酔眼教師の乱雑日記

『戦』『帰』『虎』『災』

『戦』『帰』『虎』『災』


この漢字は何を表現しているのでしょうか。

 すぐに分った人は時代認識がある程度できていると言えるでしょう。
この4文字は、11期生の皆さんが学んだ4年間の世相を表した「今年の世相漢字」です。なぜこの漢字が選ばれたか分りますか。皆さんが身近に実感されたのは2003年の「虎」だけではないでしょうか。

 入学した年、国内では小泉内閣が発足し、狂牛病が確認され、不況は深刻化・株価下落・失業率は5%超え、世界では米中枢同時テロ・炭疽菌テロ、米国はアフガンに侵攻、ITバブルが崩壊した、明るい話題はイチローが大リーグで大活躍、ハンセン病訴訟全面勝訴。
 2年生、牛肉偽装表示・食品不正表示が横行、倒産相次ぎ失業率5.5%で最悪水準に、株価最安値、世界同時株安の様相、世界的IT不況が言われました。明るい話題は、日韓首脳会議を経て北朝鮮に拉致されていた5人の方々が帰国、日韓共催サッカーW杯が開催、ノーベル賞のW受賞。
 ゼミに入られた年、邦人外交官殺害、有事関連法や個人情報保護法が成立し、金融機関に公的資金が投入され、米英がイラク戦争に突入、新型肺炎(SARS)が世界的に流行しました。明るい話題は、星野監督に率いられた「ダメ虎」が「猛虎」に変身、奇跡の優勝、新しい管理者像が話題に、松井秀喜が大リーグで活躍、政治の世界では「マニフェスト」が導入された。
 苦労して卒業論文に取り組んだ年、中越地震、10個の台風上陸(一生の思い出になるだろう鹿児島空港での足止めの経験を共有)、プロ野球の大再編、名門大企業のモラル問われる経済問題、行政・官僚組織の腐敗、泥沼のイラク問題やテロの多発、最後はスマトラ沖地震でした。

 ピックアップした出来事の内で、どのくらいの環境変化に関心を払い、考え、行動したでしょうか。皆さんが『大学という温室』の暖かさの中で、日々の生活を享楽していた4年間、社会・日本・世界は激変していたのです。

 ゼミの学習では、企業と環境の相互作用については充分に学んでいただきました。4月から、職業人として企業の仕事に責任を持たなくてはなりません、そのために、企業を取り巻く環境変化には関心を払い考え行動するでしょう。
縁あってゼミでともに学んだ皆さんに期待するのは、それだけに留まりません。あらゆる分野でモラルが低下し、ミーイズムがはびこる中、人間として、地域社会、日本、地球上の諸問題に積極的に関わる姿勢を持って生きていってください。

 最後に、楽しい思い出をたくさん作ってくれた11期生の皆さんに感謝するとともに、これからも人間として成長されんことを期待して、贈る言葉とします。




© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: