July 22, 2011
XML
カテゴリ: 未来社会の構造
●今話題の原子力に関連して、エネルギーに関しては、次のようなことが書かれている。

産業時代は、化石燃料の時代である。……
脱産業社会のHEヴィジョンは、原子力が、既存の、更新不可能なエネルギー源を着実に代行すると想定する。このような社会は、したがって、中央集権化するだろう。……
<自身の仕事>が規範であるSHEヴィジョンにそって私たちが瞼に描く方向の転換は、しかしながらエネルギーの調達と使用そのほかすべてにおいて、もっと”脱”中央集権的で、自己依存的な社会をめざす方向である。エネルギーの効果的な使用と保存が、その消費を、したがってその必要を減らすだろう。太陽熱や風力といった、更新可能なエネルギー源の開発が、原子力開発を必要ないものにするだろう。


●従来の経済学の問題点として次のようなことを述べている。

従来型の経済思想は正気ではない、人道的ではない、エコロジカルではないとする表明が、ますます大きな関心になっている。それは、人間の必要をみたす多くの有用な仕事、ことに非公式の仕事を無視している。それは、社会正義の価値を無視している。そしてそれは、地球とその資源を保存する価値を無視している。

新古典主義のエコノミストたちは、前述のように、実質価値と自然価格の探求を捨てた。その代わり彼等は、市場価格の研究に集中した。……これが自動的に彼等の関心領域を、公式経済(そこでは価格が作用する)と、有給の仕事と、貨幣にささえられた「需要」にかぎることになったのだ。それが、労働付加のない自然資源を保存する必要可能性の問題ばかりでなく、モノとサーヴィス--効用、使用価値、満足感--を直接に自分自身とおたがいに供給する、非公式経済の無給の仕事についての問題をも、経済学から除外してしまったのだ。

貨幣システムの改革と経済思想の概念的基礎の変化が、したがって、私たちが新しい未来の仕事に従事しようとし、それを評価する新しい方法を展開しようとするにつれ必要になるであろう、2タイプの変化である。

マネーが、後期産業社会で、中世後期に宗教が演じた中心的役割を演じている。当時、地方の教会は、ほとんどの村でもっとも目立つ建物だった。今日、いたるところの大通りで一等地が、銀行、住宅信用組合そのほかの金融関係の支店に占領されている。

●SHE未来観について、もう少し具体的な記述を紹介する。

SHE見解は、雇用から自身の仕事へのシフトが重要なトレンドになる未来だが……雇用と失業、仕事と余暇のはっきりした選択区別が、しだいに、フルタイムの雇用ばかりでなく、パートタイム雇用、自己雇用、不定期や臨時の雇用、協同組合やコミュニティの仕事、ヴォランタリーな仕事、ドゥ・イット・ユアセルフ活動、生産的なレジャーをふくむ仕事と有益な活動の、弾力性ある広範な選択肢でおきかえられる、脱雇用社会を瞼に描いているのである。この自身の仕事へのシフトは、直接購入するか公費で支払われるかするモノとサーヴィスへの依存を減らすとともに、自助、相互扶助、世帯や地方単位の自給自足をめざすシフトをふくんでいる。HEヴィジョンとは対照的に、SHEヴィジョンは、こうして”無給”活動が”有給”活動を一部代替することを、したがって私たちの生活でのマネーの役割の一部衰退を予想する。それはまた、無給の仕事が今日より高く評価され、その結果、雇用と収入の現在の結びつきが、むしろいくらか弱まるだろうと予想する。

●SHE未来観に基づく改革の方向性を次のように述べている。

この所得と仕事の結びつきの弱まりは、失業や社会保障手当て、そのほかの譲渡給付の今日の資格基準をひろげることによっても達成されるだろう。今日では、これらの給付は。仕事から充分な所得のない特殊な人びと--たとえば年金生活者、失業者--に所得を供しているが、この譲渡給付システムが、なにか仕事をしているとしても、その仕事に関係なく、すべての市民に無条件にGBIを支給するよう拡大されるだろう。

……貨幣システムと金融システムは、社会でもっとも効果的な社会選択のメカニズムのひとつでありうるし、あるべきである。人びとにその資格に応じて公明正大に購買力を配分し、彼等にその選択に応じてそれをつかう自由をあたえる勘定システムであり、資金と投資をもっとも必要なところに配給する配分システムでありうるし、あるべきである。実際には、それがとんでもないことになっている。

結局のところ、HE未来への移行にともなう政治の隊列組替えは、疑いもなく、資本集約的な経済を意図し、計画し、管理し、運営する少数者と、彼等が供給するモノとサーヴィスへの依存者であり、余暇ある消費者たる大多数とのあいだにもちあがる、社会の分裂を反映しているにちがいない。新しいラインアップは、一方で二大生産要素--熟練した管理・技術労働者および資本--の利益を代表する政治家と、他方で消費者と福祉と環境の利益を代表する政治家のあいだにあるだろう。

真の問題は、過去40年以上にわたって発展した後期産業社会での、仕事と所得のリアリティの偽りの知覚である。おおかたのひとが基本所得を得るノーマルな方法は、職についてそれを稼ぐことであるはずだという時代遅れの知覚から、あらゆる市民に充分な基本所得を提供する義務を解放するときが来ている。いいかえれば、金持ちも貧乏人も、男も女も、老いも若きも、あらゆる市民が、国家から、毎週、自動的に基本所得をうけとる無条件の<保障基本所得>を導入する時期である。

(1) 最低生活水準にそなえるため、すべての市民は、各人の銀行口座または〒振替口座に、週間個人基本所得を払い込まれる。子供、年金生活者、身体障害者には、特別レートが適用される。この無条件の基本所得が、現行の手当て(=社会保険、保障による給付金)、補助金、課税控除のおおかたを代替する。これは課税対象外となろう。
(2) すべての市民は、その基本所得に上積みするため、有給の仕事に従事する自由をもつ。基本所得をこえる所得はすべて、課税対象となるだろう。
(3) 所得税収入、プラス現行の課税控除対象や補助金や手当ての廃止による節約分、およびそれらの管理コストの低減が、たぶん付加価値税(VAT)といった消費税のいくらかの増大と合算されて、基本所得の財源になるだろう。


●…と述べ、ベーシック・インカムについての様々な賛成論と反対論についても詳述しているが、割愛する。現在、日本で行われているような種類の議論が、既に要領よく整理されている…とだけ述べておこう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  July 22, 2011 12:29:11 PM
コメント(0) | コメントを書く
[未来社会の構造] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

廣田和夫@ Re:未来社会(08/20) 「不老長寿の社会」については、以前下記…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: