幻竜の羅刹

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クリスマスの夜 6



「昨日に引き続き友達を無くすところだったなぁ…本当に生きててよかったな流星」と雄太は言った

「あぁ…本当によかったよ」

あのとき流星はやるべき事はやった

交通事故があることがわかり必死で叫んだが誰も相手にしてくれなかった

ただ頭の狂った人間が妙なことを叫んでいるとしか考えていなかったのだろう

信じることを忘れ、拒めば、それはもう誰も信用できなくなってしまうだろうなぁと心の中でいろんな事を渦巻かせていた

「まぁ…とりあえず仕事の時間だ。今日も頑張ろうぜ、流星」

「そうだな、今日も頑張りますか」 隣の席は幸樹ではなく雄太が座っていた

昼休みの時に雄太に言われた

「今日に限ってバスに乗ってくるなんて本当に運がいいな。生涯の運をすべて使い果たしたんじゃないか?」と笑っている

「今日で全部運を使っちまったら、嫁との関係悪くなるって事にもつながるじゃねぇかよ。まだまだ運は残ってるぜ。愛する人がいる限りな」

「かっこいい事言いやがって…うらやましいぜ」と昼休みはこんなくだらない会話であっという間に終わってしまった

その後は黙々と仕事を進めていき、その日の分のノルマを達成した流星は家へ帰る事にした

「お疲れ様でしたぁ」 と言うと後ろから雄太がきて

「一緒に帰ろうぜ」と言って来たので電車で一緒に帰る事にした

電車内ではこんなことを話していた

「この前幸樹が交通事故に遭ったとき俺はあいつの後ろにいたんだ」

「へぇ~、そうだったのか」

「それでな、あいつ結構酔ってたんだよな。それでふらふら歩いてて信号が青になりかけのときに横断歩道を渡っていったら車に跳ねられたんだよ」

「そうだったのか…」

「俺は必死で危ないって叫んだんだけどもう遅かった…」

「まだ若い命なのにな…会社としてはこれから育っていく能力を失い、俺らとしたら仲の良い同期の仲間を失って…かわいそうに…」

「全くだな。上でも元気にやっててほしいな。でもって俺達を待っててもらいたいぜ」

「おいおい、まだまだ先の話しだろ。もうすぐ死ぬみたいな感じになってるぞ」

「すまん、すまん」

こんな話をしているうちに駅につき、二人は分かれ、それぞれ自分の自宅へと帰っていった

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