幻竜の羅刹

幻竜の羅刹

君と眺めた桜 14



「そんな絶望のふちから救ってくれたのが彼だった。私に優しく接してくれた人。彼だけしかやさしくしてもらったことがなかった」

「そして、彼は桜の木の前で殺された。何もしていない彼が殺された。私は何を信じればいい?だれが私を愛してくれる?」

「誰も私を助けてはくれなかった。だから・・・死んだの」

紫の目には涙が流れ、頬を伝っていた

「残念だったなぁ・・・」 海斗はつぶやいた

「え?」

「俺がお前と一緒な時代を生き、同じ場所にいたのなら、俺はお前を愛していたのによ」

「何言ってるの?そんなの口先だけなら何とでもいえるわ」

「ウソじゃねぇよ!綺麗だぜ?今のお前。なぜいじめられたのかはわからねぇ。でもな、いじめられても生き抜いていかなきゃ何の意味もねぇんだよ」

「そのお前を愛してくれた人の分まで生きてやれよ!お前を愛した人のために!それがお前を愛した人の希望なんじゃねぇのかよ!!」

「う。うう・・・」 紫はもう何もいえることができず泣いているばかりだった

「苦しい時だってある。長く苦しみ、それに耐えたからこそ生まれる幸せってのがあるんじゃねぇのか?」

「簡単に捨てたらいけなかったんじゃねぇのか?お前の命は」海斗も泣いていた

「愛すべき人のために。そいつのために。こんな自分でも愛してくれた人がいたんだ。死んだらその人だって悲しむぜ?」

2人とも涙を流していた

虚空に舞う桜の花びらは止まりながらも美しさをかもし出しいた  

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