本棚≪愛久愛輝羅好≫

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「申し訳ありません」

茶の間で一息つく一同。

謝ったのはクレイである。

人誅で壊れて、それから直したばかりの道場。

そこを再び壊してしまったので、

カイトたちは直してからインセを探すことにしたのだ。

「ところで、どういった経緯でこちらに?」

先ほどの女性、道場師範である神谷薫(以下薫とする)がクレイに尋ねた。

「ちょっと旅をしてまして・・・」

「流浪人でござるか?」

今度は先ほどの男性、緋村剣心がクレイに尋ねる。

「まぁ・・・みたいなものです」

異世界で自分たちの正体を明かすのはご法度。

よほどの事情がない限りは許されてはいない。

まぁもちろん、劇場版のような場合は例外だ。

あの行き来は互い了承を得ているものである。

「とりあえず・・・俺たちにくっついてきちゃった悪人を探さなきゃなんだけど・・・」

セツナが剣心と薫に向かって言う。

「そやつが何か動けば警察も動き出す。事態が大きくなればおのずと敵の場所は見えるでござるよ」

剣心は落ちついて答えた。

そんなとき、外からドタバタと音が聞こえ、茶の間の前に1人の少年が現れた。

「稽古つけてもらいにきたぜー剣心」

「弥彦でござるか」

少年の名は、明神弥彦。

神谷活心流の門下生だ。

「ん?なんだ?今日は客人がいっぱいか?」

「ちょうどいいわ弥彦。道場がまた壊れちゃったから直すの手伝いなさい!!」

「げっ!!なんでだよ!!」

そんな薫と弥彦の会話を聞いていたクレイが、口を開く。

「道場を直す前に・・・ちょっと提案があるんですが」

「ん?」

クレイの言葉に、一同静止した。そして次の言葉を待つ。

「・・・カイトとその少年、僕と剣心さんとで、試合をしませんか?」

強い者を見れば戦いたくなるのは、戦う者の性である。

「・・・いいでござるが・・・弥彦はいいか?」

剣心が弥彦に尋ねる。当然答えは・・・

「最近戦ってねぇからな!!おもしろそうじゃねぇか!!いいぜ!」

威勢よく、OK。

「では・・・道場に移動するでござる」

一同は道場へと移動した。

クレイが道場を直す前にこの戦いを提案した理由は

おそらく、彼らが戦えば再び道場が壊れると思ったからである。

「では薫殿・・・審判を頼むでござるよ」

「わかったわ」

薫が審判。まずはカイト対弥彦である。

「手加減しないぜ」

「当たり前だろ」

弥彦の言葉に対してカイトは威勢良く答え、2人とも剣を構えた。

年齢的にはカイトの方が2つ上である。

「よーい・・・はじめっ!!」

戦闘開始。

試合であるから、斬撃が飛ぶ類の技は使うなというのを事前にクレイに聞いたカイトは

魔神剣は使わない。

「虎牙破斬!!」

斬り上げ、斬り下げの斬撃を放った。

「ッ!!」

弥彦はどちらも、ギリギリガードで対応。

(太刀筋はかなりいいけど・・・聞いたことねぇ技だな。我流か?)

(竹刀で剣の斬を防ぐなんて・・・かなりの腕だ)

2人とも思うことはあるが、止まってはいられない。

「龍翔閃!!もどき!」

弥彦は剣を下から手で押し上げる技を放つ。

カイトの左腕を見事に捕えた。

「ツッ!!」

バランスを崩し、カイトはこけそうになるが・・・

「!!」

剣を持つ右手を地面につき、グルッと回って弥彦を蹴った。

「ぐあっ!!」

それによりお互いがこける。

「なんて子なの・・・弥彦と互角に戦うなんて・・・」

薫はカイトの実力に驚いていた。

弥彦は10歳の少年にしてはかなりの使い手。

それに対抗できる実力を持つカイトに驚くのは当然である。

「はぁっ!!」

カイトは上から斬りにかかる。

もちろん、刃を立ててはいない。

「!!」

「!?」

弥彦の行動に、薫、剣心以外の一同は驚いた。

手の甲を使った白刃取りである。

(神谷活心流奥義の守り!刃止め!!)

そして更に・・・

「ツアッ!!」

「なっ!!」

そのまま手の甲を刃に滑らせカイトに突進してくる。

「奥義の攻め!刃渡り!!」

「くっ!!つあっ!!」

瞬間、カイトは剣を手放し・・・

「ぐ・・・ぐあっ・・・」

弥彦のアゴに蹴りをヒットさせていた。

バタリと倒れる弥彦。

人体急所であるアゴをクリーンヒットされた彼は

少しの間動けそうにはなかった。

「そこまで!!この勝負、カイトの勝ち!!」

「ほう・・・」

剣心はカイトの敏捷性に驚いていた。

(あっぶねぇ・・・)

カイトは負けそうだったので、冷や汗をかいている。

そのまま弥彦を抱えて道場の隅へと移動した。

「さて・・・」

クレイ、剣心、両者が立ち上がった。

注目の戦いである。

2人、各々の武器を構えた。

「では・・・よーいっ・・・はじめっ!」

薫の声で、戦闘開始。






つ・づ・く


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