BONDS~絆~

BONDS~絆~

10章

ハート(白)


暑い暑いって蜜さんが言って、莢さんが冷やかさないでって言った。
これって、佐々君と莢さんが 付き合ってる ってことだよね?
・・・そう・・・なんだ。
帰宅途中上の空でそんなことが頭の中をぐるぐる駆け回っていた。

翌日、来るだろうと予想していた妙から予想通りの質問。

「ねぇねぇ、昨日本貸しに行ったの?どうだった?ねぇねぇ」

凄く嬉しそうに言う。うん・・・当り前か。

「うん、喜んでくれたよ!」

「そっかー!良かったね!このまま進展するといいねっ」

「・・・うん」

顔に出やすい私だから、妙はすぐに感付いた。

「何かあったの?何でそんなに元気ないの?」

「・・・うん」

「どうして?」

「え?」

「どうして、いつも冴は重要なことは『うん』しか言わないの?」

え?今私怒られてるの?朝っぱらから?

「あ~・・・ゴメン。んで、何があったの?」

「・・・この前ね、二人の女の人がいたじゃない。それで、妙が可愛いって言った人の友達と、佐々君が付き合ってるっぽかったの」

「え?!そんな!」

信じられない!という顔つきだ。
当り前だろう。妙からすれば、蜜さんと佐々君の方がつりあっていると思ったからだ。私もそう思っていたし、実際そうなのだろうと思っていた。
なのに・・・事は思わぬ方向へ進んでいたのだから驚きだ。

「うん、私もビックリしたよ」

「そっか・・・」

「うん」

「・・・ぽかったってことは確信はないのね?」

「うーん・・・佐々君が頷いてもいなかったから・・・微妙」

「あ~そっか。そうだね」

何か言いたいことがあるんだけど、妙も私も恐れ多くていえないまま1時間目のチャイムが鳴った。
そうして、昼休みになり、珍しく妙の方から私を呼んだ。

「あのね、さっきご飯食べてるときに、鈴が言ってたこと聞いちゃったの」

「何?」

鈴なんて懐かしい名前だ。私の彼氏を奪って2週間で別れた女、大っきらい。

「『昨日、ウチのお兄ちゃんが彼女連れてきたのよ。それがね、お兄ちゃんが今まで付き合ってきた女の人とはぜんっぜんタイプが違うの!蜜さんみたいに綺麗な人だと思っていたのに、莢っていう不細工。お兄ちゃん「莢」なんて呼び捨てにして・・・どこがイイのかしら。あ~あ、私がお兄ちゃんの妹なんかじゃなかったら、「礼」って呼んで彼女になるのになぁ~。それでね、お兄ちゃん急に本を読むようになったのよ。なんだったかしら、あそうそう【空に手が届くまで】だったわ。あんな趣味なかったのに、なんか嫌だわ』って言ってたの。鈴の苗字って佐々じゃん?それに本の題名からして・・・だから・・・もしかするとって思ったの」

そんな・・・・そんなことってある!?
好きな人の妹が大嫌いな人だなんて!漫画みたい!
でも・・・。

「でもさ、本なんて誰でも持ってるよね」

「ううーん、それにしても偶然すぎない?私はもし、そうだったら嫌だな」

妙が嫌といってくれて凄く嬉しかった。なぜかはわからないんだけど。
すると、教室から鈴が出てきた。

「あ、妙!さっきの話の続きなんだけどね、お兄ちゃんったらね・・・」

兄貴の話だ、きいとかなくちゃ。

「莢って人『礼』なんて呼び捨てにするのよ!蜜さんならまだ許せるわ、綺麗だもの。なのに・・・なんであの人を彼女にしたのかわからないわ・・・お兄ちゃん考え直させる方法ないかしら?妙」

「そうねえ・・・お兄ちゃんに直接聞いてみたら?」

「そうね。今日バイト先の喫茶店に行ってみようかしら」

「喫茶店でバイトしてるの?」

「えぇ、そうよ。もし良かったら一緒にいかない?私一人じゃ心細いもの」

「いいの?」

「うん、お願いしたいわ」

「じゃあ喜んで」

「じゃ、放課後ね」

「うん」

そう言って、鈴はトイレへと向かった。
喫茶店でのバイト、蜜、莢、礼・・・佐々君のことだね。

「私、今日確かめてくるからね」

「うん、お願い、妙」

「それにしても、鈴は本当に佐々君のこと好きなんだね」

「ね・・・嫌だなぁ」

「嫌だね、あんなに良い人の妹があぁじゃぁね」

「ね」

私たちは笑い合った。
そうして放課後がやってきた。

「バイバイ」

妙が私に言う。鈴はシカト。別にいいけど。
さて、妙には頑張ってもらっちゃおう。

<11章>

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