幻竜の羅刹

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クリスマスの夜 13



職場につき…「よう、雄太」と元気よく挨拶する

「おう、いつにも増して元気だな…。まぁお前の結婚記念日だしな。おめでとう」

「ありがとな。お前は今日は一世一代の大勝負だろ?そんな弱気になってどうすんだよ」

「べ、別に弱気になんかなってねぇよ。絶対に成功させてやるんだからな!!」

「まぁ頑張ってくれ」 そう言うといつもより少なめな仕事に取りかかった

仕事もなぜかスイスイと進む 気分が良いと仕事の効率もよくなるんだなぁと実感した

それに比べ隣の雄太は少しペースが遅いというかいつもの調子じゃない 相当緊張してるんだなぁと笑った

「何笑ってんだよ気色悪いな」

「いや、お前がいつもより仕事のペースが遅いから緊張してるんじゃないかなぁって思っただけ」

「さっきも言ったけどな!俺は別に!」

「はいはい、わかったよ。まぁいつもより早く終わるんならそのペースじゃ間に合わないぜ」というと流星は仕事を再開した

昼休みになり、二人とも飯を食いながらの仕事になった

少し一息ついた流星はコーヒーを飲みながら胸ポケットから自分と咲夜が写っている写真を取り出した

いろんなことがあったなぁと思いクスッっと流星は笑った

「今度はどうした?またいきなり笑い出して」

「いや、今までいろんなことがあったなぁって思い出し笑いだよ」

「そうかぃ…俺にはうらやましい限りだぜ…」

こんな会話をかわしているうちに昼休みも終わり、仕事を続行した

6時には約束の場所についているようにしようかなと心の中で思いながら仕事をしていると…

「あ…れ?」 もう流星にまかされた仕事が無くなっていた まだ時間は4時近くで5時にここを出るつもりだったのだが…

「そうだ、雄太。手伝ってやるよ」

「ありがてぇ…やはり友は持つべきだな…」と言っている とりあえず流星は雄太の文の仕事に取り掛かった

やはり雄太のペースが遅い。だが流星がそれをカバーしたので5時前には終わった

「じゃあ今日は早めに上がります。お疲れ様でした」というと仕事場を後にし約束の場所へと急いだ

約束の場所とは、春には見事な桜が咲き誇る公園である 桜の名所ともされていた

その公園で初めて流星と咲夜がデートした場所でもあり、プロポーズをした場所もその公園だった

そして6時より少し過ぎたころに公園についた 公園には誰一人おらず、流星は近くのベンチに座った

「懐かしいなぁ…二人でこのベンチに座って手をはじめて手を繋いだんだよな」と呟く

胸ポケットの写真を取り出す。咲夜はいつ見ても美人だなぁと心の中で思った

「そういえば…いつになったら咲夜はここにくるのかな」と呟くと、写真を通して咲夜のスケジュールを見る…と

「なっ!?」 流星はベンチから立ち上がり町へと思いっきりダッシュした

そんな流星を影から見ている者が言った

「走れ青年。愛する人を守るためにな…」 この声の主はあの不思議な男だった

「お前にあの女の命が託されている。死ぬも生かすもお前次第だぞ、青年」

そう、流星が写真を通してみたもの それは…

6時26分 その後からのスケジュールがきれいに消えているものだった

現在の時刻6時12分 残された時間は…あと14分

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