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図書館で『華僑二世徐翆珍的在日』という本を、手にしたのです。神戸には南京町という観光名所ができているが、華僑にはわりと寛容な気風があるわけでチョイスした次第です。【華僑二世徐翠珍的在日】 徐翠珍著、東方出版、2020年刊<出版社>より日本に生きた「在日華僑」の闘いの記録。日本の植民地政策の残存の象徴でもある「国籍条項」「外国人登録法」「入管法」をめぐる闘いの一つの結果として、外国籍公務員第一号となる。その他、指紋押捺拒否や「思いやり予算」返還訴訟、靖国訴訟などを提訴、「非暴力・反戦反差別平和」を理念に活動を続けている。<読む前の大使寸評>神戸には南京町という観光名所ができているが、華僑にはわりと寛容な気風があるわけでチョイスした次第です。rakuten華僑二世徐翆珍的在日神戸の定時制高校を経て大坂の西成区に移った後も著者が受けた辛苦を、「第2章 国籍条項」で見てみましょう。p17~19<西成で 黙っていては、中国人として生きられない!> 1970年、結婚し大阪の西成区に移りました。初めて多くの在日韓国・朝鮮人、あるいは私と同じ、在日中国人が日本社会の様々な偏見や差別によって同化を強いられていることを知りました。 それぞれの民族性が肯定的なものとしてではなく多くの場合は否定的なものとして扱われていること、日本人学校に多くの在日韓国・朝鮮人や、在日中国人の子どもたちが在籍していることにそれまで気がつきませんでした。在日中国人であることを主張して生きていながら、より多くの在日中国人や同じような歴史を持ってこれまで歩んできた在日韓国・朝鮮人が日本社会でどのような状況の中で生きているのかさえ知らなかったことに初めて気づかされました。 こうして、この西成で民族差別を実感していくことになります。 それでも私は、「貧乏ったれ」であったがために生きにくかった在日中国人社会からこの西成に移り、まさに水を得た魚のように「貧乏ったれ」を堂々と肯定的に生き始めることが出来たのです。 西成に移った私はまず、仕事を探し始めました。自分の住む地域近辺のすべての保育所、幼稚園に保母としての採用を打診して回りました。結局どこからも良い返事がありませんでした。近所の工場で数ヶ月働いている間にある民間の保育園から連絡があり、面接に行くことになりました。 履歴書を持参し、家からすぐ近くにある大阪社会福祉法人キリスト教社会館めぐみ保育園に出向いて行きました。キリスト教の牧師である園長は私の履歴書を見ながら「来て下さい」と話し正式職員として採用となりました。1970年11月19日のことです。 しかし「名前は徐では読みにくいので」という理由で、私の連れ合いの苗字である林を日本語読みの「はやし」と読んで「はやし先生で」と条件がつきました。良心的な園長とは言え、外国人の人権には、まだまだ疎かったのでしょう。 私はやっと仕事をみつけたのに、情けなくなりました。自分の名前が「ダメだ!」「日本名にしろ」と言われるなんて、情けなくて、悔しくて、こんなことは初めてでした。 私はそのまま、そこに就職しました。でも、どうしよう。、「はやし」なんかで生きていける筈がないのに、と内心思っていました。 私はずっと中国人として生きてきました。でも、この西成に来て、初めて黙っていては、中国人として生きられなくなることを思い知らされていくことになるのです。 就職してすぐに私は、「はやし」として紹介されたのですが、1ヶ月もたたないうちに私は職員や子どもたちみんなに「はやし」ではない、在日中国人だから「リンです」と主張しました。 71年1月から「リン」となりました。徐(ジョ)ではなかったけれども、私は少なくとも中国人であることを取り戻したのです。私は中国人保母として在日韓国・朝鮮人が半数近くも在籍するこの保育園の子どもたちの前にやっと堂々と立つことができたのです。 1970年の時点ですでにめぐみ保育園の公立への移転計画が持ち上がっていました。1971年7月1日には民間保育園から大阪市立長橋第三保育所に変わり、園長は大正区の新しい民間保育所に委託されることが決まりました。 私たち職員は、この保育所が市立になってもそのまま残る人と、大正区の新保育所に移る人と、それぞれ自由意志で選択することとなり、大阪キリスト教社会館職員組合を通じて具体的交渉に入りました。 私が、在日中国人であることもあってか、在日韓国・朝鮮人の保護者たちともつながりができ、オモニ(お母さん)たちと民族差別の実態や子どもたちへの思いなどを話し合えるようになりました。家庭訪問などを通じて、在日を生きてきたオモニ(お母さん)・アボジ(お父さん)たちの被差別の実態などを聞かせてもらいながら、私はここで多くのことを学び、私のやることをやっと見つけたような気がしていました。『華僑二世徐翆珍的在日』1:私の原点―闘いの軌跡
2024.11.23
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『マナーの正体』という本が面白かったので、復刻して読み直そうと思うのです。***********************************************図書館で『マナーの正体』という本を、手にしたのです。さだまさし、荻野アンナ、高野秀行、福岡伸一、等々、とにかく大使好みの作家のコメントが見られるのです。読売新聞の「たしなみ」欄に掲載したコメントを並べただけの本のようだが・・・企画の勝利と言うべきか。【マナーの正体】逢坂剛, 荻野アンナ著、中央公論新社、2015年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>さだまさし、荻野アンナ、高野秀行、福岡伸一、等々、とにかく大使好みの作家のコメントが見られるのです。読売新聞の「たしなみ」欄に掲載したコメントを並べただけの本のようだが・・・企画の勝利と言うべきか。rakutenマナーの正体福岡伸一さんのマナーを、見てみましょう。p122~123<長生きのマナー> 長生きするには人生を支えてくれるよき伴侶が必要です。 17世紀、オランダはデルフトの人アントニ・レーウェンフックは、小さな金属板にレンズをはめ込み、顕微鏡を自作しました。現在の顕微鏡とは似ても似つかぬ粗末なものでしたが、倍率は300倍近くもありました。レンズの磨き方に秘密があり、精度の高い球面を作り出したのです。 この顕微鏡を使って、彼は水たまりの水を覗いてみました。すると、透明にしか見えなかった水中に、様々な奇妙な形をした、色とりどりの小さな生き物が、光りながら自由自在に泳ぎ回っていたのです。人間が、「微生物」を発見した瞬間でした。彼は、これをアニマルキュール(小さな生命体)と名づけ、ひとつひとつを詳細に記録しました。 レーウェンフックは学者ではありません。毛織物商人の息子として生まれ、のちにデルフト市の下級職員になりました。顕微鏡の製作と観察は、余暇を利用した、純粋な趣味として行なわれたものでした。 彼がいつ顕微鏡に目覚めたのか定かではありません。1632年生れの彼が、記録をつけはじめたのは40歳を超えたころです。彼は何台も何台も顕微鏡を製作しては改良し、ありとあらゆるものを覗いていきました。血液中に血球を発見し、精〇中に精子を見つけ、それが生命の種であることに気づきました。 評判を伝え聞いた英国の科学者が、観察結果を手紙で書き送るように頼みました。レーウェンフックは最初、この依頼をすげなく断りました。自分は学者ではないし、ラテン語もできないし(これは教養の証しでした)、他人からあれこれ批判を受けたくないという理由でした。しかし依頼は再三にわたり、とうとう彼は折れて、観察記録を送りました。ところが、いったん始まると、記録は怒涛のごとき勢いで送られ始めたのでした。 彼は英国からの依頼が、跳び上がるほど嬉しかったのです。しかし同時に、躊躇したのです。これは典型的なアマチュアの心です。プロに対する素人、という謂いではありません。言葉の本当の意味ニオケルアマトゥールです。アマンとは愛。何かを好きになり、それがずっと好きであり続けられる人。アマチュアは自分の愛を自分だけで秘匿しておきたい一方で、自慢したくてしかたがないのです。 レーウェンフックは顕微鏡観察を続け、90歳まで生き、200報もの手稿を送りました。それは現在、英国の王立協会の図書館にそっと保存されています。それがゆえに現在、私たちはレーウェンフックを顕微鏡学の始祖として知っているのです。 私は、アマチュアの心こそが長い人生を送るうえで大切なことだと思うのです。何かを好きであることが、ずっとその人を支え続けると。『マナーの正体』5:福岡伸一さんのマナー『マナーの正体』4:ドジのマナー『マナーの正体』3:ほめるマナー『マナーの正体』2:エコのマナー『マナーの正体』1:八つ当たりのマナー*********************************************************■2018.08.11XML『マナーの正体』5https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201808110002/
2024.11.23
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。今年の温暖化は確実に進んでいるようで、11月には夏冬夏冬という異常気象がありましたね。我が季節感も確実に混迷を深めておるようで・・・なんか気候が荒々しく感じられる昨今です。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり新嘗祭この本で、小雪(しょうせつ)のあたりを見てみましょう。和暦p29<小雪>収穫を感謝する「新嘗祭」と「勤労感謝の日」 「小雪」は現行の暦では、11月22日ころ、第1日目を迎え、大雪(12月7日ころ)に入る前日までの15日間をいう。初日の1日を指す場合は、「小雪節季」とか「小雪の日」で区分されている。 11月も下旬になると、年の瀬を意識してか、慌ただしい空気が街に流れ始める。また、日没がどんどん早くなり、冬至の日にピークを迎える。 所によっては、降雪が見られる、この頃降った雪は「根雪」となり、春になるまで解けない。 少し遅れて紅葉時期に入る都心では、黄色に染まった街路樹が見頃を迎える。また、染まりきった銀杏の黄落が、道路を埋め尽くす勢いで始まり、黄葉の乱舞となる。車の通るごとに風に舞う様は圧巻だ。(中略)『暦便覧』では、小雪の気候を「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」と説明している。 恒例の年賀ハガキが発売されるのもこのころ。喪中や年賀欠礼のハガキはこのころの郵送となる。 小雪の期間の七十二候は、次の通り。 初候 「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」虹を見かけなくなる。 次候 「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」北風が木の葉を払い除ける。 末候 「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」橘の葉が鷹揚し始める、である。 西洋占星術では、小雪の日が、人馬宮(いて座)の始まりとなっている。ケヤキ並木の黄葉はピ-クを過ぎようとしているが、イチョウの黄葉はまだピーク前であり、これって例年並みなのか? 東北地方で積もった雪は根雪となるのか?・・・我が季節感に困惑が生じておるようです。二十四節季の立冬に注目(復刻3)二十四節季の大寒に注目(復刻)
2024.11.22
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「図鑑」でしょうか♪<市立図書館>・カレー移民の謎・イギリス断片図鑑・江戸ペディア<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【イギリス断片図鑑】エディング著・編、自由国民社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりローマ帝国と戦ったケルトの女王は?最初にネッシーを目撃したとされる守護聖人は?イギリス王室の公邸といえば?ヘンリー8世の王妃の幽霊が出る宮殿は?17世紀半ば、イングランド共和国を成立させた指導者は?イギリスの丘陵地帯に描かれた巨大な地上絵とは?「プリンキピア」とよばれる本の著者である科学者は?1889年、男性同性愛者が摘発された事件とは?1920年11月21日、アイルランド独立運動で起きた惨劇は?1項目3分読書!<読む前の大使寸評>追って記入rakutenイギリス断片図鑑【江戸ペディア】飯田泰子著、芙蓉書房出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より品川は江戸ではなかった!二割に満たない土地に商人、職人、犬猫がひしめく町。象も駱駝もやって来る、両国と浅草の見世物小屋が大盛況!リサイクルは江戸人の基本技。江戸にもあった「百円ショップ」。シャンプーは月1回。江戸時代の税金事情 長屋の住人は無税!軽い病は売薬で、流行病はひたすら祈る。一攫千金!富くじは夢の宝くじ。お城には国会・内閣・裁判所が完備。江戸の町をパトロールしていたのは精鋭の町方同心たった十二人。火消の面々は半鐘が鳴れば飛び出すファイアーファイター…江戸時代に関わる蘊蓄を集めた豆知識の事典!6つのカテゴリーの300項目。すべて挿絵つき。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten江戸ペディア
2024.11.22
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在18位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在3位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在1位・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)現在7位・消費者金融ずるずる日記(8/27予約、副本6、予約112)現在79位・パッキパキ北京(8/29予約、副本9、予約111)現在60位・転がる珠玉のように(9/05予約、副本7、予約87)現在55位・原爆裁判(9/11予約、副本?、予約133)現在99位・沈む日本4つの大罪(10/10予約、副本?、予約?)現在9位・官僚国家 日本の闇(10/28予約、副本2、予約47)現在45位・森永卓郎『身辺整理』(11/20予約、副本4、予約76)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・ヤマザキマリ『水木しげる厳選集 異』:図書館未収蔵・猫社会学、はじめます:図書館未収蔵・書いてはいけない日本経済墜落の真相:図書館未収蔵・金水敏『よくわかる日本語学』・闇の中国語入門・奪還 日本人難民6万人を救った男:・花まんま<予約分受取:9/01以降> ・パンとサーカス(8/28予約、9/01受取)・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、9/12受取)・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、9/22受取)・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、10/13受取)・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、10/27受取)・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』(7/27予約、11/14受取)・ぜんぶ、すてれば(11/07予約、11/14受取)・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、11/21受取)**********************************************************************【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【消費者金融ずるずる日記】 加原井末路著、三五館シンシャ、2024年刊<「BOOK」データベース>より1990年代の半ば、30歳のときに足を踏み入れ、50歳で退職するまでの20年を私はこの業界ですごし、お金にまつわる悲喜こもごもを目撃した。私が在籍した期間は、消費者金融業界が栄華を極めてから、2010年の法改正施行を経て、没落していく年月でもあった。-本書にあるのはすべて私の実体験である。「お客を追い込む仕事」。サラ金社員が経験した、貸し手と借り手のお金の修羅場。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten消費者金融ずるずる日記【パッキパキ北京】綿矢りさ著、集英社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは…?<読む前の大使寸評>追って記入rakutenパッキパキ北京【転がる珠玉のように】ブレイディみかこ著 、中央公論新社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりLike A Rolling Gem。大人の山あり谷ありライフを越えていけ!結婚するゲイの友人、職人魂を燃やす父、イギリスで、日本で、社会の底を支える労働者たちの人生劇場。泥くさい毎日を“宝石”に変える著者3年ぶりの最新エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(9/05予約、副本7、予約87)>rakuten転がる珠玉のように【原爆裁判】山我浩著、毎日ワンズ、2024年刊<商品説明>より日本初の女性判事・三淵嘉子が昭和三十年代に裁判官を務めた「原爆裁判」に焦点を当てた書き下ろし。原爆を巡るアメリカの闇を追及すると共に三淵嘉子の半生を紹介、さらに、世に名高い「原爆裁判の判決文」も付載した一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/11予約、副本?、予約133)>rakuten原爆裁判【沈む日本4つの大罪】 植草一秀×白井聡著、ビジネス社、2024年刊<「BOOK」データベース>より捏造と欺瞞、狡猾と策略で、夢も希望も失った日本人に告ぐ!奴隷国家に堕した日本の国難に打ち勝つ再生への処方箋。経済学の論客と気鋭の政治思想家が日本のタブーに斬り込む!LGBTQ、SDGs、コロナワクチン、政権と大企業の罠、メディア腐敗etc。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約 (10/10予約、副本?、予約?)>rakuten沈む日本4つの大罪【官僚国家 日本の闇】泉房穂著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2002年10月、右翼団体代表を名乗る男に襲撃され命を落とした政治家・石井紘基。当時、石井は犯罪被害者救済活動、特殊法人関連の問題追及等で注目を浴びていた。その弱者救済と不正追及の姿勢は、最初の秘書・泉房穂に大きな影響を与えた。石井は日本の実体を特権層が利権を寡占する「官僚国家」と看破。その構造は、今も巧妙に姿を変え国民の暮らしを蝕んでいる。本書第1部は石井の問題提起の意義を泉が説き、第2部は石井の長女ターニャ、同志だった弁護士の紀藤正樹、石井を「卓越した財政学者」と評する経済学者の安冨歩と泉の対談を収録。石井が危惧した通り国が傾きつつある現在、あらためてその政治哲学に光を当てる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/28予約、副本2、予約47)>rakuten官僚国家 日本の闇【身辺整理】森永卓郎著、興陽館、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいきなり、ステージ4のがん告知を受けた、森永卓郎の「遺言」。迷惑をかけずに、跡形もなく消え去りたい。渾身の「死に支度」ドキュメント。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/20予約、副本4、予約76)>rakuten身辺整理【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・デジタル朝日「好書好日」でめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.11.21
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時として陳舜臣さんの穏やかな歴史観が懐かしくなるわけで・・・以下のとおり復刻して読んでみようと思う次第です♪とにかく、陳舜臣さんは神戸市民としては同郷の文学者でもあるわけだし。*********************************************************図書館で『道半ば』という本を、手にしたのです。なんか既視感のある本であったが、まあいいかと借りたのです。帰って調べてみると9ヶ月前に借りていました。で、(その6)としています。【道半ば】陳舜臣著、集英社、2003年刊<「BOOK」データベース>より歴史を語りつづける作家が自らの20世紀を綴る注目の自伝エッセイ。ペルシャ、オリエントへの憧憬。歴史のうねりの中で培った豊かな精神。作家としてデビューするまでの若き日々。【目次】幼い日々/海岸通の家/中山手と北長狭/進学/水害の前/舞い落ちる旗/太平洋戦争まで/戦いはじまる/海を渡る人たち/上八時代〔ほか〕<読む前の大使寸評>神戸や台湾を描いた陳舜臣のエッセイ集であるが・・・これもミニブームといっていいんでしょうね。rakuten道半ば満州国や日本に渡った台湾人を、見てみましょう。p92~95<海を渡る人たち> 同性は結婚しないというしきたりは、そのころでもかなりきびしく守られていた。近親の結婚をできるだけ避けることは、科学的のもうなづける。だが、いくら血が近くても、姓がちがえば構わないというのだから、考えてみるとおかしいのである。 父の妹の幼は徐家に嫁いで、月雲を生んだ。たいへん近い関係だが、月雲の姓は徐だから、結婚はタブーではない。 だが、姑母は事の真相を知らなかったのである。 月雲姉さんには恋人がすでにいたのだ。しかもそれはかなり早くからであった。私が中学2年のとき帰省した頃は「目下恋愛中」であったらしい。彼女の家は旧仔林といって、新荘の町はずれにあるさびしい地域にあった。なにもない所なのに、若い男が、自転車に乗ったりして、そのあたりを徘徊していたそうだ。美人の月雲姉さんがお目あてであったらしい。 かんじんの彼女は、台北二中を卒業して、満州医大に進学した余錫乾氏と将来を誓い合うようになっていたのだ。これで台湾に住みたくない、といった彼女の真意がわかった。知らぬは親ばかりなり、であったわけである。 当時、満州国には謝という姓の台湾出身者が、政府の閣僚級になっていて。その関係で台湾人が何人か要職についていた。余氏の父親はそのうちの一人だったのである。余錫乾氏が満州医大をめざしたのは、じつは余家が新京にあったからなのだ。 満州国政府につとめていた彼の父親余逢時氏は、台湾では書家として、誰でもその名は知っている名士であった。 彼はもともと悪筆家だったが、一念発起して、毎日、水にむかって筆をふるったので、ついに希代の名筆といわれるようになったそうだ。 姑母さんはおろおろして、神仏に娘の将来を占ってもらったりした。だが、月雲姉さんの覚悟はきまっていた。 「潜水艦が出ようと、何が出ようと、私は満州へ参ります!」 決然と言いきったのである。 ・・・一人娘は、言い出したら、聞く耳をもたない者が多いわ。甘やかされて育ったから。 父は月雲の満州行きについて、ぽつりとそう言った。 なお私の刎頚の友となった何既明君は、私たちの遠縁だといったが、それは月雲のところの徐家を介してのつながりである。 私が大阪外大を繰上げで卒業するころの出来事で、昭和18年の後半、日本の近海もかなり浪が高くなっていたのだ。 月雲姉さんと反対に、日本から台湾にむかう人たちもいた。 台湾はいうまでもなく日本領であったが、そこに住む人たちは、完全な日本人とは認められなかった。入学試験のところでも述べたようにはっきりした差別がある。 なかには差別されて、却って幸いだというものもあった。それは国民の義務とされた「兵役」がないことである。純血主義の日本は、台湾人の兵士などは安心して使えなかったのだ。 という制度はあった。読んで字の通り、軍隊の人夫である。兵士ではなく、軍に使役される「苦力」にほかならない。 志願制ということになっているが、各郡役場に強制的に人数を割りあてるのだ。事変が始まると、軍夫は中国戦線各地に送られた。志願(実は強制徴用)して「入隊」するときは、内地の出征兵士の壮行会に似た行事さえおこなわれた。 私は軍夫の壮行っを送る歌の一節をいまでもおぼえている。 赤いタスキの誉れの軍夫 うれし ぼくらは日本の男 台湾の天才的作曲家のトウ雨賢が作曲した、「雨夜花」の節によって歌われた。あまりにも哀しい歌である。 正式に台湾に徴兵令が布かれたのは、小磯内閣のときで、実施は昭和20年からだった。だが、軍人(軍夫ではない)の志願制はその前からおこなわれていた。 大学高専在学生の徴兵猶予が取消され、日本人の学生が「学徒出陣」で軍隊に入ったとき、同じ学生の台湾人は徴兵がないけれど、志願を強制されて軍服の人となったのである。 私はすでに繰り上げ卒業して「学徒」ではなくなっていたが、大阪外大の一級下であった楊克智君はそれに該当して軍隊に入ることになった。彼と同期の司馬遼太郎君は学徒出陣兵で、結局、両君はおなじころに兵営の門をくぐったのである。『道半ば』1:過ぎ行く牧歌時代p218~220『道半ば』2:神戸空襲前後p127~132『道半ば』3:終戦直後の在日の台湾人p142~146『道半ば』4:2月28日事件p243~247『道半ば』5:学究時代p109~114『道半ば』6:満州国や日本に渡った台湾人p92~95*********************************************************■2018.08.24XML『道半ば』6https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201808240002/
2024.11.21
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図書館に予約していた『ぜんぶ、すてれば』という本を、待つこと〇ほどでゲットしたのです。〝中野流・逆輸入型広報戦略〟によって構成されたようなこの本であるが・・・面白そうである♪【ぜんぶ、すてれば】中野善壽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年刊<商品説明>より【隈研吾 推薦】「ビジネスとかアートとか、結局のところ「切れ味」だということを、日本で唯一中野さんだけが直感的に理解し実践している!」"今日がすべて。颯爽と軽やかに、ぜんぶ捨てれば""人の評価は気にしない。 自分自身が納得できるか""準備万端の日は一生来ない。 何も考えず、思い切ればいい"<読む前の大使寸評>〝中野流・逆輸入型広報戦略〟によって構成されたようなこの本であるが・・・面白そうである♪<図書館予約:(11/07予約、副本?、予約?)>rakutenぜんぶ、すてれば著者の過激なライフスタイルを、見てみましょう。p44~45<捨てる以前に、持たなくていい。家もクルマも、時計さえも>「捨てる」ことについての話を進める前に。僕は捨てる以前に、モノをできるだけ「持たない」ライフスタイルを選んできました。言えは台湾に一応ありますが、賃貸暮らし。家具もごく限られた最小限のものだけで、日本で仕事をするときには、ホテルなどに滞在しています。クルマもなし。高価な腕時計にも興味はなく、仕事の打ち合わせを時間内で終えるための液晶時計が一つあれば十分です。日用品も決して高級品ではありません。服は通りすがりのアジア各地でパパッと、いつでも捨てられるくらいの気軽なものを。食べ物はコンビニの新商品を選ぶのが一番楽しい。御馳走は会食でいただくだけで満足。「経営者としての収入を、家財に費やせばそれなりものが手に入るでしょうに」と不思議がる人も多いのですが、僕はまったくモノに執着がありません。持たなければ、生活がモノで埋め尽くされないし、土地や家を売買する上での繁雑な手続きもしなくていい。何よりも災害での心配が一つ減る。何より身軽な生き方が好きなのです。ところで、斎藤新知事が19日の初登庁に際して「ワンチームで、謙虚に」と、クレバーな発言があったが・・・どうしても胡散臭いのである。公選法の不備をつくようなSNS重視の戦略と、県民に分断を持ち込んだ自己中心には驚くのです。今後ものっけから百条委員会とのヤリトリが予定されていて・・・罪は深いのではないか?また、にわかに斎藤氏を応援した県民の反応の幼稚さ?も想定外であったし、普段からSNSには近付かない私に落ち度があったのか?『ぜんぶ、すてれば』2:スマホを捨てる『ぜんぶ、すてれば』1:プロローグのような辺り
2024.11.20
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図書館に予約していた『ぜんぶ、すてれば』という本を、待つこと〇ほどでゲットしたのです。〝中野流・逆輸入型広報戦略〟によって構成されたようなこの本であるが・・・面白そうである♪【ぜんぶ、すてれば】中野善壽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年刊<商品説明>より【隈研吾 推薦】「ビジネスとかアートとか、結局のところ「切れ味」だということを、日本で唯一中野さんだけが直感的に理解し実践している!」"今日がすべて。颯爽と軽やかに、ぜんぶ捨てれば""人の評価は気にしない。 自分自身が納得できるか""準備万端の日は一生来ない。 何も考えず、思い切ればいい"<読む前の大使寸評>〝中野流・逆輸入型広報戦略〟によって構成されたようなこの本であるが・・・面白そうである♪<図書館予約:(11/07予約、副本?、予約?)>rakutenぜんぶ、すてればSNS嫌いの大使であるが、著者はスマホをどう見ているか、見てみましょう。p76~79<スマホを捨てる。ぜんぶ、自分を失くしたくないから。>街を歩いていると、皆スマートフォンを見つめています。僕も昔、スマホを使ったことがありました。でも、1ヶ月で嫌になって、やめました。何が嫌だったかというと、乗法が多過ぎて余計な時間を撮られてしまうこと。画面を開けば、ネットもできるし、アプリは無限にある。結果、自分が処理できる以上の情報をついつい扱うことになってしまいます。すると、いつの間にか自分を失くしてしまう。これはよくないとすぐに気づいて、スマホ生活を捨てました。今持っているのは、ガラケー。正確に言うと、2018年に復刻したau「INFOBAR」というシリーズで、赤、白、水色の配色デザインが気に入っています。どうです? 可愛いでしょう。自己満足かも・・・。ゆったりと情報を見たいときには、iPadで。自分のペースを守るには、このスタイルが一番です。<スマホで観る貧しい映画は文化じゃない。五感で本物を受け止めよ。>一見便利なものが、実は僕たちの心を貧しくする危険をはらむことはよくあります。これまで大切にしてきた文化を、失いかけてはいないか。それは文化なのか、ただの文明の利器なのか。いつも注意深くしていなければなりません。例えば、映画鑑賞。僕は映画館で観る映画こそが映画だと思っているので、飛行機の中で観て「いい」と思った作品は、もう一度映画館で観るようにしています。大画面でのストーリー展開、迫力の音。作り手が想定したとおりの環境で観て初めて「映画を観た」と言えるはずです。しかし、最近はスマートフォンの小さな画面でも簡単に観られるようになって、映画館に行かない若者も増えているようです。それは本当に映画と言えるのか。自分の五感でしっかり受け止めた感動というのは、確実に自分のものになる。「他人のレビューに左右されてばかりで、自分の感想がうまく言えない」と密かに悩んでいる人がいるとしたら、「まず本物を見なさい」と助言したいですね。大画面で観れば、自然と感情が沸き立つものです。『ぜんぶ、すてれば』1:プロローグのような辺り
2024.11.20
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図書館に予約していた『ぜんぶ、すてれば』という本を、待つこと〇ほどでゲットしたのです。〝中野流・逆輸入型広報戦略〟によって構成されたようなこの本であるが・・・面白そうである♪【ぜんぶ、すてれば】中野善壽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年刊<商品説明>より【隈研吾 推薦】「ビジネスとかアートとか、結局のところ「切れ味」だということを、日本で唯一中野さんだけが直感的に理解し実践している!」"今日がすべて。颯爽と軽やかに、ぜんぶ捨てれば""人の評価は気にしない。 自分自身が納得できるか""準備万端の日は一生来ない。 何も考えず、思い切ればいい"<読む前の大使寸評>〝中野流・逆輸入型広報戦略〟によって構成されたようなこの本であるが・・・面白そうである♪<図書館予約:(11/07予約、副本?、予約?)>rakutenぜんぶ、すてればまず、冒頭にあるプロローグのような辺り(寺田倉庫の広報からか?)から、見てみましょう。p4~5<何も、必要ありません。ぜんぶ、捨てればいいんですよ。>中野善壽、75歳(2020発刊当時)。伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させる。その後、台湾へ渡り、大手財閥企業で経営者として活躍。2011年、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOに就任。大規模な改革を実施し、老舗の大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた。その手腕と独自の考え方、そして人柄により、各界の著名人に慕われている。一方で、メディアにはほとんど姿を現さず、社員にさえ、本当に実在するのか疑われていた、異端の人物。その生き方の根幹にあるのは「何も持たない」こと。家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している。何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。本書は、中野氏の話を聞くことにより浮かび上がった現代を前向きに、楽しみながら生きるためのヒントを短い言葉と文章にまとめ、紹介する。ウーム、かなりハッタリをかまされたような出だしであるが・・・中野氏は台湾で活躍されたようで、もしかしてオードリー・タンのような超人なのかも♪
2024.11.19
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日本人女性作家の快進撃をレポートした『文芸ピープル』という本がええわけで・・・以下のとおり復刻して読み直すことも意義深いことではないか♪*********************************************************『文芸ピープル』(復刻)この本は2年前に借りて読んでいた本であるが、うっかりしてまた借りたのである(またか)、つまりそれだけツボがうずく本と言いますか・・・ということで、以下のとおり復刻したのです。***********************************************************図書館で『文芸ピープル』という新書を、手にしたのです。日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。【文芸ピープル】辛島デイヴィッド著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より著名な賞の受賞、ベストセラー…、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、デザイナーなど、本づくり&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセー!<読む前の大使寸評>日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。rakuten文芸ピープル「第2章」で日本人女性作家の快進撃を、見てみましょう。p81~84<順調な滑り出し> 2018年の夏にアメリカ版が刊行された時点で、『コンビニ人間』は日本で既に60万部以上売り上げていた。ブラックストックもさすがに日本ほどの数字は期待していなかった。グローヴ・アトランティック社の基本方針も、書店から想定される注文に出来るだけ近い部数を刷り、必要に応じてタイムリーに、そして頻繁に増刷する、というものだった。 だが、『コンビニ人間』の英訳はすぐに注目を集めた。刊行前日に掲載されたニューヨーク・タイムズ紙のプロフィール記事が話題になり、刊行直後から東はニューヨーカー誌から西はシアトル・タイムズ紙まで、全国の主要紙誌に好意的な書評が掲載された。 日本国内同様、多くの評者は、すでに小説を10冊以上出している著者が長年コンビニで働いていた事実に触れ、本の書影とともにコンビニの前や店内に立つ著者の写真を掲載する新聞や雑誌も目立った。 12月上旬には、ニューヨーカー誌が発表した2018年のベスト本9冊のうちの1冊(そして唯一の翻訳作品)にも選ばれた。(中略)<スーパー・エディター・イン・イングランド>『コンビニ人間』は大西洋の反対側でも有能な編集者に恵まれた。グローヴ経由でイギリスでの翻訳出版権を獲得したのはグランタ&ポートベロ・ブックスのアン・メドーズ。 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学の修士号を取得し、文芸エージェントでのインターンシップなどを経て2010年にグランタ&ポートベロ・ブックスに入社したメドーズは、2019年にエディトラル・ディレクターに昇進した。現在はマーゴ・ジェファーソン、サンドラ・ニューマン、多和田葉子、をはじめ、多彩な作家の作品を「年8冊から10冊のペースで」刊行している。 オフィスの壁には「NEW. WOMEN. DIFFICULT」と書かれた紙が貼られている。同じ西ロンドンのオフィスを共有しているグランタ誌で編集者をしていたユカ・イガラシ(五十嵐由香)から引き継いだもので、ツイッターのトップバナーにもしている。「あの紙はとても大切にしている・・・ユカと交わした会話を思い出します。何か違うもの、もしくは難しいことに取り組みたいと話していたこと・・・私が出版している作家は今も大半が女性[WOMEN]。そして、マリアーナ・エンリケスや多和田葉子や紗耶香さんなど、私にとって新しさ[NEW]を象徴する国際的な作家の作品を出版できていることも誇りに思っています。ひとつ変わったことがあれば、難しさ[DIFFICULTY]については以前ほど関心がないこと。いま求めているのは小さな爆発のように感じられる小説」。 そう言うメドーズが編集者になって初めて出した本は、日本の小説の英訳だった。同僚のイガラシの薦めで、アメリカのカウンターポイント・プレスから2012年春に出たばかりの川上弘美の『センセイの鞄』の英訳(The Briefcase)を読み、ぜひイギリスで出版したいと考えたのだ。 日本でベストセラーとなり、英語圏でもマン・アジア文学賞の最終候補に選ばれていたThe Briefcaseだが、当時アメリカでの売れ行きはゆるやかなものだった。それでもイギリスで刊行できるようメドーズは「何週間もかけて」同僚を説得した。そして英題をStrange Weather in Tokyoに変え、表紙を林ナツミの「本日の浮遊」シリーズの写真を使用し、2013年の夏に出版した。 同作は、2014年の春にインデペンデント紙外国小説賞の最終候補に選ばれ、イギリスで(2020年10月現在)7万部近いロングセラーになっている。『文芸ピープル』8:日本人女性作家の快進撃p81~84『文芸ピープル』7:日本人作家の業界情報p200~203『文芸ピープル』6:『コンビニ人間』イギリス版の自販機p137~143『文芸ピープル』5:最新の英訳刊行状況p189~193『文芸ピープル』4:柳美里『JR上野駅公園口』p185~188『文芸ピープル』3:村田沙耶香『地球星人』の続きp92~96『文芸ピープル』2:村田沙耶香作品の2冊目p89~91『文芸ピープル』1:新しい日本文学を編む編集者たちp66~69*********************************************************■2023.02.12XML『文芸ピープル』(復刻)https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202302120001/
2024.11.19
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図書館で『誰も書かなかった統一教会』という本を、手にしたのです。安倍ファミリーと統一教会の関係が語られているようだが、政治資金規正法違反(不記載)など自民党の闇にも触れているようで、興味深いのです。【誰も書かなかった統一教会】有田芳正著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。<読む前の大使寸評>安倍ファミリーと統一教会の関係が語られているようだが、政治資金規正法違反(不記載)など自民党の闇にも触れているようで、興味深いのです。<図書館予約(7/27予約、副本?、予約?)>rakuten誰も書かなかった統一教会「第5章 フレイザー委員会報告書」で統一教会の商法が語られているので、見てみましょう。p147~151<教団が世界に保有する富の資金源は日本> 数多あるアメリカの教団系企業の中でも、最大の成功を収めたのが「トゥルー・ワールド・フーズ」だ。40種類以上のサーモンや5種類の鯛、イクラの加工品などの魚介類だけでなく、鰻のタレ、ゆずなどの柑橘類、さらには庖丁まで、アメリカの寿司職人が必要とするおよそすべての商品を扱っている。現在では、アメリカ17州に加えて、イギリス、カナダ、スペイン、韓国、そして日本にも支社に持つまでに成長を遂げた。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記事「The Untold Story of Sushi in Àmerica」(2021年11月5日付)によれば、トゥルー・ワールド・フーズは、2021年度、アメリカとカナダに8300以上の顧客を持ち、日本支社はアメリカに年間1000トン以上の鮮魚を輸出している。アメリカの高級・中級の寿司店向けの鮮魚販売の実に7~8割を同社が占め、グループ全体の年間売上高は5億ドル(当時の為替レートで約570億円)を超えるという。 だが、トゥルー・ワールド・フーズの成功や、同社を筆頭とするアメリカの統一教会系企業の隆盛は、日本の統一教会系による霊感商法や事実上強制的な献金が下支えしていたのだ。アメリカの教団系企業の多くが、70年代後半から80年代前半に設立されているが、日本で霊感商法がピークに達していた時期と重なる。いわば、日本人の被害によって、教団が言うところのアメリカン・ドリームは成就したのだ。 英紙「フィナンシャル・タイムズ」(2022年7月16日付)は「教会の指導者らが、日本から米国へ送金された数十億ドルをふくむ信者の労働力と資産を、企業帝国を築き上げるために搾取している」との批判があると指摘し、「日本は教団が世界で保有する富の最大の資金源」というのが多くの識者の一致した見方だとしている。 文鮮明教祖は1975年から日本の統一教会に月20億円の送金命令を下し、約10年間で送金された額は2000億円に上ったことが元幹部信者の告発で明らかになっている。(中略) アメリカの教団系企業の成功を支えたのが、資金面では日本からの送金だったが、人的に大きな貢献をしたのもまた日本から渡米した数百人の信者だった。選抜されたエリート信者たちはアメリカに入国すると、国際合同結婚式でアメリカ人とマッチングする。こうしてアメリカ市民権を取得した後、教団系企業で薄給、あるいは無給で寝食を忘れて献身的に働き続けたのだ。 アメリカでもっとも成功した教団系企業体となったトゥルー・ワールド・グループは、現在、「統一教会インターナショナル」(1977年設立)が所有する。問題なのは、教団の反共運動やリトルエンジェルス芸術団などの文化活動、プロパガンダを行うメディア企業、教団の脱税をめぐる訴訟費用などに統一教会インターナショナルが資金を提供していることだ。 さらに憂慮すべきは、こうした資金提供が、時には文鮮明機関のペーパーカンパニーやトンネル法人を経由して行われている可能性が高いことだ。無数の組織や企業を抱える文鮮明機関を介した資金移動を、当局が捕捉するのは極めて困難なのである。『誰も書かなかった統一教会』1:安倍晋三と統一教会
2024.11.18
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図書館で『誰も書かなかった統一教会』という本を、手にしたのです。安倍ファミリーと統一教会の関係が語られているようだが、政治資金規正法違反(不記載)など自民党の闇にも触れているようで、興味深いのです。【誰も書かなかった統一教会】有田芳正著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。<読む前の大使寸評>安倍ファミリーと統一教会の関係が語られているようだが、政治資金規正法違反(不記載)など自民党の闇にも触れているようで、興味深いのです。<図書館予約(7/27予約、副本?、予約?)>rakuten誰も書かなかった統一教会p230~233<第8章 安倍晋三と統一教会>■「聖地」下関 2023年4月11日、私は安倍晋三元首相の死去に伴う衆議院山口4区補欠選挙に、立憲民主党の公認を受けて立候補した。山口は保守王国として有名な土地だ。依頼があった時、「やろう」と誰にも相談せずに決めたのは、この地が憲政史上最長の政権を担った安倍元首相のお膝元であり、岸信介元首相、安倍晋太郎元外務大臣、そして安倍晋三元首相の「3代」が象徴するように、戦後日本の保守政治が選挙支援と引き換えに統一教会の影響を受けてきた事実を訴える意味があったからだ。 保守の地盤で戦うのは無謀だという声もあった。だが、黙して闘わず・・・という選択肢はなかった。 山口4区にある下関は、統一教会にとっての「聖地」であり、そもそも安倍元首相と教団の接点もまたここからはじまっていた。 1941年4月1日、朝鮮半島を関釜連絡船で夜中2時に出発し、海を渡った21歳の文龍明が下関の地に降り立ったのは朝8時だ。後に統一教会を設立して教祖となる文鮮明を名乗る青年が、初めて日本の土を踏んだのだ。文は一路東京をめざす。わせだ高等工学校に留学するためだ。 統一教会はこの日を記念し「日臨節」と名付けて毎年祝ってきた。信者の間で「下関=聖地」という認識が広まったのは、日臨節の記念大会における講演(2021年3月28日)で、日本の教団を指導していた方相逸(パンサンイル)大陸会長が「山口の下関は聖地と同等の場所です」と祝辞を述べたからだ。 下関駅から歩いて8分ほどの場所に「ビル三枡」がある。統一教会が下関に教会を設立したのは1963年。日本に教団ができて4年後だ。福岡出身でミッション系大学生だった女性が寮に訪問してきた女性信者から伝道された。家族の反対を押し切って中退した女性は、門司と下関を担当、廃品回収などで活動費を捻出し、下関教会を設立したのだった。 やがてこのビルの一部を借りて拠点とした。韓国から日本を訪れた幹部や信者たちは、この施設に布団を持ち込んで宿泊することが多かった。この下関教会から約150メートル、歩いて約2分のところに安倍晋太郎事務所があった。住所は下関市東大和町1丁目だ。その後は安倍晋三事務所になり、2023年に安倍後継の補選で当選した吉田真次議員の事務所になる。 安倍晋太郎が衆議院選挙に旧山口1区から出馬し、初当選を果たしたのは1958年だ。下関教会の信者は「共産主義に勝利する」という国際勝共連合の強烈なイデオロギーをテコに安倍事務所を定期的に訪れた。安倍晋太郎事務所では山口県警出身の竹田力秘書が統一教会との窓口となっていた。 安倍晋三は父が中曽根内閣の外務大臣に就任した1982年に、神戸製鋼所を辞めて秘書となる。安倍晋太郎は1991年5月15日に67歳で逝去。世襲であとを継いだ安倍晋三は1993年7月の衆議院選挙で旧山口1区から立候補、当選を果たす。 安倍晋三後援会の青年部に農協で働いていた配川博之がいた。配川は最初、私設秘書として阿部事務所に入り、やがて公設第一秘書になる。2020年に「桜を見る会」問題で政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴され、秘書を辞任するまでずっと地元で活動、名刺には「筆頭秘書」と印刷されていた。安倍昭恵が引き上げたと地元では言われている。配川秘書は統一教会との関係を竹田から引き継いだ。■安倍元首相が教団と絶縁できなかった理由 安倍晋三は統一教会と距離を置いていた時期がある。1980年代半ばに続き1990年代に霊感商法が社会的に批判を浴びたからだ。2003年から2004年、安倍は自民党の幹事長を務めていた。党三役として問題の多い教団を警戒していたのだろう。 (中略) 2007年、体調悪化により第一次安倍政権がわずか1年で崩壊すると、世間からはもちろん、味方であるはずの保守層からも厳しい批判を浴びせられた。安倍元首相は深い挫折を味わうことになる。それだけでなく、続く福田康夫、麻生太郎内閣も短命に終わり、ついに2009年には自民党は政権を失い、野党に転落してしまう。 深い挫折に傷付く安倍元首相の心の隙に付け込むように接近したのが統一教会だった。人の心の弱みに付け込んで、霊感商法で法外な価格の壺や多宝塔などを買わせ、多額の献金を強要するのは、教団の基本的な手法である。
2024.11.17
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漢字文化圏という括りは私のツボの一つなんですが・・・水村美苗著「日本語が亡びるとき」という本に、その漢字文化圏とか「漢字仮名交じり文」などが語られているので復刻して読んでみようと思い立ったのです。*********************************************************現存する唯一の表意文字・・・それは漢字ですね。その漢字を排斥する動きが漢字文化圏の各地で起こっては消えました。そのあたりについて、水村美苗著「日本語が亡びるとき」より引用します。 1965年 国語審議会会長が、初めて、日本語の表記法は「漢字仮名交じり文」であることを前提として審議を進めることを記者会見で発表する。文部省が進めようとしてきた漢字排除論に初めておおやけに終止符がうたれたのは、前島密が「漢字御廃止之儀」を上伸してからちょうど百年後であった。 <書き言葉>が<話し言葉>の音を表したものにすぎないという「表音主義」を真に受け、実に百年にわたって、日本語から漢字を排除しようという動きがあったのであった。 いうまでもなく、もと漢文圏において、漢字を排除したいという思いをもったのは日本だけではない。朝鮮語は日本語よりも抽象語のなかで漢字が占める率の高い言葉だそうだが、北朝鮮では漢字を使うのが法律で禁止されているし、韓国でも今やほとんど漢字を使わなくなってしまった。朝鮮半島の人たちは漢字を捨ててハングル表記だけを選び、いわば、仮名文字論者の立場をとったのである。また、ヴェトナム語はその朝鮮語よりさらに抽象語のなかで漢字が占める率の高い言葉だそうだが、すでに二十世紀の前半に全面的にローマ字アルファベットに変えてしまった。(一部省略) 思うに、日本から真に漢字排除論が消滅したのは、ここ二十年くらいのことである。(一部省略)コンピューターという技術革新のおかげで、漢字はかってのように「不便なもの」でも、ポピュリズムと相反するものでもなくなたからである。今や漢字は外国人も進んで学ぶようになり、漢文の運命はわからないが、少なくとも漢字という三千数百年の歴史を持つ文字――現存する唯一の表意文字が絶滅する危機を人類は脱した。いま、インターネットという追い風を得て「普遍語」という地位をゆるぎないものとした英語に対して、日本語を「現地語」というふうに劣位に定義し・・・また、漢字を駆使した<書き言葉>でもある漢文を「普遍語」ととらえる水村さんの歴史的センスがすごいと思うのです。 同じ「普遍語」であっても、日本語を磨き上げた漢文と、日本語を滅ぼしかねない英語があるそうで・・・置かれた歴史的条件が違えば、こうなるのでしょうか。最近では韓国の学校で漢字教育が復活したとかで・・・同じ漢字文化圏の民として、喜びに堪えません。(大東亜共栄圏の復活も近いかも)いずれにしても、「日本語が亡びるとき」という著書をとうして、英語と対峙するスタンスが好きですっかり水村ファンとなった反米の大使である。(大使!贔屓の引き倒しに、なっとるで)雑誌「ユリイカ」2月号では、水村美苗特集を企画しているそうで、これは買いだ!ということで、期待しております。『漢字の世界』『声の文化と文字の文化』漢字文化の全き繼承と發展のために 漢字を放棄することができるか *********************************************************■2009.01.10XML現存する唯一の表意文字https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/200901100000/
2024.11.17
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図書館で『華僑二世徐翆珍的在日』という本を、手にしたのです。神戸には南京町という観光名所ができているが、華僑にはわりと寛容な気風があるわけでチョイスした次第です。【華僑二世徐翠珍的在日】 徐翠珍著、東方出版、2020年刊<出版社>より日本に生きた「在日華僑」の闘いの記録。日本の植民地政策の残存の象徴でもある「国籍条項」「外国人登録法」「入管法」をめぐる闘いの一つの結果として、外国籍公務員第一号となる。その他、指紋押捺拒否や「思いやり予算」返還訴訟、靖国訴訟などを提訴、「非暴力・反戦反差別平和」を理念に活動を続けている。<読む前の大使寸評>神戸には南京町という観光名所ができているが、華僑にはわりと寛容な気風があるわけでチョイスした次第です。rakuten華僑二世徐翆珍的在日「第1章 私の原点―闘いの軌跡」の冒頭から見てみましょう。p5~9<華僑には家があっても帰る場所がない> 戦争が引き起こされ、その同じ地で「敵国人」になってしまうとはどのようなことなのか。 日常の生活は環視の中、いつなんどきスパイにされて迫害され、命そのものが危険に晒されてもおかしくない。事実、過去幾度もの戦争勃発時には、その危険を少しでも回避するため、国に残した家族との離散を避けるためにも、多くの在日華僑たちは日本から故郷中国へと帰国して行きました。・1894年~1895年 庚午戦争(日清戦争)、清国民は日本の敵国人となる。・1893年 5343人を数えた華僑たちは敵国人としての弾圧、迫害を恐れて多くが帰国。1894年にはその数1576人にまで激減。1899年、やっと6359人に回復した。・1899年 ここからはかつての貿易商などの華僑ではなく、「内地雑居令」等によって厳しい法規制下で日本の労働力の調整弁となる「華工」の時代、日本における「外国人労働者」の時代に入る。・1931年 柳条湖事変(満州事変)では、横浜・神戸の華僑の多くが迫害を恐れて集団帰国。 ・1937年 対中国全面戦争で、1936年の華僑人数は4万5000人であったが、戦争勃発の1937年には華僑の集団帰国が始まり、2万7090人と減少している。これ以後は厳しい戦争状態で帰国不能となった。・1945年 日本の敗戦から1972年日中国交回復まで、政治に翻弄され、故郷中国の地を踏むことが出来ず、家族は引き離されたまま、もちろん親の死に目にも会えませんでした。(中略) 当時の華僑一世たちはまがりなりにも「帰る」故郷があり、様々な形で「国」との具体的な繋がりもまだあったであろう。しかし、戦後を生きて来た私たちはすでに5世、6世を数えます。戦争準備をする日本は私たちに大きなとまどいと脅威をもたらしています。 私にはもう帰る「故郷」、つなgる「国」はありません。戦禍が広がろうが、敵国人としての迫害を受けようが、ここが日本の私の「故郷」です。 私は「中国国籍」であり、私の子や孫は「日本国籍」です。(国籍法により、父母両系血統主義・帰化手続き簡素化などや、日本人との婚姻が圧倒的に多い中、「中国籍をルーツにもつ」日本人が年々増えている) 国家間の憎悪を生む「戦争」は私たちに何をもたらすのか! かつて私たち華僑は国家による「内政不干渉」という方針の下、日本の政治には極力直接関りを持たないように生きてきました。しかし、ここ日本はすでに帰る場のない私たちの「故郷」であり、国籍が何処であれ、この社会の主体者なのです。 まがりなりにも生きていた「憲法九条」の下で、私は70数年生きてきました。ほんの一時期を除いて、日本はアメリカの要請に動かされながら、常に戦争への危惧がつきまとっていました。特に「嫌中」ヘイトが民衆の中にも根を張りそうな気配に、戦争は遠い「歴史」ではなくなりつつあります。 市民社会の一員としてこの社会を監視する義務と責任があるとはいえ、私には「選挙権」すらないのです。憲法制定に責任あるみなさん、どうか「憲法九条」を捨てないで頂きたい。日本の憲法にはアジアの人々にも「もの言う権利」があるものと確信しています。「憲法九条捨てさせない!」私の切なる叫びなのです。
2024.11.16
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・誰も書かなかった統一教会・ぜんぶ、すてれば・疑史世界伝<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【誰も書かなかった統一教会】有田芳正著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(7/27予約、副本?、予約?)>rakuten誰も書かなかった統一教会【ぜんぶ、すてれば】中野善壽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年刊<商品説明>より【隈研吾 推薦】「ビジネスとかアートとか、結局のところ「切れ味」だということを、日本で唯一中野さんだけが直感的に理解し実践している!」"今日がすべて。颯爽と軽やかに、ぜんぶ捨てれば""人の評価は気にしない。 自分自身が納得できるか""準備万端の日は一生来ない。 何も考えず、思い切ればいい"<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/07予約、副本?、予約?)>rakutenぜんぶ、すてれば【疑史世界伝】清水義範著、集英社、2007年刊<「BOOK」データベース>よりソクラテスとオリンピックの意外な関係(「戦場のソクラテス」)、超スピードで語り尽くす中国三千年の歴史(「あわただ史記」前編・後編)、あの十字軍遠征をイスラム社会側から見てみると…?(「フランクが来た」)などなど、おもしろ世界史短編全19編。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten疑史世界伝
2024.11.16
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在18位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在1位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在3位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在3位・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)現在9位・消費者金融ずるずる日記(8/27予約、副本6、予約112)現在83位・パッキパキ北京(8/29予約、副本9、予約111)現在65位・転がる珠玉のように(9/05予約、副本7、予約87)現在57位・原爆裁判(9/11予約、副本?、予約133)現在103位・沈む日本4つの大罪(10/10予約、副本?、予約?)現在9位・官僚国家 日本の闇(10/28予約、副本2、予約47)現在45位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・ヤマザキマリ『水木しげる厳選集 異』:図書館未収蔵・猫社会学、はじめます:図書館未収蔵・書いてはいけない日本経済墜落の真相:図書館未収蔵・金水敏『よくわかる日本語学』・闇の中国語入門・奪還 日本人難民6万人を救った男:・花まんま<予約分受取:8/06以降> ・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、8/06受取)・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、8/27受取)・パンとサーカス(8/28予約、9/01受取)・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、9/12受取)・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、9/22受取)・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、10/13受取)・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、10/27受取)・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』(7/27予約、11/14受取)・ぜんぶ、すてれば(11/07予約、11/14受取)**********************************************************************【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【消費者金融ずるずる日記】 加原井末路著、三五館シンシャ、2024年刊<「BOOK」データベース>より1990年代の半ば、30歳のときに足を踏み入れ、50歳で退職するまでの20年を私はこの業界ですごし、お金にまつわる悲喜こもごもを目撃した。私が在籍した期間は、消費者金融業界が栄華を極めてから、2010年の法改正施行を経て、没落していく年月でもあった。-本書にあるのはすべて私の実体験である。「お客を追い込む仕事」。サラ金社員が経験した、貸し手と借り手のお金の修羅場。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten消費者金融ずるずる日記【パッキパキ北京】綿矢りさ著、集英社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは…?<読む前の大使寸評>追って記入rakutenパッキパキ北京【転がる珠玉のように】ブレイディみかこ著 、中央公論新社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりLike A Rolling Gem。大人の山あり谷ありライフを越えていけ!結婚するゲイの友人、職人魂を燃やす父、イギリスで、日本で、社会の底を支える労働者たちの人生劇場。泥くさい毎日を“宝石”に変える著者3年ぶりの最新エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(9/05予約、副本7、予約87)>rakuten転がる珠玉のように【原爆裁判】山我浩著、毎日ワンズ、2024年刊<商品説明>より日本初の女性判事・三淵嘉子が昭和三十年代に裁判官を務めた「原爆裁判」に焦点を当てた書き下ろし。原爆を巡るアメリカの闇を追及すると共に三淵嘉子の半生を紹介、さらに、世に名高い「原爆裁判の判決文」も付載した一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/11予約、副本?、予約133)>rakuten原爆裁判【沈む日本4つの大罪】 植草一秀×白井聡著、ビジネス社、2024年刊<「BOOK」データベース>より捏造と欺瞞、狡猾と策略で、夢も希望も失った日本人に告ぐ!奴隷国家に堕した日本の国難に打ち勝つ再生への処方箋。経済学の論客と気鋭の政治思想家が日本のタブーに斬り込む!LGBTQ、SDGs、コロナワクチン、政権と大企業の罠、メディア腐敗etc。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約 (10/10予約、副本?、予約?)>rakuten沈む日本4つの大罪【官僚国家 日本の闇】泉房穂著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2002年10月、右翼団体代表を名乗る男に襲撃され命を落とした政治家・石井紘基。当時、石井は犯罪被害者救済活動、特殊法人関連の問題追及等で注目を浴びていた。その弱者救済と不正追及の姿勢は、最初の秘書・泉房穂に大きな影響を与えた。石井は日本の実体を特権層が利権を寡占する「官僚国家」と看破。その構造は、今も巧妙に姿を変え国民の暮らしを蝕んでいる。本書第1部は石井の問題提起の意義を泉が説き、第2部は石井の長女ターニャ、同志だった弁護士の紀藤正樹、石井を「卓越した財政学者」と評する経済学者の安冨歩と泉の対談を収録。石井が危惧した通り国が傾きつつある現在、あらためてその政治哲学に光を当てる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/28予約、副本2、予約47)>rakuten官僚国家 日本の闇【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・デジタル朝日「好書好日」でめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.11.15
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トランプ新体制が動き始めましたね。日本に対しては、早速円安によって厳しい状況が出ているが・・・想定内とするには厳しいのではないか。大統領選挙では、ヒスパニックや黒人たちのアホな投票によってトランプさんは救われたとの見方もあるが・・・米国ラストベルトのヒルビリー(白人男性)たちは、どうなっているでしょうね?・・・ということで、2017年刊『ヒルビリー・エレジー』という本を復刻して読み直してみます。*********************************************************図書館に予約していた『ヒルビリー・エレジー』という本を、待つこと半年でゲットしたのです。トランプ大統領を誕生させたラストベルトのヒルビリーたちは、如何なる人たちなのか…わりとホットなドキュメンタリーなんだろう。【ヒルビリー・エレジー】J・D・ヴァンス著、光文社、2017年刊<BOOK」データベース>よりニューヨーク生まれの富豪で、貧困や労働者階級と接点がないトランプが、大統領選で庶民の心を掴んだのを不思議に思う人もいる。だが、彼は、プロの市場調査より、自分の直感を信じるマーケティングの天才だ。長年にわたるテレビ出演や美人コンテスト運営で、大衆心理のデータを蓄積し、選挙前から活発にやってきたツイッターや予備選のラリーの反応から、「繁栄に取り残された白人労働者の不満と怒り」、そして「政治家への不信感」の大きさを嗅ぎつけたのだ。トランプ支持者の実態、アメリカ分断の深層。<読む前の大使寸評>トランプ大統領を誕生させたラストベルトのヒルビリーたちは、如何なる人たちなのか…わりとホットなドキュメンタリーなんだろう。<図書館予約:(6/19予約、12/12受取)>rakutenヒルビリー・エレジー最後に「解説:渡部由佳里」を、見てみましょう。p408~412<解説> トランプのラリー(大規模な政治集会)のロックな雰囲気は、国家予算や税金について難しい話を真面目にするライバルとはまったく異なった。トランプは「とてもひどい」などといった小学校で学ぶ程度の単純な語彙だけを使ってオバマ大統領をけなし、ライバル候補を揶揄し、マイノリティや移民を非難して群衆を湧かせた。 このとき気付いたのは、大衆は国家予算や外交政策の詳細などには興味がない、ということだった。プロの政治家をすでに胡散臭く思っているので、たとえ実直に説明していても、「煙に巻こうとしているだけ」と感じてしまうのだろう。 それにひきかえ、「オバマ大統領や議会は災害」「メキシコが送り込むのは、ドラッグと犯罪とレイプ魔」「アメリカは日本が関税なしで何百万もの車を売りつけてくるのを許しているくせに、貿易協定を結べずにいる」「イスラム教徒のアメリカ入国を禁じる」というトランプの言葉は、ふだん彼らが感じていることそのものだ。言いたくても言えなかった真実を代弁してくれるトランプに、観衆が引き込まれていくのが見える。 さらに実感したのは、群集心理を察知する、トランプの天賦の才だ。 トランプは、もとは「不動産王」として知られていたが、全米で2004年に始まった『アプレンティス』というテレビ番組で、全米のスターになった。参加者が「見習い(アプレンティス)」としてトランプの会社での採用を競うもので、課題に取り組んだ参加者が、番組の最後に重役室に呼ばれ、そのうち一人が、トランプから「お前はクビだ」と言い渡される。 この独裁的な経営手法は専門家からは批判されたが、ビジネスの素人には非常にわかりやすくて面白い。視聴者は、テレビで観るトランプの「決断力とカリスマ性」に惹かれた。(中略) トランプを冗談候補としてあざ笑っていた政治のプロたちは、彼が予備選に勝ちそうになってようやく慌てた。都市部のインテリとしか付き合いがない彼らには、地方の白人労働者の怒りや不信感が見えていなかったからだ。そんな彼らが読み始めたのが、本書『ヒルビリー・エレジー(田舎者の哀歌)』だ。 無名の作家が書いたこのメモワール(回想記)が、静かにアメリカのベストセラーになっている。 著者のJ・D・ヴァンスは、由緒あるイェール大学ロースクールを修了し、サンフランシスコのテクノロジー専門のベンチャー企業のプリンシパルとして働いている。よく見かけるタイプのエリートの半生記が、なぜこれだけ注目されるのかというと、ヴァンスの生い立ちが普通ではないからだ。 ヴァンスの故郷ミドルタウンは、AKスチールという鉄鋼メーカーの本拠地として知られる、オハイオ州南部の地方都市である。かつて有力鉄鋼メーカーだったアームコ社の苦難を、川崎製鉄が資本提携という形で救ったのがAKスチールだが、グローバル時代のアメリカでは、ほかの製造業と同様に急速に衰退していった。失業、貧困、離婚、家庭内暴力、ドラッグが蔓延するヴァンスの故郷の高校は、州の最低の教育レベルで、しかも2割は卒業できない。大学に進学するのは少数で、トップの成績でも、ほかの州の大学に行くという発想などはない。大きな夢の限界はオハイオ州立大学だ。 ヴァンスは、そのミドルタウンの中でも貧しく厳しい家庭環境で育った。両親は物心ついたときから離婚しており、看護師の母親は、新しい恋人を作っては別れ、そのたびに鬱やドラッグ依存症を繰り返す。 母親代わりの祖母がヴァンスの唯一のよりどころだったが、十代で妊娠してケンタッキーから駈け落ちしてきた彼女も、貧困、家庭内暴力、アルコール依存症といった環境しか知らない。小説ではないかと思うほど波乱に満ちた家族のストーリーだ。 こんな環境で高校をドロップアウトしかけていたヴァンスが、イェール大学のロースクールに行き、全米のトップ1%の裕福な層にたどり着いたのだ。この奇跡的な人生にも興味があるが、ベストセラーになった理由はそこではない。 ヴァンスが「Hillbilly(ヒルビリー)」と呼ぶ故郷の人々は、トランプのもっとも強い支持基盤と重なるからだ。多くの知識人が誤解してきた「アメリカの労働者階級の白人」を、これほど鮮やかに説明する本は他にはないと言われる。『ヒルビリー・エレジー』1:ヒルビリーあるいはスコッツ=アイリッシュの現状『ヒルビリー・エレジー』2:白人労働者の政治意識『ヒルビリー・エレジー』3:解説:渡部由佳里著者のバンス氏がインタビューで取り残された白人たちを語っています。*********************************************************■2017.12.18XML『ヒルビリー・エレジー』3https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201712180002/
2024.11.15
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図書館で『戦争の値段』という文庫本を、手にしたのです。石破首相が登場したが日本の安全保障はどうなるのだろう?・・・という危機感が高まるわけでチョイスした次第です。仮想敵国はもちろんロシア、中国、北朝鮮になるのですが。【戦争の値段】加谷珪一著、祥伝社、2022年刊<「BOOK」データベース>より戦争が起きるか否かは、経済力で決まる!ウクライナ侵攻、太平洋戦争、日清日露戦争をお金の流れから読み解く。<読む前の大使寸評>石破首相が登場したが日本の安全保障はどうなるのだろう?・・・という危機感が高まるわけでチョイスした次第です。仮想敵国はもちろんロシア、中国、北朝鮮になるのですが。rakuten戦争の値段第5章「地政学を理解すれば世界の動きが見えてくる」で、チベットとウイグルに触れたあたりを、見てみましょう。p172~176<2 地政学的にアジアを見ると> 地政学的な思考は、各国の政治指導者や軍関係者にはかなり浸透しています。現実の国際政治に大きな影響を及ぼしていますし、各国の政治指導者が地政学を積極的に学ぼうとする理由もそこにあります。つまり、地政学的な理解ができるようになると、世界のリーダーと共通言語を持つことができるわけです。■なぜ中国はチベットとウイグルを弾圧するのか? 先ほど、朝鮮半島の地政学的な状況について触れましたが、朝鮮半島をめぐる各国の動きは、非情に教科書的です。 地政学では、世界の中心はユーラシア大陸のハートランド(心臓地帯)にあり、この地域を支配できる国が、世界における覇権国家となります。ここでいう覇権国家とは、世界に対して影響力を行使し、支配的な立場になれる国のことを指しています。また、国家にはランドパワーとシーパワーがあり、両者の利害関係は常に対立する構図になっています。 朝鮮半島に対して歴史的にもっとも影響力を行使してきたのは中国ですが、中国という国は、国土の西側がハートランドに接する位置にあります。しかし中国西端にあるチベット自治区や新疆ウイグル自治区は、もともと中国ではなく、中国が軍事的に弾圧し、無理矢理、自国の領土にした地域です(このためチベットやウイグルでは今でも独立運動があり、中国による弾圧が続いています)。 中国がチベットやウイグルをここまで重視しているのは、両地域が地政学上のハートランドに接しており、ここが他国の影響下に置かれることは、地政学的に見た場合、致命的な状況となるからです。 ただ、現実にはチベットの先にはエベレストで有名なヒマラヤ山脈があり、ウイグルの先には天山山脈という非常に険しい山があります。このためハートランド中心地とのアクセスはあまりよくありません。つまり大きな断絶があるのです。(中略) 中国は、安全保障のためにチベットやウイグルを重視していますが、それより西には行こうとしていません。その理由はマッキンダーが考えたように、地理的な条件が厳しいからです。したがって中国はハートランドに国土の一部を持っていますが、どちらかというと海洋の方に興味があり、半分はシーパワーの国ということになるわけです。 中国から見れば、朝鮮半島は海に出るための最先端の場所ですから、当然、地政学的には非常に重要なエリアとなります。朝鮮半島が中国と敵対する国の支配下に入ってしまうと、中国は黄海から東シナ海に出るルートを容易に押さえられてしまいます。中国が何としても朝鮮半島を自国の影響下に起きたいと考えるのも無理はありません。■ロシアと中国が日本を邪魔だと思う理由 これはロシアにとっても同じことです。 ロシアのウラジオストクは、ロシア太平洋艦隊の拠点であり、ロシアにとっては、冬の凍結を気にしないで大洋に出られる数少ない港となっています。 ロシアは典型的なランドパワーの国ですが、唯一、シーパワーを発揮できそうなエリアが日本海に面したウラジオストクというわけです。 しかしながら、ウラジオストクから太平洋にに出るためには、宗谷海峡か津軽海峡もしくは対馬海峡のいずれかを通らなければなりません。津軽海峡は両岸が日本となっていますから、宗谷海峡と対馬海峡の重要度が増してきます。中国と同じように、朝鮮半島が敵対する国の支配下に入ってしまうと、やはりロシアの動きは制限されてしまうわけです。 ロシアと中国にとって非常に面倒な存在となっているのが、私たちの住む日本であり、この位置関係が、朝鮮半島をめぐる利害の基本を形づくっているのです。『戦争の値段』2:ロシアのウクライナ侵攻『戦争の値段』1:戦争とお金の関係性
2024.11.14
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図書館で『戦争の値段』という文庫本を、手にしたのです。石破首相が登場したが日本の安全保障はどうなるのだろう?・・・という危機感が高まるわけでチョイスした次第です。仮想敵国はもちろんロシア、中国、北朝鮮になるのですが。【戦争の値段】加谷珪一著、祥伝社、2022年刊<「BOOK」データベース>より戦争が起きるか否かは、経済力で決まる!ウクライナ侵攻、太平洋戦争、日清日露戦争をお金の流れから読み解く。<読む前の大使寸評>石破首相が登場したが日本の安全保障はどうなるのだろう?・・・という危機感が高まるわけでチョイスした次第です。仮想敵国はもちろんロシア、中国、北朝鮮になるのですが。rakuten戦争の値段第2章「世界から見た戦争とお金」で、ロシアのウクライナ侵攻に触れたあたりを、見てみましょう。p75~77<4 敵国を支援でも金融市場を守れ> 国際社会に少々、不可解な印象を与えたロシアによるクリミア侵攻も、経済というフィルターを通すことでかなり客観的に分析することが可能です。 2014年、ロシアはウクライナのクリミアを制圧、自国の影響下に置きました。世の中では、大きな戦争が起こるのではないかと憂慮する声が出ましたが、各国の資本家は思いのほか落ち着いていました。■ロシアはなぜ戦線を拡大しないのか? その理由は単純で、資本家は戦争とお金の関係を知り尽くしており、ロシアに宣戦を拡大する能力がないことは、資本家の間では常識だったからです。 結局、ロシアのクリミア侵攻に対して市場はあまり反応しませんでした。 ロシアは軍事大国で強い国家というイメージがありますが、これは、策略に長けた政治家であるプーチン大統領が戦略的に作り上げてきたイメージにほかなりません。本書で解説している経済と戦争の関係を知っていれば、ロシアは必ずしも軍事大国とは呼べない実態がわかってきます。 ロシアのGDPは220兆円ほどしかなく、思いのほか小規模です。日本は約500兆円、中国は1200兆円、米国は2000兆円ですから、その差は圧倒的です。さらにロシアの経済構造は、米国や日本、中国と比べても非常に脆弱です。 ロシアには目立った産業がなく、天然ガスくらいしか国外に輸出して外貨を稼げる手段がありません。原油価格が安くなってしまうと、国庫への収入が減るだけでなく、輸入に必要な外貨すら不足することになります。このため、原油価格の状況によっては国内の経済が大打撃を受けることになってしまいます。 ロシアがクリミアに侵攻したのは、大国の野心というよりも、原油安で追い込まれたことから、軍事力を使って最大限の効果を上げようとした結果と考えられます。もしロシアが本格的な戦争に踏み込むためには、かなりの資金を調達しなければなりません。ロシアは、米国や日本、中国と異なり、グローバルに通用する金融市場を持っていませんから、資金の調達力には限界があります。莫大な戦費を無理に調達すれば、インフレがさらに加速してしまうでしょう。 プーチン大統領は徹底的なリアリストですから、こうした戦争の法則を知り尽くしているはずです。よほどのことがない限り、ロシアが戦線を拡大する可能性は低いでしょう。 プーチン大統領が行っているのはあくまで芝居にすぎないのです。(注:ロシアがウクライナ全土への侵攻を行ったのは、クリミア併合から8年後。原油価格が上昇し、ロシアの財政基盤がある程度好転してからでした)。『戦争の値段』1:戦争とお金の関係性
2024.11.14
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図書館で『戦争の値段』という文庫本を、手にしたのです。石破首相が登場したが日本の安全保障はどうなるのだろう?・・・という危機感が高まるわけでチョイスした次第です。仮想敵国はもちろんロシア、中国、北朝鮮になるのですが。【戦争の値段】加谷珪一著、祥伝社、2022年刊<「BOOK」データベース>より戦争が起きるか否かは、経済力で決まる!ウクライナ侵攻、太平洋戦争、日清日露戦争をお金の流れから読み解く。<読む前の大使寸評>石破首相が登場したが日本の安全保障はどうなるのだろう?・・・という危機感が高まるわけでチョイスした次第です。仮想敵国はもちろんロシア、中国、北朝鮮になるのですが。rakuten戦争の値段まず第1章「戦争にはどのくらいお金がかかるのか」の冒頭から、見てみましょう。p23~26<1 戦争とお金の切っても切り離せない関係性> 戦争には多額のコストがかかります。そのことは多くの人が認識していると思いますが、実際にどのくらいお金がかかるのか具体的にイメージできる人はあまり多くないでしょう。戦争のコストについては細かく報道されませんし、経済に詳しい人でも、実はよくわかっていないということも多いのです。 しかし、戦争の現実はお金そのものです。多くの戦争にお金の問題が関係していますし、兵器のハイテク化が進んだ今、その国の経済力は、戦争遂行能力に直結しています。戦争の問題=お金の問題なのです。■結局のところ軍事費は経済水準で決まってくる。 戦争にかかるコストとひとくちにいっても、その範囲や規模は様々です。かなり大がかりな戦争を遂行している時と、定常的な軍事活動しかしない時では、必要なコストは変わってきます。 また大子ぼな戦争は、長期にわたることになりますから、各年度の支出と戦費の総額にはかなりの乖離が生じます。 まずは、特に大きな紛争が発生していない平時における軍事コストというものを考えてみましょう。 図1-1は平時における各国の軍事費とGDP(国内総生産)の大きさを比較したものです。当然といえば当然ですが、世界最大の経済大国である米国の軍事費は突出しており、年間70兆円以上の金額を軍事費に支出しています。日本の国家予算()が年間約100兆円ですから、米国は日本の国家予算に近い金額を常に軍事費として支出しているわけです。 次に金額が大きいのは中国です。中国の軍事費はここ10年、驚異的なペースで増加しており、周辺各国に脅威を与えています。中国はすでに年間25兆円程度を軍事費として支出していますが、中国政府の透明性は低く、総額でどの程度の支出があるのか、外部からは見えにくい状況です。実際にはもっと金額が多いという説もあります。 軍事費に対する支出の絶対額が同じでも、負担の大きさは国によってバラバラです。経済力がある国は、総額が多くても、無理なくそのコストを負担できます。一方、経済水準が低い国は、軍事力の維持が大きな負担になることもあるわけです。(中略) ロシアは、表の中ではもっとも国民生活に犠牲を強いて軍事費を捻出している国ですが、それでもGDPに占める軍事の割合は4.5%程度です。 米国は4.5%、中国は2.1%程度、日本やドイツは1.0%程度となっています。ロシアは、先進国と比べると生活水準が低く、現在の軍事費水準はギリギリのラインと見ることができます。一般的にはGDPの1%から3%程度の範囲が適正水準といえるでしょう。
2024.11.13
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この本では『キス、キス』などの著者ダールが語られています。第二次世界大戦で戦闘機乗りになって負傷したこともあるダールが、子供向けの絵本を描いたりするわけで・・・復刻して読み直してみます。*********************************************************図書館で『世界児童文学史』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくると、世界児童文学の作家たちのほとんどを知らないのだが、充分に面白くできているのは・・・著者の筆力によるのだろう。ちなみに、この本は図書館員向けに著わされたとのことでおます。【世界児童文学史】赤木かん子著、図書館流通センター、1994年刊<「MARC」データベース>より本の探偵・赤木かん子が世界の児童文学史の流れをわかりやすく語る。図書館員なら最低これだけ知っていればだいじょうぶ。楽しく読めて知らず知らずのうちに、児童文学の知識が身につきます。1994年刊の新装版。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、世界児童文学の作家たちのほとんどを知らないのだが、充分に面白くできているのは・・・著者の筆力によるのだろう。ちなみに、この本は図書館員向けに著わされたとのことでおます。amazon世界児童文学史『キス、キス』などの著者ダールが、以下述べられているので、見てみましょう。p146~148<37 子どもの味方、ロアルド・ダールおじさん> えっと、ロアルド・ダールの話をしたことがあったっけ? まだなかったよね、確か…。 てなわけで、今日はイギリス生まれ、アメリカで活躍したダール氏のお話です。 ではまず、ロアルド・ダールは非常に高名な作家である、というところからいきましょう。それはなぜかというと、彼は大人の小説、しかも男たちに受け入れられる小説を書いているからです、と思ってんだけどさ。 イヤ、ホント…やっぱし、オンナコドモって弱いんだよ。子どもの本の世界では超有名人でも、オトナの本好きが知ってるかってったらそりゃ、あやしいもの。 イギリスには昔から皮肉で(下手をすると嫌みで)高尚で気のきいた短編を書く伝統みたいなのがあって、サキ、が一番有名だと思いますが、ダールはサキの正当な後継ぎ、といったところです。“あなたに似た人”とか、“キス、キス”とか、知ってるでしょ? 彼は非常に変わったやりかたで作家になった人で、学生の時、文章を書くのはキライだったし、成績も作文は最低の評価だった…。 自分が作家だとは夢にも思ってなかったわけで、第二次世界大戦で戦闘機乗りになって負傷し、たまたまその話をききたい、といって訪ねてきた高名な作家、C・S・フォレスターに、話をするのは下手だから書いて渡します、といって一晩で書いて渡したら、フォレスターがそれを売ってくれて自分が作家だということがわかった、という人なんです。 その作家になってく過程については『ヘンリー・シュガーのわくわくする話』に詳しく書いてありますから、キョーミある人はぜひ読んで下さい。 みんな短編で、それについてのダール自身の短い覚え書き、がついててね、彼が作家として、というより、駆け出しの下手な作家があっというまに成熟してく過程がよくわかっておもしろいよ。 そのあとアカデミー女優賞をもらってるパトリシア・ニール、というハリウッドの大スターと結婚して五人(?)だかの子どもができ、彼らにむかってお話をしてくうちに、どんどん子どもの本を書いてくれるようになります。 たぶん子どもがいなくても、いずれは彼、子どもの本を書いてくれたと思うけどね。 資質、というか、ダールの独特なユーモアって子どもむきだもの。 意地悪なおばさんたちを巨大な桃でぺちゃんこにして、冒険の旅にでかけるみなしごの女の子が主人公の『おばけ桃の冒険』と、とってもとっても貧しくて、年に一度だけ、誕生日にチョコレートをたった一枚買ってもらえる男の子がチョコレート工場に招待される『チョコレート工場の秘密』の二冊で、ダールは子どもたちのあいだに熱狂的にむかえられ、それ以後1992年に亡くなるまで、子どものあいだでダールの位置がゆらぐことはありませんでした。 日本でもだよ。 小学校三、四年生のギャングエイジ・・・ぐいぐい本を読みとばしたい、かつ外でも遊びたい、かつその子たちに紹介できる本がすくない、という図書館員にとってあたまの痛いお客さま相手に仕事する時、ダールはこれ以上ありがたい人はいない、という作家です。 でも、ナンセンス、おなかんなかがねじくれるような奇妙な味、というのに耐えられない、という大人にとってはこの二冊はあまり喜ばれないと思います。 子どものほうが、大人より生命エネルギーが多いからね。 そういう人は、まず『ぼくらは世界一の名コンビ!』あたりを読んでみてください。 これ、子どもが生まれてすぐ、奥さんを亡くした男とその息子、つまり父子家庭ね、の話で、ガソリンスタンドをやって暮らしててその男の子が主人公なんだけどさ、お母さんがいなくても、ひとつも困るとか淋しいと思ったことがない、なんせぼくのパパは世界一なんだ、という話なのよ。 子どもがちゃんと育つには、いったいどういう愛情が必要なのか、を知りたければ、みんなここに書いてあるよ。 もちろんダールのことだから、ユーモアたっぷり、書いてあることはまっとう、偽善も欺瞞もなくて、テクニックは抜群、実に安心してホケホケと物語に浸ってられます。ダールの『キス・キス』を、くだんのフォームで紹介します。【キス・キス】ロアルド・ダール著、早川書房、2005年刊<「BOOK」データベース>より予期せぬ出来事が日常の扉を開きあなたをさり気なく訪れる。<読む前の大使寸評>ロアルド・ダール著の短篇小説集であるが、阿刀田高さんが推薦していたので図書館に予約していたのです。巻末に阿刀田高さんの解説が載っていて、解説自体が面白い読み物になっています。<図書館予約:(5/08予約、5/12受取)>amazonキス・キス『世界児童文学史』4:子どもの味方、ロアルド・ダールおじさん『世界児童文学史』3:19世紀イギリスファンタジー『世界児童文学史』2:フランスの児童文学事情『世界児童文学史』1:「まえがき」*********************************************************■2020.11.10XML『世界児童文学史』4https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202011100001/
2024.11.13
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先日読んだ『絵の中のモノ語り』でもホッパーの「ナイトホークス」に触れていたが、この『すぐわかる20世紀の美術』という本にも、その「ナイトホークス」が語られていることに気づいたので・・・以下のように復刻してみたのです。*********************************************************図書館で『すぐわかる20世紀の美術』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・画像の多いビジュアル版シリーズの本である。そして内容記事も充実しているのがええでぇ♪【すぐわかる20世紀の美術】千足伸行著、東京美術、2008年刊<「BOOK」データベース>より美術とは何なのか?この根源的な問題をはらみつつ20世紀美術は多様な展開を見せた。その「わかりにくさ」を「面白さ」に変える入門書の決定版。【目次】第1章 第一次世界大戦までの美術(フォーヴィスム/キュビスム/オルフィスム ほか)/第2章 両世界大戦間の美術(ヨーロッパ構成主義/ピュリスム/バウハウス ほか)/第3章 第二次世界大戦後の美術(抽象表現主義/ポップアート/コンセプチュアル・アート)<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると・・・画像の多いビジュアル版シリーズの本である。そして内容記事も充実しているのがええでぇ♪amazonすぐわかる20世紀の美術アビニョンの娘たちエピローグで「回顧と展望」を、見てみましょう。p144~145■様々な価値観の創出“スピード”は現代を語るに欠かせない言葉のひとつであるが、科学技術の分野はもちろん、社会現象にしろ、様々な価値観にしろ、その変貌はめまぐるしい。 芸術も同様で、20世紀の任意の10年間の変化はそれ以前の100年間の変化を上回るといっても過言ではない。古代エジプト美術は悠久の時代を生きるかのように数千年の間、身じろぎもしなかった。それはファラオという神に等しい絶対的な権力者のもとで固定された、進化とも革命とも無縁の社会の反映でもあり、シンボルでもあった。ファラオなき現代とは、ある意味では万人がファラオっであり、しかし自分以外に自分に従う者なきファラオでしかない時代である。 交通・輸送手段や通信手段のめざましい進歩、メディアに代表される情報交換の速さ、膨大な情報量は、世界をますます小さくし、いわゆるグローバリゼーションを、国際化を促進しているように見える。すべての国が互いに隣国と化し、すべての人が国境を超えて隣人になりつつあるようにも見える。しかし個人の次元で見る限り、とりわけアートの世界にあっては個人間の距離はむしろ増大しているようである。 20世紀初頭のピカソもブラックもドランも、時代の先端をいく前衛芸術家という点では共通しているが、キュビズムの萌芽となったピカソの≪アビニョンの娘たち≫を見て首をかしげ、「誰かがガソリンを飲んで、口から火を噴いているような絵だ」といったのは盟友ブラックであり、「ピカソは早晩、この大作の陰で首を吊るだろう」と予言したのはピカソと個人的に親しかったドランだった。 ピカソは決して非社交的なタイプではなかったが、彼をよく知る画商のカーンワイラーによると、「当時のピカソの精神的な孤独感は真に恐るべきものだった」という。 情緒的、感傷的で人間味豊かな青の時代、バラ色の時代から、感情を押し殺したような、時にグロテスクにデフォルメされたキュビスム的な人間像への転換は、ピカソにとってはひとつの必然であったが、それはまた英雄的かつ孤独で苦しい挑戦でもあった。■二つの世界大戦を経験したアートの流れ 20世紀初頭に始まる相次ぐ前衛運動、流派、イズム、宣言のオンパレードは、かつてない“個”の時代の、あるいは小党分立の時代の到来を思わせるが、それはまた芸術におけるリベラリズムの、アナーキズムの勝利を決定づけるものであった。 人類が20世紀の最初の50年間に二度も経験した世界大戦というかつてない悲劇は、芸術の世界にも甚大な影響を及ぼした。 ダダイズムは第一次世界大戦前夜の、あるいはさなかの絶望的な、確固たる価値観を喪失したニヒルな時代精神の申し子であったし、戦後の安定志向、“”をモットーとする1920年代は、ピカソに代表される明快で晴れやかな新古典主義を生んだが、同時にこれに逆らうように不条理、夢、無意識の世界に沈潜するシュールレアリスムが誕生した時代でもあった。 第二次世界大戦後のアメリカの抽象表現主義は、大戦中、あるいは直後の緊迫した、悲劇的な時代精神と無関係ではないが、同時にこの時代はアメリカのドルが世界の通貨の頂点に君臨した時代に当たる。ヨーロッパ絵画を尻目に、抽象表現主義は新しい“アメリカ絵画の勝利”と称えられたが、アートにおいてもマネーにおいてもアメリカの勝利はここから始まった。『すぐわかる20世紀の美術』6:回顧と展望『すぐわかる20世紀の美術』5:ホッパーのアメリカン・シーン『すぐわかる20世紀の美術』4:形而上絵画『すぐわかる20世紀の美術』3:シュールレアリスム(続き)『すぐわかる20世紀の美術』2:シュールレアリスム『すぐわかる20世紀の美術』1:モンパルナスの青春時代*********************************************************■2019.08.03XML『すぐわかる20世紀の美術』6https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201908030000/
2024.11.12
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図書館で『水彩 風景を描く』という本を、手にしたのです。おお水彩画の指南書ってか・・・いつか水彩画を描こうと思っているので、ある程度の画材を準備済みの私は即、チョイスした次第です♪【水彩 風景を描く】レー・スミス著、美術出版社、1993年刊<「BOOK」データベース>より風景画を描くにあたっての最初の一筆から最終的な構図の取り方まで、実際に描くにあたっての準備から実習までを、ステップを追って写真とやさしい解説文によってていねいに説明します。また、解説を進めるにあたって、プロのアーティストたちが描いた作品を実例として、新しいテクニックを教えていきます。<読む前の大使寸評>おお水彩画の指南書ってか・・・いつか水彩画を描こうと思っているので、ある程度の画材を準備済みの私は即、チョイスした次第です♪rakuten水彩 風景を描く混色とウォッシュ、色の積み重ねなどの技法を、見てみましょう。p22~23<限られた色で描く> 色の原理を習得してしまえば、膨大な量の絵具を買う必要はないことがわかってきます。たとえ窓から外を眺めていたり、いなか道を歩いていたりすると、数限りない色と色調が目に映えるとしても。 このページの練習で必要なのは7色だけです。この7色を混ぜて、色の幅をぐっと広げることができるのです。戸外で描くときは、夏の原色、冬の寒々としたモノクロームに近い色調といった季節独特の光の状態を頭に入れて、それにあった限られた色があなたの必要を満たすものであることを、確かめておきましょう。【画材】 ビリジャングリーン、アリザリンクリムソン、プルシャンブルー、カドミウムイエロー、レモンイエローヒュー、インディアンレッド、ローシェンナ 合成繊維の筆(4号、9号、14号)、合成繊維の平筆(4インチ幅)■色の積み重ね たくさんのウォッシュが、適切な場所に適切な色で塗り重ねられるよう、腕をコントロールしましょう。 すでに塗ってある中間部の丘陵、および画紙のなにも塗っていない部分にレモンイエローヒューの薄いウォッシュをかけます。これによって色調の後退が生まれ、木々のうしろに空間の広がりが出てきます。この本も暇になったら、絵を描くのだったR6に収めておくものとします。『水彩 風景を描く』1:はじめに
2024.11.11
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図書館で『水彩 風景を描く』という本を、手にしたのです。おお水彩画の指南書ってか・・・いつか水彩画を描こうと思っているので、ある程度の画材を準備済みの私は即、チョイスした次第です♪【水彩 風景を描く】レー・スミス著、美術出版社、1993年刊<「BOOK」データベース>より風景画を描くにあたっての最初の一筆から最終的な構図の取り方まで、実際に描くにあたっての準備から実習までを、ステップを追って写真とやさしい解説文によってていねいに説明します。また、解説を進めるにあたって、プロのアーティストたちが描いた作品を実例として、新しいテクニックを教えていきます。<読む前の大使寸評>おお水彩画の指南書ってか・・・いつか水彩画を描こうと思っているので、ある程度の画材を準備済みの私は即、チョイスした次第です♪rakuten水彩 風景を描くまず「はじめに」から、見てみましょう。p6~7<はじめに> 水彩画は数多くの魅力を持った絵画です。そして、それに必要な画材は、数本の筆と絵具と見ずだけというかんたんなものですから、どこへでも持ち運べます。一方、水彩絵具にはみずみずしく、のびやかに描けるという特徴がありますから、戸外に飛び出して、風景の時間によって変化する光や微妙な陰影を自由な筆づかいで捕えたくなります。 水彩はスケッチにも向いています。ですからスケッチブックはいつも手近に用意しておきましょう。■近代の水彩画 水彩画を描くには、芸術的に高度なものが要求されるのは当然です。にもかかわらず、16世紀以来ヨーロッパの画壇では、油彩画が支配的でした。当時、水彩画は無視されるか、低く見られ、せいぜい油彩の大作を準備するためのスケッチに使われるのが関の山でした。 とはいえ、自然を詩的に研究した天才画家アルブレヒト・デユーラーは、水彩絵具を本格的な画材として使っています。ほかにもフランスの画家クロード・ロレーンとニコラ・プッサンがいます。このふたりの画家は、ウォッシュとモノクローム(1色の絵具による画法)の使い方を発展させました。 しかし、水彩画の価値をひとびとに正当に認めさせたのは、なんといってもポール・サンドビー、ジョン・コンスタブルJ.M.W.ターナーでしょう。 これらの画家の複雑な色彩の色調と自由な筆づかいは、19世紀の英国社会の多くの画家やアマチュア画家の心を揺さぶり、影響を与えました。 水彩画は、フランスの印象派の画家が使いはじめると、さらに重要視されるようになりました。印象派の指導的な画家、ポール・セザンヌは水彩画の巨匠となりました。ドイツのオーギュスト・マケとアメリカのウィンスロー・ホーマーは大胆な力強いテクニックを導入して、近代の水彩画の重要性を高めました。■本書について 本書は、水彩画における色、光、色調の扱い方の基本を紹介します。構図の説明もし、技法については随所に触れていきます。技法の基礎を習得してしまえば、専門家はだしの風景画をたくみに描ける日も遠くはありません。歴史上の作品や現代画家の絵も載せました。参考にしてください。また上達のよい刺激剤ともなるでしょう。ターナー「ロスリン城」
2024.11.11
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図書館で『絵の中のモノ語り』という本を、手にしたのです。あまり知らなかった絵が並んでいるが・・・その絵に対する著者の解説が、博識というか素晴らしいのである♪【絵の中のモノ語り】 中野京子著、KADOKAWA、2021年刊<「BOOK」データベース>より身分違いの恋、救いのない終焉ー。少女が抱える鉢の中には愛しき人の頭部!?ルノワール、ミュシャ、ホッパー、クリムトなど“モノ”をもとに歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑を読み解く。<読む前の大使寸評>あまり知らなかった絵が並んでいるが・・・その絵に対する著者の解説が、博識というか素晴らしいのである♪rakuten絵の中のモノ語りまず、ハードボイルドなものをひとつ見てみましょう。p16~20<ホッパー「ナイトホークス」×「煙草」> タイトルのナイトホークスとは、ヨタカ(夜鷹)のこと。転じて「夜更かしする人々」を指す。 1940年代のニューヨークは、エドワード・ホッパー(1882―1967)がここに描いたように、深夜の下町でさえ安全な場所だった。とはいえ夜通し開いている街角のダイナー(列車の食堂車を模した簡易食堂)で、酒ならぬコーヒーを飲むナイトホークスたちは、それぞれ深い孤独と漠然たる不安を抱えているように見える。 ハードボイルドの時代だ。 タフでなければ生きられず、優しくなければ生きる資格がないと信じる探偵や、「昨夜はどこにいたの、明日は何するの」と女友達から訊かれて「そんな昔は忘れた、そんな先は知らん」とつれない返事をする男が(少なくとも小説や映画の中には)いた時代。寡黙な男と謎めいた美女の、古き良き時代。ナイトホークス 画面はまるで舞台のセットのようだ。道路にはゴミ一つなく、猫一匹通った気配もない。奥の建物は書割りめき、煌々と照らされたダイナー内のカウンターには、余計なものはいっさいない。登場人物のアクションも最小限で、感情は測りがたい。多くの手がかりが削ぎ落され、行間を読むことを強いられるハードボイルド小説の、まさにこれは絵画版といったところ。 もちろん小さなドラマは仄めかされる。赤いドレスの女性が、手元のブックマッチから視線を外さぬまま、さりげなく左腕を伸ばし、隣の男の手に触れようとしている。ふと顔を上げる店のマスター。背を向け、うつむいたままの、もう一人の客。誰も視線を交わさない。明るいカプセルに閉じ込められた四人に、これから何が起こるのだろう・・・。 女連れの男は指に煙草をはさんでいる。当時は男も女も青少年までもが盛大に口から鼻から煙を吐き出していた。もともと煙草はアメリカ原産だ。このダイナーの屋根の看板にもサツマイモ風に膨らんだ葉巻のイラストと「only 5¢(たったの5セント)」「PHILLIES」(=フィリーズ)と、煙草会社の広告が見える。 かつて煙草は「聖なる薬草」とされ、ペストをも防ぐと信じられていた。19世紀においてもなお万能薬として勧める医者がいたほどだ。ところが20世紀になると研究が進んでニコチンの害が明らかになり、ヒトラーは健康帝国を謳ってドイツから煙草を一掃した。一方アメリカの煙草産業界は、むしろ逆にこの時点から大々的な宣伝攻勢をかけ始める。とりわけ効果的だったのは映画界との共同戦線だ。ハリウッドの大スターたちは莫大な報酬をもらい、スクリーンでしきりに喫煙しまくった。 観客はハンサムな男優が煙たげに細める目つきや、美人女優が煙草を口に運ぶ優雅な手つきに憧れた。おまけに煙草を吸うから素敵なのだと錯覚し、自分も煙草を吸えば彼らに近づけると、とんでもない誤解にまで至ったのだから始末に負えない。かくしてアメリカ中に紫煙が漂った。
2024.11.10
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図書館で『ざんねんな筋トレ図鑑』という本を、手にしたのです。ジムに通って、自己流の筋トレに励んでいるのだが・・・専門家のアドバイスを聞いてみようと思い立って借りた本なんですが。【ざんねんな筋トレ図鑑】 小島央著、マキノ出版、2020年刊<「BOOK」データベース>よりついやってしまいがちな「ざんねんな筋トレ30」を、ざんねんなイラストとともに筋肉ドクターが一刀両断!<読む前の大使寸評>ジムに通って、自己流の筋トレに励んでいるのだが・・・専門家のアドバイスを聞いてみようと思い立って借りた本なんですが。rakutenざんねんな筋トレ図鑑第4章『データから読む・筋肉ドクター流・筋トレの効果』から、老人向けのテーマ を見てみましょう。p126~129<筋トレは老化に抵抗できる唯一の手段> 筋トレのセミナーを開くと、よくお話しすることがあります。 それは 筋トレは老化に抵抗できる唯一の手段である ということです。 人間は、20歳を超えると、全身のあらゆる臓器組織の機能低下が徐々に起こります。心臓も肺も肝臓も膵臓も皮膚も神経も。皮膚などの、見た目でわかる「美容法」だけが、老化に対抗できる方法だと思っているかたも多いですが、ちょっと若そうに見えても、全身の機能は確実に衰えていくわけです。 何か一つでも、体の機能の向上、老化に抵抗できる方法を知っていますか? ないですよね。 しかし、運動器(筋肉や骨など)だけは、運動でなんとかなることがわかっています。しかも、そのなかで最も運動機能を向上させるものが、筋トレなんです。だから筋トレは、老化に抵抗できる唯一の手段といえるのです。 私たちは、20歳を過ぎると、ふだんからある程度の運動をしていても、年間1%の筋力低下が起こってくるといわれています。 加齢変化の影響をもっとも受けるといわれている太ももの大腿四頭筋は、20代では、体重1kg当たり25gの重さがあります。それが、加齢や運動不足の影響で、しだいにへっていきます。 体重1kg当たり10gが必要最小水準ライン。10gを切ると、自分の脚で歩くのが困難になり、寝たきりになる というデータもあるのです(『貯筋通帳』ワニブックス)。 それに対抗するにはどうしたらいいか。 私が、「筋力を鍛えてくださいね」というと、お年寄りのかたは、「毎日歩いています!」と答えたりするんですね。多くのかたたちにとっては、歩くこと=筋力を鍛える運動、となっていた。 しかし、この認識は間違っています。 中高年で体力の衰えたかたが、毎日歩くことで、見違えるように脚が太くなったのを見たことがありますか? 本書でもくり返し指摘してきたとおり、私たちは高強度の運動習慣によって、筋肉強化という適応を引き出さなければなりません。 歩くことは、たいてい日常生活動作レベルの強度ですから、有酸素運動にもなっていないことが多いのです。要するに、筋トレにはなりません。いくら毎日歩いても、ジリジリと筋肉が衰えていきます。 リハビリを継続してやっていて、だんだん筋量・筋力ともに衰えていくのも、同じ事情からです。 しかし、私たちには筋トレという手段があります。 意識して筋トレを行うことで、筋肉の衰えを防ぐことができるどころか、筋力を上げられます。 これは野生動物にはできません。 野生動物は、強度・容量・頻度を計算できませんし、必要もないのに、高強度の運動をあえて行いません。このため、ある一定の時期がくると(たいていは繁殖を終えると)衰えていきます。 高強度の運動習慣をつけることができるのは、人間だけなのです。 ちなみに、よく高齢者に筋トレは無理とか、筋トレは危ないとかいわれていますが、こうした考え方も、筋トレに対する無知からきているといってよいでしょう。 何歳になっても、筋トレをキッチリ行えば、着実に、安全に、筋量・筋力がアップしていきます。これによって、さまざまな副次的な効果がもたらされます。 もちろん、もっと若い層、青少年から壮年期のかたにとっても、筋トレが大きな効果をもたらすことは間違いありません。『ざんねんな筋トレ図鑑』2:テクニックその1『ざんねんな筋トレ図鑑』1:原則その4
2024.11.10
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ブラックホールは私のツボでもあるのだが、ブラックホールの写真撮影には日本の観測チームも貢献したことが記憶されています。・・・ということで、かつて読んだ『星の誕生から最期まで』というデジタル朝日記事を復刻して読んでみます。*********************************************************ブラックホーールとか中性子星と聞くと、ツボがうずくのであるが・・・朝日新聞とデジタル朝日に興味深い画像が出ていたので、スクラップしたのです。(2020.4.25(はてなスコープ)シリーズから転記しました)(はてなスコープ)に興味深い画像が出ていたのでスクラップしたのだが・・・デジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。<(はてなスコープ)星の誕生から最期まで 生まれた重さが運命の岐路> 夜空に輝く星たちにも、私たち人間と同じようにいろいろな人生があります。輝かしい一生なのか、静かに終えるのか――。星はどうやって生まれて、どう年老いていくのでしょうか。 一般的に星の寿命は約100億年と言われています。私たちがすむ太陽系にある太陽は、誕生してから46億年経っています。「寿命が100年の人間で例えると、今の太陽は働き盛りで、とても安定した状態といえます」と国立天文台の縣(あがた)秀彦准教授。 私たちがいる太陽系の外は、ほとんど真空に近い状態ですが、ところどころに水素やヘリウムのようなガスやちり(星間物質)が多く集まっている場所があります。そこで星は誕生します。ガス同士の重力で互いに引っ張り合い、収縮により温度が上がり、「原始星」という星の赤ちゃんが生まれます。原始星は周囲の星間物質を重力によって引きつけて成長していきます。こういった星の誕生の場面はいくつも見つかっています。例えば、オリオン大星雲やわし星雲、オメガ星雲などです。 その後、原始星が成長し、中心温度が約1千万度に上がると、水素の核融合反応で輝き始めます。この段階を「主系列星」といい、太陽や空に輝く星のほとんどはこれに当たります。星は一生の大半を主系列星として過ごします。 □ □ 主系列星はその後、重さによって運命が分かれ、年老いていきます。太陽と同じくらいの重さの星は「赤色巨星」になります。中心は高温ですが、外側は温度が低いため赤く見えるので、こう呼ばれます。おうし座のアルデバランがそうです。 主系列星には「青色巨星」もあります。「シリウスは青白く見えますよね。これは表面の温度が1万度と高いからです」と縣さんは話しました。多くのエネルギーを放出する重い星ほど表面温度が高くなって青白く明るく輝き、軽いものほど少ないエネルギーしか出さないので表面温度が低くなり、赤っぽくなります。ちなみに中間くらいに位置する太陽は6千度で、黄色に見えます。 また、燃料をたくさん持つ重い星は、たくさんのエネルギーを放出するため燃料の消費も多く、短い時間で水素を使い果たしてしまいます。縣さんは「軽いと燃費がいいので1千億年ほども長生きしますが、重いと数千万年ほどで寿命を終えます」と説明します。 赤色巨星はやがて外側のガスが重力を離れ、星の中心部からエネルギーを受けて光る「惑星状星雲」となります。この名は、小型望遠鏡で観測していたときに惑星のような円盤状に見えた名残で、惑星とは何の関係もありません。中心部は高温の芯が残り、「白色わい星」となります。 □ □ また、太陽より8倍以上重い星は、オリオン座のベテルギウスのような「赤色超巨星」になります。赤色超巨星は最期、中心にできたケイ素や鉄などの重い元素がどんどん崩壊して、巨体を支えきれなくなって大爆発します。この「超新星爆発」から届いたニュートリノを捕まえた功績で、小柴昌俊さんは2002年、ノーベル物理学賞を受賞しました。 こうして、重い星は華々しく一生を終えます。その後は、光すら脱出できないブラックホールになったり、中心部に密度が高い中性子のみが集まった中性子星になったりします。同時に宇宙空間にガスやちりを放出して、またそれが集まり原始星ができるという輪廻転生を繰り返します。「このように星は重さによって、どんな明るさで輝き、どんな最期を迎えるか決まるのです」(小川詩織) *********************************************************■2020.04.27XML(はてなスコープ)星の誕生から最期までhttps://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202004270000/
2024.11.09
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「絵」でしょうか♪<市立図書館>・水彩 風景を描く・絵の中のモノ語り・戦争の値段・華僑二世徐翠珍的在日<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【水彩 風景を描く】レー・スミス著、美術出版社、1993年刊<「BOOK」データベース>より風景画を描くにあたっての最初の一筆から最終的な構図の取り方まで、実際に描くにあたっての準備から実習までを、ステップを追って写真とやさしい解説文によってていねいに説明します。また、解説を進めるにあたって、プロのアーティストたちが描いた作品を実例として、新しいテクニックを教えていきます。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten水彩 風景を描く【絵の中のモノ語り】 中野京子著、KADOKAWA、2021年刊<「BOOK」データベース>より身分違いの恋、救いのない終焉ー。少女が抱える鉢の中には愛しき人の頭部!?ルノワール、ミュシャ、ホッパー、クリムトなど“モノ”をもとに歴史の謎や社会背景、画家たちの思惑を読み解く。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten絵の中のモノ語り【戦争の値段】加谷珪一著、祥伝社、2022年刊<「BOOK」データベース>より戦争が起きるか否かは、経済力で決まる!ウクライナ侵攻、太平洋戦争、日清日露戦争をお金の流れから読み解く。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten戦争の値段【華僑二世徐翠珍的在日】 徐翠珍著、東方出版、2020年刊<出版社>より日本に生きた「在日華僑」の闘いの記録。日本の植民地政策の残存の象徴でもある「国籍条項」「外国人登録法」「入管法」をめぐる闘いの一つの結果として、外国籍公務員第一号となる。その他、指紋押捺拒否や「思いやり予算」返還訴訟、靖国訴訟などを提訴、「非暴力・反戦反差別平和」を理念に活動を続けている。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten華僑二世徐翆珍的在日
2024.11.09
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在20位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在2位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在3位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在3位・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)現在9位・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』(7/27予約、副本?、予約?)現在1位・消費者金融ずるずる日記(8/27予約、副本6、予約112)現在85位・パッキパキ北京(8/29予約、副本9、予約111)現在67位・転がる珠玉のように(9/05予約、副本7、予約87)現在60位・原爆裁判(9/11予約、副本?、予約133)現在107位・沈む日本4つの大罪(10/10予約、副本?、予約?)現在9位・官僚国家 日本の闇(10/28予約、副本2、予約47)現在45位・ぜんぶ、すてれば(11/07予約、副本?、予約?)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・ヤマザキマリ『水木しげる厳選集 異』:図書館未収蔵・猫社会学、はじめます:図書館未収蔵・書いてはいけない日本経済墜落の真相:図書館未収蔵・金水敏『よくわかる日本語学』・闇の中国語入門・奪還 日本人難民6万人を救った男:・花まんま<予約分受取:7/27以降> ・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、7/27受取)・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、7/27受取)・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、8/06受取)・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、8/27受取)・パンとサーカス(8/28予約、9/01受取)・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、9/12受取)・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、9/22受取)・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、10/13受取)・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、10/27受取)**********************************************************************【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【誰も書かなかった統一教会】有田芳正著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(7/27予約、副本?、予約?)>rakuten誰も書かなかった統一教会【消費者金融ずるずる日記】 加原井末路著、三五館シンシャ、2024年刊<「BOOK」データベース>より1990年代の半ば、30歳のときに足を踏み入れ、50歳で退職するまでの20年を私はこの業界ですごし、お金にまつわる悲喜こもごもを目撃した。私が在籍した期間は、消費者金融業界が栄華を極めてから、2010年の法改正施行を経て、没落していく年月でもあった。-本書にあるのはすべて私の実体験である。「お客を追い込む仕事」。サラ金社員が経験した、貸し手と借り手のお金の修羅場。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten消費者金融ずるずる日記【パッキパキ北京】綿矢りさ著、集英社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは…?<読む前の大使寸評>追って記入rakutenパッキパキ北京【転がる珠玉のように】ブレイディみかこ著 、中央公論新社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりLike A Rolling Gem。大人の山あり谷ありライフを越えていけ!結婚するゲイの友人、職人魂を燃やす父、イギリスで、日本で、社会の底を支える労働者たちの人生劇場。泥くさい毎日を“宝石”に変える著者3年ぶりの最新エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(9/05予約、副本7、予約87)>rakuten転がる珠玉のように【原爆裁判】山我浩著、毎日ワンズ、2024年刊<商品説明>より日本初の女性判事・三淵嘉子が昭和三十年代に裁判官を務めた「原爆裁判」に焦点を当てた書き下ろし。原爆を巡るアメリカの闇を追及すると共に三淵嘉子の半生を紹介、さらに、世に名高い「原爆裁判の判決文」も付載した一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/11予約、副本?、予約133)>rakuten原爆裁判【沈む日本4つの大罪】 植草一秀×白井聡著、ビジネス社、2024年刊<「BOOK」データベース>より捏造と欺瞞、狡猾と策略で、夢も希望も失った日本人に告ぐ!奴隷国家に堕した日本の国難に打ち勝つ再生への処方箋。経済学の論客と気鋭の政治思想家が日本のタブーに斬り込む!LGBTQ、SDGs、コロナワクチン、政権と大企業の罠、メディア腐敗etc。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約 (10/10予約、副本?、予約?)>rakuten沈む日本4つの大罪【官僚国家 日本の闇】泉房穂著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2002年10月、右翼団体代表を名乗る男に襲撃され命を落とした政治家・石井紘基。当時、石井は犯罪被害者救済活動、特殊法人関連の問題追及等で注目を浴びていた。その弱者救済と不正追及の姿勢は、最初の秘書・泉房穂に大きな影響を与えた。石井は日本の実体を特権層が利権を寡占する「官僚国家」と看破。その構造は、今も巧妙に姿を変え国民の暮らしを蝕んでいる。本書第1部は石井の問題提起の意義を泉が説き、第2部は石井の長女ターニャ、同志だった弁護士の紀藤正樹、石井を「卓越した財政学者」と評する経済学者の安冨歩と泉の対談を収録。石井が危惧した通り国が傾きつつある現在、あらためてその政治哲学に光を当てる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/28予約、副本2、予約47)>rakuten官僚国家 日本の闇【ぜんぶ、すてれば】中野善壽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年刊<商品説明>より【隈研吾 推薦】「ビジネスとかアートとか、結局のところ「切れ味」だということを、日本で唯一中野さんだけが直感的に理解し実践している!」"今日がすべて。颯爽と軽やかに、ぜんぶ捨てれば""人の評価は気にしない。 自分自身が納得できるか""準備万端の日は一生来ない。 何も考えず、思い切ればいい"<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/07予約、副本?、予約?)>rakutenぜんぶ、すてれば【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・デジタル朝日「好書好日」でめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.11.08
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トランプ氏が新大統領になるし、イスラエルのネタニヤフ政権軍がレバノンへの猛爆撃を加えるし・・・ガザ地区の今後に光明は見えてこないのです。・・・ということで、かつて読んだ『エクソダス』という本を復刻して読んでみます。*********************************************************図書館で『エクソダス』という本を、手にしたのです。めくってみると、論文スタイルでぎっちり書かれてあり読みにくいが・・・移民、ディアスポラを扱っていて、大使のツボが疼くのです。【エクソダス】ポール・コリアー著、みすず書房、2019年刊<「BOOK」データベース>より『最底辺の10億人』のグローバルな視点から、コストと便益の両方を見すえた、モデルを提示。“移民自身”“受入国の住民”“送出国に残された人々”という三つの立場にバランスよく目配りしつつ、移住のグローバルな経済的、社会的、文化的影響を分析する。<読む前の大使寸評>めくってみると、論文スタイルでぎっちり書かれてあり読みにくいが・・・移民、ディアスポラを扱っていて、大使のツボが疼くのです。rakutenエクソダス「第2章 移住はなぜ加速するのか」から加速する移住を、見てみましょう。p38~41<所得格差が移住にどう影響するか> 移住はディアスポラを生み、ディアスポラが移住を推進する。どちらがニワトリでどちらが卵なのだろう? これに関してだけは、謎はない。20世紀、富裕国が貧困国からの移民に国境を閉ざしていた長い期間のため、1960年ごろには大きなディアスポラはなかったことがわかっている。 1960年以降、ディアスポラが腰を据える前段階として移住があった。初期のディアスポラは大きな所得格差にもかかわらず取るに足りない数で、国境が開かれてもごくわずかしか移住しなかった。移民を受け入れてくれる先発組がまだいなかったため、移住にかかる費用が高すぎたのだ。 所得格差とディアスポラとの相互作用は、衝撃的ながらもわかりやすい力学を生む。移民の流入は、格差に加えて、どれだけの移民がすでにいるかによって変わるのだ。移民の数の蓄積につれてあとに続く移民の流れも増えるため、格差が一定であれば、移住は加速する。 経済学者は、常に均衡を探す。拮抗する力がバランスをとって、システム全体が静止状態にある地点を求めるのだ。移住のシステムが静止状態になるには、二つのはっきり異なる形がある。移住率が加速せずに一定になるか、あるいは、静止状態をもっと学問的に言えば、国と国の間での人の純フローが止まるということだろう。 この所得格差とディアスポラの単純な相互作用のプロセスが、いずれかの均衡をもたらすことはあるだろうか?<均衡が必要ない理由> 所得格差を一定とすると、移住の加速が止まるのはディアスポラの増加が止まったときだけだ。移住は常にディアスポラに増員を送りこんでいるので、ディアスポラの規模を減らす相殺的なプロセスをなにかしらなければ、その増加は止まらない。ディアスポラは理解しやすい概念だが、測定するのがやっかいだ。 通常、測定にはたとえばその国に住んでいるがそこで生れたわけではない人の数などの代数変数を用いる。だがディアスポラの妥当な概念はその出自ではなく、行動によって定義される。移住率にとって重要なのは、新たな移民と関係があり、彼らを支援することができる人の数だ。その意味では、ディアスポラからの脱落率は移民の死亡率ではなく、文化や義務感の伝達によって変わってくる。 私は移民の孫だが、エルンスバッハからイギリスに移住したいと願う人の役に立つことは一切できない。祖父があとにした美しい村には一度戻ったことがあるものの、そこの人々とも、イギリスにいるほかのドイツ人の子孫たちともなんらつながりを持っていない。つまり、私はディアスポラではないのだ。だが、移民のほかの孫たちの中には、そういう意味でディアスポラに属している者もいる。 ほとんどの社会において、ディアスポラの境界線は曖昧になっている。多くが移民としての過去に片足を、主流の未来に片足を突っこんだ状態だ。(中略) 私の父がしたように、移民の子どもが今暮らしている社会の一員として自分を再定義するのかもしれない。あるいは、長い時間を経て、移民家族の子孫が母国から精神的に切り離されていくのかもしれない。切り替っていくディアスポラの割合は、年ごとに高かったり低かったりするだろう。この割合を、「吸収率」と呼ぼう。たとえば、毎年ディアスポラ100人のうち2人が主流社会に吸収されるとすれば、吸収率は2%になる。 吸収率は、移民はどこから来たか、そしてどこに来たかによって大きく異なる。政策によっても異なる。この影響については第3章でもっと徹底的に議論しよう。ところで、「エクソダス」と聞けば、ポ-ル・ニューマン主演の映画『栄光への脱出』を思い出すのだが・・・観た当時は、強制移住とかユダヤ人問題に関心があったわけではありません(汗)。『エクソダス』3:加速する移住『エクソダス』2:第1章 移民というタブー『エクソダス』1:プロローグ*********************************************************■2021.08.28XML『エクソダス』3https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202108280001/
2024.11.08
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5日のNHK放送で『大阪メロディー 司会今田&ウイカ』を見たが、ええわけで・・・ファーストサマーウイカが司会シーンではじけていて、よかったのです♪ファーストサマーウイカが出演予定のNHKドラマ「花まんま」について、くだんの映画鑑賞フォームを借りて、見てみましょう。【花まんま】<花まんまサイトのNEWS>よりこの度、主人公兄妹を取り巻く重要な役どころを演じるキャスト5名が解禁となりました!有村架純演じる妹・フミ子の婚約者で、動物行動学の助教・中沢太郎役を演じるのは、鈴鹿央士。一昨年ドラマ「silent」で注目度を上げ、今年10月期のフジテレビ月9ドラマ「嘘解きレトリック」では松本穂香とともにW主演を務めます。髪を整えるのも忘れてカラスの研究に没頭するあまり、カラスと会話できるようになったというクセ強いキャラ設定が原作から追加されました。もちろんカラスとの演技は初挑戦。現場では、なかなか難しいが全く通じないわけではない!と根気強く対話に挑戦する姿が印象的でした。あわせて解禁されたキャラクター写真には太郎がカラスと見つめ合う様子が切り取られており、カラスとの会話がどう物語に絡んでくるのか期待が膨らみます。そして鈴木亮平演じる兄・俊樹の幼なじみで、お好み焼き屋の看板娘である三好駒子役はファーストサマーウイカが演じます。近年はバラエティのみならず、NHK大河ドラマ「光る君へ」で主人公のライバル・清少納言を演じるなど俳優としても着実にキャリアを重ね、活躍の場を広げています。実は、前田監督が駒子のキャラクターを作り上げていく段階で出演をアプローチするほど、関西弁でちゃきちゃきしている駒子と大阪府出身のウイカ本人が持つ明朗快活なキャラクターとの親和性を重要視していました。劇中ではキレのある関西弁を披露しており、熱血漢な俊樹にも負けず劣らずの強烈な存在感を放っています。<観る前の大使寸評>NHK大河ドラマ「光る君へ」で悪女的な清少納言を演じるファーストサマーウイカの存在感が圧倒的であり、ウイカの魅力に嵌ってしまったのです。花まんま
2024.11.07
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図書館で『水木しげるのラバウル従軍後記』という本を、手にしたのです。中を覗いてみると、全編にわたってスケッチ画、漫画、モノクロ写真などが満載で、とにかくビジュアルであり・・・読みやすいのである♪【水木しげるのラバウル従軍後記】 水木しげる著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より“トペトロとの50年”は、奇妙な楽しみに満ちた50年だった。豊富なカラーイラストと現地撮影写真で彩る、戦地で出会った生涯の友人との奇妙な交遊録。戦地ラバウルの情景や復員後の日々を描いた貴重な作品をカラーで掲載。ラバウルでの交流を記録した文庫版未収録写真を多数収録。エッセイ「娘よ あれがラバウルの灯だ」、マンガ「トペトロの葬式」を特別収録。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten水木しげるのラバウル従軍後記「トペトロとの再会」の続きを、見てみましょう。p119~121<トペトロとの再会> 私は、南方の光を見るとなんとなく満ちたりた気分になる。 意味もなく、時間があると日本を飛び立つのがくせになった。 子供たちは、「お父さんまた行くの」 と言っていたが、すべて担当編集者には内密の旅行だった。「ちょっと働きすぎて目まいがするので・・・」 と言って逃げ出すのだ。 南方から帰ると、いつも一日中彼らの奇妙な踊りと音楽を聴くのを常としていた。「あっ、また始まった」と、娘たちは私より先に音楽のリズムを覚えてしまった。 私はいわゆる〝南方病〟という、楽しい病気に罹っていたのかもしれない。ドクドク 私はそのころ本当にバカだった。 この〝ドクドク〟という踊りを見て驚いてしまって、どうしても日本に持って帰ると言い出してしまったのだ。〝ドクドク〟は彼らの〝カミ〟で、この付近の長老、白髪のチアラ老が管理していた。 これを見るためには、トライ族にならなければならないらしく、貝貨を〝ドクドク〟に捧げればよいのだ。それからチアラの立ち合いのもとに、チアラ家の裏にあるジャングルの小さい広場で行われた。 私は無我夢中で8ミリビデオで撮り、実にテープ8本分に及んだ。 私はその霊的、神秘的雰囲気に驚いてしまったのだ。 不思議にも沖縄の〝アカマタ クロマタ〟によく似ていた。 伴奏はトペトロやトリマル、トリマルの兄のトワルワルや、村人たちだった。 白髪頭のチアラ老は、私が最初行った時から老人だったが、今でも同じように白髪の老人で生きている。 この時もトペトロは熱心だった。 このドクドクの踊りでリズムに酔い、トワルワルは動作が止まらず、30分間夢想状態にあった。私は8ミリでそれを撮った。やがてトワルワルは我に帰ったが、もともとトワルワル氏は音楽的感性が強く、自宅(広大な敷地)にアクラウ(ポコポコの歌)と名づけた小屋を作っているぐらいだ。『水木しげるのラバウル従軍後記』2:トペトロとの再会『水木しげるのラバウル従軍後記』1:トペトロとの出会いところで、アメリカの大統領選挙の結果であるが・・・6日にトランプ氏の圧勝が報道されています。「アメリカ・ファースト」を標榜するトランプ氏は、イスラエルを除く世界各国に難問を突き付けることになる。げに下品な次期大統領ではある。
2024.11.07
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?11月になっても暑い夏日がつづいていたが・・・このところやっと初冬の気配を感じる太子でおます。『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり浅草 鷲神社 酉の市この本で、立冬のあたりを見てみましょう。和暦p27~28<立冬>冬が立つ日。年末を意識した仏事神事が始まる 「立冬」は、現行の暦では11月7日ころ第1日目を迎え、小雪(11月22日ころ)に入る前日までをいう。 季節の区分では、立冬の初日から立春(2月4日ころ)の前日までが「冬」になる。ちなみに、俳句ではこの日から冬の季語になる。『暦便覧』には、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」とあり、冬の気配が現れ始めた様子が記されている。 農作業では、五穀などの収穫が一段落したころで、前節気に続き恒例の年中行事が目白押しに続く。神事や仏事の祭りでは、収穫に対する感謝とこれからの厄除け祈願、商売繁盛などが中心となっている。 景気が不景気になるほど参拝者が増える傾向にあるという。困った時の「神頼み」「仏頼み」である。またこの節気には、子供の成長を祝う七五三がある。現行の暦では11月15日ごろ。 七五三は、子供の成長を祝う行事のひとつ。男子は三歳と五歳、女子は三歳と七歳で行われ、産土神や寺社にお参りする。 もともと宮中で行われていた「髪置・袴着・帯解」の祝いがひとつになり、江戸中期以降、江戸を中心に一般化した行事である。(中略) また、「飾り売り」など早くも年末を意識した行事がこのころから始められる。 立冬の期間の七十二候には、・初候の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」山茶花が咲き始める(山茶と書いてサザンカと読む)・そして次候「地始凍(ちはじめてこおる)」大地が凍り始めるに至り、・末候「金盞花香(きんせんかさく)」は、水仙の花が咲くという意味になる。二十四節季の霜降に注目(復刻)二十四節季の寒露に注目(復刻)
2024.11.06
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図書館で『ざんねんな筋トレ図鑑』という本を、手にしたのです。ジムに通って、自己流の筋トレに励んでいるのだが・・・専門家のアドバイスを聞いてみようと思い立って借りた本なんですが。【ざんねんな筋トレ図鑑】 小島央著、マキノ出版、2020年刊<「BOOK」データベース>よりついやってしまいがちな「ざんねんな筋トレ30」を、ざんねんなイラストとともに筋肉ドクターが一刀両断!<読む前の大使寸評>ジムに通って、自己流の筋トレに励んでいるのだが・・・専門家のアドバイスを聞いてみようと思い立って借りた本なんですが。rakutenざんねんな筋トレ図鑑第1章『これが「ざんねんな筋トレ」だ!』から、テクニックその1 を見てみましょう。p32<テクニックその1 さまざまなセット法> さまざまなセット法が提案されています。 最もシンプルなのが、ある筋トレを⒑レップ(回)=1セットとして、3セットやるというもの。ほかに、1セットは強めにやって、次から弱めていくドロップセットや、2種めを連続して行うスーパーセット、多種類多セットを組み合わせるジャイアントセットなどなど、百花斉放。「最も高強度な運動を、できなくなるまで継続すると、筋肉にさらにパワーアップしようという適応が起こる」というのが、私の筋トレ原理。 例えば、短距離ダッシュのような運動なら高強度の運動となり、筋肉のパワーアップが起こる。 しかし、1回思いっきり限界まで奪取したら、そのあと、少し休んだとしても、また前と同じ強度のダッシュができるでしょうか。 陸上の100m走で見ても、らくに決勝に残るようなトップアスリートは、予選は流しますね。予選で全力を出してしまうと、決勝で全力が出せなくなるから。 全力を出した次のセットは、最大パワーの運動はもうできない。何セットもやっても、セット内容を工夫しても、筋肉のパワーアップさせる運動になりえないのですよ。 だから、私が勧めるのは、1種目につき1セット。それだけでいいんです。『ざんねんな筋トレ図鑑』1:原則その4
2024.11.05
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図書館で『ざんねんな筋トレ図鑑』という本を、手にしたのです。ジムに通って、自己流の筋トレに励んでいるのだが・・・専門家のアドバイスを聞いてみようと思い立って借りた本なんですが。【ざんねんな筋トレ図鑑】 小島央著、マキノ出版、2020年刊<「BOOK」データベース>よりついやってしまいがちな「ざんねんな筋トレ30」を、ざんねんなイラストとともに筋肉ドクターが一刀両断!<読む前の大使寸評>ジムに通って、自己流の筋トレに励んでいるのだが・・・専門家のアドバイスを聞いてみようと思い立って借りた本なんですが。rakutenざんねんな筋トレ図鑑第1章『これが「ざんねんな筋トレ」だ!』から、気になるアドバイスを見てみましょう。p24<原則その4 力をセーブしながら始める> 運動を始めた後、最大パワーが出せるのは、どのレップ(回)かといえば、最初の数回です。同じ重量を挙げ続けるなら、必要な力は変わりません。ですから、最初の最も速いスピードで挙げられるときに、最大パワーが発揮されるということです。 そこから徐々にパワーダウンしていきます。 そして、できるだけハイパワーな状態で出し切って、あとダラダラ続けてしまった場合、その後、追い込んでさらに最大パワーが出せるかというと、もう不可能なのです。データによると、次にまた最大パワーの運動ができるようになるのには2日以上かかります。 多いんですね。最初の1~2回めから、力をセーブしつつ、かる~くやってしまう人が。しかし、あとから追い込もうとしても最大パワーは出せません。その種目が台無しになってしまいます。 筋トレ効果を考えると、最初が肝心なんですね。
2024.11.05
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『バグダッド・カフェ』という映画がええわけで・・・以下のとおり復刻して読み直してみようと、思い立ったのです♪*********************************************************「バグダッド・カフェ」は1987年のオリジナル版、1994年の完全版、2008年のニュー・ディレクターズ・カット版と三度公開されたようですね。(知らなかった)それだけ息の長い、観客に愛された映画だったのでしょうね。BGMの『コーリング・ユー』がよかった。「Calling you」 Jevetta Steele 『BAGDAD CAFE』バグダッド・カフェ〔ニュー・ディレクターズ・カット版〕より太めの女性とハンサムな地下鉄運転手の愛の物語を綴った「シュガー・ベイビー」(1984)が、映画ファンの間で話題となっていた名コンビ、パーシー・アドロン監督と女優マリアンネ・ゼーゲブレヒト。その2人が再び組んで、世界中の観客を虜にしたのが「バグダッド・カフェ」(1987)(オリジナル版=91分)である。ゼーゲブレヒトが演じるのは、ひなびた砂漠のモーテル兼カフェにたどり着いた、ドイツ人観光客ジャスミン。このカフェの常連で彼女をモデルに絵を描こうとする画家ルーディには、数々の西部劇や戦争映画で強面を印象づけてきたジャック・パランス。当時の年齢で60代も後半に入った彼が、ここでは人の良さそうな老人を味わい深く演じている。(ジャック・パランス氏は2006年11月、カリフォルニア州の自宅で死去。享年87歳。) そしてこのカフェの怒れる女主人で、ジャスミンと時を過ごすうちに徐々に心をほぐしていくブレンダに、ギアナ出身でイギリス、アメリカで演技を学んだ個性派女優CCH・パウンダー。その作品の後にはTVドラマ「ER」や数々の映画で有名になった彼女も、映画での大役は今作品が最初であった。パーシー・アドロン監督の演出の下、ミュンヘン出身のベルント・ハインルが、カラフルな色彩感覚とアングルの面白さで目を引く撮影を担当。音楽はゴスペルや現代音楽など、さまざまなバックグラウンドを持つボブ・テルソンが世界的な大ヒットとなった名曲『コーリング・ユー』ほか、軽やかで懐かしいムードのBGMで熱い砂漠の景色を潤した。 (なお、意外に知られていないのが、『コーリング・ユー』はこの映画のために作られた楽曲だということである。あまりにもこの曲が有名になったため、既存の曲を映画にあてたものと思われがちだが、歌詞を読めば映画のストーリーそのものになっていることが分かる。)なお、日本で1989年3月に公開されたのは91分のアメリカ・バージョンで、1994年8月に公開された〔完全版〕はアメリカ・バージョンの30シーン以上のパートでカットが長くなっている108分のヨーロッパ・バージョンであった。今回の〔ニュー・ディレクターズ・カット版〕は1994年のヨーロッパ・バージョンをベースに、監督自らが色と構図(トリミング)を調整し直し、2008年のカンヌ国際映画祭で初公開された。そのニュー・ディレクターズ・カット版DVDを大学図書館で見つけたので、折をみて観てみようと思っています。なお、H16年に見た完全版の感想を、いつもの鑑賞フォーマットで再掲します。【バグダッド・カフェ】パーシー・アドロン監督、H16.2.1観賞<大使感想>幸せ王国設立請負人みたいなジャスミン♪図らずも、月曜に見た「ショコラ」と似たような映画だった。ただ違うのは「ショコラ」のヴィアンヌは自分の宿命を感じている美人であるが、ババリア出身のジャスミンの方は旅行中に夫と喧嘩別れして行く先のないおデブちゃんということだろうか。モハベ砂漠のハイウェイ沿いのモーテル兼の ガソリンスタンド兼のバグダッド・カフェはどうしようもない店だった。「ビール?・・・ない!免許がないから」「コ-ヒー?・・・ない!機械が壊れているから」笑わせるじゃないか。不条理劇を見ているようなすべりだしにワクワクする!亭主を追い出したばかりで気の荒むアマンダの前に現われたジャスミンはバッドタイミングだったようだ。ホコリっぽい部屋にとおされて、壁に掛かる絵を見て心引かれるジャスミン・・・・私もこのシーンにチョット引っかかったが、やはりこれは意味のあるプロットだった。逗留期間未定で他に行き先のないジャスミンは、翌日からカフェ入口近くの席にオズオズと座るしかなかった。しかし このモーテルに長逗留する住人には、コックスのようなアーティストがいた。コックス(ジャック・パランス)がいい味出しているんだなあー。アマンダとか、コックスとのかけあいにはとぼけた味があり、アメリカ版人情喜劇との感があるのだ。(この映画はドイツ映画になっているが)ジャスミンが触媒のように作用してバグダッド・カフェは変わってゆく♪彼女自身も潜在していた力を放ち、魅力的な女性へと変化してゆく♪そして彼女が店で手品を始めた頃から、映画は明るくたたみかけてゆくのだ♪一度は滞在許可の関係で店を去るジャスミンだが、最後はハッピーエンドが待っています。(最後は見てのお楽しみに)ハイウェイの夕焼けをバックに流れる「コーリングユー」という歌がまたいいのだ。文明果つる所のような剥き出しの風景に、ハイウェイ沿いの安モーテルの乾いた哀愁に・・・・この透きとおった高いキーの歌がよく合っている♪等身大のアメリカが見える映画だが、ドイツ映画だからこそ、乾いた感覚で描き切れたのかも知れない。(何と言う監督だったかな?良く覚えておかなくちゃー)トラック運転手とかの世界を描く、抹香臭さのない良きアメリカが見える映画であるが・・・・抹香臭い原理主義のブッシュにも見せたい映画でした。(どうしてもバカなブッシュを引用したいのですが、今回のはチョット無理ぽいかな?)幸せ王国シリーズより再掲goo映画バグダッド・カフェ***********************************************************■2012年01月27日三度公開された「バグダッド・カフェ」https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201201270001/
2024.11.04
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図書館で『水木しげるのラバウル従軍後記』という本を、手にしたのです。中を覗いてみると、全編にわたってスケッチ画、漫画、モノクロ写真などが満載で、とにかくビジュアルであり・・・読みやすいのである♪【水木しげるのラバウル従軍後記】 水木しげる著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より“トペトロとの50年”は、奇妙な楽しみに満ちた50年だった。豊富なカラーイラストと現地撮影写真で彩る、戦地で出会った生涯の友人との奇妙な交遊録。戦地ラバウルの情景や復員後の日々を描いた貴重な作品をカラーで掲載。ラバウルでの交流を記録した文庫版未収録写真を多数収録。エッセイ「娘よ あれがラバウルの灯だ」、マンガ「トペトロの葬式」を特別収録。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten水木しげるのラバウル従軍後記トペトロとの再会あたりから、見てみましょう。p101~105<トペトロとの再会> 私は〝軍曹〟たちと別れて、飛行機が出発する4、5時間の間に昔のトペトロたちの村を探すことにした。自動車でその村を探したが、なにしろ30年近くも前のことだから景色も違っていて、勘違いもあったりして3時間ばかりぐるぐる回ったが、一つも手がかりがない。 運転手は頼みもしないのにやたら帰路に着こうとする。「だめだ」と再三言い、またぐるぐる回って、もうだめかなあと思った時、一人の青年が小道から出てきた。「このあたりにトペトロという者はいないか」と聞くと、コーフン気味になったので驚いた。 トペトロの義弟トマリルだった。 おそらくこの時、偶然会っていなかったら〝トペトロとの50年〟の交換もあり得なかっただろうと思う。 人生における偶然の出会いほど不思議なものはない。 トマリルは大きな声で震えながら、「トペトロはいる!!」 そして、「お前、オレを覚えているか、小さいベビーだったが・・・」「うーむ、覚えていない」 と言うと、がっかりしたような顔をしたが、トマリルは足早に小道を案内した。 そしてトペトロのところに案内された。30年前ものことだ。 そんな昔の有人の訪問は、〝とまどい〟でしかなかったようで、初めは台所に隠れているみたいだった。 やがて、思い出が蘇ってのだろう。ニコニコして出てきた。 私も30年前の少年がオッサンになっているので、大いに驚いた。 1時間くらい経って、お互いに老けたんだということが頭に染み込んできてわかったので、握手して確認し合った。 まさかの訪問にトペトロたちも驚いていた。(中略) 30年近く音信不通だった友人に会ったわけだが、どうしたわけか、水木大先生はその次から何回も行く。 私自身もよくわからないが、なんとなくいい気分になれるのだ。 日本ではあまり味わえない王侯気分というやつだろう。 寝イスに寝ると、トリマルが常にうちわであおいでくれるのだ。 パパイヤと言えば、人間の頭くらい大きなのをすぐに持って来てくれる。 それを私は2個も平らげるのだ。 昔から南方のパパイヤが好きで、毎朝大きなパパイヤを1個食べていた。すなわち、土人を手なずけて毎日届けさせていたのだ。 向こうのパパイヤは想像を絶するうまさなのだ。 とにかく生まれつきの南方好きらしい。南方のものは何でもいい、といった感じ。ラバウルの火山が噴火して(1994年の大噴火)、ラバウルが火山灰に埋もれたあともトペトロと水木さんの交流は続いて50年を超えるわけだが、長くなるので以降省略。爆撃による負傷から奇跡的な復員あたりについては、ウィキペディアから紹介します。しばらく経過した1945年の初め頃、他の傷病兵と後方に送られる。傷病兵の間では「役立たずになった兵士はまとめてどこかに捨てられる」との噂も立っており、水木も不安だったが、そんなこともなく辿り着いたのはナマレに設置された野戦病院で、治療の傍ら畑仕事などに駆り出された。最前線に比べれば安全な土地で死の恐怖が和らぐと、島の原住民であるトライ族(英語版)と交流する余裕ができた。他の兵隊の様に威張らない水木を気に入ったトライ族から歓待を受け、水木の側も配給のタバコをお礼に渡すなどしている内に意気投合し、やがて集落の仲間として受け入れられた。軍規違反を承知で理由を付けてトライ族の集落に通い、トライ族の側も水木が再びマラリアで倒れると食料を持って見舞いに来てくれた。事ある毎に自分を罵倒していた上官の大尉からは「あいつは頭がおかしいぞ」と陰口を叩かれたが、先述の砂原勝己大尉が庇ってくれた。8月25日、部隊長から「日本のポツダム宣言受諾(条件降伏)」についての訓示を受ける。水木も他の兵士達も意味する所が理解できず「戦争に勝ったのか」との囁きが漏れたが、程なく「戦争に負けた」という話だとわかった。軍内では落胆の声が広がったが水木は「生き延びた!」と思い、戦場で死ななかった事に感無量だった。カゼル岬にあった連合軍の捕虜収容所に収監されて本国送還の順番を待つ間、トライ族から農地を分けるから一緒に暮らさないかと誘われ、現地除隊して永住することを真剣に考えたこともあった。しかし、砂原から「家族に会ってから決めても遅くないぞ」と助言され、帰国を決意したという。ただし、これについて砂原は「言った記憶がない」とも述懐している。1946年3月、24歳の時に駆逐艦「雪風」で浦賀港に入港し、ようやく日本へ復員した。『水木しげるのラバウル従軍後記』1:トペトロとの出会い
2024.11.04
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図書館で『水木しげるのラバウル従軍後記』という本を、手にしたのです。中を覗いてみると、全編にわたってスケッチ画、漫画、モノクロ写真などが満載で、とにかくビジュアルであり・・・読みやすいのである♪【水木しげるのラバウル従軍後記】 水木しげる著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より“トペトロとの50年”は、奇妙な楽しみに満ちた50年だった。豊富なカラーイラストと現地撮影写真で彩る、戦地で出会った生涯の友人との奇妙な交遊録。戦地ラバウルの情景や復員後の日々を描いた貴重な作品をカラーで掲載。ラバウルでの交流を記録した文庫版未収録写真を多数収録。エッセイ「娘よ あれがラバウルの灯だ」、マンガ「トペトロの葬式」を特別収録。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten水木しげるのラバウル従軍後記冒頭あたりから、見てみましょう。p10~20<トペトロとの出会い> 昭和16年の12月8日、家で寝ていると、ラジオが南太平洋方面とかで日本が戦争状態に言ったと報じたかと思うと、「軍艦マーチ」が始まり、1日中やっていた。 明くる日の新聞を見ると、大きな字で戦争のことが書いてあった。「これから日本、いや自分自身はどうなるのだろう」と、不安を感じた。 いずれ軍隊に引っ張られ、苦しい目に遇って死ぬのだろうか。菓子でも食べて考えようと思ったが、菓子屋には菓子のビンだけしかなかった。 間もなく配給制になって、ものをたらふく食べられなくなってしまった。 人よりも胃が丈夫だったから、糧道を絶たれるような生活は苦手だった。 間もなく召集令状が来て鳥取連隊に入れられた。 明くる日の入隊時刻は早いというので、みんな近くの宿屋に泊まった。 とにかく、これから先どういうことになるのか、両親も私も不安だった。 新聞トカラジオは、初めは勇ましいニュースを報道しみんなを喜ばせたが、入営するころはミッドウェーの敗戦、ニューギニア、ガダルカナルの敗戦と、あまり良くないニュースばかりだった。 私は陸軍、兄は一足先に海軍の高射砲隊で、お互いにニューギニア、ラバウルあたりをウロチョロしていたが、戦争中は会わなかった。 軍隊に入ると、とにかく毎日歩かされた。浜坂という砂浜で駆け足をやらされたが、なにしろ下が砂だから、なかなか前へ進めない。前へ進めないと、後ろから殴るしきたりだったから、いやでも前へ進まなければいけない。そうすると、砂粒一つ入らないはずの軍靴の中へ砂が、しかも足が痛くなるほど入ってくるのだ。 靴が砂で占領されんばかりで、足が痛い、一体どうなるんだろうと思っているうちに、夕方になり帰隊となるが、砂浜から8キロばかり歩いて連隊に着くと、なんと靴の中に砂が一粒も残っていない。私は今でも、それを不思議に思っている。 軍律よりも、奇妙な不思議さに関心はいっていた。 そうこうしているうちに、南方はラバウルに行かされた。 我々の前の船団も我々の後に続く船団もまた全部やられたので、我々だけがラバウルにかろうじてたどりついた。我々が最後の隊となったため、私は最後まで初年兵の待遇だった(不運というべきだろう)。 さらに不運なことに、私はズンゲン守備隊という、地の果てみたいなところの、そのまた先の最前線に行かされた。歩哨中敵に襲われ、幸運にも私一人助かったが、爆弾で手をやられ、ラバウルに引き下がった。この間は全く難行苦行だった。 ここがズンゲンというところ。少し小高い所に兵舎があり、戦争さえなければとてもいいところだった。 ラバウル近くのナマレというところに、戦争には役立たない、手足のない兵隊などが集められ、畑仕事をさせられた。 穴(防空壕)に寝ていたが、朝の6時が点呼で、私はいつも一番遅かった。 すなわち、人よりも1秒でもよけいに寝ていたいという努力の現われで、昼間もあまり作業をやらず、現地人(トライ族)の家に入りびたっていた。兵隊には果物なんかを持って帰ってやって、なんとか平穏無事に交際していた。 私は現地人に気に入られたのだ。私もまた、奇怪な現地人を珍しく思い、面白がった。そこにトペトロ少年がいたのだ。 後年、妖怪を描くことになったが、すべて彼らの愛嬌ある雰囲気がかたちになったものかもしれない。
2024.11.03
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図書館に予約していた『しんがりで寝ています』という本を、待つこと6ヶ月半ほどでゲットしたのです。三浦しをんの最新&爆笑エッセイ集ってか・・・面白そうである♪【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>三浦しをんの最新&爆笑エッセイ集ってか・・・面白そうである♪<図書館予約:(4/12予約、10/27受取)>rakutenしんがりで寝ていますエッセイのテーマはいろいろあるのだが、関西風のうどん料理を、見てみましょう。p64~66<心にも栄養は必要だ>「うどんすき」をはじめて食べた。 ピカぬい(ピカチュウのぬいぐるみ)の要請により(詳しくは前回参照)、なるべく自宅を空けなきゃならなくなった私は、大阪に1週間ほど出張することにした。・・・厳密に言うと、「出張」というのはちょっと嘘で、昼間はホテルの部屋で仕事し、夕方からは京セラドームで開催されたEXILE一族のコンサートに連日のように参戦してたんですの。ええ、ええ。ピカぬいの要請とは関係なく、去年から「行くぞー!」って心に決めて、この連日参戦に備え、スケジュールも心身も万全の調整をしてきたんですの。ええ、ええ。 うっかりすると私がEXILE一族としてステージで歌い踊るのかな、というほどの調整ぶりだったとひとは言うが、それはまあいい。一族のコンサートがきらめきに満ちてて、「もうなんも見えねえ・・・(双眼鏡でガン見したけど)」ってなったのも言うまでもないことだろう。 問題は、うどんすきだ。大阪に住んでいる友だちが、日中はホテルに籠りっぱなしの私を気にかけてくれて、「せっかくだからお昼にうどんすき食べよう」と誘ってくれたのだ。「わーい、食べる!」と喜んで答えたものの、実は私、うどんすきってどんなお料理なのか、まったく見当がつかなかった。大阪在住のかたにとっては、知らないなんてありえない料理だろうと思うし、私ももちろん名称は聞いたことがあったのだが、では具体的にどんな料理かと聞かれても、なにもわからない。 あまりにも楽しみすぎて、うどんすきを食べにいく前夜、ホテルのベッドで想像をめぐらす。うどんすきとはもしかして、すき焼きにうどんが入っているのではないか? え、でもそれって、「すき焼きの締めうどん」とどう違うの? と思ったのが、就寝まえの最後の記憶である。ぐーぐー(いびきと腹の鳴る音)。 友だちと待ちあわせ、うどんすきを考案したという「美々卵」さんに行った。テーブルに埋め込まれたIHコンロのうえに、大きな洗面器のような形状の銀色のお鍋が置かれる。なかには白出汁っぽい薄い色のお出汁が入っている。これは・・・、明らかにすき焼きとはちがうぞ!? 脳内うどんすき画像にバッテンをつけていたら、店員さんが具材を運んできた。塗りの箱がふたつあって、ひとつにはうどんが、もうひとつには野菜やらお麩やら鶏肉ヤラハマグリやらがうつくしく詰められている。「うわあ、きれい!おせちみたい!」とテンションが上がり、めったに料理の写真など撮らないのに(撮るまえに食べてしまうので)、スマホでばしゃばしゃ撮影。友だちが「カキも入れるとおいしいから」と追加してくれた。 ふつふつとお出汁が煮立ちはじめたところで、店員さんがうどんを鍋に投入。まっさきにうどんなのか。これはやはり、「締めのうどん」とはまったく別物だ。さらに、具材も丁寧に鍋に入れてくれる。 なるほど、うどんすきとは、うどんの入った寄せ鍋であったか! 具材にはほどよく火が通ったところでいただく。おおおおいしい! お出汁が染みに染みになるのもまた、舌にも胃にも顎にも優しい・・・。 こんなおいしいものを40年以上も知らずに過ごしてきた私はバカである。「また食べたい!」と食べ終えた直後に宣言。大阪ってほんとに食文化がすごいですよね。しかも、ひとを緊張させないおいしさなところがいい。 うどんすきも、ものすごく神経を配ってお出汁を取ったり、下ごしらえをしたりしていると思うのだが、「ドヤ!」感がなく、「どうぞー、楽しく食べてねー」とさりげない雰囲気で、本当の意味での品のある姿勢とはこういうことなのかもなと感じたのだった。ウン、ため口で綴られたエッセイ集ではあるが、この記事には品のある姿勢が感じられるのです。関東の人でも、やはり賞味となると本音が出るんでしょうね。『しんがりで寝ています』1:まえがき
2024.11.03
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NHK放送で『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も』という作品を見たが、この中で見えた桐衣朝子と桃太郎の関係が興味深いし、ええわけです♪くだんの映画鑑賞フォームを借りて、この放送の案内を見てみましょう。【ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も】NHK+編、2024年制作、2024/10/27観賞<NHK+>よりネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。 桐衣朝子と桃太郎10/27(日) 午後6:00-午後6:30配信期限 :11/3(日) 午後6:29 まで46歳で大学入学、61歳で作家デビューという経歴を持つ桐衣朝子さん。福岡の自宅で、漫画家である2人の娘、愛猫の桃太郎と暮らす。大病を患ったことがペンを握るきっかけとなったという桐衣さんの作品には、生と死を見つめるまなざしがいつも注がれている。作品が完成するまでには、同じ創作の世界に生きる娘たちとの間で熱い議論が交わされることもしばしば。そんな侃々諤々を傍で眺める桃太郎の心中やいかに?朗読は黒木華。<大使寸評>作家が示す猫バカぶりがええでぇ。桃太郎は自我自尊で暮らしているだけだけど・・・それがネコなんでしょうね。plus.nhkネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も
2024.11.02
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『動物たちの生きる知恵』という本がええわけで・・・以下のとおり復刻して読み直してみようと、思い立ったのです♪*********************************************************図書館で『動物たちの生きる知恵』という本を手にしたのです。動物たちと先端技術との関係を物理学、工学のセンスで説いているのです。これが大使のツボを突くわけで・・・・ええでぇ♪【動物たちの生きる知恵】ヘルムート トリフッチ著、工作舎、1995年刊<「BOOK」データベース>よりダム作りの名人ビーバー、空調システムつきの砦を築くシロアリ、ロータリーエンジンの考案者バクテリアなど、進化の過程を経てエコロジカルな生態を育んできた動物たちと先端技術との関係を明快に解く。<大使寸評>動物たちと先端技術との関係を物理学、工学のセンスで説いているのです。これが大使のツボを突くわけで・・・・ええでぇ♪Amazon動物たちの生きる知恵体の丈夫さには、最先端の工学的知見が反映されています。(最先端の工学的技術は、体の丈夫さを追っているというべきか)p54~58<体の丈夫さ> 木の幹も草の葉も、外力を受けたときの強さは、ヤング率(E)と慣性モーメント(I)をかけ合わせた値の大小で決まります。弾性が小さいほど、そして材質が中心にまとまっていないほど、曲げにくくて強い。自然界にはそんな構造がふんだんにあります。とりわけ、重さを支える部分は、できるだけ慣性モーメントの大きい構造になっている。 植物の茎がたいてい中空なのは、材料を節約するとおともに、曲げに強くするためです。植物では花の根元、イネやムギの茎、タケなどがそうだし、動物ならたとえば鳥が、中空のパイプ構造を骨や羽軸につかっている。ほかにも数えきれないほどの例があります。もうひとくふうして、ところどころにリング状の節をつけ、パイプ構造の強さをぐっと上げているのがタケやヤナギの茎。 天然ガスや原油を運ぶパイプラインは、よく針金をらせん状に巻いて補強してあります。自然界でも、珪藻の体とか、昆虫の気管、植物の導管がそんな形をしている。こうすると圧縮や引っ張りに強くなるのです。山岳地や極地近くの、暴風にさらされたり大雪をかぶったりする場所の木には、幹の繊維がらせん状にねじれたものがあって、ときには繊維の向きが鉛直方向から30度もずれています。これも外力に抵抗する戦略のひとつ。 たとえば熱帯のフタバガキ科の巨木が、柔らかい沼地の上で体を支えるために、地上数メートルあたりから地面へ向け、四方へテントのように張っている板根がそのひとつ。周辺もT字形に広げ、慣性モーメントを大きくして折れにくくしているのです。植物たちはそれぞれ伝家の宝刀を抜き、できるだけ高い場所に葉を茂らせて太陽の光をいっぱいに浴びようと競い合っているのです。 見かけが板のような、あるいはお椀のような構造も、くふうしだいで強くなる。表面を波形にした昆虫の羽は、なかなか変形しません。トンボの羽がしっかりしているのは、ひだ構造だから。バッタの羽も似ていて、扇のようにたためます。ヤシやシュロの広い葉も同じ。軟体動物の殻にも、強度を上げるくふうの歴史がきざまれています。貝殻の表面をよく見ると畝のように波うっていますがこれでぐんと強くなるのです。流体力学に出てくる摩擦とかレイノルズ数が、動物たちの形を決めたようです。p79~82<摩擦とのたたかい> 水中を泳ぐ、地面を走る、空を飛ぶ・・・そういうときはいつも、摩擦力とのたたかいになります。まわりから水や空気の分子がぶつかってきて、動きにブレーキをかけるからです。水や空気のような物質を流体といいます。流体の中ではたらく物理法則は流体力学という学問で扱いますが、生き物たちは、なるたけ速く、省エネで動こうとして、流体力学を完璧なまでマスターしました。魚雷そっくりな魚の体つき、紡錘形の鳥の体、ヒョウやチータのスマートな体形は、その成果なのです。 動物が流体の中を動くとき、流体の分子が通り過ぎてゆく速さは、体表面に接したごく薄い層(境界層)の中でがくんと変わります。体そのものの上では、分子は表面にぴたりとくっついているので速さはゼロ。表面から離れるほど速さは増して、数分の1ミリも離れてしまえばもう最高の速さになる。 体表面のそばほど流れが遅くなるのは、分子どうしに引き合う力がはたらくからで、これが摩擦力を生むのです。流体の粘性が大きいほど、分子の引合いが強く、境界層は厚くなる。体が流体から受ける抵抗の大きさは、まず第一に、この境界層がどんな状態にあるかで決まります。境界層の中で流体の分子が体の表面に平行にすーっと流れている、そういう流れを層流といいます。いっぽう、分子がてんでんばらばらに動き、ミクロな渦がたくさん発生しているなら乱流です。乱流の中では分子どうしがぶつかり合って、運動エネルギーが熱に変わってしまう。だから乱流ができると、こういうエネルギー損失のせいで、動きにブレーキがかかるのです。 境界層が層流になるか乱流になるかを決める要因は、三つあります。表面の広さ・形と、流体の粘度、流れの速さです。形がまったく同じ(相似形)でも、サイズがちがえば物体のまわりの流れは変わります。流れのようすを表す便利な量に「レイノルズ数」というものがあって、レイノルズ数が同じなら、流れはだいたい似ていると考えてよろしい。レイノルズ数は、流体に接した物体の長さと、流体の密度、流れの速さ、以上三つをかけ合せ、それを流体の粘度で割った値です。 たとえば体長10センチの魚が秒速10センチで水中を泳ぐとき、レイノルズ数はおよそ1万になります。体長が2センチの小魚なら、秒速50センチで泳ぐときにレイノルズ数がやはり1万で、体のまわりにできる流れの状況はさっきとだいたい同じ。あるいは、体長10センチの小鳥が秒速1.4メートルで飛ぶときと、トンボが秒速15メートルで飛ぶときで、レイノルズ数はほぼ同じになる。体形がひどくちがう動物どうしだと、レイノルズ数だけで比べるのはあまり正確とはいえませんが。 レイノルズ数が小さいほど境界層は層流になりやすいのですが、表面がどんなになめらかでも、レイノルズ数が300万を越せば必ず乱流ができて、エネルギーの損失が生まれます。物体が動くとき、いくら以上のレイノルズ数から乱流になるかは、表面付近にできる圧力分布のパターンと、物体のこまかい形で変わり、表面にエッジや突起があれば乱流ができやすい。反対に、レイノルズ数がうんと小さくて100を切ると、こんどは流体の粘性がきいてきて摩擦抵抗はまた大きくなります。 魚を例に、動く物体が流れからどんな抵抗を受けるか考えてみましょう。前進するときは水をかき分けるので、頭の部分に水の圧力抵抗がかかります。二つ目に、体の側面を流れる水が、境界層で摩擦抵抗をかけてきます。そしてもうひとつ、しっぽの先端で合流する水が渦巻きをつくって、このときエネルギーが消費されますが、そのエネルギーはもともと魚の運動エネルギーだったものですから、これもやはり抵抗になります。 まず、エネルギーの損失をなるべくおさえるのに、魚の頭は小さいほうがよろしい。頭の先から胴体のいちばん太いところまでに圧力を少しずつ分散させ、乱流を発生しにくくするのです。さらに、渦巻きができないように、体の表面に凸凹やエッジをつくらない。こういう面倒な要求をすべて満たすのが、魚雷に似た流線形だというわけで、多くの動物たち、とりわけ魚は、じつにきれいな流線形をしています。著者の太陽エネルギー利用に関する提言を見てみましょう。p10~11<はじめに> 生物のしくみは、未来の科学技術につながるヒントをたくさん秘めています。光エネルギーを変換する光合成のしくみだけではありません。葉の蒸散作用は、太陽の熱エネルギーを力学エネルギーに変換します。熱帯ではマングローブの木々が、吸水と蒸散を巧みに組み合わせて、海水を真水に変えています。こうしたしくみは人工技術にも応用できるでしょう。 いまの科学界は、核の脅威から自国を守るという大義名分のもと、原子力に大金と先端技術を惜しみなくつぎこむくせに、クリーンな太陽エネルギーには目もくれない。じつにもったいない話です。原子力発電をもっと推進しようという声も、大いに疑問のあるところ。原子力は予想外に高くつくし、事故の恐れも大きく、放射性廃棄物は次世代のツケに回ります。それに原子力技術は、自然界のエネルギー利用方法とまっこうから対立するものです。有害な廃棄物など出さずに、無尽蔵のエネルギーを惜しみ惜しみ出し入れするのが、自然界のやり方、本来のやり方なのですから。 それができるエネルギー源は、太陽光しかありません。地面の1メートル四方に降りそそぐ太陽エネルギーは、昼夜・晴雨・季節の平均で、熱帯の森や砂漠なら250から300ワット、日本だと約150ワット、ヨーロッパ中部でも100ワットを超します。1キロ四方の地面があれば、そうとうな規模の太陽光発電所ができる。植物は太陽光のせいぜい2パーセントしか化学エネルギーに変換できないけれど、育つにはそれで十分。なのに人類はまだ、エネルギー需要を太陽光でまかなう技術をもっていません。 発電に利用できる不毛の土地や水面はいくらもあるのに、植物を見ならって太陽エネルギーを物質に変えるのはまだまだむずかしいのです。太陽エネルギーの大規模な利用をはばむ要因はいくつかありますが、少数の研究者では太刀打ちできないさまざまな問題を解決しなければいけないこと、長い時間をかけて地道な研究を積み重ねなければいけないことが、大きな壁でしょう。今までの経歴を投げうってでも人類に奉仕したい、そんな気かまえの研究者を集めた専門の研究所ができ、大型予算を回してもいいという世論の盛り上がりができさえすれば、突破口は開けるはずです。 原子力開発は、戦争と軍事問題の追い風を受けて進みました。エネルギーの枯渇が見えてきた今こそ、太陽エネルギー利用を真剣に考えるべきだし、必ずうまくいくと私は確信します。じじつ自然界は今から何十億年も前、エネルギーの枯渇に直面して光合成のしくみをあみだし、危機をみごとに乗り越えたのですから。***********************************************************■2016.03.02XML『動物たちの生きる知恵』3https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201603020001/『動物たちの生きる知恵』1https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201603020000/
2024.11.02
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図書館で『ギャバンの帽子、アルヌールのコート』という本を、手にしたのです。ヨーロッパ映画のアンソロジー集ってか・・・興味深いのである♪【ギャバンの帽子、アルヌールのコート】川本三郎著、春秋社、2013年刊<「BOOK」データベース>より「追憶の名画座」へ、ようこそ。心にしみいる暗さと魅力にあふれた、いにしえのヨーロッパ映画。戦争映画から、詩情をたたえた悲恋物語、シニカルな喜劇まで、永遠の映画少年が50~60年代を中心に、今ひとたび酔いしれたい傑作をふりかえる。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenギャバンの帽子、アルヌールのコート「ドイツ映画」、「戦争映画」というツボが疼く『橋』という作品から、見てみましょう。p191~197<少年たちの戦いと死 『橋』> 戦争末期、敗色濃いドイツでは、兵隊が足りなくなり、十代の少年たちを徴兵し、戦場に送るようになった。 1959年に作られ翌60年に日本で公開されたドイツ映画『橋』は、七人の十代の少年たちが自分たちの住む小さな町の橋を守るため、アメリカの戦車隊と戦い、1人を残して無残に死んでゆく戦争映画。15、6歳で死んでいった少年たちへの静かな鎮魂歌になっている。 高校一年生の時、ちょうど少年たちと同じ年齢で見たので、胸が痛くなる感動を覚えた。 ナチスという絶対悪を生んだ国だけに、戦後のドイツ(旧西ドイツ)では、戦争を自分たちの側から描く映画は数少なかった。 戦争の圧倒的な加害者だったから、自分たちも悲惨な目にあったとは語りにくかったのだろう。 わずかにオーストリアとユーゴの合作映画で、ドイツ人のヘルムート・コイトナーが監督した『最後の橋』(54)が、戦争を内側から描いた作品として記憶に残るくらい。敵であるユーゴのパルティザンに捕らえられ、その負傷兵を診ることになったドイツの女医が、「祖国愛か人間愛か」の板挟みに苦しむ物語で、ヒロインを演じたマリア・シェルがカンヌ映画祭で女優演技賞を受賞するなど、国際的に高い評価を得た。 この『最後の橋』でパルティザンの隊長を演じたのがベルンハルト・ヴィッキで、のち監督に転じ作ったのが『橋』。ドイツ人と思われがちだがスイス国籍で戦争体験はないという。それだから冷静に少年たちの敗戦直前の死を描けたのかも知れない。 少年たちはほとんどが素人。従って本稿では俳優名を記さず、役名だけにする。 1945年4月。中部ドイツの小さな町。連合軍(主力はアメリカ)が刻々と迫っている。それでも町にはまだ日常生活が静かに営まれている。 町の高校では普通に授業が行われている。日本と違って敵国の英語の授業もある。シェイクスピアを読む。前半は、七人の少年と、その親たちがスケッチされてゆく。 戦争がそこまで迫っているとは思えないほど一見、平穏に見える。少年たちにとってはまだ戦争は身近に感じられていない。 4月、米軍の飛行機がその町にはじめて爆弾を落としたが、たいした被害はなかったので少年たちは、「どうせ爆弾を落とすなら、学校に落としてくれればよかったのに」「嫌いな数学の授業の前にな」と笑い合う。「爆撃のあとを見に行こう」とピクニック気分もある。 少年たちにとっては、戦争はまだリアルなものというより、どちらかといえば戦争ごっことしてしか理解されていない。だからみんな楽天的だし、勇ましい。後半の悲惨な戦闘をまったく予想していない。無邪気に「敵をやっつける」といいあう。(中略) 七人の少年たちに召集令状が来る。 まだ戦争の現実を知らない少年たちは喜ぶ。国のために戦うことに誇りを覚え、喜んで兵隊になる。戦争ごっこが戦争になる。 前半、高校生だった彼らは、半ズボン姿。英語の恋愛詩を読んだり、恋をしたり、将来の夢を語ったりしている。恋をする者もいる。 それが一転して招集されると、鉄かぶとをかぶり、銃を持つ。「少年」が「兵隊」になる。 七人の少年の先生は、彼らのことを危惧し、以前、先生をしていたという大尉に、何とか危険の少ない部署につかせてくれと頼みに行く。善意からのこの行為が、結果として仇になってしまう。 大尉は少年たちを町はずれの橋の護衛にあたらせる。どうせ、アメリカ軍が進軍してきたら爆破してしまう小さな、小さな橋。大尉としては、少年たちを安全なところに配置したつもりだったが、それが不幸なことになる。 アメリカ軍が橋に近づいて来た時、少年たちは、本気で、橋を死守しようとする。そこから悲劇が始まる。 橋の上に、七人の少年がぽつんと立つ姿を俯瞰でとらえる。大人たちから取り残されたように見える。突然、爆音と共に敵機があらわれる。橋めがけて機上掃射する。少年たちはあわてて地に伏せる。静けさが戻る。少年たちが起き上がる。しかし、1人だけそのままの少年がいる。撃たれていた。最年少のジギー。少年たちは、はじめて戦場の恐怖を知る。 完全に夜が明ける。向こうから米軍のせんしゃがあらわれる。戦闘が始まる。ヴィッキはそのむごいさまをリアルに、そして、感情をこめず、無表情にとらえていく。 たたかわなくてもいい戦いに少年たちは入り込んでゆく。おざなりな軍事訓練を受けてだけの十代の少年たちが、アメリカの精鋭部隊と戦って勝てるわけがない。 最年少のジギーをはじめ、ユルゲン、ワルターと、次々に死んでゆく。それまで戦争ごっこ気分だった少年たちが、戦場のすさまじさに恐怖し、銃声に怯える。小便をもらす。恐怖のあまり錯乱してしまう者もいる。「戦争は格好いい」「国のために命を捧げる」といっていた少年たちが現実の戦闘に直面し、幻想を吹き飛ばされてしまう。その姿が、非情に描かれてゆく。 全編、白黒。音楽もほとんどない。時折り金属音が入るだけ。あとは銃声、戦車の音、叫び声、泣き声といった現実音。画面は墨絵のように黒っぽく、勇壮な戦争映画の雰囲気は微塵もない。 七人の少年たちのうち五人までが死んでしまう。昨日まで元気だった仲間がいまはもういない。生き残ったリーダーのハンスとアルバートが疲れきり、とぼとぼ家へと帰る。そこにドイツ兵がやって来て二人にいう。「橋をこれから破壊する。もともと壊す予定にあったのに余計なことをした」。ドイツ軍はアメリカ軍の侵攻を防ぐためライン河をはじめいくつもの河にかかる橋を破壊した。この橋もそのひとつだった。少年たちに同情した大尉があえて危険の少ない橋の警備にあたらせたのだが、その温情がかえって仇になってしまった。 自分たちの必死の戦いは無駄な戦いだった。仲間の死は無駄死にだった。それを知ってそれまで終始冷静だったハンスが激情にとらわれる。そして橋を破壊しようとするドイツ兵を撃ち、もう一人の兵に撃たれて死んでしまう。 ハンスを助けようとドイツ兵を殺してしまったアルバートが一人、ハンスの死体を引きずりながら「家へ帰ろう、家へ帰ろう」と狂ったようにいうところで、映画は終わる。ここで、くだんの映画鑑賞フォームでこの映画のデータを見てみましょう。【橋】ベルンハルト・ヴィッキ監督、1959年独制作、1960年頃観賞<Movie Walker ストーリー>より敗戦前夜の中部ドイツ。高等学校の最上級生は十六歳。それより上はすでに戦場に狩り出されていた。こんなある日、はじめての空襲警報が鳴った。連合軍の飛行機が町はずれの橋に爆弾を落したのだ。ここは生徒たちの遊び場であり集会所であった。最上級生--母ひとり子ひとりの洗濯屋の息子ジギー、理髪店の息子カール、代々軍人の地主の息子ユルゲン、ナチの地区指導者の息子ヴァルター。疎開して来たクラウス、父を戦場に送ったアルバートと彼の家に同居しているハンスそれとクラウスと仲のいい女生徒フランツィスカの八人は早速出かけていった。橋は無事だった。翌日とぼしい材料を集めてボートを作っていた一同のところに召集令状が来た。親たちの心配をよそに少年たちは“祖国のために”雄々しく入隊していった。その夜突如として非常召集が発せられた。アメリカ軍が近接したのである。少年たちは勇んで出陣した。彼らの守備位置は橋だった。少年たちを戦火にまき込みたくない--と願う隊長のせめてもの思いやりだった。ところが意外にもここに戦車が来た。やがて戦略的に破壊される橋とも知らず少年たちは勇敢に戦った。その反撃は一時的に敵を後退させるほどだった。しかしやがて橋はドイツ軍のため爆破されようとした。生き残ったハンスとアルバートは呆然とするとともにはげしいいかりにかられた。アルバートの銃口がドイツ兵に向けられた。“橋”は残った。あとにはハンスの死体をひきずって町に向うアルバートの姿があった。<大使寸評>追って記入Movie Walker橋
2024.11.01
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図書館で『ノイエ・ハイマート』という本を、手にしたのです。池澤夏樹さんが著した本で、ウクライナやガザの戦闘もテーマとなっているようで、興味深いのである♪【ノイエ・ハイマート】池澤夏樹著、新潮社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりある日、難民になる。「新しい故郷」を求めて、歩きだす。そんなに遠い世界の話ではないのです。シリアで、クロアチアで、アフガニスタンで、満洲で、生きのびるために難民となった、ふつうの人たち。その姿と心を、てのひらで触れるようにして描きだす。<読む前の大使寸評>池澤夏樹さんが著した本で、ウクライナやガザの戦闘もテーマとなっているようで、興味深いのである♪<図書館予約:(6/29予約、副本?、予約?)>rakutenノイエ・ハイマート「ノイエ・ハイマート」の続きを、見てみましょう。p159~164<13 ノイエ・ハイマート> 前の方から音楽が聞こえてきた。 何十年も聞いていなかった懐かしいメロディーで、まるでそれに糸が結ばれた言葉がずるずると引き出されるように、日本語の歌詞が脳裏によみがえった。これだから歌は厄介なのだ。思い出したらスイッチが切れない。 ああ、「ワルシャワ労働歌」。軍歌まがいの低俗な左翼の歌の中にいきなり登場したあの美しい節・・・ 起て はらからよ ゆけ闘いに 聖なる血にまみれよ 砦の上に我らが世界 築き固めよ勇ましく 人間、そんなに勇敢に戦えるものではないよ、と老いた私は思いながら(つまり私は風に乗って流れてくるメロディーに日本語の歌詞を重ねて60年代の自分に戻っていたのだが)、しかしシリアの反政府側の人々は今こそこの思いで戦っているのではないかとも思った。戦前の鹿地亘訳詞のこの言葉の列はたった今の世界に繋がっているのではないか。あまりの死者の数にシリアを逃れる者が多くいるとしても(例えばラヤンのように)誰もきみを非難することはない。君は充分に戦った。 道を歩く私が持ったカメラは録音もしている。歌の音声は後でも補える。今ここでこれを聞いたことにこそ意味がある。 私たちは橋を渡った。 オーバーバウムブリュッケ(木の上の橋?)、とても立派な橋だ。橋の途中で話かいバンドが騒々しく演奏していた。もっぱらTシャツにスニーカー、せいぜいゆるいワンピースなどの服装に似合わず、打楽器主体の音色はここでもずいぶん古風だった。 ロッテは橋に続く大通りをずんずん歩いて、少し先を右に曲がった。数メートルの段差を下る。角に小さなカフェがあったがそれは無視。 広い道というか広場に近いところに倉庫めいた建物が並んでいる。その壁を飾るグラフィティのいろいろ。右側の建物の背後には川があるはずだがここからは見えない。人の数は少ない。 しばらく行くと大きな建物が両側から迫って道が狭くなったその入口に横断幕が掲げられていた。ロープのネットで作られていて、そこに文字が貼り付けてある・・・ NEUE HEIMAT 風にわずかに揺れるその言葉。 それくらいのドイツ語は私でもわかった。「新しい故郷」だ。 そんなものかと思っただけで先を行くロッテについて歩いた。 次の角を川の方に曲がると小さな広場があって、低い建物が囲んでいて、人がたくさんいた。そこがノイエ・ハイマートらしい。 何か歴史的な意味がありそうな円筒形の石の塔があり、その壁にはフリー。クライミング用の手がかり足かがりが埋め込んであって、数名の男女が登っていた。腰に着けたハーネスに上から安全索が結ばれている。 青空カフェのテーブルに腰を下ろした。 ここでもカメラを回した。 幼い子供が何人も周囲を駆け回っている。 ロッテがビールを買ってきた。「さっきのあれ、見たでしょ?」「ん?」「ノイエ・ハイマートっていう横断幕」「見た」「この町のボランティアの人たちがここを難民定住のセンターとして使おうと市に交渉して、あるところまでは話が進んだの。でも、なんだかうまくいかなかった」「きみも関わったの?」「あんまり力になれなかった」 「思うんだが、ノイエ・ハイマートって、それ自体が矛盾ではないのかな。新しい故郷って」「もちろんそうよ。それはわかっている。故郷というのは先祖代々で古いはずのもの。長い歴史があるはずのもの。それが新しいというのはおかしいわ。でもね、それを承知で新しい故郷を作らなければならない場合もある。そういう事態が迫ってくることがある。そういう人たちに手を貸すという義務も生じる」「ロッテ、きみは魔女だよ」 「どういう意味?」「きみのような、きみたちのような、自立して自分の思想を持った女は昔から魔女と呼ばれた」「あはは、火炙りね」 「その際は私が消防車で駆けつける」「ありがとう。ノイエ・ハイマートは仰るとおり矛盾です。でもね、そこをなんとか越えなければいけないの。誰にとっても生きるとはそういうこと」 「わかる」 そういったけれど、実は私は彼女のほとんど知らない。今、道案内をしてくれる人というだけ。いずれこれが仕事としてまとまった時には(そうなったとして)、エンド・ロールの一人になるはずの人というだけ。 この大陸では建物というものはよほどのことがないかぎり壊さないのではないだろうか。ロッテが言うように空いた建物にスクワッターが入れたということは、そこは使ってないままに放置されていたということだ。もちろんこの都会の街区の多くは先の大戦の爆撃で消尽したのだから、今こうして見るのはみな戦後になって再建されたものだけれど、それでも不便を承知で使い続けられている。大工の仕事の多くは新竹ではなく改築か改装、町で見る看板もそちらへと客を誘っている。不細工に壁の外に配管や配線を巡らしても、なんとか使うのが、石の建築の伝統なのだろう。 戦争の最後の段階でヒトラーは「パリは燃えているか?」と問うたが、しかし彼の殿軍にはパリを燃やす勇気はなかった。 今の都会にはスクワッターが住む余地は充分にある。 そこが新しい故郷にもなる。『ノイエ・ハイマート』2:13 ノイエ・ハイマート『ノイエ・ハイマート』1:失われた子供たちの海岸
2024.10.31
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図書館に予約していた『しんがりで寝ています』という本を、待つこと6ヶ月半ほどでゲットしたのです。三浦しをんの最新&爆笑エッセイ集ってか・・・面白そうである♪【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>三浦しをんの最新&爆笑エッセイ集ってか・・・面白そうである♪<図書館予約:(4/12予約、10/27受取)>rakutenしんがりで寝ていますまず、刊行経緯やステマに触れている「まえがき」から、見てみましょう。p8~10<まえがき> 本書は、雑誌「BAILA」に連載したエッセイをまとめたものの第二弾だ。「エッセイ集なのに続編?」「ということは、第一弾を読まないと話がわからないの?」と、疑問や不安を覚えたかたもおられるだろう。大丈夫だ。なんてことのない日常を書いたエッセイばかりが収められているので、いきなり本書からお読みになっても、なにも問題ない。 どうしても予習をしてから物事に取り組みたい派のかたや、本書をお読みになったのち、第一弾にも興味を抱きはじめたという奇特派かつ善良派のかたに、朗報がある。本書の前日譚にあたる『のっけから失礼します』、集英社文庫から堂々発売中です(ステマ)。 最近、商品などを提供してもらったうえで、宣伝だとわかりにくい感じで宣伝する場合には、「PR」と明記しないといけないよと、法律かなにかが変わったと仄聞した(ぼんやり情報)。インフルエンサーのひとも対応が大変だなと思うが、私はSNSに疎いため、正直なところインフルエンサーがなにをインフルエンスしているのかよくわかっておらず、ということは、知らぬまにインフルエンサーにインフルエンスされていることもあるのかもしれないので、まあPRなら「PR」と言ってもらったほうが安心だ。SNSを見てないくせに、どうやって知らぬまにインフルエンスされるつもりなんだよ。ずうずうしいな自分、という気もするが。 私自身は以前から、ステマ(ステルスマーケティング)のときは「ステマ」と明記する方針です。ステマの意味がわかってない感がありありと・・・。 問題は第一弾の『のっけから失礼します』をお読みいただいたとしても、やっぱありなんてことのない日常が書かれているため、前日譚なのかどうかすら定かじゃない、ということだ。十年一日ぶりが極まっていて、時空を歪ませるほどの力に満ちたSF的エッセイシリーズ(誇大ステマ)。あ、これはあくまでも自称なので、ちゃんと明記しました。 とにかく、第二弾の本書を話は通じるので、なにも心配はいらない。憂いなく、本書を本屋さんのレジに持っていっていただきたいと願う。おしゃれな女性向けファッション誌「BAILA」の巻頭ページで、好き放題、おしゃれじゃない日常や、たまにシモの話や、(主にEXILE一族への)愛が高じてしばしば様子がおかしくなってるさまを書き綴っているのに、十年ぐらい連載続行させてもらえている奇跡のエッセイ(誇大ステマ)。この基本情報さえ把握しておいていただければ、大丈夫である。 なぜ本書のタイトルが『しんがりで寝ています』なのかについては、少々説明が必要だろう。第一弾『のっけから失礼します』のあとがきを書く過程で、「はっ。もしかして、内容によりふさわしいタイトルは、『のっけから失礼します』ではなく『しんがりで寝ています』だったんでは?」と気づいたのだ。 しかしそのときには刊行予告が出てしまっていたので、第一弾のタイトルに流用、いやいや、活用した次第だ。SDGsの実践。流行りの言葉で誤魔化すのやめろ。「しんがり」ってなに?と思うお話かいかたもいらっしゃるかもしれないが、「最後尾」という意味です。大河ドラマなどを見ていると、「拙者がしんがりを務めます(退却する軍の最後尾で、追ってくる敵を食い止めます)」と羽柴秀吉が申し出て、「サルめ、よく言った・・・!」と信長さまが感極まるシーンがあるが、あれです。そういう重要な最後尾においても寝てしまう胆力。起きて。 十年一日の日常エッセイを、いつまで書きつづけられるんだろう。現に戦争が起きてしまったし、本書にもコロナ禍の日々が収録されている。「なんてことのない日常」を、どうすれば全世界レベルで実現できるのか、真剣に考え、行動していきたいと思っているのは本当なのだが、本書からその思いを汲み取れるかたはエスパーだろう。なにかべつの本の感想と混同している可能性もある。 いくらなんでもアホすぎる一冊に仕上がってしまったが、本書をお読みになるあいだ、もし少しでも楽しい気持ちになっていただけたら、うれしいです。
2024.10.31
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日本語とか外国語、つまり言語にツボがあるわけで、下手の横好きとでも言いましょうか。・・・ということで『日本語えとせとら』という本を復刻して読んでみます。*********************************************************図書館で『日本語えとせとら』という本を手にしたのです。なんか、読んだことのありそうな本であるが・・・ま いいかということで借りたのです。帰って、日記を調べてみると、3ヶ月前に借りた本であることが判明しました(イカン イカン)この日のタイトルを『日本語えとせとら』2としたのは、2度目という意味でもあるのです(汗)【日本語えとせとら】阿刀田高著、時事通信出版局 、2010年刊<「BOOK」データベース>より阿刀田高が綴る、日本語にまつわるエッセー。日本語への深い愛着が感じられる一冊。<読む前の大使寸評>日本語に関する言語学的エッセイか・・・・大使のツボでんがな♪第2部が和洋書籍の書評集になっているが、これも、良さそう。rakuten日本語えとせとら『日本語えとせとら』1byドングリ阿刀田高さんは、内外の短篇小説に造詣が深いとのことです。どうりで・・・この本の各エッセイが短いわりに印象的な切り口を見せています。その切り口を一つ、二つ紹介します。p17~19<言葉で喜ぶ> 「“ことほぐ”って知ってる?」 若い人三人に尋ねてみた。 一人が「知らない」と首を振る。二人が「お祝いすることでしょ」と答えてくれた。 「じゃあ、友人の結婚を聞いてひとり静かにことほぐ、これ、正しい?」 重ねて尋ねると、ジロリとにらむ。わざわざ聞かれるのは「正しくない」からだろうけれど、どこがどう違うかわからない、そんな心境に違いない。 その通り、正しくない。“ことほぐ”は“言葉を告げて祝う”こと。ひとり静かに黙って祝うのは、ことほぐではない。ただ、ほとんどの場合、祝うと言えば「おめでとうございます」とか「よかったねえ」とか言葉を発して祝うから、“ことほぐ”と“祝う”とが同義語に思われてしまうのだろう。屁理屈をこねれば、お祝いのプレゼントだって、なにかしら言葉をそえて贈る。言葉なしでただ贈るのは、失礼、と、これが良識だろう。やっぱりことほいでいるのだ。 だが、これとはべつに、ある日、ふと気がついた。文学というと、少し大げさかもしれないが、私たちが詩文を楽しむ理には、・・・この“ことほぐ”が含まれているのではあるまいか・・・ つまり言葉に出してすばらしさを称えるわけだ。たまたま歳時記の夏の部をのぞいていると、高浜虚子の句が、“新潟の初夏はよろしや佐渡も見え” 私はあのあたりの海岸風景をよく知っているから、・・・ふーん、いいね・・・ と感動を覚えてしまう。うれしくなってしまう。 しかし、つらつら考えてみると、新潟の海岸から佐渡が見えて、なにがよろしいのか、よくわからない。それが春ではなくて初夏だと、どうして特によろしいのか、さらにわからない。 もちろん、そういう理屈を言っちゃあ、いけないよ。初夏の日本海の風景に接して卓越した俳人が詠み、・・・自然の風景は、すばらしいじゃない・・・ と、ことほいでいるのだ。言葉で告げて祝福しているのだ。共感を呼びかけ「そうだ、そうだ」とみんなで喜びあおうとしているのだ。 実際には月並みで、取るにもたりないことのようでも巧みな言葉で表現して、その真価を訴えたりする。「すばらしいじゃない」と応援を送る。文学の原点は、このあたりにあったのかもしれない。“山は青きふるあと、水は清きふるさと” なんのことはないけれど、日本の自然を歌って「そうだよなあ」と、しみじみ共感させてくれる。言葉で喜ばせてくれる。 喜びばかりではない。慰めもある。いたわりもある。 昨今、はやりの“千の風になって”も、内容は非科学的、中学生の詩のような文言だが、巧みに綴られているからこそ、人々の胸を打つ。あたりまえのことや人間の素朴な心情を言葉で的確に、美しくとらえて共感を創ること、これは文学の存在理由の一つだろう。歌謡曲の歌詞も巧みなものはこの例外ではない。“わかっちゃいるけど、やめられない”と、これは植木等さんの尊父なる和尚によれば仏教の本源的観点なのだ、とか。文学の原点と来たか・・・阿刀田さんのおっしゃる通りなんだろうね、さすがに元ペンクラブ会長やで♪p136~138<初めが肝心> "国境の長いトンネルを抜けると雪国であった" "親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりして居る″ "私が自分に祖父のある事を知ったのは、私の母が産後の病気で死に、その後2月程経って、不意に祖父が私の前に現れて来た、その時であった" "死者たちは、濃褐色の液に浸かって、腕を絡めあい、頭を押しつけあって、ぎっしり浮かび、また半ば沈みかかっている" "安田辰郎は、1月13日の夜、赤坂の割烹料亭「小雪」に一人の客を招待した" "堀川の大殿様のような方は、これまでは固より、後の世にも恐らく二人といらっしゃいますまい" "指先から煙草が落ちたのは、月曜の夕方だった" "越後の春日を経て今津へ出る道を、珍しい旅人の一群が歩いている" "まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている" "「おい、地獄さ行ぐんだで!」" 思いつくままに日本の名作小説十篇の冒頭を抜き出してみた。まるでクイズみたい。どれが、だれの、どの作品か、おわかりだろうか。 読者はなにげなく読むケースが多いけれど、作者のほうは冒頭の一節に神経を使う。熟慮する。こう書こうか、ああ書こうか、少なからず思い悩むのが通例だ。私自身の場合を述べれば、原稿用紙を前にして、・・・よし、これでいい。これで行こう・・・ 冒頭がきっちりと決まれば、・・・今日の仕事はこれでおしまい・・・ へへ、呑気だね。酒を飲もうと、遊びに出ようと、いっこうにかまわない。 「たった一行でもいいんですか」 と聞かれそうだが、冒頭をきめるということは、どんなタイプの作品か、ミステリーなのか、歴史小説なのか、私小説なのか、方向をはっきりと定めている。それがなければ一行とて書けない。おそらく主人公のイメージもできているだろうし、ストーリーのあらましも心中にある。逆に言えば、そういう構想があって初めて第一行目が書ける。終日酒を飲んでいても "よし、明日から"でさしつかえない。 小説家の場合はやや特殊かもしれないけれど、一般論としても、文章を書く時には、同様の方法を保持したほうがよいのではあるまいか。報告書であれ、マニュアルであれ、手紙であれ、なにから書き起こすか、用件全体を展望し、どう訴えるのがよいか、吟味することが絶対に必要だろう。 簡潔がいい。単刀直入のほうが、わかりやすいだろう。 十のことを訴えるのに「一、ニ、三、四・・・」と順を追って説明する方法もあるが、まず端的に結論を提示し、こまかいことは後から、という方便も有効だ。たとえば、色合いを言うのに、 「ひとことで言えば玉虫色です。が、緑が濃く金を殺して深め、曖昧な印象ではありません。そのためには、薄い染料を使い・・・・・」という表現だ。 もちろんケース・バイ・ケース。ただし第一行目の持つ重要性はつねに忘れてはなるまい。 "初めが肝心"は文章を、言葉を、操るための金言でもある。大使の文章の冒頭は、阿刀田さんに言われるまでもなく、つっけんどんというか単刀直入でおます♪*********************************************************■2023.08.13XML『日本語えとせとら』(復刻)https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202308130002/
2024.10.30
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「手あたり次第」でしょうか♪<市立図書館>・しんがりで寝ています ・水木しげるのラバウル従軍後記・ギャバンの帽子、アルヌールのコート・ざんねんな筋トレ図鑑<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【水木しげるのラバウル従軍後記】 水木しげる著、中央公論新社、2022年刊<「BOOK」データベース>より“トペトロとの50年”は、奇妙な楽しみに満ちた50年だった。豊富なカラーイラストと現地撮影写真で彩る、戦地で出会った生涯の友人との奇妙な交遊録。戦地ラバウルの情景や復員後の日々を描いた貴重な作品をカラーで掲載。ラバウルでの交流を記録した文庫版未収録写真を多数収録。エッセイ「娘よ あれがラバウルの灯だ」、マンガ「トペトロの葬式」を特別収録。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten水木しげるのラバウル従軍後記【ギャバンの帽子、アルヌールのコート】川本三郎著、春秋社、2013年刊<「BOOK」データベース>より「追憶の名画座」へ、ようこそ。心にしみいる暗さと魅力にあふれた、いにしえのヨーロッパ映画。戦争映画から、詩情をたたえた悲恋物語、シニカルな喜劇まで、永遠の映画少年が50~60年代を中心に、今ひとたび酔いしれたい傑作をふりかえる。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenギャバンの帽子、アルヌールのコート【ざんねんな筋トレ図鑑】 小島央著、マキノ出版、2020年刊<「BOOK」データベース>よりついやってしまいがちな「ざんねんな筋トレ30」を、ざんねんなイラストとともに筋肉ドクターが一刀両断!<読む前の大使寸評>追って記入rakutenざんねんな筋トレ図鑑
2024.10.29
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在21位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在5位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在3位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在5位・内田樹『勇気論』(7/07予約、副本?、予約?)現在11位・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』(7/27予約、副本?、予約?)現在3位・消費者金融ずるずる日記(8/27予約、副本6、予約112)現在89位・パッキパキ北京(8/29予約、副本9、予約111)現在77位・転がる珠玉のように(9/05予約、副本7、予約87)現在66位・原爆裁判(9/11予約、副本?、予約133)現在110位・沈む日本4つの大罪(10/10予約、副本?、予約?)現在10位・官僚国家 日本の闇(10/28予約、副本2、予約47)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・ヤマザキマリ『水木しげる厳選集 異』:図書館未収蔵・猫社会学、はじめます:図書館未収蔵・書いてはいけない日本経済墜落の真相:図書館未収蔵・金水敏『よくわかる日本語学』・闇の中国語入門・奪還 日本人難民6万人を救った男:・ぜんぶ、すてれば:延滞本返却後に予約する・こぐこぐ自転車<予約分受取:7/27以降> ・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、7/27受取)・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、7/27受取)・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、8/06受取)・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、8/27受取)・パンとサーカス(8/28予約、9/01受取)・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、9/12受取)・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、9/22受取)・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、10/13受取)・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、10/27受取)**********************************************************************【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【勇気論】内田樹著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりモヤモヤを抱えた編集者との“カウンセリング”往復書簡。ジョブズ、フロイト、孔子、伊丹万作、河竹黙阿弥、大瀧詠一、パルメニデス、富永仲基…話頭は転々として奇を極めー。いまの日本人に一番足りないものは何だろうか?読めば心が軽くなるーウチダが綴る9通のメッセージ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/07予約、副本?、予約?)>rakuten勇気論【誰も書かなかった統一教会】有田芳正著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(7/27予約、副本?、予約?)>rakuten誰も書かなかった統一教会【消費者金融ずるずる日記】 加原井末路著、三五館シンシャ、2024年刊<「BOOK」データベース>より1990年代の半ば、30歳のときに足を踏み入れ、50歳で退職するまでの20年を私はこの業界ですごし、お金にまつわる悲喜こもごもを目撃した。私が在籍した期間は、消費者金融業界が栄華を極めてから、2010年の法改正施行を経て、没落していく年月でもあった。-本書にあるのはすべて私の実体験である。「お客を追い込む仕事」。サラ金社員が経験した、貸し手と借り手のお金の修羅場。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten消費者金融ずるずる日記【パッキパキ北京】綿矢りさ著、集英社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは…?<読む前の大使寸評>追って記入rakutenパッキパキ北京【転がる珠玉のように】ブレイディみかこ著 、中央公論新社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりLike A Rolling Gem。大人の山あり谷ありライフを越えていけ!結婚するゲイの友人、職人魂を燃やす父、イギリスで、日本で、社会の底を支える労働者たちの人生劇場。泥くさい毎日を“宝石”に変える著者3年ぶりの最新エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(9/05予約、副本7、予約87)>rakuten転がる珠玉のように【原爆裁判】山我浩著、毎日ワンズ、2024年刊<商品説明>より日本初の女性判事・三淵嘉子が昭和三十年代に裁判官を務めた「原爆裁判」に焦点を当てた書き下ろし。原爆を巡るアメリカの闇を追及すると共に三淵嘉子の半生を紹介、さらに、世に名高い「原爆裁判の判決文」も付載した一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/11予約、副本?、予約133)>rakuten原爆裁判【沈む日本4つの大罪】 植草一秀×白井聡著、ビジネス社、2024年刊<「BOOK」データベース>より捏造と欺瞞、狡猾と策略で、夢も希望も失った日本人に告ぐ!奴隷国家に堕した日本の国難に打ち勝つ再生への処方箋。経済学の論客と気鋭の政治思想家が日本のタブーに斬り込む!LGBTQ、SDGs、コロナワクチン、政権と大企業の罠、メディア腐敗etc。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約 (10/10予約、副本?、予約?)>rakuten沈む日本4つの大罪【官僚国家 日本の闇】泉房穂著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より2002年10月、右翼団体代表を名乗る男に襲撃され命を落とした政治家・石井紘基。当時、石井は犯罪被害者救済活動、特殊法人関連の問題追及等で注目を浴びていた。その弱者救済と不正追及の姿勢は、最初の秘書・泉房穂に大きな影響を与えた。石井は日本の実体を特権層が利権を寡占する「官僚国家」と看破。その構造は、今も巧妙に姿を変え国民の暮らしを蝕んでいる。本書第1部は石井の問題提起の意義を泉が説き、第2部は石井の長女ターニャ、同志だった弁護士の紀藤正樹、石井を「卓越した財政学者」と評する経済学者の安冨歩と泉の対談を収録。石井が危惧した通り国が傾きつつある現在、あらためてその政治哲学に光を当てる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/28予約、副本2、予約47)>rakuten官僚国家 日本の闇【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・デジタル朝日「好書好日」でめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.10.29
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探検家といえば、高野秀行さんとか角幡唯介さんが思い浮かぶわけで(私の場合)・・・『間違う力』という本を、復刻して読んでみようと思い立ったのです。*********************************************************図書館で『間違う力』という新書を、手にしたのです。 おお 高野秀行さんの「間違う力」ってか・・・これは間違いなくホンマモンではなかろうかと思うわけです。帰って調べてみたら、この本を4年前に借りて読んでいたのです(またか)・・・で、今回の記事を(その4)とします。【間違う力】 高野秀行著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より人生は脇道にそれてこそ。ソマリランドに一番詳しい日本人になり、アジア納豆の研究でも第一人者となるなど、間違い転じて福となしてきたノンフィクション作家が、間違う人生の面白さを楽しく伝える!!破天荒な生き方から得られた人生訓10箇条!<読む前の大使寸評>おお 高野秀行さんの「間違う力」ってか・・・これは間違いなくホンマモンではなかろうかと思うわけです。rakuten間違う力はじめに「はじめに」の冒頭を見てみましょうp3~6<はじめに>「オンリーワンになる方法をについて本を書いてほしい」 編集者のN氏からそんな依頼を受けたとき、「何だ、そりゃ?」と思った。オンリーワンという言葉はあちこちで見聞きするが、正直言って意味はよくわからないし、ましてや自分がそうだと思ったこともない。 困惑したまま黙っていると、N氏は私が企画に対して乗り気でないと受け取ったようで、熱心に話し出した。「ima、若い人たちは大変なんです。私たちのような昭和世代とちがって、彼らは個性的な人間になれとか好きなことを仕事にしろとか言われて育ったきているんです。要するにオンリーワンですね。でもなかなかオンリーワンなんかなれないでしょう?『さあ、これがオンリーワンになる方法ですよ』なんてものもないですし。ある意味、『みんなと一緒にやれ』より『オンリーワンになれ』と言われるほうが難しいんですよ」 N氏の熱弁により、なんとなくオンリーワンが「個性的な素晴らしい人間」を指すようだとわかってきたが、でもなぜ私にそれを依頼するのか。確かに辺境ノンフィクション作家などと名乗り、人とは全くちがう仕事をしているが、それは数的に「たった一人(オンリーワン)」というだけで、「個性的な素晴らしい人間」ではまったくない。だいたい、私は人間的にはごく普通だ。 正直に「僕はオンリーワンなんて思ったこともないですよ。どうして僕にそんなことを頼むんです?」と言うと、N氏は目を丸くした。「だって、高野さんのホームページに『オンリーワンの偏狭冒険作家』って書いてあるじゃないですか!」「え・・・?」 そういえば、以前、私があまりに「売れない、売れない」と嘆いていたら、親切な友人たちがホームページを作ってくれた。そのとき何かそういうキャッチー(かどうか不明だが)なコピーをつけてくれたような覚えがある。だが、いかんせん、自分のホームページなんてほとんど見ないのですっかり忘れていた。「ああ、そういえば・・・」と遠い目をしていたら、N氏は「ほら、見なさい」と勝ち誇ったような笑みを見せた。しかも話をよく聞けば、別にオンリーワンには「素晴らしい」という概念は含まれていないらしい。単に「個性的な人間」という意味のようだ。 この辺で私のアドバンテージ(?)は崩れ、なんとなくN氏の「困っている若い人のために」という説得に乗ってしまい、本を書くことに同意してしまった。 私はときどき、こういうふうによく知らない人の誘いにうかうかと乗ってしまい、痛い目を見ることがある。今回もまさにそうで、時期がたてばたつほど、「オンリーワン」というものがわかなくなっていった。 困り果てて、インターネットで検索してみた。すると、何十万件という数字がヒットして、ブログの類いぞこぞこ出てきた。最初の二十件くらいしか読まなかったが、どうやらオンリーワンの定義には大きく分けて二種類の解釈があるらしい。 一つは「あなたはもともとあなたであって、ほかの誰でもない。だからただ生きているだけでいいんです」というもの。典型例はSMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」にある。「No.1にならなくてもいい。もともと特別なOnly one」というやつだ。 もう一つは、「人とはちがう個性や存在感をもって、その世界で独特な立場を築いている」というもの。こちらは主に仕事や社会活動にかかわっていくようだ。 前者のオンリーワンは、極端な話、生きているだけでいいのだから、とくに何もすべきことはない。「大般涅槃経」という経典では「人はみな生まれながらに仏になる素質をもっている」とされ、浄土真宗をひらいた親鸞は修行も何もせず、ただただ念仏を唱えれば極楽浄土に行けると教えたらしいが、それに似ている。何も考えず、SMAPの歌をカラオケで繰り返し歌うのがいちばんよい方法かもしれない。 となれば、私が考えるべきは後者のオンリーワンだろう。 だがしかし、存在感とか個性という言葉はあまり好きではないのだ。もちろん、私も考えたことがないわけじゃない。というより、「個性とは何か」をかなり長く考えていた時期もある。だが、個性的かどうかなんてことをうだうだ考えていたのは調子の悪いときで、乗っていたときはそんな抽象的なことは考えなかった。 だいたい、個性がよく「感性」と結びつけられているのが気に入らない。そんな曖昧模糊としたことを考えてどうするのだろう。私にとって個性なんてものがもしあるとするなら、それは「ネタ」じゃないかと思う。人とはちがう体験や過去みたいなものが要するに個性じゃないのか。『間違う力』4:はじめにp3~6『間違う力』3:高野さんの戦略p168~172『間違う力』2:就職しないで生きる方法を探すp42~46 『間違う力』1:高野さんの輝かしい業績p211~213
2024.10.28
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図書館で『遊牧民、はじめました。』という新書を、手にしたのです。モンゴルといえば、今では大相撲で幅をきかせている民族であるが・・・大草原で遊牧民として暮らしてきた民族であり、興味深いのである♪【遊牧民、はじめました。】 相馬拓也著、光文社、2024年刊<「BOOK」データベース>より地平線の先までずっと続くモンゴルの大草原。そこに生きる“悠々自適”な遊牧民。大自然に囲まれた彼らの暮らしを想像して、一度は憧れたことがある人もいるだろう。しかし、彼らの暮らしは本当に“悠々自適”なものなのだろうか。一度で150㎞にも及ぶ遊牧、マイナス40℃を下回る極寒の冬、家畜という懐事情をご近所に曝け出した生活ー。本書では、そんな遊牧暮らしのリアルを、長年、彼の地でフィールドワークを続けてきた著者が赤裸々に綴る。ときに草原を馬で駆け、ときに大自然に牙を剥かれ、ときに遊牧民たちにどつかれる日々の中で気づいた、草原世界で生き抜くための「掟」とはー?<読む前の大使寸評>モンゴルといえば、今では大相撲で幅をきかせている民族であるが・・・大草原で遊牧民として暮らしてきた民族であり、興味深いのである♪rakuten遊牧民、はじめました。「第5章 ゴビ砂漠の暮らしを追う」で、過酷な砂漠暮らしを、見てみましょう。砂漠は大使のツボでもあるわけだし。ラクダ遊牧民をもっと知りたいと思うようになった理由が述べられているので、見てみましょう。p286~289<5-1 砂漠の暮らしを求めて>■〝ゴビ〟の意味するところ ゴビ砂漠とラクダ遊牧民をもっと知りたいと思うようになった理由は、「ラクダが単純にかわいかったから」と「砂漠の暮らしが知りたかったから」の2つだけである。 ただし、それだけだと科研費は採択されないし、研究計画書も書けないので、「極限環境に暮らすラクダ遊牧民の環境適応術」だとか、「砂漠の持続型コミュニティにおけるラクダ飼育の伝統知」だとか、「ヒトとラクダの関係性のエスノグラフィを探る」とか、もっともらしい理由をつけなくてはならなかった。 新しい研究テーマのはじまりになんて、いつだってご大層なストーリーがあるわけでもない。ご大層な理由なんてないほうが、知的要求への純粋な反応なのだから、むしろ歓迎されるべきなのだろう。 大人になってくると、研究者なんてやりたいことをして、行きたいところへ行くための理由づけの修辞術なのだ、と気づかされる。純粋な「これを知りたい」という知的要求ほど、失われやすく、もろく傷つきやすく、はかなく消えてしまうものはない。たくさんの言い訳や理由の渦巻くなかで、純真無垢な思いほど貴ばれないものはないのだから。 少し話が逸れてしまった。元に戻そう。モンゴルの南部にはドント・ゴビ県、マンダル・ゴビ市、ウムヌ・ゴビ県など、「ゴビ」と名のつく地名が多い。「ゴビ砂漠」の名でも知られているが、ゴビとはもともと「乾燥性ステップ草原」を示すモンゴル語で、砂しかない砂漠を必ずしも意味していない。黄みを帯びた乾燥した土壌で、わずかに植生があるような土地が「ゴビ」と総称される。 遊牧民と暮らしていると、この「ゴビ」の語法にはなかなか難しい部分があることに気づかされる。比較的草の生えた山岳草原なども、「ゴビ」と言ったりするからだ。モンゴルでは、単調な草原が大部分を占めるために、わずかでも地形や植生が変化した場所には、それに対応した地形名称が与えられることも多い。 たとえば、見晴るかす平原のゴビでは、ちょっとした小丘や丘陵を「ハイルハン」と言い表すが、西部モンゴルの人間に話してみると、「おいおい! こんなただの低い丘が『ハイルハン』なわけねーだろ!」と吹き出す人もいた。ハイルハンとは、2000mを超えるような高山や霊峰を指す言葉として使用されるからだ。ただ、平野で地物に乏しいゴビの遊牧民たちが、ほんの数百メートルもないような丘陵を「ハイルハン」と呼ぶようになったのにも筆者はうなづける。■ラクダ祭りを目指して ゴビで砂漠といえばラクダ、と考える人も多いだろうが、砂漠にはヒツジもヤギもいるし、ヤクが飼育されていることもある。 西部モンゴルの調査では、ラクダはまれに駄載用に飼育されてはいるものの、数十頭という多頭飼育群を目にすることはなかった。サグサイ村の宿営地では、ラクダ所有者は一人のみで、その数は9頭だけ。アルタイ最奥地のダイン地方でも、ラクダの多頭飼育者は1家族のみで、こちらも15頭ほどであった。おもに駄載利用で、積極的にミルクを取ったり、食用にしたりしているところも観察できなかった。『遊牧民、はじめました。』5:モンゴルでもっとも〝辛い〟土地『遊牧民、はじめました。』4:遊牧暮らしのイロハ『遊牧民、はじめました。』3:遊牧民の心『遊牧民、はじめました。』2:遊牧民の心模様『遊牧民、はじめました。』1:第一章の冒頭
2024.10.27
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シルクロードのイメージといえば、ラクダの背に乗って砂漠をゆくというのが一般的かと思うのだが・・・このイメージそのもののような『シルクロード 1万5000キロを往く』という本がええので、以下のとおり復刻してみます。*********************************************************図書館で『シルクロード 1万5000キロを往く』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。【シルクロード 1万5000キロを往く】今村遼平, 中家惠二編著、古今書院、2021年刊<出版社>よりタクラマカン沙漠の南北を通る中国シルクロードの3つのルートおよび河西回廊(西安?敦煌)の旅行記。地形・地質の専門家が中心だけに,一般の観光ツアーでは訪れない珍しい風景を求めて南へ北へ。上巻には,タクラマカン沙漠の北縁に沿って西へパキスタン国境に至る「天山南路」の旅(2011年)および,天山山脈の北側,ジュンガル盆地を横断する「天山北路」の旅(2014年)を収録。どこまでも続く沙漠,氷河,大草原,そして五色に輝くヤルダン地形に言葉を失う。新疆ウイグル自治区に暮らす人々との交流も楽しい。中国の厄介なトイレ事情も。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。rakutenシルクロード 1万5000キロを往くトルファンのカレーズ沙漠で生き抜くインフラともいえるカレーズを見てみましょう。p46~48<トルファンのカレーズ> トルファン盆地は内陸感想地域に位置していて、夏季の最高気温50℃、冬季の最低気温マイナス30℃と年較差が著しく大きい。「朝は毛皮の服をまとい、昼間には薄ものの服に着替え、日が暮れるとストーブを囲んでスイカを食べる」のことわざがあるように、日較差もきわめて激しい。 年平均気温は約14℃であるが、年間降水量は最高でも50㎜、平均は約17㎜であり、最低記録は2.9㎜であるが、蒸発量は2838㎜にも達するため、灌漑用水の果たすカレーズの役割はきわめて大きい。 私たちはトルファンのカレーズ博物館を見学した。カレーズは中国だけでなく、乾燥地帯で山岳地から伏流してくる地下水を地下水道に流し、さらにそれを導水するシステムである。 中東地域ではガナート(ghanat)と呼ぶようだが、もともとはアラビア語のカナートの転訛したペルシャ語で、さらにそれがカフレーズとかカレーズに変わった。中国語・カンアールチンのカンは穴とか窪地といった意味である。カレーズはペルシャには5千年ほど前からあったといわれている。その後、北アフリカやイベリア半島から西トルキスタン(現在の中央アジア)などに広まり、東トルキスタン(西域・新疆ウイグル地域)に広がったと言われている。 シルクロードのオアシスは、①カシュガルやホータンのように地上河川の水を利用したオアシスと、②自然湧水を利用したオアシス、それと③トルファンの生命線であるカレーズの地下水路を利用したオアシスの3つのタイプに分かれる。 カレーズの建設は中国における三大土木事業の一つとされる。残りの二つとは、①万里の長城、②李ヒョウが建設した都江堰、秦の始皇帝の時代、皇帝の命を受けて史禄が建設した山脈越えの運河霊渠のなかのいずれかであろう。 一つ一つのカレーズの建設は、これほどの大規模な土木事業ではないが、これら①~③よりも古くから営々と築かれている。トルファン市から2㎞のところにあるカレーズ博物館で見るように多数建設され、いまなお命の水として利用されている。この土木事業は、やはり中国古代土木事業の偉大な遺産である。<カレーズと地下水> カレーズは新疆ウイグル地域での呼び名で、中国語ではカンアールチンと呼ぶ。トルファンのカレーズは、天山山脈に降った雨や雪融け水が地下へ浸透し、伏流して地下水となってトルファン盆地へと流下する地下水をうまく取水してきたものなのである。『シルクロード 1万5000キロを往く』1*********************************************************2021.11.28XML『シルクロード 1万5000キロを往く』2https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202111280001/
2024.10.27
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