クリスタルのかけらに眠る勇者の心

クリスタルのかけらに眠る勇者の心

ライオンハート



ライオンハート

 こりゃまあ、何ともコテコテのファンタジック・ラブストーリーだ。高校時代に読んだ、「 ジェニーの肖像 」や「 ゲイルズバーグの春を愛す 」に通じるところがある。時間軸を超えて運命的に出会ってしまう男女の悲恋物語。
 時代を超え、何度も生まれ変わり一瞬の出会いのために互いを求め合う男女。連作になっているけど、第1話を読んだ段階で、こんな可哀相なことを、手を替え品を替え、何度もさせるのでは、、と危惧していたら、第2話のそのとおりだった。こりゃあつらい。
 感情移入ができないようなバカ男とかアバズレ女の話なら兎も角、できてしまうから困るんじゃないか。きっと最後には優しい作者は救いの話を用意してあると、かすかな期待をもって読み進んだ。
 サスペンスタッチ、牧歌風、ミステリ、形而上的など趣向を変えて5つのストーリーが展開されていて、最後にはちゃんと救われるようになっていた。
 読後感はよかった。
 いつもは、あとがき、解説は最初に読んでしまうのだが、たまたま今回は一番最後に読んだ。作者自ら「ジェニイの肖像」のオマージュと述べているので、やはりそうだったのかと、納得。
 おまけにタイトルは、大好きなケイト・ブッシュのアルバムからとったということで二重に喜んでしまった。

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