今までの人生の中で、数多くの小さなミスや失敗を経験した方は穏やかな死を迎えることができる
と言われている。
興味深い話です。それはなぜなのか。柏木哲夫医師曰く。
いわゆる庶民と言われるような人々は、辛いことを何回も乗り越えてきている。
言い換えると、庶民は 「小さな死」の体験者
なのである。
小さな死というのは、例えば、手に入れようと思った何かが手に入らなかったりしたということです。
失恋、失業、倒産、病気、仕事上の問題、家族の問題、会社の人間関係なども「小さな死」と考えれば、人間は「小さな死」をたくさん経験しながら、「本当の死」を迎えるのである。
ずっとこの「小さな死」を体験してきた人、つまり「小さな死」で訓練を積んできた人は、自分にとって一番不都合な「大きな死」である「本当の死」をそれなりに受けいれられる。
「小さな死」を体験したことがない人は、「大きな死」も受け入れにくい。
ずっとエリートコースを生きてきた上場企業の企画部長さんを看取ったことがあるが、大変だった。
行きたい学校へ行き、地位と名誉と財産を築きながらも、初めてうまくいかなかったのが、自分の命が57歳くらいの若さで亡くなるということだったのです。
普通の人も死を受けいれることは大変ですが、挫折の経験がほとんどない人は、それ以上に大変なことになるのです。
(
人生の実力 柏木哲夫 幻冬舎 )
私は対人恐怖症で苦しみました。劣等感で苦しみました。仕事でも躓きました。
管理職としての職責を果たせませんでした。子育てに失敗しました。
良好な人間関係とは無縁の生活を送ってきました。
それは嫌なこと、辛そうなこと、面倒なこと、失敗が予想されることから逃げ回ってきたからです。社会体験不足のまま大人になってしまった。
気分本位の生活は逃げ回ると一時的には楽なります。
ところがその後暇を持て余すようになりました。
そのむなしさを埋めるために刹那的な快楽を追い求めてしまう。
気持ちが内向きになり、自己嫌悪、自己否定で苦しむようになりました。
そのときは、高良武久先生のいわれる 適応不安で苦しむ
ことになるとは夢にも思いませんでした。
砂を噛むような味気ない人生に甘んじるようなことになってしまいました。
集談会で、人間は3000回の失敗の体験を積み重ねて、まともな大人に成長するという話を聞きました。
ミスや失敗を目の敵にする人が多いのですが、それは憎むべき相手ではなく、自分という人間の器を大きくしてくれるものだと気づきました。
ミスや失敗を忌み嫌っているといずれ後悔するようになります。
歳をとって悪夢で苦しむようになります。
逆にミスや失敗を今後の反省材料として活用できるようになれば、こんなに役に立つものはありません。同じようなミスや失敗をしなくなるからです。
また成功するためのコツやノウハウを身に着けることができます。
ミスや失敗の経験が少ない人は、今後の生活で取り戻すしかないと思います。
ミスや失敗が予想されることにもあえて挑戦してみる。
そしてミスや失敗の数をどんどん増やしていく。
1ヶ月に10個経験できれば、1年で120個、10年で1200個、25年で3000個の目標が達成できます。
日記に書いて集計していくというのは如何でしょうか。
ミスや失敗を大いに喜ぶ人間になることを目指したいものです。
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