本棚≪愛久愛輝羅好≫

本棚≪愛久愛輝羅好≫

第20話・後



彼女のその格好、まさに巫女・・・いや、マリアの祈りとでも呼ぶべきか。

そして技名がコールされる。

緑奏者 」(りょくそうしゃ)

彼女の周りの葉が枯れていき、そして蘇り、大木となり、彼女を守る様に包んだ。

クレス、ナック、ゼノの3人はただ呆気にとられるだけだ。

「私の緑を操る能力は・・・木々や草花の成長速度を速めたり、死期を早めたり、また、寿命を延ばすことができます」

淡々と説明するミリア。

そして彼女を包む大木たちは枝を伸ばし、3人を襲う。

「ツアッ!」

クレスは斬って対応するが

「ッ!!ぐあぁぁあ!!」

ナックが捕まえり、気を失った。

「クッ・・・」

クレスも苦戦し始める。

だがゼノは・・・

「うーん・・・どうしたもんか」

動かず、ただ周りに気を張るだけで防いでいた。

「・・・」

やはり不思議に思ったミリアは攻撃を一旦やめた。

そして

「飛高戦」(ひこうせん)

ゼノと自分だけを、大木でできた巨大なステージで上空へと押し上げた。

「クッ・・・ゼノさん・・・」

クレスは上へ上る手立てはなく、ただゼノの安否を心配することしかできなかった。

「・・・あなた・・・やはり普通の人じゃない・・・」

ミリアはゼノに対し、不思議な力を感じとっていた。

戦闘能力にはかなり大きな差がある。

にも関わらず、ミリアの攻撃はほぼ全て無効化されている。

この疑問は当然の結果である。

「ああ・・・そうそう、思い出したことがあんだよ」

その質問に答える気はないのか、ゼノは自分の話をしだした。

「俺なぁ・・・実はお前に会ったことがあんだよ」

その話を何も言わずに聞くミリア。

「だって俺・・・お前のじいちゃんだもんな」

「!!」

その言葉に驚くミリア。

そう、ゼノがミリアの祖父ということは

現在の神の父親、ということになる。

「嘘ですね・・・あなたは現在、人間です。一度神クラスになった者が、人間に戻るなど・・・」

動揺しながらもゼノに反論するミリア。

だがゼノは冷静に答えた。

「確かに・・・普通に考えたらそうだわな・・・けど・・・俺が100000000年前、神だったって・・・言ったらどうする?」

「!!」

さすがにもう何がなんだか、読者の方にもわからないだろう。

「説明してやろうか・・・俺は神だった・・・そして・・・神反対派にハメられて殺されそうになったんだ・・・そこで、息子に神の地位を譲り、俺は次の世代、人間として生まれ変わるようにエンマにセッティングしてもらったんだ・・・まぁ記憶の移植は難しくて、俺は神だった頃の記憶の半分以上を失っているがな」

こういうことだ。

「俺の本当の名は・・・」

ゼノがそう言うと、一気に気が解放された。

大木はどんどんヒビ割れていく。

ゼノル・ゴッド・ストライカー。元神だ

大木が一気に砕けた。

「!!」

下にいたクレスは上から降ってくる大木の欠片を斬り落としていく。

そして2人が降り立った。

「ゼノ・・・さん・・・」

そのときクレスは、ゼノの本当の力を感じ取った。

現在のゼノの戦闘力・・・

1500000。

次元が違う数値だ。

「人間として・・・かれこれ300年生きてきた。そして大分元の状態に近づいたんだよ」

ミリアに説明するゼノ。

「ッ・・・」

ミリアは動揺し、次元の裂け目を通って消えた。

(・・・人間として?)

意味のわからないクレスだが、ふっと冷静になる。

「ゼノさん・・・エネルギー奪還に向かいましょう」

そう、本来の目的をまだ達成していない。

「俺はここに居て、2人をみてるから、行ってこいよ」

2人とは気を失っているナック、ルークのことである。

ミリアが帰ったことにより大木は消えたが、

2人が回復するには時間がかかる。

(俺が行ったら・・・意味ねぇしな)

ゼノはこの戦いの本当の意味がわかっているらしい。

実はこの戦いには、過去、ザックスが言っていたことよりも更に深い意味があるのだが、

それはまた、後の話で・・・

「・・・わかりました、じゃあ、頼みます」

そう言うとクレスは闇の神殿へと向かった。


終わり















後書き
この戦いの真の意味とは?
ロイドの試練以上に更に深い意味とは?
いや、そもそもロイドの試練とは本当なのか?
真実は・・・この後、更に更に深い方向へと向かっていく・・・


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: