04/04/29 臆病風に吹かれて・・・


今週は気合が違いまっせぇ~!!なんてったって。また泊りがけだもんね。

先週からずーっと仕事中にローリングの詩
(H木さんはうたぢゃない!!と言い張っておりますが、この際無視x2)
を歌いつつ、イメトレに励んでおりました!
今日は課題をバッチリこなしてスタンプいっぱいにするぞ。

そんな闘志を胸に秘め、ずんずんとスカ朝の門をくぐると待っていたのは
『白糸。南がびゅーびゅー』の予報。
うーん、またこのパターンか!と思っていると。
告げられた言葉は
「猪之頭は飛べそうだから、スクールもそっちでやるから」
・・・って、まぢ~!?
そんな。急に言われてもこっちにも心の準備ってもんがあるのよぉ!!
勿論そんなあたしの心の声には耳もくれず、猪之頭へ移動する面々。

うーむ。猪の頭か・・・こないだ( 04/03/07 であえ!猪之頭 参照)
初めて飛べそうだったけど、いざテイクオフって時に強風になって飛べなかったんだよな。
そんときも結構あぶなっかしそうな雰囲気だったけど、あたし大丈夫なのかなぁ~・・・ブツブツ
などと不安に思いつつもてきぱきと準備するあたし・・・
フフフ・・・ 体は正直よのぉ~

さて、猪之頭の方はと言うと、朝イチはややまったり気味であったものの、
徐々に上げ、天子まで行くパイロット達もちらほら。
それにしても。相変わらずこのT/Oから見える富士山の美しさといったらもう!圧巻です。
今日はこの富士山を見ながら飛べるのね・・・うふうふうふうふ(アヤシイ・・・)

講習生もやや待ってからテイクオフ開始。

ところがテイクオフが、一見風が弱そうなカンジで最初はゆっくりなのに、
崖の手前まで来ると急にぐわっとキャノピーが立ち上がってくるとゆーやや難しげな風。
パイロットの方々も立ち上げに至難。
うーん。怖いぜ・・・・こーゆー修正って苦手なんだよね。
しかも、ここのTOはクリフ状(崖)
やっぱここは最初の弱いのを活かしてフロントで出よう。
力の抜き具合もこっちならできるだろう。

ということで、フロントで立ち上げ開始。

しかし、パイロット達がずでんずでんと転げるように出て行く様を見ていたあたしは
例にもよってビビりスイッチがONになってしまい、
急に来るであろう「ぐわぁ」に怯え、上げ始めにすぐ当ててしまい。
とーぜん上がりきるわけも無く、シッパイ。
ぐわぁ~~~だれかこのスイッチを切ってくれぇ~!!
などと言ってる暇はない。うしろは詰まってるんだし、早く出ねば。
今度は落ち着いてライザーでテンションを感じながら微調整。
行ったるで!と~~~~~ぅ!!

出てすぐが不安定なので、ちょっとぶら下がったままやり過ごし、安定したところで座りなおす。
K地さんの「まずは右行ってみよう。ただし、右の尾根より
向こうには行かないようにね。谷になってるから危ないからね」という声に右へ。
っていうか。右に行く前にすでにぐいぐいと持ち上げられ、なにもしてないのに
猪之頭のT/Oを見下ろしてるではないか。
右尾根の端まで行って、すぐ左に旋回をして、今度は左尾根の端へ。

キャノピーのビリビリとした振動が手に伝わる、
体が持ち上がるたびに重力がかかる。
風が時折強く吹き、ピッチングに入るのを必死に止める。

ううっ。こ、怖いよぉ~~~なんじゃこらぁ~。

ちなみにこの日のセンタリング方向は左。
左旋回は苦手、風も強いので山に突き刺さりそう・・・
しかも人が多い中回すのは怖い!で、S字でいったりきたり。
しかし。上がる!上がる!何故上がるんだぁぁ~~~!!?
わしゃ何にもしてないぞぉ~~~!!

気づけばすでにT/Oより150mゲイン。
だがそんなことを楽しむ余裕は今のあたしにはなかった。。。
だって・・・・だって・・・人が多いんだよぉ!!


いっぱい飛んでます。

ざっと数えたら20機はテイクオフ前に居ただろうか?
その合間を縫うように、上も下も右も左もめまぐるしく確認し、
とにかくあたしは必死で飛んでいた。

時折入る強いサーマル。翼端が潰れる音。
バリオの上昇音だけが鳴り響き、機体は軋み。揺らされ、持ち上げられる。
恐怖の中、サーマルの中で回していると
あたしの頭上から呼び諌められるような声が聞こえ、上を見上げると。
上を飛んでいた機体のその足があわやあたしのキャノピーをかすめようかというのが目に飛び込む。
心臓が氷で掴まれたようにすくみ上がり、背筋が震えた。

ビビったあたしはすぐさまそのサーマルを離れ、
再びリッジ帯を飛んでると今度は右側で同じ高度で飛んでいた同じ講習生が右に気をとられ、
すぐ左にあたしが居ることに気づかないままじりじりと近づいてくる。
しかし、左にもあたしの逃げるスペースは無い。
パイロットが回していたのだ。

焦ったあたしは声を張り上げた。
しかしなかなか気づかない。お願い。気づいて。振り向いて!!

「Tちゃん!!Tちゃん!ココに居るよ!!左!左!!」

喉が張り裂けんばかりに叫ぶ、
あわや。というところでやっと気づいた彼女は「あっ」という表情と共にあたしから離れていった。
よかった~~危なかったよ。気づいてくれなかったらぶつかってたよ。

・・・ううっ。もうやだ。

なんでこんなにいっぱい居る中を飛ばなきゃいけないの?
潰れるし、揺らされるし。
回したくても人がわんさといて回せないし、
人を避けてるばっかりで景色も見れないし
こんなのちっとも楽しくないよ~(涙)

と、すっかり意気地のなくなったあたしは沖に出れば高度が落ちて降りれるだろうと
混みいる前山にすごすご背中を向け退散し、空いている沖へ出て降ろすことを試みた。

しかし、どうしてだろう?
もうこんなに沖にいるのに。
前山からずっと離れているのに。
一向に降りる気配が無いどころか、バリオは相変わらず上昇音を奏でている。
いつもは頼もしく聞こえる上昇音も今日に限っては意地悪く聞こえてくる…

少し下がっても、試しに360度旋回をしてみるとあっというまにT/Oより上がってしまう。

困った。どうしたら降りられるんだろう?

いつのまにか降りることを必死になって考えてる。
こんなに沖にいるのに・・・・そうだ。LDの上まで出れば降りれるかも?
と思って更に前に出すが、やはり機体は沈まない。
いよいよ困った。
パニック気味になったあたしは気づくと機体をアゲンストに向け。
ブレイクを束ねて必死に無線のマイクを手繰る。
何度か目にやっとマイクのスイッチを入れてやっとこれだけ言えた

「ラ・・・・LD・・・お願いします。」

「はい。どうぞー」

「・・・お、降りたいですぅぅぅ・・・・」

我ながらなんちゅー情けない声だろうか。
自分で出した悲痛な声に、涙が出そうになるのをぐっとこらえる。

「え?だ、だれ?」と無線が入り、
もう一度名前を言おうとマイクを手繰ろうとした時。

「降りるんであれば、LDに向けて、翼端折をして高度を降ろしましょう」

という言葉を聞き、
そうかッ!翼端折か!その手があったぁぁ~~~~!!と我に返り、
すかさずLD上まで移動し、
翼端折ライザーをつかむと、祈るような思いで引き込む。
翼端が折り込まれる。するとバリオが「ブー・・・・ッ」と下降音がなるではないか!(アタリマエなのだが)

ああ!!やったぁ~~降りてるぅぅぅ!!!

そのまま体重移動で高度処理をし、LDに入ったところで翼端を戻し、着陸。
またもへなへなと腰を抜かす。

えーん。降りれたよぉ~。
えーん。怖かったよぉぉ~。
こんなに上がってるのにもったいないって言われてもいいもん、
こんないっぱいいる中飛んでても楽しくなかったんだもん。
臆病者とも、根性無しとでもいくらでも蔑みたけりゃぁ蔑んでくれ。
生まれて初めて本気で降りたいと思ったんだぁぁぁ!!!
降りて来ちゃいけないってのかぁぁ!!
(以上。心の叫び)

・・・しかし、なんだかんだで45分くらい飛んでました。
MAX高度は190~200くらい?
はぁ~記録的にはまぁまぁ・・・翼端折のハンコ貰える・・・けど。
もう疲れちゃったよぉ。。。

と、とりあえずお昼を食べてぐったりして過ごす。
午後になり。少し全体的にまったり気味になり、パイロット達がちらほらと帰りだす頃。
課題のローリングをやりにもう一本行くことに。

しかし。精神的にも肉体的にも疲労困憊。
ここらへんからちょっと記憶が曖昧だが・・・
またもフロントでテイクオフし、まだ残るサーマルとリッジでソアリング。
大分落ちたとはいえ、相変わらずサーマル君はあたしの気も知らず
がっつんがっつん突っ込んでくる。(正確には突っ込んでるのはあたしだが。)
しばらく経った頃、おっきなサーマルに入り、ピッチングを起こす。
慌てて止めに入るが、ワンテンポ遅れてキャノピーが被ったと思ったら
一瞬。バシャっとエアインテークが目の前で潰れる。

ひぃいぃぃぃー!!!

ビビリスイッチON・・・。
そそくさと問題のローリングをやるために沖に出す。

さぁ。今日はローリングの詩です。パソコンの前のよい子の皆。
一緒に歌ってねぇ~~~~

「右体重ぅ~~~~~右ブレイク♪左体重ぅ~~~~~左ブレイクぅ♪♪」

うーん。入りが小さくて、一向に揺れない・・・・
揺れたと思ったら今度は左の体重の入れ方が甘いらしい。右には揺れるんだけど
左が小さいのでローリングになってるんだかなんだか?

どうだろ~駄目かな~今のじゃ。
案の定。降りてくるとかな~~りシブイ顔してました。H木さん。
しかしハンコはくれるそうで・・・・やった!!!!
これでハンコが全ていっぱいになったぞぉ!

3本目どうしようかなぁ~と思っていると、N倉さんに「もう穏やかだから」
と促されヨロヨロになりながらテイクオフに上がってみればよわ~~~い風。
これまたフロントで立ち上げる。我ながら綺麗に立ち上がり、
荷重をかけながら走り出していく!
ああ。これよ。これ!パラの醍醐味はテイクオフにあり!
気持ちいいぃ~~~!!

どうせならともっかいローリングやる。
今度は左多目を意識して・・・どうよ?H木さん。
あ・・・・またシブイ顔してる・・・・

「じゃあ、明日は検定をやりましょう!」

って、来た来た来たー!!
遂にこの日がやってきた~
明日も猪之頭らしいのだが・・・検定も猪之頭?

どうなる!?あたしのNP検定!
果たして無事に合格できるのか!?

待て!!次号!!



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