日々、考察中。

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ドバイ6!

ドバイ6!

 本日の起床時間を午前9時としたのは、疲れを取るためという理由の他にもう1つ、中東の習慣にならったわけでもあった。
 多分、中東全域の事だと推測して書いてしまうが、週末の休みが、"木、金"なのである。ようするに、日本の土日が、ドバイの木金なのだ。で、人々は休みになると街に湧いて出てくるかといえばそうではなく、夕方近くまではどこかに潜んでいるらしい。だから、木金はお店が午後4時ごろにならないと開かない。スークや地元密着型のショッピングセンターだけなのかと思っていたら、どうやら大型ショッピングセンターの中も、開いているところはまばらというのだ。だから、遅目の起床で遅い出発にして、昼食をゆっくり食べてから買い物にすることにした。と言っても、本日の夜中、正確には午前0時10分フライトの飛行機で帰るのだから、それほどゆっくりはしていられない。ホテルにお迎えが来るのは午後8時40分ということだから、午後7時ごろにはホテルに帰って来て、荷造りなどの準備がしたいのだ。

 午前11時過ぎにホテルを出た僕らは、昨夜決めたルートによってタクシーにて"デイラ・シティ・センター"へ向かった。ここは、ドバイで最も大きいショッピングセンターということだった。タクシーの中で運転手が声をかけてきた。
「今日はホリデイだから、ショップはオープンしていないところが多いよ。いいのか?」
「イエス。」
この時点では、どの程度店舗が開いているかわからなかったので、とにかく行ってみる事としたのだ。11ディルハムを渡して降りたデイラ・シティ・センターは、巨大だった。
 開いているお店は全体の3割というところだった。ブランド品のお店は、ほとんど閉まっている。UAEで言うのもなんだが、殿様商売というやつだ。僕らはぐるぐると歩いて、ちゃんと見る価値があるのは、巨大スーパーマーケットだけであることがわかった。
 "フォーティーズ"だか、"フォーシーズンズ"だか、"フォーリーブス"だか忘れたが、とにかく"fo"で始まる名前のこの巨大スーパーは、何もかもが大きかった。まず、カートが大きい。日本のものの3倍は楽に入る。それを1家族が3ついっぱいにして買っていくのだから恐れ入る。さらに、棚がでかい。1つの棚の高さが5mは超えている。それぞれの棚に、必ずついているのは梯子だ。しかも、幅が凄い。30mはある。僕が端から端まで走ったら、8秒ぐらいかかりそうだ。さらに、売っている物が大きい。チョコレートとか、飲料水なんて、1つづつ売るつもりは全く無い様である。箱単位、袋単位、ケース単位。そりゃああのでかいカートもいっぱいになるはずだ。そのスーパーの中の、本雑誌のコーナーで、僕はアラビックの馬の本と、携帯用コーランを購入した。
 デイラ・シティ・センターに用は無くなった。Nがおみやげ用の"デーツ"と呼ばれるサウジアラビアが本場らしいお菓子が欲しいと言ったので、デーツ専門店がある"バール・ジュマン・センター"へ向かった。タクシー料金11ディルハムで、やはり運転手に、「ホリデイだからお店があいてないよ。」と言われた。

 バール・ジュマンは、ワフィと並んで、"オイルマネーを持ったお金持ちアラブ人をターゲットにしたショッピングセンター"と聞いていた通り、ブランド品やそれなりに高価な服を売っている店舗が並んでいた。やはり、ブランド品は日本より相当安いらしく、店が開いているときには日本人も多いらしい。ここでもブランド品のお店は100%開店していなかった。僕らの目的のデーツ専門店も真っ暗で、午後4時を過ぎないと開かないようだった。時刻は、まだ午後1時半を過ぎたばかりだった。
 どうしてもデーツを見たいとNが主張したため、開いている店舗とコーヒーショップで時間をつぶしながら今後の対策を練り直すことにした。ぶらぶらしていると硬派に見えるコーヒーショップがあって、席についた。メニューが手渡されると、軟派なアイスクリームフロートみたいなものまである。僕は迷わずにそれにした。コーヒーはモカを選択した。
 1時間ほどもそこに座っていただろうか。計画はしっかりと練り直された。午後4時にデーツ専門店が開店するとして、買ってから4時半にワフィに移動する。目的はアラブ菓子で、ワフィ内のバーレーン資本高級スーパー・グッディーズで売っているものだ。初日に見つけたこれは、日持ちの関係で購入を先送りしていたものだった。その後は、ホテル近くに移動して、"チープなショッピングセンター"と、"地元密着型のスーパー"で残りのおみやげを買う。ホテルに帰るのは午後7時ごろ。計画は完璧だった。
 3時を過ぎると、開店する店舗が増えてきた。これで飽きる事がない。僕らはぐるぐると回って、開店早々の雑貨屋さんで、らくだの置物などを買った。いよいよデーツ専門店が開いたのは、午後4時ちょうどであった。
 高級そうな店構えのデーツ専門店は、ショーケースの中に所狭しといろいろなデーツが並んでいた。デーツとはどんなものであるのか知らない僕らは、しっかりとそれを見て、そして、気付いてしまった。これは、デザート・サファリのらくだ放牧場で、らくだが食べていたものではないか。"せっかく3時間も待ったのに"という思いが漂った。
 お店のおねえさんが、試食してちょうだい、という感じでカシューナッツ入りの物を僕にくれた。恐る恐る口に入れると、ねっとりとした感触の中でカシューナッツがかりかりと歯に答える。味は、干し柿のうんと甘いものだ。食べられない事はないが、おいしいものでもない。僕は購入を止めて、Nはおみやげ用にいくつか買っていた。

 タクシー乗り場ですぐに捕まったタクシーは、ワフィへ音速で運んでくれた。グッディーズのアラブ菓子は僕も興味があったため、直行する。時刻は午後5時を回り、予断を許さない状態だ。
 グッディーズのアラブ菓子は、種類も箱の大きさも豊富だったが、僕にとっては1番小さい箱でも大きすぎて購入には至らなかった。時刻は午後6時を過ぎて、次の予定地へ向かった。乗ったタクシーの運転手は無口だったが、他より速いスピードで僕らを"チープなショッピングセンター"に運んでくれた。どうやらドバイのタクシーは、無口な運転手ほどスピードを出すようである。口数とスピードは反比例するということか。

 ショッピングセンター内の目的地はわかっている。とにかく子供達へのアラビックボックスを買うのだ。アラビックボックスといっても、それらしいだけのただの箱で、裏に"MADE IN INDIA"というシールが思いきり貼ってあった。かまってはいられないので、2個購入した。2階でイスラム教の人が頭にかぶっている布と輪を購入し、ショッピングセンターを後にした。
 歩いてすぐの"地元密着型スーパー"へ行った。購入予定は、友人達へのおみやげとなる"アラビックの印刷されているチョコレート類"、"親父へのおみやげのナッツ"、"自分へのご褒美の袋入りスパイス"だった。次々と発見して籠の中に入れる。スパイスは、原型をとどめているものと粉になってカレー粉状態になったものを購入した。原型をとどめているものは、とても食べ物とは思えない内容だった。
 買い物に満足した僕らは、ジュースを飲みながらホテルまでの道のりを歩いた。すでに数度歩いた道であったので何も問題はない。ホテルの到着すると、ちょうど午後7時になった。

 がらがらであった僕のスーツケースにおみやげや衣類を詰め込むのは簡単で、全てのものはすぐに収まってしまった。準備完了に近い。着ていないポロシャツがあったため、シャワーを浴びて着替え、帰り道に備えることにした。
 午後8時30分、ベッドの上にチップを置き、部屋を後にした僕らは、ロビーに降り立ち清算をすませ、チェキングアウトをした。荷物をポーターのにいちゃんが持ってくれて、「ユア、ルーム?」と聞いてきた。僕は、「チェッキングアウト。」と答えた。チェックインした客と間違えたようだ。お迎えまで数分、僕らはソファーでくつろいだ。
 お迎えの車はボルボのステーションワゴンで、空港までの約20分を快適に過ごす事が出来た。午後9時ごろの空港はごったがえしており、僕らが入る荷物検査の周りは人だかりが出来ているようだった。しかし、それは前の便に乗る人たちのようで、その人達がいなくなってしまうとがらんとして、僕らはすんなりと荷物のチェックを受けた。
 次に向かうのはキャセイパシフィックのチェックインカウンター。まだ開いておらず、カウンターの前に荷物が並んでいる。僕らも荷物を並べて順番を取り、近くのいすに座って一息ついた。少し向こうに、来た時にいっしょの便で、デザート・サファリでもいっしょだった男2人組がいて挨拶を交わした。
 チェックインカウンターが開き、特に問題無く手続きは進んだ。スーツケースを渡して、英語のいくつかの質問に答えた。次は出国審査、パスポートコントロールである。ここも何の問題も無しに通った。フライトまでの時間は約2時間。あとは世界最大と言われるドバイ空港内免税店めぐりをするだけだった。


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