06/08/27 パラグライダーだよおっ母さん



そして受話器の向こうからのたもうた。


「お母さん、明日から一人旅に出るから」


( ゚Д゚)ハァ?


「仕事も辞めたし、これからの人生を見つめなおしてこようと思って。」


・・・えーと。電車で?飛行機で?つか、どこ行くのよ?

「車で行けるところまで行ってみようかなーって。全然決めてない。」

しかも車(マーチ)でかよ!!!(注:母55歳)
ええい、とんでもない。冗談じゃない。と、説得すること小一時間。
こうと決めたら頑固なO型のオカンは聞く耳持たない。
あーだめだ。この人もう行くって決めちゃってるー
娘のあたしにも事後報告ー
てか、あたしが電話してなかったら知らない間に旅立ってるー。

仕方ない・・・イキナリ一人で訳のわからないところへ出発されて、景気づけも出来ないまま行かせるよりは幾分マシか。

折れた。娘=あたし、折れた。最大の妥協案を掲示した。

・・・じゃあ、明日朝霧から一緒に行く?

「あらーいいわねー」と乗り気になるオカン。

と言うわけで出来れば途中で説得してつれて帰りたいというもくろみもありつつオカン同伴での初朝霧!

・・・朝からテンション低いっす。(-"-;)

それに加えて朝から今にも降りそうなどよどよの曇り空。
途中渋滞にハマリ、朝霧に着いたのは10時半くらい。
猪之頭のテイクオフはすっぽりと雲の中。ああ。やっぱりね。
あー昨日は飛べたって言うのになー無理かなー飛ぶの。と半ばあきらめモード。

ショップに行くと、ちょうど猪之頭を見に行ったスタッフが戻ってきて、
猪之頭がダメだっていうんで、白糸へ移動してみようと言うところだった。

「あんたをそこに降ろせば良いのね?」

と、白糸で降ろしたら早々にでも出発したそうな雰囲気のオカン。
まぁまぁ。あたし飛ぶし。ついでだから見ていってよ。と、白糸まで乗せて行ってもらう。
勿論、それだけで済まそうなんて思ってない。ココまで来たら当然タンデムしていって貰おうじゃないかと。
こっそりスタッフに手が空いたらタンデムお願いしたいと伝えておいた。

おはよーございます!今日は母同伴でーす。v( ̄Д ̄)v

と、言うと「おおーほんとだー似てる似てるー」と言われる。
あ、やっぱり?
実はあたしも最近の自分の顔を写真で見るたびに「オカンそっくりや・・・ _| ̄|○ 」と思っておったのです。

「是非、娘さんが飛ぶの見て行ってあげてくださいよ」とスタッフ。

おっ。ええでええで。テイクオフまで一緒に行って、他の客のタンデムしているのを見れば
大体の人が「あー楽しそうかも。自分にも出来るかも?」と思うものさ。
いひひ。そんな一人旅なんかで「人生を見つめなおす」前に、センセーショナルな体験をさせてやるわい!
と、企む娘。

しぶしぶテイクオフ行きの車に乗り込む。母。

その間もスタッフの人が色々話しかけてくださった。ありがとうございます。(゜ーÅ) ホロリ

何せ高いところが苦手と言う母。テイクオフに来ても、端っこの方には近づこうとしない。
次々とお客さんを乗せてテイクオフしていくタンデムパイロットを見やりながら
ね!?全~然平気そうでしょ?みんな楽しそうにきゃあきゃあ言ってるでしょう~。
それにね。今日は穏やかだから、全然怖くないよ。見てると簡単で、なんだか出来る気分になってこない!?

「そうねぇ・・・」

(▼∀▼)ニヤリッ

よーし、とりあえずあたしが一本飛んで見せちゃる!
と、準備開始。風はアゲンストが1~2mくらいと、やや弱めだが、安定しているしっかりとした風が入ってくる。
時折、テイクオフ前にも雲が千切れて流れ込み。一こぶの上は灰色の雲が立ち込めている。
なんたって。オカンが見てるんだもん。ここはかっこよくフロ・・・いやいや!クロスでしょ!
そぉ~れ!と立ち上げる。ああ。なんてちょうどいい風♪
頭上で止めて、振り返る。てけてけてけ・・・とうっ!!

