川県警でした。

戸部署も神奈川県警の一部でして・・・

『   戸部暑事件
 「誤射」か「故意」か
 一九九七年十一月八日、神奈川県戸部暑の取調室で、銃刀法違反容疑で取り調べを受けていた金融業者(五十五歳)が左胸に銃弾を受け、移送先の救急病院で死亡した。当初は県警から「容疑者が署内で自殺した」と発表され、そのまま収束するはずだった。しかし、遺族が「自殺の理由はなく、死因は警官の誤射である」として、九九年二月に慰謝料などの支払いを求める民事訴訟を起こした。もともと署内では「取調室内でロシアンルーレットをしていた」という噂もあった。

 九七年十二月二十五日には関係者の処分が発表されたが、事件当時の取調官である戸部暑巡査部長・長谷川行雄(五十三歳)と、拳銃を取調室に運んだとされる警部補(三十八歳)は「戒告」、署長・永田榮重が「本部長訓戒」、副署長・土屋昭三が「所属長注意」、刑事課第二課長・田場川義昭が「所属長訓戒」と、人が一人死んでいるにもかかわらず、いずれも異常に軽い処分であった。
 また、遺族は二〇〇〇年三月、事件当時に被害者と二人きりだったとされる巡査部長の長谷川を特別公務員暴行陵虐致死罪で告訴したが、横浜地検は同年十月に却下した。長谷川は現在も県内某署に勤務している。
 そして、民事提訴から二年九ヶ月を経た〇二年十一月二十二日の横浜地裁判決では、被害者の死亡原因を「(自殺ではなく)警察官の誤射あるいは暴発による死亡」と断定、神奈川県警側の証拠隠しなどの隠蔽工作を厳しく非難し、九百二十万円の請求に対して五百万円の損害賠償を命じた。判決の三日後に県(県警)側は控訴し、二〇〇三年現在も係争中である。』(「警察官の犯罪白書」宮崎学著・幻冬舎のP145~P146より)

判決で警察官によって被疑者が死亡したことを認定しています(警察シリーズその19を参照)。

こういったことは果たして通常的なのでしょうか、例外的なのでしょうか。
また警官のわいせつ行為は通常的なのでしょうか、例外的なのでしょうか。

これについて・・・


その29-2

警官の不当行為はノルマのための(=道交法の目的を無視した)ものから
私達の命を奪うことまでさまざまありますが、通常的だと思います。
これは今までのブログ内容でも、ニュースなどからでも明らかと言えるでしょう。

公務員の不祥事についてのサイト で神奈川県警が他県よりダントツに件数が多いのも気になりますが・・・。

わいせつ行為についても通常的だと思います。
そう思う根拠はですねぇ~・・・・・

『 福岡県の女性センターで、九〇年四月に「警察の性暴力を考える」集会があった。筆者の講演のあと、会場から次のような発言があった。
「ある日の夜一〇時頃、仕事の帰り道で、痴漢にあった。突然、うしろからおさえつけられたので抵抗すると、男が殴りかかってきた。『ギャー』っと大声を出したら男は逃げて行き、私自身はその程度で終わった。しかし、その道は一〇時近くまで塾帰りの生徒たちが通る道なので、女子生徒が被害を受けてはいけないと思い、その足ですぐ福岡西警察署に届けに行った。
『痴漢にあった』というと、応接室に通された。きちんと、その時の状況等をきかれるものと思ったが、そうではなかった。『何があったんだ』『何をやられたんだ』 とニヤニヤしながら、大勢の警察官がゾロゾロ応接室に入ってきた。帰ろうとしていた非番の人も、ひやかしに入って来た。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P56・P57より)


その29-3

「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P57のつづきです。

『『どこをさわられたの』。あっちか、こっちかと言いながら、卑猥なことを口々に言い、手を出してくる。そうかと思うと『やられたあんたにスキがあったんだろう』と、まるで私が悪かったようなことを言い、殴られた話などまともに聞こうとしない。警察官たちは単にポルノ的な興味で私をからかいに集まってきたのだ。不愉快な気持ちでいると、一人の警察官が『こんなことされたんだろう』と、スカートの中に手を入れてきた。まわりの警察官はみんなニヤニヤしていた。私は怒りでカーッとなり、その人の手をひっぱたいて、抗議して帰って来た。警察というのは、こういう体質なのだ』
『 痴漢にやられて警察に飛びこんだら、警察官がみんな痴漢だった。
「警察がこんなところだったら、レイプを訴えた人たちは、どんな扱いを受けているんだろう」と彼女は言う。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P57より)

