BONDS~絆~

BONDS~絆~

愛の重さ

影


アイラはスキならその気持ちを伝えることに必死になるだろ。それも大事だけど、そればかりじゃ相手は疲れちまうよ。

恋愛の話をよくする男友達、ルイに言われた言葉だ。
いまいち意味がわからない。
スキって想われたり、言われたら嬉しいものじゃないの?
どうして疲れるの?
その答えを聞く間も無く、ルイは掃除を終えた彼女と教室を後にした

その日の夜、アイラはルイの言った言葉が理解出来る様な出来事が起きた。
いつものように好きな人にメールを打っている最中に、1通のメールが届いた。
相手はアイラの好きな人からだった。アイラの心は躍ったが、内容は心躍らされるようなものではなかった。


アイラちゃん。申し訳ないけど、もうメール送ってこないでくれ。

アイラはその文章を読んだとき、ふとルイの言葉を思い出した。

疲れちゃった?

彼からの返事は早かった。

うん。

アイラは消沈し、頭の中は混乱していた。
無意識のうちにルイに電話をかけていた。ルイはもしもしということなく、すぐに本題に入る言葉で電話に出た。


どうした?

疲れちゃったって言われた。

ほらな。

どうして疲れるの?

自分がされたらどう思うか考えてみろよ。最初のうちは気分良いとか、そういうプラスの気持ちを感じるかもしれないけど、毎回毎回似たような雰囲気かもしだしたメール、だんだんうざったくなってこないか?

どうしたらいい?

・・・そいつに聞いてみたら、理由やアイラがするべきことがわかるんじゃないか?

もう彼とは終わらないとだめなのかな?

・・・それは・・・

あたし、どうしたらいい?

とりあえずそいつに聞いてみたら?

わかった。夜遅くにごめんね。

気にすんな。じゃあな。また何かあったら言えよ。

うん。ありがと。ばいばい。

ルイに電話をし、助言を貰ったことでアイラの精神状態は少し安定した。

どうして疲れちゃったのか、理由を聞いてもいい?これを最後のメールにするから、お願い。

彼からの返事は2時間後にきた。

なんだか、ある意味で強迫観念を感じ取ってしまうようになったのかもしれない。そのときどきで感じていたことだから、理由として正確な答えはあげられないや。ただいえるのは、アイラちゃんの気持ちに俺は応えてやれない。俺には少し重過ぎたみたいだ。ごめんな。

そう・・・。わかったわ。ありがとう。さようなら

さようなら。

彼から「さようなら」というメールが返ってきたとき、アイラは本当にさようならなんだと悲しくなり、涙を零した。
アイラにとってこのような形の挫折は初めてだった。
今まではルイが言っていた”想いを必死に伝える”ことに限界があることに気付いてはいたが考えようとはしてこなかった。
だからズバッといわれた言葉が妙にアイラの心に残るのだ。
アイラは失恋をして初めて意味のある涙を零した。

しばらく、アイラは恋愛に臆病になるだろう。
翌日、彼とのこと、元彼のこと、恋愛のことを考えるだけで身震いをしてしまうようになってしまったのだから。
でも、いつか新しい恋が出来たとき、彼女は意味のある経験をしたことで以前してきた恋のような過ちを繰り返すことはきっとないだろう。
少し前進した恋が出来るようになるかもしれない。
そうなっているといいな。


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