繋ぎ(中編)


未だにイタチと鬼鮫の二人は、私を使おうとはしない。

私はなんのために連れてこられた?

私はここに居る意味があるのか?

そんなことを考えていると、鬼鮫が言った。

「どうしたんですか?お嬢。そんな険しい顔をして・・・」

「え・・・いや・・・なんでもない・・・」

「そういえば・・・お前の名前を聞いていなかったな。」

「イタチさん・・・。もう一ヶ月も経ってるのに・・・気づかなかったんですか?」

「あぁ・・・。知ろうとも思わなかったしな。名は?」

「私の・・・ですか。私には・・・・色々な名前があります。」

「ちゃんとした名前はないのか?」

「それが・・・覚えていないんです。母にもなんて呼ばれていたのかも分からなくて・・・。」

「お嬢・・・可哀相ですね。」

「なら・・・俺がお前に名をやろう。」

「名を・・・?」

「あぁ・・・。お前の名前は・・・」

「イタチさん。キモチワルイ名前はやめてくださいね。」

「分かっている!」

「はは・・・。」

「お前の名前は・・・微優だ。」

「ビユウ・・・?」

「そうだ。」

「イタチさん・・・その名前は・・・」

「鬼鮫・・・気にするな。」

「分かりました。」


私にちゃんとした名前が出来たのは今日だった。
でも、微優と言った瞬間では、鬼鮫の顔が強張ったのが(こわばった)分かった。

きっと・・・誰かの名前なのだろう。
その人はきっと、この世を去ってしまった人なのだろう。

きっと・・・私はそのために呼ばれたんだ。

なんでも治せる、治癒能力。
なんでも治せるからって死んだ人を生きかえらさせることは無理よ?
それを彼等二人は知っているのかしら??


「イタチさん、鬼鮫さん。私は・・・治癒能力があっても、人を生き返らせることは無理よ?」

二人とも、さっきまで色々話していたのに無言になった。





やっぱり、私はそのために連れてこられたのね。



私が思ったことは合ってたのかもしれない。

生き返らせることが出来ないと分かった今、私はここで殺されるだろう。

私はそう決意した。



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