本棚≪愛久愛輝羅好≫

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第40話・前




「キールさん・・・」

「ん?」

クールが、キールに声をかける。

「俺とベール・・・2人でやらせてくれ」

「な!?あいつらの強さは・・・」

キールが心配するのも無理はない。

イタチ、ゼアノートの強さはすでに知っての通り。

大人たちがようやく倒せた、かなりの強者。

データ世界で修行をしていないこの2人にはキツいかもしれない。

だが

「あたしたちだって・・・ちゃんと修行したんだから!」

この2人も、他の子供たちと同じだ。

しっかり修行し、しっかり強くなった。

自分たちの力で、ここを切り抜けたいのだ。

「・・・わかった、正直、僕が加勢したところで、戦力はさほど変わらない。全力でやれ!」

キールが折れた。

その言葉を聞き、クールが弓を放つ。

「紅炎!!」

矢の周りを炎が纏っており

それにより辺りの木々は倒れていく。

以前なら、これほどの威力はなかっただろう。

だがそれは、ゼアノートが目の前に出現させたハートレスによって阻まれた。

ハートレスは消えるが、

単体を狙った攻撃で、この2人にダメージを与えるのは難しい。

だが、相手はゾンビのようなもの。

つまり、ゼアノートの『気を使用不能にする』というOPEMはない。

そう考えれば、こちらが有利だ。

「いくよ・・・」

ベールが、詠唱完了。

「ヴォルト・アロー!!」

使えなかった術も、使えるようになっている。

これもまた、進歩。

ハートレスにより防ぐこともできないので

避けるしかない。

そう思っていたが

「!!」

イタチが、須佐能乎を発動した。

それにより、ヴォルト・アローは吸収されてしまう。

「ッ・・・!!」

これでは、攻撃のしようがない。

だが、この2人の本気は

「負けない!!」

こんなものではなかった。



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