幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

魔女達の舞踏会ファイナル


「ん?私の師匠か?私の師匠はとても優しかった。いつも笑顔だったな…」
「で、今その師匠はどこにいるの?」すると魔理沙は俯き答えた
「わからないんだ」 「え、何でわからないの?」とさらに尋ねる
「私が魔法使いとしていろんな魔法を使えるようになった。それで久々に箒に乗って空へ出かけた。その時だ。魔賊と出くわしたんだ」
「で…どうなったの?」
「戦ったさ、全力でな。でも相手は5人でこちらは2人。どう考えても勝てなかった。粘ったんだがもう無理だと悟り、師匠は私にこう言ったんだ『私はいいから逃げなさい』ってな」
「それで魔理沙はどうしたの?」
「『嫌だ』って言った。でもな、『私はお前の最初の弟子だ。簡単にいえば私の子みたいなもんだ。だから…逃げろ』って…。だから私は逃げた」
「それでその師匠は…死んだの?」
「わからない。死んだのかそれとも何処かへ行ってしまったのか…。だからな、昇。お前も私の最初の弟子だ。もしかしたら最後の弟子になるかもしれん。だからな、命を大切にしてくれ」と昇の瞳を見つめ、言った
「うん、わかったよ魔理沙」 「わかってくれたのならいいんだ。さて、ちょうど食い終わったし私は寝る。明日の昼は最終調整するからな」
「うん。明日が楽しみだなぁ」 「ちゃんと私をエスコートできるのか?」
「…多分」 「まぁ期待してるからなぁ~」と言うと部屋の電気を消した
「私は寝る。おやすみ~」 「あ、お休み魔理沙」と言うと暗闇の中、自室を目指した
「さてと…ちゃんと魔理沙をエスコートできるように頑張らないとなぁ~」とベットの中で呟き、ダンスの疲れからかまぶたがすぐに閉じた…

頬に変な感触を感じた昇は目を覚ました
「ん…朝か?」 「お、やっと起きた。死んでるかと思ったぜ」と漆黒のドレスを身にまとう魔理沙が言った
「ほら、今何時だと思ってんだ?」 「え?何時って…」 時計はすでに12時
「は!?12時だと!?舞踏会は今日なのになんで早く起こさないんだよ」
「え?だって気持ちよさそうに寝てたからな」と悪戯に笑う魔理沙
「舞踏会の始まる時間は?」 「6時だぜ」 「準備とかも合わせたら練習時間短いじゃん」
「気にするな。昨日のお前のダンスを見てたら大丈夫だと思ったからな」
「そうだ、わかったから飯は?」 「机の上に乗ってるから速く食…」全部言いきる前に昇は机の方へと向かった
「そんなに心配しなくてもあいつなら大丈夫だと思うんだがなぁ~」と急いで食べる姿を見てくすっと笑った

そして場所は変わって地下
「そういえばダンスの始めの礼儀なんだがな」 「なんだ?」
「私が手の甲を差し出すからそこにキスしなきゃならん」 「なんか映画でそんなの見たときあるな」と思い出すように言う昇
「さて…じゃあダンスを最初から最後まで踊るか」 「うん」
魔理沙が指を鳴らすと音楽が部屋中に響いた
「うん、やっぱり何の支障も無いじゃないか」と踊りながら微笑み魔理沙
「こんなもんでいいのか?魔理沙が使った魔法の動きだったらもうちょっときびきびしてた気がしたんだけどな」
「そんなの気にするな。私の魔法が強すぎたからそうなっただけだ」
「ならいいんだけど…」と呟き、踊り続けた…
やがて音楽は終わり、ダンスも終わる
「よし、こんなもんだろう。じゃああとは自由時間だな」 「自由時間って言っても何回も踊ってたからもう時間無いだろ」
「…あ、そうか。よし、もう会場に行くから箒持って外に出ろ」 「あいよ」二人は1階へと戻り、箒を持って外へ向かった
「この森の高い上空にはな、舞踏館があるんだ。まぁあっという間に着くがな。じゃあ私についてこいよ?」と言うと空高く飛びあがった それにつられる様に昇も飛んでいった
「どれくらい人いるの?」 「あ~、60人30組くらいかな」 「多いんだね」と驚く昇
「これでも少ないほうだぜ?」 「へぇ…魔法使いがこんなに多かったとは…」
「ほら、あっという間だ。着いたぜ」 「へ?どこに?」
目の前の大きな雲を突き抜けると…そこに広がっていたのは空に浮かび上がる舞踏館
「うわ、すげぇ」 「ほら、驚いてないで速く入るぞ」と言うと大きな門をくぐった
すでにたくさんの人が集まり、もうダンスを踊るため、レッドカーペットの上にたくさんの魔法使いが集まっていた
「さてと…私達もいくぞ」 「うん!」 二人はレッドカーペットの上に立つ
そして流れるアナウンス
「今宵も素敵な月が空に浮かんでおります。魔法使いの象徴とも言える月の下、月へ捧げるダンスを踊りましょう」
すると魔理沙は手の甲を昇の前に突き出した
「今宵は私と踊ってください、昇」と微笑む魔理沙
「ええ、こんな僕でよければ…」と言うと跪(ひざまず)き、魔理沙の手の甲に優しくキスをした
「さぁ、今宵は踊り明かしましょう」とにっこり微笑む魔理沙
舞踏館内には軽やかな西洋を感じさせる音楽が流れ始める
そして二人は手を取り合い、踊り始めるのだった…

――――完――――

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