本棚≪愛久愛輝羅好≫

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通じ合う心



「お前が・・・カリンをさらうように指示した王か」

カイトが威圧を放ちながら尋ねたのに対し

「そう・・・僕はベント。この宇宙を統べる者だ」

冷静に、圧に負けることなく答える王。

戦闘能力は高くなさそうだが

気品と、人間にはないような気配を漂わせている。

「宇宙を統べるのは・・・神様であるゼウスや、神官たちだろ?」

こういうときにカイトは、素直に思ったことを、嫌味なく聞ける良い性格である。

「・・・僕らはこの宇宙の神と違い、全ての宇宙を移動し、その宇宙を統べるだけの素質を持っている。まぁ、宇宙を統べること自体に興味はないのだが、僕が統べなければ、この国は滅びてしまうからね」

「・・・」

ある程度の事情を理解しているカイトだったが、

実際にこの世界が壊れるという事実を突きつけられると、少し動揺してしまう。

だが

「・・・それでもカリンは・・・渡せないんだ・・・」

譲れない想いが、彼にはあった。

「・・・わかってるよ」

ベントがそう言うと、上の部屋から

「カイト!!」

カリンが駆け下りてきた。

「カリン!!」

駆け下りてきたカリンを受け止めるカイト。

抱き合い、そして、互いの心を通し、

何も言わなくても、全てがわかっていた。

カイトもカリンも、人の心の闇を見抜いていたのに

自分の心の一番深いところに、気付けていなかったのだと

このときになって、ようやくわかった。

そして二人は

唇を重ねる。

「おーおー、お熱いことで」

そこにセツナが入ってきた。

「セツナ・・・」

恥じらうことのないカイト、そしてカリン。

神官との戦いの前であれば、恥じらっていたであろうが

これも、成長の証であろうか。

「早くこの星から出るんだ・・・すまなかったね」

その光景を見たベントは、カリンを諦めたようで、

自分の部屋に戻ろうとしたのだが

「ちょっと待った!!」

そこに登場したのは蓮。

「この宇宙を・・・存続させる方法がある!」

蓮の言葉に、一同は驚いた様子を見せた。

その後ろから続くのはハルナ。

ハルナの説明によると、この宇宙は、寄生型宇宙であり、

他の宇宙に寄生することによって、太陽のように、宇宙の核となるエネルギーを受け

存続している状態であると。

そして、王位を継承せねば宇宙が崩壊するというのは、

あくまで、寄生型を維持する場合にのみ発生する現象である可能性が高いということ。

つまり、考えられた対策というのが

「なるほど・・・エターナルソードで、この宇宙と、カイトたちの宇宙を完全に繋げるわけか」

合流したミハエルが言った、この案である。

「もちろん、それで確実に大丈夫って保障はないから、天魔界に避難はしといてもらうけどね」

「なるほど・・・さすがだね!」

ハルナの頭の良さに、メルも感心している。

「許して・・・くれるのかい?」

ベントの言葉に、

「当たり前だろ、簡単に滅んでいい命なんて、この世界にはないんだ」

カイトは威風堂々と答え

皆、準備に取り掛かった。

そのカイトを見て、微笑むミハエル。

追いつかれた、という感じであろうか。

カイトとカリンの心は、これから先、どんなことがあったとしても

離れない。

他の皆とも離れないのであるが

この2つの心は、特別。

2つで1つなのだ。

だから、絶対に離れない。

離れてはいけない。

それを、互いに理解しているから

2人は、寄り添い合った。

そして

「なーにイチャついてんだ!!」

セツナの一声で、その場は、ベントを含めた笑いに包まれた。

カイトとカリンは1つの闇を浄化したのである。

でも、これで終わりじゃないのを、2人はわかっている。

全ての終わりは、新しい始まり。

断片的だった目標が、2人の心で固まった。

自分たちが生きる世界の闇を、浄化していくこと。

彼らになら、全てを光で照らすことが

できるような気がする。

その思いは、ミハエル、メル含めた一同

リンクしていた。



Fin。

















後書き

カイト「そんなわけで!今回のゲストはミハエルとメル!!」

カリン「2人ともありがとう」

ミハエル「カイトも大人になったなぁ・・・追いつかれた感じだ」

メル「若かったときを想い出すね~」

セツナ「まだ若いだろ」

蓮「っていうか、これは過去作だから、私たちも孫のいる世代だもんね~」

ハルナ「年取ったな~って感じだね」

メル「蓮も、私に追いついたね」

蓮「メル!!今度試合しようよ!!」

メル「いいよ!負けないからね!」

カイト「ミハエルも、俺と試合頼むぜ」

ミハエル「いいぜ・・・今のお前なら・・・本当の本気で戦えそうだな」

カリン「皆、あんまり無茶はしないでね」

セツナ「ではこのへんで」

ハルナ「またね!!皆さま!」


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