本棚≪愛久愛輝羅好≫

本棚≪愛久愛輝羅好≫



幻術にかかったナックは、蓮が幻術返しを使う、あるいは焔を倒す、もしくは

本人の意思で幻術をねじ伏せるしか、解除方法がない。

前者は、焔と対峙している蓮には幻術返しを使う隙を作るのは難しい為、

倒す方向へと考える。

後者は、ナック自身が幻術に気付き、かつ、それに屈しない意思が必要である。

この戦闘中には難しい。

よって、ナックは戦闘不能扱い。

「いくよ!!」

蓮は気刀・篝火を構え、焔と戦闘開始。

奇しくも、炎と炎の戦いである。

焔の刀とつばりあい、均衡。

隠密忍者隊、頭領である蓮に、並の幻術は効かない。

よって焔の戦闘スタイルも、近接戦か幻術以外の忍術となる。

「はぁっ!!」

つばりあう刀より、炎を渦巻かせ、蓮を押し切り

渦巻いていた炎を、そのまま蓮に放った。

だが

「甘い!!」

蓮はその炎を、自らの刀に渦巻かせ吸収した。

篝火に宿っている力より劣る炎は

吸収できるようだ。

「雪之舞!!」(ゆきのまい)

蓮が忍術を唱えると

降り積もっていた雪が焔の周囲を渦巻いた。

それにより、焔の視界を塞ぐ。

「なめるなぁ!!」

焔は刀の炎を高め振りかざし、雪を消し去った。

だが、蓮の姿が見当たらない。

「!?」

周囲を見回したが、蓮は

「はぁっ!!」

「ッ!!」

地面を砕き姿を現し、焔の顎を蹴り上げた。

更に

「居合!!」

宙を舞う焔に、気による刃を抜刀から浴びせる。

「ぐっ!!」

体を捻り、直撃は避けたものの

肩を負傷したようだ。

だが

「ッ・・・さすが・・・」

蓮の方も、体が痺れて、自由が効かない。

どうやら土遁の術を使われたときのために

地面には、薬品がまかれていたらしく

それにより、蓮もダメージを受けたようだ。

訓練により、毒には多少の免疫を持つ隠密忍者隊、

よって、体は動くものの、普段ほどの機敏な動きは封じられた。

常人であれば、しばらく地面に這いつくばるレベルの毒だ。

「ならこれはどう?」

だが、体の自由が効かないのはお互い様。

蓮より発せられた小さなエネルギー体を、焔は避けることができない。

「ッ・・・何・・・!?」

当たった瞬間、焔は体が痺れて、地面に這いつくばった。

「恨気弾・粒良」(こんきだん・つぶら)

この術は、蓮の諸刃の奥義、恨気弾の超縮小版。

相手に、自分の体調をそのまま伝染させる技である。

自分の状態変化が解ける、体調が戻る、というわけではない為

ノーリスクの技だ。

元々傷を負っていた焔は、蓮以上にダメージを受けた為

地面に伏す形となった。

「腕をあげたね・・・焔・・・」

「頭領・・・くっ・・・」

蓮はそのまま焔へと近寄り、首筋をトンッと一叩き。

焔は気絶した。

「ナック・・・!!」

更にナックにかかっている幻術を解こうとしたのだが

「!?」

蓮の周囲の地面より、闇の力が渦巻いた。

振り返ると、気絶しているはずの焔が立ち上がり、それを放っているようで

だが、焔自身は気絶している為、これは焔の力でないのは確かであった。

「力を貸してやっていた甲斐があったようだな・・・」

そして、焔を使って言葉を発する者。

おそらく、この闇の力そのものの意思であると即座に判断した蓮は

「・・・」

静かに目を閉じ、自分の気を最大限高めた。

それにより、蓮の周囲を、花びらのようなエネルギー体が舞う。

そして

「百合之友・・・」(ユリノトモ)

状態変化が発動。大きく力が高まり

篝火の柄の部分には、ユリの花びらの刻印が現れた。

再度、戦闘開始。





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: