天体観測



「どうして?」

「来てみれば分かるさ。雨は降らないらしいから・・・」

「まぁ・・・わかんないけどいいよw」




そうして僕は好きな女の子に会う約束が出来た。
僕がこの日を選んだ理由・・・それは、綺麗に星が見えるからだ。
彼女に空の美しさを知ってほしかった。
だから僕は彼女を誘ったんだ。

そして、約束の時間・・・。
ちょうどには居なかった。
少しの時間待ってると、二分後に来た。

「ごめん!遅れて・・・待った?」

「いいや?待ってないよ。始めようか。」

「なにを?」

「天体観測」

「ほうき星ってあるのかなぁ?一度は見て見たいのよね。」

「ほうき星?じゃぁ、ほうき星を探そうか。」

僕達は深い・・・深い闇に飲み込まれないよう精一杯だった。
彼女は怖いところが苦手なのか分からないが、手が震えていた。
握ろうとしたんだけど・・・なぁ・・・(笑)

「あ!これかも!」


いきなり彼女が叫んだ。
どうやら、ほうき星を見つけたようだ。
静寂を切り裂いていくつも声が生まれた。

「そろそろ帰ろうか。」

「待って!私・・・私・・・」


「す・・・(ドガーン!ガシャガシャドーン!)


「うわぁ!事故だよぉ・・・」

「うぅ~・・・(泣)」

「んで?なに?」

「私・・・まだ一緒に居たいな・・・」

「ん~・・・じゃぁ、あとすこしな!」

「ありがと!」


僕達はこうして一日を過ごした。
気がつけばいつだって、ひたすらなにかを探していた。
彼女も一緒に探してくれる。

「貴方はなにを探しているの?幸せの定義?悲しみの置き場?」

「・・・・・」

僕にだってなにを探してるのか分からないんだ。
ただ、生まれたら死ぬまでずっと探しているだけ。


「また・・・・やろうか・・・天体観測・・・」

「うん・・・!!」

今迄見てきたものは全部覚えてる。
君の震える手を握れなかった昨日のことも。

知らないものを知ろうとして望遠鏡を覗き込んだ。
真っ暗な夜空を照らす一つの星を。
そうして知った痛みを 僕は未だに覚えてる。

「僕は・・・今というほうき星を追いかけてるんだ・・・」

背が伸びるに連れて伝えたいことがたくさん増えていったんだ。
宛名のない手紙も、いっぱいある。
あの日からしばらく経って、僕の転校が決まった。
好きな彼女に「好き」と伝えてもいない。

ただ一つ手紙を書いたんだ。

「僕は元気で居るよ。心配ごとも少ないよ。ただ一つ言いたい事があるんだ。この前と同じ・・・午前二時に踏み切りに来てほしいんだ。待ってるから。」


もう一度彼女に会おうとして望遠鏡をまた担いで・・・
前と同じ午前二時踏み切りまでかけて言った。
始めたい天体観測・・・二分後に彼女が来なくとも・・・。

「ごめん!毎回待たせちゃって・・・」

「いいんだ・・・」

「明日だね・・・引越し・・・」

「うん・・・」

「言いたいことって?」

「僕は・・・君が好きなんだ・・・」





彼女の返事は電車の音でかき消されて分からなかった。
でも、彼女が泣きながら僕に返事を出したのは確かだ。

口の動きからして・・・もしかしたら・・・




「行かないで、私の側に居てよ」


そういったのかもしれない・・・







テーマ曲 BUMP OF CHICKEN 「天体観測」

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