乱闘


一人の侍がさぎりに猛然と襲いかかった。
「穏便に話し合いで解決しようと思ってたのにな―――
誠心誠意を込めても無駄だったか・・・」
さぎりの太陽のような瞳に暗い雲がかかる。
「仕方がない・・・こーなれば力ずくだ!!!」
パーッとさぎりの瞳が晴れわたる。
相手の侍の斬撃がさぎりの額を割る――――かに見えた瞬間
相手の侍がバタット倒れた。
「遅いねー。」
「死ねぇぇぇ――。」
別のものが叫ぶ。
強烈な一撃がさぎりの顔面を貫くかと思った刹那、
さぎりは体をずらしその一撃をかわし、強烈な手刀を頸部に入れる。
次々に襲ってくる刃をかわしてはみね打ちを正確に叩き込んでいく。

「お・・・おぼえていやがれ・・・貴様は新撰組を敵に回したんだぞ・・・・」
最後の一人が情けない声を残して地べたに臥した。
「し・ん・せ・ん・ぐ・みィィィィィ?知らねーな―――。
この美形な天才様に勝てると思っているのくわぁぁぁァ――――。
貴様らのような不細工で頭悪い奴等は講談でもやられ役なんだよ。」
かっかっかっと大笑しながらさぎりは言い放った。
周囲から拍手喝采が起こる。
さぎりは明るくその声に答える。
「でもあの壬生狼だぜ・・・・やばくないか。」
一人がつぶやく。
拍手はやみ急に皆の顔がこわばった。






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