We love コミック日記

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第一話



【雪とともに】

 俺は今日も 一人道を歩いていた

 剣道をやっているからか 背中が妙に痛い

 叩いても痛いだけ それ以前に

 背中に 手が 届かなかった

 雪がちらほら降る でも 冬ももう終わりのはずだ

 春も近い それでも 雪はやまない


 どこかの店で まんじゅうでも買って帰ろうかと思った

 でも 「帰っても誰もいない」 そう思うと

 痛い背中が 何故か 変なふうに痛んだ


 家の近くのお店によって まんじゅうを2個買った

 1個で十分だった なのに

 なぜか2個買ってしまった

 雪が降っていると何でも許してしまいそうになる

 そんな 人間の感情といもの それが

 俺の中では 常識だった

 横を 受験が近い中学生の人たちが通った

 あぁ 懐かしいな と 思っていた

 なんだか 暖かい気持ちになった

 まだ 雪が 降っていた 


 急に 誰かと話してみたい気分になった

 雪をみていると 寂しくなってきたのだ

 誰か 誰でもよかった 

 家には帰らず 公園によった


 そこには 一人の女子がいた


 その女子は ブランコに一人座って

 雪を寂しそうに眺めていた 俺と同じように

 似たような雰囲気の人だった だから

 思わず 話しかけてしまった


 それが 俺の 恋の始まりだった

 このさきこの恋でどれだけ自分が傷つくのか この時は

 全くというほど 思ってもいなかった

 16歳の 冬だった


【次へ】


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