これって私が遭遇した状況と似ている部分があります。

「あなた、免許証持ってるの?」「ちょっと見せてよ。」 と言いながら、警察官たちがゾロゾロと私を囲んだ。「ねぇよ、バカだな、そんなこと言ってんじゃねぇよ。」と、まるで私が悪かったようなことを言い、こちらの言うことなどまともに聞こうとしない。不愉快な気持ちでいると、一人の警察官が「疑い十分な疑いだよ、ほら、顔・・・」「その顔。」と、言ってきた。まわりの警察官はみんな「ふふっ(笑)」と笑った。私は怒りでカーッとなり、警官達の行動をムービーで撮影し、、県民広報課に抗議の電話をして帰って来た。警察というのは、こういう体質なのだ。

やっぱり通常的であることを感じます。


その29-4

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P151の内容をどうぞ~。

『 留置場の中の管理や、留置される人の処遇を細かく定めた「被疑者留置規則実施要綱」の中に、身体を調べるにあたっては「はだ着を脱がせない限度で行うものとする」と明記されている。全裸にして体内まで調べてよいとは、どこにも書いてない。
 刑事訴訟法は、身体の検査は、裁判官の発布する身体検査令状によらなければならないと規定している(第二一八条)。ただし、裸にしない範囲、つまり被疑者の指紋をとったり、足型をとったり、身長、体重の測定、写真の撮影などをするぶんには、令状はいらない(同条二項)とされている。
 ということは、被疑者を裸にして検査するためには、身体検査令状が必要だということだ。だからこそ、留置規則でも「はだ着を脱がせない」ことになっているのだ。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P151より)


その29-5

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P151からの内容をどうぞ~。

『犯罪捜査規範では、「女子の任意の身体検査は行ってはならない。ただし、裸にしないときはこの限りでない」と定めてある(一〇七条)。これは、女性のほうからすすんで「あたしを裸にして調べて下さい」と言ったとしても、やってはいけない、裸にしないのならよろしい、ということだ。
 ところが、日本全国どこの警察署も、逮捕した人を裁判所の令状もなしに、ほとんど好き勝手に半裸または全裸にし、ある時は屈辱的なかっこうを強要して調べているのが実態なのだ。理由をきけば「規則だ」とウソをつく。
 警察は、何も知らない被疑者をだましてでも、脅してでも裸にする。被疑者の誇りや名誉を徹底的にはぎとり、屈服させ、権力のみせしめをするには、裸にするのがもっとも効果的だということを、彼らはよく知っているのだ。

一歩入っただけで拷問

 拘禁されている人の処遇について、国連で定めた「国連被拘禁者処遇最低基準規則」は、男性の看守が女性を監視することを禁じている。
 日本には全国で一二五七の留置場があるが、そのうち女性看守のいる女性の留置場はわずか七ヶ所しかない(九〇年二月現在)。その七ヶ所でも、さまざまな性的屈辱を受けるのだが、男性看守の一二五〇ヶ所の留置場では、さらに何倍もの屈辱を受け、強制わいせつや強姦の危険にさらされることになる。
 女性を性的興味の対象にして、からかったり、いやがらせをしてもてあそび、おもしろがるという、警察官や看守の個人レベルの質の悪さや残虐性だけでなく、日本の留置場は制度そのもの、施設、設備そのものが性暴力的、非人間的にできているので、一歩、この中に入ったら、それだけで精神的拷問、性的拷問を受けることになる。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P151~P153より)


その29-6

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P153からの内容をどうぞ~。

『特攻警察なみの野蛮さ

 こうしてみると、日本の警察がどんなに民主主義を装っていても、その中身は、戦前、戦中の特高警察の暴力性や野蛮さが、そのまま残っていることがよくわかる。特高警察の変態性欲者によって、女性たちが残忍な性拷問を受けてきた歴史は、まだ変えられていない。
 世界人権宣言・第五条に「なにびとも、拷問または残虐な、非人道的な、もしくは屈辱的な取扱い、もしくは刑罰を受けることはない」と明記されている。
 国際人権規約B規約、一〇条一項は「自由を奪われたすべての人は、人道的に、かつ人間の固有の尊厳を尊重して扱われる」と規程している。
 日本国憲法・第三六条には「公務員による拷問、および残忍な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めてある。もちろん、基本的人権の保障、法の下の平等がうたわれていることは言うまでもない。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P153より)


その29-7

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P153からの内容をどうぞ~。

『国連で批判された日本の留置場

 警察官は、犬や猫をひろってくるように、いとも簡単に不当逮捕をし、罪をデッチ上げるが、彼らは罰せられることはない。
 看守は、ふたこと目には「規則だ、規則だ」と、規則にないことまで強要し、非人道的、屈辱的な扱いをする。立ったり、動いたりという狭いオリの中に残された最後の自由までも奪う残虐なことも、「規則だ」として当然のように行なう。
 しかし警察みずからは、憲法も法律も、規則も、国際的な約束ごとも守らないのは、どういうことなのか。
 八八年の国連・人権小委員会で、日本の留置場のこうしたやり方が批判された。逮捕した人を、警察の留置場に何日も入れておいて取調べをする(代用監獄制度)国は、世界中の先進国のうちでは、日本だけだ。
 逮捕した人を警察の手元において、警察の好き勝手に取り調べをさせたら、人権侵害がおきることは、世界の常識なので、日本が現在もなお、こうしたやり方を行なっていることに、世界の人々は驚いたようだ。
 では、どうしたらよいのか。逮捕した人を警察とは管轄のちがう、法務省の拘置所に入れることが、近代法の原則なのだ。そうすれば、警察による人権侵害はずっと減るだろうし、犯罪のデッチ上げも減るだろう。
 女性被疑者は、すぐに女性看守のいる拘置所に移されるならば、性的屈辱や性的恐怖からのがれることができる。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P153・P154より)


その29-8

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P155からの内容をどうぞ~。

『女性の身体検査を男が

 国際的にも、国内的にも、前近代的な代用監獄制度の廃止の声が高まっている中で、信じがたいことに、法務省と警察庁は、警察の留置場(代用監獄)を恒久化させ、今までどおりの人権侵害のやり方を、半永久的に続けることをもくろんでいる。そればかりでなく、今まで以上に留置場や、他の拘禁施設のしめつけを強化しようとしているのだ。それが拘禁二法案だ。(詳しくは『留置場 女たちの告発』参照)。
 さらに信じがたいことに、その拘禁二法案では、女性の身体検査(裸体検査を含む)を、男性の警察官がその場で指揮することを認めている。
 前述したとおり、現在の法律では、警察は令状がなければ裸の検査をすることができない。実際にはやっているのだが、これを違法だとグズグズ言われないように、拘禁二法で法的な根拠をつくってしまおう、さらに、男の警察官も女性の身体検査を自由にできるようにしよう、というのだ。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P155より)


その29-9

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P155からの内容をどうぞ~。

『アメリカ女子大生を全裸にした巡査部長

 朝日新聞によると、東京・池袋で買い物をしていたアメリカ人の女子大学生が万引きの疑いをかけられ、警視庁・池袋警察署で取り調べを受けた。
 その際「猪口逸夫巡査部長ら二人の男性警察官に調べられたが、二人の見ている調べ室の中で『入れ墨と覚せい剤の有無を調べる』と、別の女性に下着までぬがされた。Aさんは抵抗したが、全裸のままで前かがみの姿勢にさせられた。
 その後、ズボンとセーターだけを返してもらったが、下着類は返してもらえないまま、十六日午前一時まで調べを受けた。が、万引きについての調べはなく、趣味などについての質問を受けただけで、調書と思われる白紙約十枚に指紋を押させられ、このさい左手に軽いけがをした。
 調べのあと釈放されたが、猪口巡査部長は自宅に送ってくれる車の中でAさんの肩にふれたり、ひざにもたれた。翌十六日、猪口巡査部長からAさんに電話があり、『忘れていった手帳を返すから新宿へ来ないか』といわれたが、友達にいってもらった、という」(朝日新聞・七六・一〇、三〇、朝刊)。
 Aさんは、白紙調書の証拠保全を請求、東京地裁はこれを認め、提出を命令したが、池袋署は拒否した。また調べに当たった警察官を特別公務員暴行りょう辱、強制わいせつ容疑で、東京地検に告訴する旨、報道されている。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P155・P156より)


その29-30

つづけて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P156からの内容をどうぞ~。

『池袋警察署長の話は、「身体検査は近くの病院の看護婦を呼んできて立ち会ってもらった。後ろ姿しか見えず、机で下半身は見えない位置から看護婦に指示して検査してもらった。女性は隠す場所が多いので、下着をとらせたりすることはあるが、通常の女性に対する検査と同じだった。」(同)(傍点は筆者)』

※ 傍点を表示できませんので、傍点は省略してあります。

『Aさんは万引きを否定している。しかし、たとえ認めたとしても「入れ墨云々」で男の前で全裸にし、さらに下着を取り上げるなど、許されることではない。法も人権も、女性のしゅう恥心もなにかも無視しきったやり方を所長は「通常の検査」だと認め、「猪口君に落ち度はない」(同)と言い切るなど、警察の性暴力体質を、自ら証明して恥じない。
 二畳ほどの取調べ室で、どれだけの女性が「通常の検査」を受け、屈辱を味わってきたのだろうか。Aさんは訴えたが、犯罪のあった人は、何をやられてもやられっぱなしだろう。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P156・P157より)



その29-30

続いて「長野全裸身体検査・強制採尿事件」について紹介します。
「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P251からの内容をどうぞ~。

『一、 事件概要

 長野市内に住むA子さん(現在三七歳)が長野県を被告として長野地方裁判所に対し国家賠償事件の裁判を提起してから二年余りが経過した。この裁判は、A子さんが警察の留置場のなかで警察官から受けた不法行為について賠償を求めているものである。
 A子さんが警察で受けた仕打ちを説明すると次のとおりである。A子さんは一九八八年(昭和六三年)二月二日午前一時ころ、仕事先に飲食店から偶然に自動車で帰宅する途中、無免許運転の現行犯として逮捕され、そのまま最寄りの長野南警察署に連行された。逮捕は生まれて初めてのことであった。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P251・P252より)



その29-12

「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P252からのつづきの内容をどうぞ~。

『Aさんは署内にある身体検査室という小部屋に通され、夫人補導員から理由も言われないまま、全裸になること(警察署備付けの浴衣は上から羽織っていた)、生理用品を体外に取り出すこと(A子さんは偶々生理中であった)、股間を開いて膝を上下に屈伸することを次々に命じられた。A子さんは初めは抗議し拒否したが、「決まりだから。規則だから」と聞き入れられず、耐えがたい屈辱感を味わいながら、意に反してこれらの命令に従わされた。さらに、その九時間後に理由も告げられないまま採尿するよう命じられ、これにも抗議したがやはり聞き入れられず、意に反して採尿を強いられた。そして、無免許運転に関する定型的な通り一編の調べが済み、逮捕以来三八時間ぶりに釈放されたのである。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P252より)


その29-13

「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P252のつづきの内容をどうぞ~。

『A子さんが長野地方裁判所に訴えを提起したのは一九八八年三月七日であった。そして、今日までに合計一四回の裁判が開かれ、その間に長野南警察署防犯課長、長野南警察署防犯課婦人補導員の二名とA子さん、その夫の合計四名の証人調べがすすめられた。
 裁判のなかでの警察側の態度は、本件で警察のおこなった全裸の身体検査と強制採尿を絶対に合法化しようという目的のためには、手段をいっさい選ばないという凄まじいものである。警察は何が何でも絶対に合法化しようと目論んでいるのである。したがって、警察の主張の内容はいずれも事実を歪曲し悪事を糊塗しようとするものであり、警察のあるべき立場とは正反対と言わなければならない。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P252より)


その29-18

「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P255のつづきの内容をどうぞ~。

『 ところが、警察は右の刑事訴訟法、犯罪捜査規範の規定は、被疑者を取り調べる際の定めであって、被疑者を留置する場合には無関係であり、施設管理権で当然に身体検査できるのだと主張している。しかし、被疑者を調べる場合も被疑者を代用監獄に留置する場合も、どちらも立ち会うのは警察である。一般人には区別はつかない。ここからここまでが取り調べで、ここから先は留置だと決まっていても、普通の人はなんのことか分からないであろう。どちらも警察という密室のなかでのことだからである。
 身体検査に関して、被疑者を取り調べる際に厳格な制限を設けていることは、留置の際にも基準とされなければならないのは当然である。取調べの際には身体検査ができないとしても、留置する際に身体検査をすることによって脱法的に目的を達成することが容易にできるというのでは明らかにおかしい。全裸身体検査が厳禁されているというのは、調べの場面だけでなく、留置の場面にも当然に当てはまると言わなければならないのである。
 もちろん、A子さんが自殺や自傷、逃走するおそれなど全く存在しなかった。無免許運転で現行犯逮捕された三人の子持ちの主婦が子供を置いて自殺するであろうか。殺人などとちがい、無免許運転で現行犯逮捕された者がたとえばカミソリ刃のようなものを肌に密着させて持っていることなど考えられない。ましてや、生理用品を体外に排出させて、屈伸をさせる必要があったとは到底いえない。この意味でも、本件身体検査は全く違法と言わねばならないのである。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P255・P256より)


その29-19

「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P256のつづきの内容をどうぞ~。

『四、県警本部長が強制採尿を指示

 本件のもうひとつの争点は、覚せい剤使用の犯罪の嫌疑がないにもかかわらず、A子さんが無免許運転の罪で逮捕されたときに、覚せい剤の件で警察が採尿をおこなったことの違憲性でさる。
 このことは、長野県警察本部が覚せい剤の検挙率を向上させるために、『逮捕者原則全員採尿』の方針をもったことが発端である。長野県警本部は一九八八年一月八日に年頭の県下警察署長会議を行い、その席上県警本部長が覚せい剤事犯摘発に向けて逮捕者原則全員採尿の捜査方針を確立した。そして、さらに、同月十九日に県下防犯課長会議において、『警察本部長訓示』なる文書を示して、この逮捕者原則全員採尿の方針を長野県下の各警察署に徹底した。この県警の方針にしたがって長野南警察署がA子さんに対し強制採尿を実施したのである。
 裁判の当初、警察側は右本部長訓示なる文書を明らかにすることを堅く拒否していた。A子さん側が警察側に対して提出を強く要求したにもかかわらず、全く応じなかったのである。ところが、裁判の進行のなかでその存在が明白なものとなるや、乙号証として提出せざるをえなくなった。そこには、「諸君(防犯課長らのこと)におかれては、覚せい剤犯取締りの現場の責任者として、刑事課、交通課等とも連携を図り、他部門で逮捕した被疑者であっても、必ず採尿鑑定を実施すること」「本年は殊に警察署別の検挙目標を示してありますので、検挙者が全く無かったというような結果にならないよう、捜査士気能力を高め、課長としての責任を果たして欲しい」と記載されている。無免許運転をしたにすぎないA子さんにたいしても採尿を実施せよというのがその狙いである。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P256・P257より)


その29-21

「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P257のつづきの内容をどうぞ~。

『 また、警察側はA子さん側の執拗な要求によって、ようやく新聞などで報道された数字に限ってこれを認めるに至った。警察側が認めた数字は「昭和六三年一月一日~三一日までの逮捕者七一人中一八名が採尿、同年二月一日~二〇日までの逮捕者
六三名中三一名が採尿、同年二月二一日以降は逮捕者三四名中三名が採尿」というものである。この数字によれば、二月一日から二〇日までの間の実績は四九・二一パーセントにも達するが、これは日別、警察署別にすれば、一〇〇パーセント(逮捕者全員から採尿していること)に近い場合があったことを想定させるものである。また、新聞などを通じて社会的に問題とされた二月二〇日以降は激減しているが、警察が正当な捜査を続けていたのであれば、このような減少傾向が生ずるとは思われない。
 結局のところ、嫌疑がなかったにもかかわらず県警本部の指示にもとづいて強制的に採尿を実施したことは、警察側が認めた僅かな資料からももはや明白になったと言わなければならないのである。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P258・P259より)


その29-22

つづいてページが飛びまして、「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P107の内容をどうぞ~。

『信じられないくらい恐ろしい所

 アメリカ人のデボラ・ウィリアムズさんは、日本の法律や習慣の違いをよく知らず、わずか一〇グラムのマリファナを、軽い気持ちで持っていた。アメリカでは、この程度のマリファナを、自分のために「持っていた」というだけで逮捕されることはない。まして、家宅捜索を受けることなどあり得ないことだ。
 が、日本では話がちがった。警察に通報した人がいて、八人の警察官に踏み込まれ、その場で逮捕された。
 一一日間、留置場に勾留されて保釈。裁判は無罪で争ったが、懲役三ヶ月、執行猶予一年の判決を受けた。
 有罪が確定してはじめて“刑”というものを受けるはずなのだが、判決の以前に、留置場という「信じられないくらい恐ろしい所で、拷問そのもの」の“刑”を受けた、とデボラさんは言う。判決以前に受けた警察による“刑”はデボラさん自信が裁判所から受けた“刑”の何十倍、何百倍も苛酷なものだった。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P107・P108より)


その29-23

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P108の内容をどうぞ~。

『「有罪が確定するまでは無罪の推定を受ける」という法の大原則が、日本では全く通用しない。権力側はもちろんだが、一般社会の人々も「警察につかまった人は悪い人=犯罪者=人権などない」という図式に疑問をもつ人は少ない。デボラさんは、そのことを“異常”なことだと指摘する

見せ物のように

 デボラさんの入れられた房は、男性ばかりの留置場のいちばん端。それも、最も入口に近い所なので、出入りする男たちに、いつも見られていなければならない。男の看守に二四時間監視される以外に、九~一〇人ぐらいの男の被疑者の視線にまでさらされなければならない。
 形だけは、目かくしのつい立てがあったが、キャスターがついていて自由に動かせるので、ほとんど役に立っていない。わざわざつい立てをどかして、覗きに来る人もいる。
「朝夕のふとんの出し入れ、洗面、入浴、取調べ、面会、運動と、そのたびに入れかわり立ちかわり、私の房の前をだれかが歩いているんです。トイレだった、ビクビクしながらつかわなければならないし、あの不快さや屈辱はことばで言い尽くせないです。まるで“見せ物”みたいにジロジロみられて・・・・・・」。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P108・P109より)


その29-24

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P109の内容をどうぞ~。

『SMまがいのポルノグラフィーを

 オリの中で、男たちにさらされる屈辱だけでなく、デボラさんは、ことばによる性暴力も受け続けなければならなかった。
「お尻を見せろ」「おっぱいを見せろ」「セックスしたい」「外人女」「名前は?」・・・・・・。
 男たちの卑猥な目つきとことばに怯える彼女に、一人の看守は更に鞭打つようなことをした。大声で男たちに彼女の名前と住所、電話番号まで教え、夜になると、ポルノグラフィーを彼らに配った。オリの中で男たちは、ワーワーと大喜びだ。それ以後、男たちは「デボラちゃんのお尻がみたい」「デボラちゃんとセックスしたい」等々、実名で聞くにたえないことばをかけるようになった。看守はSMまがいのポルノグラフィーを彼女の前につき出して見せ、反応を楽しむなど、勾留されている男たちと一緒になって、性的いやがらせを楽しんでした。「名前や住所を男たちに知られちゃった時は、息が止まりそうになりました。ここを出てからも、ヘンな人たちにつきまとわれたらどうしようかと、体が震えるほど恐かったです」』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P109・P110より)


その29-27

つづいて内容が変わりまして、「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P143の内容をどうぞ~。

『看守が規則違反の差し入れ

 静岡県・三島警察署の留置場で、看守が、中に入れられている女性を強姦するという事件が一九八八年五月に起きた。強姦した看守は看守係主任をしていた佐藤巡査部長。被害者は覚醒剤取締り法違反で逮捕、勾留されていたA子さん。
 佐藤巡査部長は、A子さんを強姦する以前に、三回にわたってA子さんにわいせつ行為をし、A子さんと同じ房に入って来たBさんにも、一回、わいせつ行為をしている。
 男ばかりの留置場の中の女子房に、A子さんは一人で入っていた。六人の男の看守が、二人一組で監視に当たる。夜は二人が交代で仮眠をとるので、深夜の看守は男性一人になる。
 真夜中に、訪ねて来る人もいないし、警察署内も全員が眠っている。巡査部長は、この時間を楽しみにしていたようだ。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P143より)


その29-28

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P143の内容をどうぞ~。

『 Aさんが勾留されると、巡査部長は規則では禁じられているタバコや食物等を差し入れし、親切な人という印象を与えた。覚醒剤使用の後遺症のため、夜ねむれないで困っていたAさんは、睡眠薬がほしいと、他の看守に願い出たが規則で入れられないと断られた。しかし佐藤巡査部長は、内緒で薬を入れてあげたりもした。
 洗濯などで、Aさんが房の外に出ている時など、Aさんの胸や腰をさわったりしたが、Aさんは不快さをがまんしていた。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P143より)


その29-29

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P144の内容をどうぞ~。

『逃げ場のないオリの中で

 逮捕されて九日目に、Aさんは起訴された。その夜、もらった睡眠薬を飲んで寝入っていたAさんは、夜中に突然ゆり起こされた。佐藤巡査部長が、差し入れ口から手を入れて、Aさんの体をゆすったのだ。差し入れ口は低い位置にあるので、まっすぐに手をのばせば体に届く。
 もうろうとしているAさんに、巡査部長はタバコをすすめる。Aさんがタバコをくわえると、次にライターに火をつけて、差し入れ口から左手で差し出す。Aさんはさがみ込んで、くわえたタバコを火に近づける。火がつくまでに何秒か、かかる。巡査部長は、そのすきにあいている右手を差し入れ口から入れて、すばやくAさんの下着の中につっこみ、陰部のあたりをまさぐった。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P144より)


その29-30

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P144の内容をどうぞ~。

『 その次の二回目は、巡査部長は、房のカギをあけて中に入って来た。寝込んでいるAさんの下着を脱がせ、陰部を嘗めたりした。気がついたAさんはびっくりしてはねのけようとしたが、巡査部長はAさんの手をおさえ、自分の性器をさわらせた。
 三回目は、Aさんをゆり起こし、Aさんの手を押さえて自分の性器にさわらせたり、前後に擦らせたりした。
 もちろん、二回目も三回目もAさんは抵抗し、声を出しているのだが、どうにもならないし、どうしていいかわからない。
 四回目にAさんは、とうとう強姦された。巡査部長は、抵抗するAさんを押さえつけて、Aさんの「陰部に勃起した自己の陰茎を挿入し、姦淫行為をなした」。(告訴状より・本書二八五頁)
 その時もAさんは声を出して抵抗した。しかし、声を聞きつけて助けに来る人もいないし、他の留置者に声を聞かれたところで、看守にとっては、何もこわいことはない。
 留置場という、逃げ場のない鉄格子のオリの中では、看守から痴漢行為の対象にねらわれてしまったら、何回でも被害を受け続けてしまうことになる。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P144・P145より)


その29-31

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P145の内容をどうぞ~。

『同じ手口でBさんにも

 Aさんは、覚醒剤ときっぱり縁を切って、自分の人生を新しくやり直したいと思い、三島警察署に自首して出たのだ。警察に行けば、自分の身をきれいにすることができると思ったAさんは、佐藤巡査部長の悪質な犯罪行為によって、身も心も踏みつけにされてしまった。
 Aさんは押さえきれない怒りを、どこにも持っていきようがなく、一人で耐えていた。
 そのことがあってから半月ほどして、同じ房にBさんが入って来た。四~五日すると、佐藤巡査部長はBさんに対しても、夜中に差し入れ口から手を入れ、Aさんに行ったと同様の手口でわいせつ行為をした。
 Bさんの下着に手を入れてさわり、さらにBさんの手を押さえて、自分の性器に触らせた。
 Bさんは、となりでぐっすり眠っているAさんをゆり起こした。自分が巡査部長にやられたことをAさんに話し、「あなたは今までにこういうことをされていないか、もしされているなら、はっきりさせた方がいい」と言った。
 一人で悔しい思いをしていたAさんは、そこですべてをBさんに話し、警察側に伝える決心をした。二人になって気強くなったAさんは、翌日さっそく、県警の捜査官に自分が受けたわいせつ行為と強姦について話した。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P145・P146より)


その29-33

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P147の内容をどうぞ~。

『まるで虫ケラのように

 Aさんは「悪いようにはしないから」と言われた翌日、突然、沼津拘置支所に移されてしまった。これだけひどいことをされたにもかかわらず、警察側から謝罪のことばさえ聞かされず、まるでやっかい払いでもするように追い出されたAさんの怒りと屈辱は、押さえようがなかった。まるで虫ケラのようではないか―。
 拘置所へ移った日の夜、Aさんは、タイツを首に巻いて自殺を図った。看守に発見され、命は助かったが、体の左半身がしびれた状態が続いた。
 Aさんが自殺未遂をした六月八日の夜、騒ぎが大きくならないうちに、と思ったのか、県警は佐藤巡査部長を、特別公務員暴行陵虐罪で逮捕し、同日付けで懲戒免職処分にした。その後、夜の九時三〇分という時間に、にわかに記者団を集めて異例の記者会見を行なった。
 発表の内容は、佐藤巡査部長がAさんBさん二人の被疑者に、単にいたずら程度のわいせつ行為をしたかのように、事実を小さくし、さらに女性の側にも問題があったような印象を与えるものだった。
 マスコミは警察の発表をそのまま報道した。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P147より)


その29-35

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P149の内容をどうぞ~。

『 警察内部の人間が、圧倒的に優位な立場を利用して、留置されている女性に性暴力をほしいままにするなど、人間のとる行為とは思えない、許しがたい行為だ。にもかかわらず、本人も警察側も、反省のひとかけらもみられない。謝罪どころか、もみ消しに失敗すれば、自分たちのメンツを保つためにウソまで言い、女性の方に悪い印象を与えようとする。まさに警察の体質を如実に示す事件であり、事後処理のやり方だ。
 佐藤元巡査部長は、二人に性暴力の手をのばしたことで、事件が明るみに出たが、もし慎重にAさんだけにしていたら、彼はいまだに看守を続け、新たに入ってくる女性を、次々に強姦していたかも知れない。ということは、Aさん以前にも、同じような被害を受けた人がいた可能性がある、ということだ。
 内部の犯行は、組織ぐるみで隠してくれるから、警察官は“安心してなんでもやっちゃう”のだろうか。逮捕した人には、何をやってもいいと思っているのだろうか。警察官としての誇りも責任も、倫理もない人たちが、犯罪を取りしまるというのだから恐ろしい。こういう人たちが「強姦事件」を扱うのだから、前章に記したとおり、加害者に甘く、被害者の女性にはポルノ的興味をむき出しにするのは必定だろう。』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P149より)



その29-36

つづいて「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P150の内容をどうぞ~。

『 三島警察署の留置場だけが、特別に強姦しやすい構造になっているわけではない。全国の一二五七の留置場のうち、七ヶ所を除いた一二五〇の留置場は、三島警察署と同じような構造で、男性看守が監視している。つまり、日本の留置場のうち、九九、五パーセントの留置場は、中の女性がいつ強姦されても不思議はないような造りになっているのだ。
 現に、留置場の中で強姦の恐怖を感じた、という声も多くある。
「夜は、看守が入ってくるんじゃないかと、気持ちが悪く、気が気ではなかった」
「朝起きてみたら、寝ている間にだれかが入った形跡があって、ゾッとした。こんなことでは何をされるかわからないと思い、それから夜が不安だった」(“だれか”といっても、カギを持っている看守しかいないのだが)
「いつ男の看守にカギをあけられるかわからない、という状態のところで寝るのは落ち着かない。寝ている姿を監視されるだけでも、気持ちが悪い」等々。
「アメリカ女性が受けたいやがらせ」(本書一〇七頁)のデボラさんのように、一晩中、怖くて一睡もしなかったという人もいる。房内に二~三人、女性がいる時ならともかく、女性被疑者が一人でいる場合は、毎晩、強姦の危機にさらされることになる。
 今回の三島警察署の事件は、氷山の一角んいすぎないだろう。(本書二八〇~八八頁・起訴状、告訴状を参照。『留置場 女たちの告発』参照)』

(「警察官の性暴力」手塚千砂子編著、三一書房、P150より)

つづく









※  GTの別HP では、参考書籍について紹介しています。役に立つものばかりなので、是非読んで見てください。


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