すぐさま右の稜線に向かう。そんなに強くは無いのだが、結構しっかりとしたリフトがあって、気持ちがイイ♪
テイクオフ前に出て、オカンに手を振りたいぞー。えいさ。ほいさ。と
行って~帰って~とやっているうちになんとか稜線の上ゲット♪
高さはそんなに稼げないが、かといって下がる気配もあまり無い。
低く垂れ込めた雲が、稜線の木々にぶつかって、細く割け、白い糸をたなびかせていく。
うーん。仙人気分~。キライじゃないのね~ん。

奥の一こぶへ行こうとすると、雲の中に入ってしまうので、あまり奥へは行けない。
ある程度、稜線で高さを稼いだまま。テイクオフの上へ向かう。
勿論、オカンに手を振り振り。気づいてくれた♪いえい。

そのまま数十分飛んでいただろうか。

時々ぽつぽつと雨粒が落ちてきはじめていた。うーん。本降りになるかも。やばいかなー。オカン、飛ばせたいしなー。
と、まだまだ落ちそうも無い風に後ろ髪引かれつつ、ランディングへ向かった。
後ろから講習生が来ていたので、同時進入。んがっ。一番前~~~(また?)
ランディングの風弱いのに、前に出さなきゃ~(@Д@; アセアセ・・・
伸びるーのーびーるーーーーーーーーー。ランディングの端まで行って、着地。

そそくさと、キャノピーを絞っていると、テイクオフから無線が入る。

「上はいよいよ本降りになってきました~」

・・・終了 Σ(´Д`lll)

結局、オカンは飛べないままテイクオフをあとにした。
「上に居た人(スタッフ)にも、ココロの準備は出来ましたか?とか言われちゃって、
どうしよう、ホントに飛ばされるのかしらと思ってたら、雨が本降りになってきたから、しめしめと思っちゃったわよ」

ちぇーちぇーちぇー。こんなチャンス、なかなかないのになー。
今度は冬の、富士山が綺麗な日にリベンジしましょう!とスタッフにも言われ、エリアをあとにした。

さて。

河口湖の 小作 で、ほうとうを食べに行こう!
と、雨が降ってから朝霧に到着したさとゆき嬢と、そのフィアンセ(ああ、羨ましい響き)とあたしとオカン。とゆー接点があるのか無いのか判らない異色なメンバリング。
はっきり言って、やりづれぇ。オカンが余計な事を口走るー。いやーものすごいやりづれぇ!!!

渋滞の中よれよれになりながら行ったのだが、もう3時近いと言うのにものすごい激混みで、あえなく断念。。。
どうしようかと思っていると、さとゆきちゃんが 山麓園 という炉辺焼きとほうとうのお店を知っていると言うので、そこで豪華なお昼と相成った。
どこもかしこも渋滞の河口湖周辺で、このお店だけは空いてました。穴場~~~
とにかくすごいボリュームがあるというので、一番安い飛騨コース2100円 を二つ頼んで4人で分けて食べる事に。
これが、正解(笑)串焼きだけで、ものすごい量があります。
一人一コース食べてたら、ほうとうまでたどり着けたかしら。。。

でね。オラここで生まれて初めて「うずら」の丸焼きをたべたずら!!!
(てゆーか、最初は「うずらとイカと選べます」と言われ、てっきりうずらの「卵」だと思ったあたしは即答で「うずらで!」と言ってしまったのだ。
知っていたさとゆきちゃんは「(;゚д゚)ァ.... 」と思ったけど知らん振りしたらしい。コノヤロー)
焼く前は・・・蛙?と思うほど限りなくグロかったけどね。
いやーん。かわいそぉで、たべれなーい。なんてあたしが言うとお思いか。へっ。
骨っぽくて、身はあんまり無かったけど、結構クセになるお味。美味しかった。

ちなみに、以前あたしがあげた洗濯機と、結婚するので余ったテレビを、
帰りしなうちに置いていく事になっていたので(欲しいと言っている友達にあげるのだ)あたしはここでさとゆき嬢の車に乗せてもらい。オカンと別れることに。

オカンの車、旧型マーチは標準装備。
ナビは勿論、4輪駆動とか4次元ポケットとか、一人旅に役立つ素敵な何かが付いている訳が無い。
昨日散々「持って来いよ!」と言った地図だって関東広域地図(汗)
しかも山に向かおうって言うのに、長袖一枚持ってきていない。( ゚Д゚)ドルァ!!

ねぇ。ホントに行くの!?と道すがら何度も何度も聞いたけど

「今しかないのよ!!」

の、一点張り。ダメです!EVA、信号受け付けません!てなくらい。
回路切断してでも止めるべき?全力でタックル?
でもさ。ぜぇんぜん聞きやしないのよ。この人は。
なんたって。あたしの母なんだもの。あーあ。

くれぐれも気をつけてね!と送り出したけど。
まったく。この娘にして、この親ありか・・・
ちゃんと帰って来いよ!!!


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ちなみに、その夜のうちに「長野の「諏訪」まで来たわよーん」と
娘の心親知らずな、のんびりした電話がかかってきた。
ちゃんとビジネスホテルを探して泊まったらしい。C=(^◇^ ; ホッ!

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