北陸のお城。


ひとり旅を始めた頃の写真で、本当の記念撮影という感じでお見せするのも恥ずかしいのですが・・・。


福井城
こちらは福井城。
福井城は天守閣などは焼失しており今は内堀が残っているのみです。
現在の本丸には福井県庁や県議会館、県警などのビルがそびえたっています。
私はこの姿を見てがっかりしてすぐにその場を立ち去りました。
なんでわざわざ昔の遺物の上に県庁とか立てるんですかねぇ。
あのアンバランスさは見ていて物悲しくなります・・・。

そこを立ち去った私は、潮岬で200ヶ所以上も蚊に刺されたかゆみをどうにかしようと薬屋を探しました。
昔ながらの薬屋をみつけて扉を開けるとそこでは60くらいのおばさんが店番をしていました。
おばさんは私の足を見て気の毒がってスプレータイプのかゆみ止めを出してくれました。
そしておばさんと世間話になり、おばさんは最近急にガンがみつかってそのまま亡くなった娘さんの話をしてくれました。
おばさんは泣きだすし、私もそれにつられて・・・。
そんな異様な雰囲気の薬屋にひとりの男性客が来て、「すみません、新しく出た養毛剤置いてます?」と。
私たち二人の目線は男性の頭部へ。
しかし特に問題はないようです。
そしておばさんはすぐに気持ちを切り替え男性客の相手をし、私は静かにその店を出ていきました。
あの時の気分はなんだかへ~んな気分でしたねぇ。
ちなみにあの頃はちょうど、今となっては有名な「リアップ」が発売された頃でした。


石川門
こちらは金沢城。
加賀百万石の名にふさわしい壮大な規模の金沢城ですが、現在は建物のごく一部が残るのみです。
写真は兼六園と空掘を隔てる石川門前で撮ったものです。
日本三名園のひとつ、兼六園。
どんなもんかと行ってみましたがやっぱりいい。
あれを自分の庭として持っていたお殿様、うらやましいなぁ・・・。
城内は少し前まで金沢大学のキャンパスとして使われていましたが、
今は公園になっていてがらんとした雰囲気です。

私が行ったのは夏の暑い最中。
堀の一番高いところから金沢市内でも眺めようかと公園内を歩いていると、
「あなたは真面目な観光客と見受けられる。金沢城について説明して差し上げたいがお時間は?」と1人の中年男性に話かけられた。
「真面目な観光客???」「この時代風なしゃべり方は???」
よく分からないが、金沢城については詳しいパンフレットなどもなくちょうど気になっていたので話を聞くことにした。
その男性は金沢市に住んでいながら金沢城のことをよく知らなかったので、自分でいろいろ調べたそうな。
そして私に手書きのパンフを渡し、熱心に説明するだけ説明して、満足そうに次の真面目な観光客を探しに行った・・・。
あの暑い炎天下。
本当に金沢城のことを愛しているのだろう。
その時その男性は二の丸が復元される計画があるとうれしそうに話していたが、
現在五十軒長屋というものが当時の工法で再現されたらしい。
100年後の国宝指定を目指して。(気の遠い話だ・・・)

富山城
こちらは富山城。
変な顔していてごめんなさい。
この私の後ろにちっちゃく見えるのが復元された天守閣です。
富山は市電のある、近代化されつつも落ち着いた街です。
特に富山城に興味があった訳ではなかったのですが、
当時私の勤めていたデイサービスセンターに富山出身の盲目のおじいちゃんがおり、
その方に何か昔のことを思い出してもらって楽しく会話したいと思い、話題を作る為に行ってみました。
こんなこじつけの富山城散策でしたが、おじいちゃんは、
「小さい城だったろ?あんな城行ってもしょうがない。ハハ。」と、とてもうれしそうでした。
やはり自分が育った場所というのは懐かしいものだし、
誰かにそこを興味を持って訪れてもらえるというのはうれしいものです。
きっとおじいちゃんの脳裏には、昔見た富山城の記憶とともに他の何か楽しい記憶も思い出されたんじゃないかな?
と、今でもそう信じている私です。


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