降りしきる雨



カッコイイ顔してて

その顔に伴う女好きで
賭け事好きで

人を小馬鹿にしたような言動

嫌い、だったの・・・・・


降りしきる雨


人が死ぬ
こんなに、今の自分から遠いことなんて無いと思ってた

・・・・人が死ぬ
こんなに、今の自分の隣にあることなのだと思いたくなかった

逃げ道など存在しないこの島で
昨日までグラウンドを駆け回っていた人たちが

死ぬ
しぬ
シヌ・・・

三日で、何十人もの人が死ぬということが
こんなにも容易いことだなんて

・・・だって




















ーーーーパァーーンッッ!!!


「!?御柳・・・っ!!!?」













無我夢中で走っていて

後ろに銃を構えた人間が居たなんて気がつかなくて

鈍い銃声が響いたかと思ったら

嫌いな人・・・御柳芭唐の体が崩れていった


私は、何がなんだかわからなくて
とにかく、御柳の身体を抱き起こした。


















「っげほ・・・っ・・!!」
「御柳・・・なんでっ・・!?」










なんでなんでナンデ・・・!?











「私が・・・あんたのこと嫌ってたの・・・」






わかってるはずじゃない
気づいていたはず




「嫌ってたの、知ってたでしょ・・・っ!?」







「・・・知ってたに決まってるっしょ・・?」
「・・・っ」

じゃあっ・・・じゃあっ

「なんで助けたのよ、私のことなんて!!!」










知ってたなら何故
気づいてたなら何故
















「・・・・・蘭歌・・・」
「え・・・?」
ふいに呼ばれた、私の名前。














「俺さ・・お前のこと・・・好きだったんだぜ・・?」
「!・・・な・・」
















何を言うのこの人は
何でこんなこと言うのこの人は・・・








「でもさー・・お前俺のこと嫌ってたっしょ?だからさー・・・」

言うに言えなかったんだよ、と苦笑する御柳。























「最期に・・・言えてよかったー・・」





















「な・・・御・・柳・・・?」








御柳は、それきり動かなくて。

「やだ・・嘘でしょ・・・?」

ねぇ・・私、本当にこの人のこと嫌いだった・・・?

「嫌いだったよ・・っ!?」

・・・嫌い、っていう気持ちをヤキモチって気持ち・・間違えてなかった・・・?

「・・・・!」


私・・・
御柳がいつも女の子と一緒に歩いてるの見て
苛立たしいような・・・悲しいような・・・寂しいような・・
そんな気持ちで一杯になってた・・・
これは、嫌悪・・・?

それとも・・・ヤキモチ・・?

自問の答えが、涙となって流れ出す。
















「・・・後者・・だよ・・・?私・・・っ!」










この人のことが、嫌いだったんじゃない








好きだった








軽い言動が嫌だったんじゃない
他の女の子にそんな軽いノリで話し掛けないで



全部ゼンブ、私のヤキモチ。









自問の答えは、後者。







嫌いとヤキモチって気持ち、間違えてた。













「ねぇ・・御柳ぃ・・・っ」
もう、動くはずのない身体を揺する。












「起きて・・?答えが出たの・・・私・・やっと・・・!」










貴方が好きです










気づかなかった、自分の気持ち。






















「起きてよぉっ・・・芭唐ぁ・・・っ!!!」





















名前呼んだって、起きてくれないの。

だって、貴方はもう居ない。
私の腕の中にからっぽの器を残して

もう、此処には居ない。

今ごろ気づいた、自分の気持ち。

もう、遅いのだけど。

もう、この気持ちを伝える事ができないのだけど

どうしたら、いいのかな・・・?


ーーーーサァ・・・ッ










雨が、降り出した。

血塗れだった芭唐の身体が綺麗に洗い流されていく。

降りしきる、雨の中。














「芭唐・・・好きだよ・・・?」


もう、伝える事のできない思いが
雨音にかき消された。












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