幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

花と語りし少女2



雨でも幽香は花畑にいるのかどうかという興味を持ち傘を持って家をこっそり抜け出した

風はなく、ただ雨が降り注ぐといった状況である

雨のせいもあって町には人が全く歩いていなかったため、不気味であった

そして、ゆっくり、ゆっくりと花畑へ近づき、幽香がいるか覗いてみる

すると…

「…の?よかったわね…なの?…ははは」だれかと話している声が聞こえる

しかし見たところ誰もいる様子がない 一体誰と喋っているのか…

気になった透はもうちょっと近くまで寄ってみた

「久々の雨ね。気持ちいい?はは、たしかにそうね」と笑っている

(おかしい!!誰も人がいないのに喋ってる!!あの人絶対隠し事があるはずだ!)

すると幽香がゆっくりとこちらを向いた

「あら?透さんでしたよね?今日は雨が降っているのにどうしたのかしら?」と笑顔で尋ねる

「え?あ、ああ、散歩をしていたんです」必死にごまかす透

「へぇ、散歩。雨の日だっていうのに散歩なんてよっぽど散歩がお好きなのね」

「え、ええ、散歩が好きなんですよ」 「でも…いつもここを歩いていたかしら?」と尋ねる

「あ、今日はちょっと散歩する道を変えてみようと思ったんです」と笑ってみせた

「あら、そうでしたの。ははは…」と幽香は笑った…が

「嘘でしょ?透さん」 「え?嘘なんかじゃ…」 「嘘でしょ?だってこの先の道はあなたは知らないはずよ?」

「な…し、知ってますよ」と答える

(なんでそんなこと知ってんだ…!!)と心の中でまずいと悟った

確かに透はこの先に何があるか知らない。しかしなぜそれを昨日初めて出会った少女が知っているのかわからなかった

「正直に言いなさいよ」 「嘘じゃ・・・」 「正直に言いなさいって言ってるのよ!!」

空に響くその声は花畑に響き渡り、花々が微かに揺れた

「知ってるのよ。あなたがこの先には何があるか知らないこと…」と薄く笑った

「なんで…?」と尋ねる

「なんで?全部花が教えてくれるからよ」と幽香は言い放った…

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