foot001

サッカー通の用語集3


サッカー通の用語集3

バイタルエリア (vital area)
 =D(ディー)。ペナルティアーク付近のエリアのこと。ペナルティエリアの正面ライン(幅40mくらい)から少し外側のエリア。アタッキングエリアともいう。または、ペナルティアーク周辺のDFラインとMF(ボランチ)の間。ラストパスの起点になりうる重要なエリアを指すことが多い。

パック 、パックする、パックされた状態
 両チーム展開が押し込められた動きづらい状態。非常にコンパクトなハイレベルな試合で、ボールへのアプローチが早く、サイドで6人ぐらいの選手たちが動けない状態になること。
 そこではワンタッチとプレッシングの攻防が1つのポイントになる。パス回しだけではなかなか突破できない。よって、この密集地域を飛び出し、あるいは飛び越して仕事をするサイドアタッカーが注目されている。

ハーフコートゲーム
 「後半はハーフコートゲームとなってしまった。」などと使う。片方のチームの選手がFWを含め全員引いてしまい、攻撃側と守備側が完全に分かれ、半分のコートで攻守が繰り広げられる試合展開。リードしたチームが逃げ切ろうと、或いはアウェイのチームがドロー狙いでリトリートした場合などに起こる。チーム力に差がある場合、相手の攻撃力に押されFWまでが守備にまわりハーフコートの展開に追い込まれることもある。

ハンド、ハンドリング
フィールドプレーヤーが手でボールを扱う反則。GKがペナルティエリア外で手でボールを扱う反則。
手を使ってシュート阻止する、手でゴールするなどの悪質な場合は警告や退場となる。
 注意したいのは、手・腕に明らかにボールが当たった場合であっても、偶然に当ったと主審に判定された場合には、反則を取られずプレー続行される。
 どんな時も選手が勝手に反則を判断しプレーを止めてはならないのである。

パントキック
GKがボールを手から放して落ちることころ、またはワンバウンドしたところを蹴るキックでセットプレー以外で使う。

ヒルズボロの悲劇
 1989年4月15日に起こった97人が圧死、負傷者200人という世紀の大惨事。FAカップ準決勝、リヴァプールvsノッティンガムの試合は中立地のヒルズボロ・スタジアムで開催された。地元シェフィールドなどのサポーターの波がリヴァプールサポーター方向に向かって押し寄せ、スタジアム観客席の金網ファンスに多数のファンが押し付けられた。現在、慰霊碑はリヴァプールのホーム、アンフィールドにある。
 この事件によりイギリス政府はイングランドフットボールリーグ各クラブに対しスタジアムの近代化、安全の重視の勧告を行う。スタジアムから金網は撤去、立見席は撤廃、全シート座席と義務付けられた。これによりスタジアムの近代化が進み、安全は確保されたが、収容人数は減り、改修工事の借金でクラブの経費は増大。チケットは大幅に値上げされ、各クラブは独自にマーケティングの必要に迫られた。こうした中で上位22クラブがイングランドリーグから独立しプレミアリーグが生まれた。これによりフーリガンの根絶はさらに強化され、会員制のチケット販売、監視カメラの導入等で英国のスタジアムでフーリガンはほとんど見られなくなった。

ビー・アラート
「油断の無い、研ぎ澄まされた」状態でプレーすること。その示唆にも使われる。

ビッグイヤー
UEFA Champions League(ウエファ・チャンピオンズリーグ)の事。毎年9月から翌年の5月にかけて行われるクラブチームの欧州杯。1955年European Cupが始まり、1992年から現在の大会形式となり、欧州最大(=W杯に次ぐ世界最大級)の権威とイベントの大会になった。

ピッチ(コート)
長くなるので  サッカーコート  を観てください。

ファンブル
GKがシュートやクロスを受けたときに、ボールをこぼすこと。

ファンクショナル・トレーニング (functional training)
 特定のポジションの選手に、そのポジションに必要な技術を専門的につけさせるトレーニング。ポジションにおける専門性が強い。つまり、そのポジション専門の職人選手を作ることになる。チーム作りの方針によって量は分かれるが必要不可欠。

ファンダメンタル (fundamental)
 基本的・根本的であるさま。基本に忠実である。良い試合・プレーのために基本を大事に日々、基本を反復トレーニングする考え方。

フィスティング (fisting)
 =パンチング (Panching)ゴールキーパーがこぶしを使ってボールを(ボールをパンチし)大きくはじき返す技術。片手、両手、両手を重ねる、の場合あり。また、シュートを手のひら、指でコースを変えてゴールを防衛る技術。

フェイント (feinting)
 擬似動作。ドリブル突破の時など。プレーの意図を悟られないようにするため。

フォーリンバック
状況に応じて、ディフェンスラインを自陣深くまで後退させる事。

フォアチェック (fore-checking)
 前線の選手がDFラインにプレッシャーをかけるなど、前線から積極的にプレッシャーをかけ、相手のスペースをなくし、できるだけ相手ゴールに近い所でボールを奪い、攻撃につなげようとする守備戦術。⇔リトリート

ふかす
 放ったシュートがゴール・バーの上にそれること。体をかぶせるようにしてボールの中心か、微妙にやや上をミートすると"押さえ"の効いたふかさないシュートが打てる。ふかすくらいなら上から叩き付けるように蹴った方がいい。ミートの難しいダイレクト(ボレー)シュート、やや遠目のミドルシュートでふかすこと多し。

プッシング
 相手選手を押す反則。

プッシュアップ
 ディフェンスラインを上げてエリアのプレッシャー強くし、プレーエリアを前に押し上げること。

フランク (flank)
=ウイング

フラット3 (flat3)
 トルシエ氏の提唱した攻撃的な守備戦術。3人のDFが横一列になり、号令するリーダーがおらず、状況により個々が自動的に上げ下げを同時に動く。DFライン裏と両サイドのスペースが空く弱点を負いながら、オフサイドトラップを頼みに勇敢に押し上げるラインディフェンスをとる。それにより相手のプレーエリアを狭めると同時に、ボールに近い選手がプレスをかけてボールを奪う。ボールを持った相手に時間とスペースを与えない近代サッカーの流れをフランス代表にみられるような4バックではなく、3バックで行った意欲的な戦術。

ブラッシュアップ
磨きをかけること。スキルのブラッシュアップのためのトレーニングなどと使う。

フリック (flick,flicking)
 頭や足などにボールをかすらせて、後方へ送る技術。コーナーキックなどのヘディング(flick Header)に多い。ゴール前でマークを引き出し、トップにボールを入れるときの"フリック"も憶えておきたい。

フリーズ
 コーチ(監督・指導者)が、ミニゲームなどのトレーニングの中で、次のプレーの予測ができていない選手や、オフ・ザ・ボールのときにいいポジション取りができていない選手など個人や組織戦術理解に問題あった場合などに、時間を置かず、すぐにトレーニングを停止すること。
 選手が今のプレーを忘れないうちに、こまめにフリーズしてアドバイスを送りながら修正していくことが指導には重要とされている。

プルバック (pull-back)
 マイナスのクロス。えぐって(ゴール近くまで切れ込んで)から、後方へ戻すクロス。

プル・アウェイ (pll away from the maker)
 ボールと選手の両方を見ているディフェンダーの視野からそれを利用して巧みに消える動き。ボールとディフェンダーの間から離れればよい。オフ・ザ・ボールの駆け引きの重要な手段の一つ。

プレーのプライオリティ
プレー選択の優先順位。

ブレイクアウェイ
GKがバックラインの後ろに出たボールに対して前に出て処理する事。

プレイスキック
下にボールを置いて蹴るキックでフリーキック、ゴールキックなど。セットプレーでのキック。

ヘイゼルの悲劇
 1985年5月29日、中立地ベルギー首都ブリュッセルのヘイゼルスタジアムで行われた欧州チャンピオンズカップ決勝、リバプールvsユヴェントスで起こった大惨事。リバプールサポーターが試合中にユヴェントスファン側に押し寄せ、39人が死亡、400人が負傷した。死傷者の多くは壁によじ登って逃げたサポーターの重さのため老朽化した壁が崩れて下敷になった人々。
 事件はフーリガンの恐ろしさの引き合いにメディアに取り上げられたが、古いスタジアムで危険な壁やフェンス、敵対サポーターの行き来が自由などの構造上の問題があった。
 事件後、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)はFA(イングランドサッカー協会)にイングランドのクラブを無期限の出場停止処分と通告。(後に5年間で解かれる。)
 その後、ヘイゼルスタジアムは取り壊され、ベルギーは近代的なボードワン国王スタジアム(ベルギー代表のホームスタジアム)が建設された。しかし新設のこのスタジアムには慰霊碑などは無い。

ペネトレート (penetrate)
 本来 バスケットボール用語 。(アメリカは世界一のサッカー競技人口を誇るがその影響からか。)攻撃側の選手がドリブルで、ディフェンスの間(ギャップ)を素早く突き抜けるようにゴールに向かって進むこと。

ホームタウン・デシジョン
ホームの優位性。

ボールウォッチング、ボールウォッチ (ball-watching)
 身体の向きが悪く、ボールを注視するあまり、スペースに走りこんでくる相手選手を把握できないというディフェンスのミス。

ボールコントロール (ball controlling )
 飛んできたボールを次にプレーしやすいところにコントロールする技術のこと。ウェッジコントロールや、クッションコントロールなど。状況に応じたコントロールを身に付けることが重要。

ボールポゼッション
 ボールキープ。ボールを支配すること。※「ボールポゼッションを使う」等と言う。ただし試合を支配することとボールポゼッションを行うことは別。それ自体を目的としたボールポゼッションには意味がない。ボールポゼッションは、プレーのスピード(andボールの動くスピード)を遅らせることを意味している。ボールポゼッションというコンセプトは、相手のプレッシャーから逃れるときに重要になる。でも、展開(攻撃遂行)のスピードを落とすためにボールポゼッションを使うことは難しい。

ポストプレー (post play)
 攻撃の時、前線にいるトップの選手(ターゲットマン)にボールを当てて、"バイタルエリア"(D)に起点を作り、攻撃を組み立てていくこと。

ホスピタルパス (hospital pass)
 "味方を病院送りにする酷いミスのパス"
 敵チームのアプローチが速いために、遅いパスを受ける味方選手は、敵の激しいタックルをくらうことになる。つまり、パスを受ける味方選手を負傷させてしまうような、スピードの遅いパスのことを指す。
 アプローチが速く、パススピードの重要性が当たり前のリーグでは、選手間でこのような言葉が存在する。

ボスマン判決
欧州内の選手の保有権を廃止した判決。
1.すべてのクラブは契約が終了した選手に対して、移籍金を取ることなく移籍を認めなければならない。
2.EU圏内のスポーツ連盟、もしくは協会は、自国の選手権においてEU圏内の選手を外国人扱いすることはできない。
 上の二つの判決が1995年12月15日ジャン・マルク・ボスマン選手の訴えによってEU司法裁判所によりEU所属の欧州全域に下された。

 当時ベルギー・リーグ1部のRFCリエージュにいたボスマンはフランス・リーグ2部のダンケルクからオファを受けた。しかしRFCリエージュフロントがダンケルクの保有権マネーの支払能力を危惧し、これを拒否、その上、ボスマンを戦力構想外とし、宙ぶらりんの失業状態に追いやった。憤慨したボスマンは、クラブとベルギー・サッカー協会を訴えた。1990年11月にボスマンは勝訴。ボスマンはこれに飽き足らず「全てのサッカー選手のために」として今度は、欧州サッカー協会とベルギー協会を相手に「選手の労働者としての基本的人権、EU労働規約の尊重と、契約終了した選手の移籍の自由(保有権の廃止)」をEU裁判所に訴え、様々な圧力に屈せず最後に勝訴。保有権は廃止され複数年契約の選手への残り契約期間への「解約金」が移籍金として支払われるのみとなった。
 保有権の関連として日本では2005年1月26日中田浩二選手が契約満了につき移籍金0円で鹿島アントラーズからマルセイユに移籍。Jリーグ各フロントでは今後の移籍金問題に騒然とした。

ボディシェイプ (Body shape)
 サッカーのプレーにおける、身体の向きと姿勢の概念。ボールを持っているとき持っていないときに関わらず、常に良い"体の向きと姿勢"で視野を確保することが重要。

ホペイロ(最近では総合的にエクイップメントともいう) (ポルトガル語Roupeiro)
 道具・用具係。施設・設備敷設整備係。100%のパフォーマンスを発揮するのに、体だけでなく道具のメンテナンスが非常に重要。ホペイロは選手に合わせて、天候やグランド状態からスパイクのポイントの高さを変えたり、ひもの長さ結び方まで調節する。スパイクの修理やゴールネット、トレーニングジムの修理・管理などなど多岐にわたる。
 昔は皮製スパイクを選手に合わせるため、湯気に当てて曲げることまでしていたという。スパイクから選手の調子やクセをも知っている。フィジカルコーチが選手の体なら、ホペイロは選手の道具全般を100%にする仕事だ。

ボランチ
 本来のポルトガル語「ハンドル、動き回る」 を離れ、もはや日本語化している。日本では守備的MFの事。敵の攻撃を寸断し味方の攻撃を後方から意図を描いて演出する。イタリアではこのセンターハーフ(守備的MF)を主に、インコントリスタ、クルソーレ、レジスタの3つに分類して用いている。

ポルトガル語
主にポルトガルとブラジルで使われている言語。
 世界中にブラジル人サッカー選手を通してポルトガル語のサッカー用語も広まっています。簡単な単語をまとめておきます。
japaoジャパォン日本、japonesジャポネィス日本人、vitoriaヴィトーリア勝利、estrelaエストレーラ スーパースター、profissionalプロフィスィオナウ プロフェッショナル、capitaoカピタォン キャプテン、armadorアルマドール 司令塔、gol ゴゥ ゴール、fintaフィンタ フェイント、bela jogadaベーラ ジョガーダ ファインプレー、
0 zeroゼロ、1 umウン、2 doisドィス、3 tresトレィス、4 quatroクワトロ、5 cincoスィンコ 、6 seisセィス、7 seteセッチ、8 oitoオィト、9 noveノーヴィ、10 dezディス、
idadeイダーヂ 年齢、enderecoエンデレッソ 住所、numero do telefoneヌメロ ヂ テレフォーニ電話番号、centroセントロ 中心、esquerdaエスケルダ 左、dereitaヂレィタ 右、grandeグランヂ 大きい、pequenoペケーノ 小さい、amigoアミーゴ 友人、bonitoボニット かっこいいい、jogoジョーゴ 試合、esforcoエスフォルソ 努力、falarファラール 話す、ajudarアジュダール助ける、irイール 行く、beberベベール 飲む、comerコメール 食べる、gostosoゴストーゾ おいしい、voltarヴォウタール 帰る、maravilhoso マラヴィリョーゾ すばらしい、fimフィン終了

ポリバレント  (polyvalent)
複数のポジションと役割をこなせる能力。(≒ユーティリティープレイヤー(Utility Player)はその選手をさす)日本においてサッカー用語としては、元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が提唱し広めた。
「多様な、多機能な」の意で、元々は化学、生物学、ビジネスなどの用語。

ポンチョ
簡易性レインコート。メキシコの民族衣装より。

マイナスのパス
 自陣方向にパスを送ること。ポストプレーで後方にパスすること(クサビ)や、折り返し=サイドを"えぐる"(サイドを上がってマイナスのクロスをあげる)こと。単に展開を作り直すためにいったん後方にパスすること等。

マノン、マン・オン (man on!)
「相手が来ているぞ!ボールを奪われるな!」といった意味を一言で表すコーチング。ボールをキープしている時などに、その選手が見えないところからチャレンジしてきた時などに味方選手がかけるコーチング。

マランダラージ ポルトガル語
マリーシアが反則行為(法)を犯さない「ずる賢さ」なのに対し「マランダラージ」は、いわゆる「汚い行為」。ブラジル人でも怒る尊敬されないプレーではある。
 審判に見えないところで見えないように相手を突いたり、体を抱え込んだり、わき腹を殴ったり、肘を当てたり、ボールに行くふりをしてくるぶしやかかとにスパイクを入れてタックしたり・・・。また、セットプレーの時に相手選手の足を踏んだり、GKの顔の前に手を入れたり・・・。
 ※マランダラージとマリーシアは似て非なるもの。

マリーシア ポルトガル語
 サッカーにおいてもっとも重要な要素の一つ。「狡猾さ、ずる賢さ」と訳されるが、単純なものではない。
 サッカーにおけるマリーシアには幾つもの種類がある。セラ=時間稼ぎ。カチンバ=セットプレーでの虚。ジラース=軸足の後ろで蹴りタイミングを外す。ダイブ=ワザと倒れる。などなど多数。
 南米では、弱い立場の人間が、金持ちや役人などの強い立場の人間に対して、頭を使って対処したり懲らしめるという、生き様や価値観からその考え方が来ている。
 マリーシア・・・これほどお人好しの平和ボケした日本人に理解し難いものはない。「プロにとってフェアプレー賞を貰うのは恥ずかしいこと」という意味が分かるだろうか。そこにはサポーターが行うマリーシアとして効果的なヤジ・罵声・恫喝・威圧まであり、我々には受け入れ難い深みも存在する。
 マリーシアに日本語で一番近い言葉は 「兵法」 とみていいだろう。それは情報戦、心理戦であり、常識外れであり、相手を惑わし煙に巻くことに通ずる。不利な状況でこそ発揮される頭脳戦である。

 中田英寿は、以前こう表現した。「リバウドの行為(マリーシアにおけるセラ=時間稼ぎの何度も倒れる演技)がサッカーか、と問われれば答えは難しい。」サッカーは広くそして深い。
 ※重要 マリーシアではマランダラージまで落ちることはしない。マリーシアにも相手の選手生命を気遣うなど人道の道義は存在する。同じイエローカードを貰っても内容は全然違う。

マルチボールシステム
 スローインやゴールキック時、すぐにリスタートできるように今まで使っていたボールとは違うボールをボールボーイに直ぐに渡してもらいゲームを再開すること。試合時間の短縮と、ゲームの流れが途切れないためにFIFAが採用。

メソッド (method)
 方法、方式、方法、秩序、順序正しさ。メソードとも。
  メソディカル(methodical)・・・組織だった、規律正しい、周到な。

モビリティー (mobility)
 攻撃の活動性。フリーランを進化発展させた攻撃のチームプレー。受け手の選手のスペースへの素早い移動(フリーラン)と、それに合わせた周りの選手が連動・連続して動く攻撃戦術。
 ウェーブやポジションチェンジやダイアゴナルランやデコイのようにスペースを作る動きではなく、モビリティーはオープン・スペースを素早く突く動きとその連動連続の攻撃戦術、チームプレー。

モチベーション (motivation)
 動機を与えること、動機づけ、その刺激。戦う目標の明確性。目標に向けて戦う意思の力。

戻りオフサイド
 味方がパスを出したその瞬間に、オフサイドポジションにあった選手は、たとえオフサイドだったポジションから戻って、オフサイドでないポジションでボールを受けたとしても、絶対オフサイドであるということ。
 ※オフサイドルール上、パスの瞬間が重要なので副審の視点では当たり前の判定だ。しかし、ファンや選手にとってはDFラインとの駆け引きで激しく動きながらの事で「ボールを受けた場所がオフサイドライン内だからオフサイドではない」と都合よく解釈し易い。このため「戻りオフサイド」という言葉が簡潔に状況説明するサッカー用語となった。

ラインクロス (和製英語line cross)=ライナークロス ⇔ピンポイントクロス
 通常、クロス(センタリング)は、ターゲットとなるスペースや1人の選手に正確にボールを送るパス(ピンポイントクロス)であった。しかし、現代サッカーでは攻守の切り替えが速く攻撃参加がより厚みを増し、ペナルティーエリアの中(ボックス)に入ってくる選手が多くなり、キッカーのターゲットは増大した。
 このため、高さが一定で直線的なライナー(liner)の弾道(球筋)にボールを蹴ることでクロスの弾道上に複数の選手がプレーができるように意図したクロスが2009年頃から欧州リーグの試合で増え始め、これをラインクロス(ライナークロス)と2011年ころ日本では呼ぶようになった。
 ボックス(PA内)に入る攻撃選手が多いほど攻撃のプレーポイントが増えるため、守備側は対応選択肢が増え混乱しやすくなる。

ラインディフェンス (line Defence)
 スウィーパーを置かず、ディフェンダーが相互にチャレンジとカバーとの関係を保ちながら行うゾーンディフェンス。
 4人のDFで行われる場合、フラットバックフォーと呼ばれる。

ラン・ウィズ・ザ・ボール (run with the ball)
 ドリブルとは違い、ボールを持ってスピーディーに空いているスペースへ侵入すること。相手を抜く必要が無いときはこれ。

リアクションサッカー
 相手の展開に応じた試合運びをするサッカースタイル。カウンターサッカーなどもこう揶揄されるが、先制した局面で守りを固めミスを付くサッカーをするのは常套手段。問題なのはそれのみであること。攻撃には自軍に優位性のある攻撃展開スタイルが必要。

リトリート (Retreating Defence)
 ほぼ全員が自陣あたりまで下がり、そこからディフェンスを開始する守備戦術。カウントが優勢で内容が劣勢の終了間際に使われる。もともとのretreatは退却や閉じこもりの意。
 ⇔フォアチェック

リバースパス (reverse pass )
 ある方向にドリブルし、それによって逆方向にできたスペースに出すパス。或いは、例えば中央から右にパスされたとき、受けて左のスペースにパスを出すこと。

リベロ (libero)
 最終ラインのディフェンスを役目とするスウィーパーに対し、攻撃時に積極的に前に出て、後方からゲームを組み立て、攻撃参加していくディフェンダーのこと。

レガース
すねあて。 臑(脛)当て 臑を保護するためにつける用具。

レジスタ (regista イタリア語)
 イタリア語で「演出家、映画監督」。長短のパスでやや後方から攻撃全体を演出する役割。全体の状況判断をし、高い戦術眼で、長短高精度のパスを駆使し、中盤の底から攻撃を指揮、守備能力も兼ね備える。※よりゴールに近いFWのすぐ後方の攻撃MFはトレクァルティスタ。

レジステッドトレーニング ⇔アシステッドトレーニング
 短い距離の負荷をつけた走るトレーニング等。腰にゴムチューブを通し、後ろからゴムを固定し走ったり、腰にタイヤを結びつけ走ったり、手足におもりをつけ走ったりなど。旧来の体の筋肉により不可をかけ行うトレーニング方法。

レシーバー
ラストパス(シュートの前のパス)を出す選手。ゲームメーカー(司令塔)より更に攻撃的に前で決定的な仕事をするキープ力とパス精度の高いタイプの選手。

ロブ、ロビング (lob,lobbing)
 相手の頭上を越して味方にパスを出したり、シュートしたりする技術。
 ゴール前でいえば、敵守備と競う味方に後方からゴール前に合わせて上げるパスや、ディフェンダーの頭越しにパスを送るラストパスなどがある。またパス全般の高いボールのパスをいう。
 キックとしてはチップ(Chipping)、ロフティド・キックが用いられる。

ユーティリティ・プレーヤー
 役割の違う複数のポジションを起用にこなせる選手。例えば、左サイドだけでなくボランチもセンターバックもきちんとプレーできる選手など。怪我や累積警告で選手が欠場のときに役に立つので、こういう選手を監督は重宝する。

ワンサイドカット (one side cut)
 守備側の選手がマークする相手の特定の方向へのプレー・攻撃を阻止しておく事で、一対一の守備戦術の基本。
 ボールホルダーに対して、味方の2人目がマークを放り出してでも、パスコースを防ぎつつ距離を詰めるカバーリングを行うとボール奪取率がより高まる。しかし、その前提としてボールホルダーに最も近い対峙する選手が後方、左、右などの一方面エリアへのプレーを阻止して置く事が前提である。
 (注)ジョッキーとは守勢がサイドや後方に攻勢を追い込む事。

ワンタッチ (one touch)
 ボールを止めることなしに、ファーストタッチでパス、シュートなどをすること。したがって、ボールが来る前に周辺状況を把握しておくことが必要。そのようなパスを要求する時に味方がかけるコーチング。
"ダイレクトプレー"との混合に注意。

ワンツー (one two,wall pass,double pass、give and go)
 2選手間のパスによる突破の手段。パスを出す選手はパスと共に前方へ走り、受けた選手は壁の役割をしてリターンパスを行う。

英字略表記  過去のシステムのポジションを理解する時に役立ちます。
FW
 LW レフトウイング、CF センターフォワード、RW ライトウイング、LI レフトインサイダー(今の左OMFのようなもの)、RI ライトインサイダー(今の右OMFのようなもの)

MF
 CH センターハーフ(あえてMFに分類しました=DH、=CB)、LH レフトハーフ、RH ライトハーフ、WB ウイングバック、DH ディフェンシブハーフ
 CMF セントラルミッドフィルダー、OMF オフェンシブミッドフィルダー、DMF (=DH)ディフェンシブミッドフィルダー

DF
 LB レフトバック、RB ライトバック、LHB レフトハーフバック(今の左サイドバックのようなもの)、RHB ライトハーフバック(今の右サイドバックのようなもの)、SB サイドバック、CB センターバック、S(=SW)スィーパー、FB(=DF)フルバック、HB(=DMF)ハーフバック、

GK
 GK ゴールキーパー

以前の時代のシステムの例
  LW CF RW    4-3-3
  LH CH RH  ←この3人のMFはハーフとよんだCHはCMF
  LB CB RB  ←このSを含む4人のDFはバックとよんだ
    S
    GK

1930年にチャップマンが考案した3‐2‐5WMシステム
  LW CF RW    3-2-5  3FBシステム
   LI RI    FWは5人だが2列目の2人のFWは今のOMF
   LH RH    CHは今のCB
  LB CH RB
    GK
更に昔のピラミッド・システム(traditional old formation)
   GK     LW LI CF RI RW   2-3-5
  RB LB     LH CH RH 
 RH CH LH     LB RB
RW RI CF LI LW     GK

