怖くないの?


『怖くないの?』という言葉の中には


1「そんな高いとこ、怖くないの?」


2「落ちるかもしれないのに、怖くないの?」


という二通りの意味があるんじゃないかなぁと思います。

そりゃー1に関してはね、高度差何百m上空って言うところで地に足が着いてないんだもん。
怖いっちゃ、怖いですよ。
でも、ほらいろんな人がいるでしょ?
高いとこだいすきー!!っていう人から、早い(スピード系)のが好きだったり、ダイビングで深くもぐるのが好きだったり。

好きな人からしてみればワクワクドキドキな世界なわけで。
(たまに自称高所恐怖症っていう人が飛んでますけど^^;)

2の意味で怖い人はきっと高いとこは平気な人なんじゃないかな。
パラのことをよく知らないだけで・・・・。

キャノピー(上の翼の部分ね。)は、一方通行で空気が取り込まれて、何処にも空気が出て行かないようになってます。
骨もないし、空気が入っていない時はペラペラです。

なのでコントロールを誤ったり、

風の状況によってはひょんなことで潰れます。

潰れきれば落ちます。

コレが現実です。

ただし、このキャノピーは初級機なら「多少」なら潰れても回復するよう設計されています。

もちろん、その時に正しく対処できれば・・・・ですけど。

じゃぁ、正しく対処できなかったら?

まずは身近な木に突っ込んじゃいましょう。
一見危なさそうですが、
木が衝撃を吸収してキャノピーはほぼ確実に引っかかり、
確率的には助かります。
(私は一度引っかからずダイレクトに地面ってことがありましたが。。。)

じゃぁ、木のないところだったら?!

その時は緊急パラシュートを投げましょう。
高度50m有れば間に合うとも言われています。

それもだめなら!?

あとは背中に背負っている椅子のようになるエアバックハーネス。
私もコレのおかげで何度も怪我を免れています。

道具も勿論大事ですが、値段が高いと言う人もいるでしょう。
でも、高いなりに安全性は高くなり、結果、安心して飛べますよね。

しかし、いくら良い道具を揃えても、当然危険な状況で飛ぶことはありえないし、
コントロールが身につけばある程度、危険な状況にも対処できるようになります。

それでも、事故は起きる時は起きてしまうのですが。

車に乗ってる以上、交通事故に遭いますね。
スキーをやってれば転ぶこともありますよね。
怪我したくない人は家で大人しくしてれば一番良いでしょう。

安全→ 楽しい→ スポーツ でなければスポーツじゃないですよね。

だから私達は細心の注意を払って飛びます。
私達は、鳥ではありません。パラグライダーは羽ばたけませんから。
自然と戯れているようでありながら、
大地から起きる風の恩恵を受けて、「飛ばさせてもらっている」のです。
パラグライダーは自然と格闘するスポーツではないのです。

自分自信の欲求(この場合。皆より飛びたい!もっと飛びたい!とか、無理でも出たい!!という欲求ね。)
をコントロールしてあくまで自分の心(コンディション。自信。)を冷静に見つめなければ、
いつか必ず怪我をします。
私個人的には、自然に対する奢りが事故を引き起こすのだと思ってます。

初心を忘れずにやるのはどのスポーツでも同じ。
自信がない時はやめておくなど、止める勇気も持ち合わせてやるスポーツです。
「ここまで来て止めるなんて・・・」という人もいるかもしれません。
しかし、このときは自分の判断を信じましょう。
行きたく無い時はやっぱり本能的に「行きたくない」ものです。

どうですか?少し怖くなくなったかな?

展望台や、見晴台や高い橋の上で「わーっすご~い!たかーい!!」
って喜びのあまり身を乗り出して、落ちそうになった経験があるあなたは
きっと空の世界に一番近いのかも。



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