 2FB 2人のFBシステム、3FB 3人のFBシステム、CFBは3FBの真ん中のFB

背番号 とポジションの理由
 2-3-5のピラミッドシステム           現在の表記にひっくり返すと
    GK              1            11 10 9 8 7
   RB LB            2 3             6 5 4
 RH  CH  LH       4  5  6            3 2
RW RI CF LI LW    7 8 9 10 11           1
 この時代の過去のシステムの時に各ポジションに付いた番号のために、現在に至るまでもそのまま各ポジションから番号が使われている。
 ゴールキーパーは1番
 右センターバックは2番
 左センターバックは3番
 右サイドハーフは4番 (現在 右サイドバック)
 センターハーフは5番 (セントラルMF)
 左サイドハーフは6番 (現在 左サイドバック)
 右ウイングは7番
 右インサイダーは8番  (現在 右の内側の前のMF)
 センターフォワードは9番
 左インサイダーは10番 (現在 左の内側の前のMF)
 左ウイングは11番 (現在 左のFW)
というようになっている。

 2-3-5ピラミッドシステムはやがて2-3-2-3のインサイダーが下がり中盤を厚くしたシステムへ変遷。
                     現在の表記のようにひっくり返すと
      1                 11  9  7
     2 3                  10  8
   4  5  6              6   5   4
    8  10                 3   2
  7   9   11                1

現在の4-4-2ダイヤモンドでは       現在の3トップの4-3-3では
  11   9                     11  9  7
    10                      
 8     7                     10  5  8
    5                      6         4    
6  3 2  4                     3   2 
    1                           1
このようにシステムの移り変わりによってぐちゃぐちゃな現在の番号の並び順となった。番号がポジション像を表して歴史を重ねた為である。

CK コーナーキック、 FK フリーキック、 PK ペナルティキック

A契約、B契約、C契約選手
 J1、J2リーグではA契約選手はまさにトップ選手。現在A契約選手年俸480万円以上で1クラブ25名までに制限されている。
 選手がまずC契約でクラブと契約した場合、B契約さらにA契約を結ぶためにはプロC契約を3年経過するか、規定試合出場時間を満たすことが条件。
 B契約は年俸480万円以下。C契約は年俸480万円以下で、出場時間J1は450分以内、J2は900分以内、JFLは1350分以内の選手。時間を超えるとAもしくはB契約となる。

BOX
 中盤を四角く配置したシステム。これに対して4人のフラットやダイヤモンドがある。

FIFA (Federation Internationale de Football Association)
 国際サッカー連盟。FIFAワールドカップは世界最大の文化イベント。1904年5月21日パリにてサッカーの母国英国抜きの欧州7ヶ国でFIFA創設。一旦は英国4協会も加盟するもまとめて脱退、1946年に復帰。フランス人のFIFA会長ジュール・リメによって1930年7月18日にウルグアイで第一回ワールドカップ開催。優勝杯がジュール・リメ杯と呼ばれるのはそのため。
 新たに独立した諸国が最初にとった行動の中に、国連より先にFIFAへの加盟があった。そのため、加盟協会数は着実に増え続けた。1998年現在加盟協会数204。日本は1921年に大日本蹴球協会創立、1929年にFIFAに加盟。

Jへの門番
 アマチュア最高峰リーグのJFLからJリーグ昇格を目指すクラブにとって、JFLのプロ化を目指さないアマチュアの強豪クラブがいつも強敵となって立ちはだかっている。その強豪アマチュアクラブの事。その代表的なクラブにホンダFCがある。
 プロ化・Jリーグ入りを目指すクラブはJFLで2位以内に入ることが成績条件であり、そのためにはJFLの強豪アマチュアクラブと、いかに戦い、上位に入る事が出来るかが、大きな最終関門となっている。

PA内
 ペナルティエリア内のこと。日本のインターネットでライターの言葉の省略表記から生まれた。他にもトルシエのフラットスリーを F3 など。

1G1A
 1ゴール1アシスト。トップ下、司令塔、攻撃的MF、チャンスメークタイプのFWが一試合に要求される目標として用いられる。



サッカー通用語1へ
サッカー通用語2へ
Homeへ

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: