幻竜の羅刹

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命の力~妖怪との出会い~12



「愛の病状は現在進行形だ。下手すれば明日になるともう妖怪のになりうる。そこでだ、私の式によってこの子を助ける」

「いつものように式ってやつを使えばいいだけなんだろ?なら銀狼は消えなくて済むじゃないか」

「回復の式は珍しく、故に沢山の妖気を使う。今日私は幾度と式を使い敵を倒し、さらにこの市に大結界を張ることによってこの市内を安全にすることができた。だがその代償として大量の妖気を失った。ここまでいえばわかるか?」

「っていうことは、回復の式を使えば銀狼の妖気っていうのがゼロになるってこと?」

「ああ、そういうことになる」 「妖気が無くなるとどうなると」

「人間の寿命が尽きるように天に昇るんだよ」と指を天井に指した

「そんな…他に手段はないの?」 「ある。方法としては他人の生命を奪い、その生命の力で治すという事ならできる」

「くっ…なら、俺の命をつか…」

「ふざけるなっ!!」 「なっ…」初めて怒鳴られたので驚く雄大

「お前の命を使って誰が喜ぶと思う?私が喜ぶはずがないだろう。だがな、それ以上に悲しむ人間だっているって事をわかって言ってるのか!!」

何も言い返すことができない雄大はうつむいている

「お前を愛してくれる人だろ?お前を第一に思っている人だろ?お前を失ったら悲しむのは彼女だって事がわからないのか!」

「ごめん…」と涙が床に零れ落ちる

「命を捨てるなんて簡単にいうんじゃない。お前がこれから愛を守っていくんだろうが!!愛これから守っていく男が今死んでどうする!」

「ごめん…ごめん…」小さい声で弱々しく呟いた

「生きろ、お前は生きろ雄大。お前は人を思いやる気持ちが強いやつだ。私からの、守り神としての願いだ、生きてくれ、雄大」とにっこり笑って銀狼は言った

「うん…ありがとう…」と涙が止まらずただそこに立ち尽くすだけだった

「それでいいんだ」と泣いている雄大の頭を撫でた

「銀狼」 「なんだ?」 「また…いつかまた会えるよね?」

「当たり前だ。私を誰だと思ってる?銀狼だぞ。またこの世界に戻ってきてやる」と笑って答えた

「じゃぁすぐに会えるね」 「すぐって行っても2,30年くらいだけどな」

「どんなに長くても銀狼がくるのを待ってるから。絶対に忘れないから銀狼も忘れるなよな」と小指を差し出した

「忘れるはずがあるまい。こんな楽しい経験をしたのは久しぶりだったからな」と笑顔で小指を差し出す

雄大と銀狼の小指が交差し、そして二人の再開が約束された

雄大はこの瞬間、人間と妖怪との間にある壁が崩れ落ちた気がした

「おっと、愛の病状も進んでることだし、そろそろお別れだな」

「うん…今まで本当にありが…」 「おっと、その台詞を言うのはまだ早いぞ。また会うんだろ?」とにっこり笑った

「うん、そうだね。じゃ、また会おうね」 「おう、またな」

そういうと銀狼は指で宙に短い式を描くとその式は愛へと入り込んだ

それと同時に銀狼はだんだん薄れて行き、消えていった。銀狼は最後まで笑顔だった

すると、愛はさっきまで閉じていた思いまぶたがゆっくり開いた

「え?あれ?私何してたの?」と目をこすり、起き上がった

「本当によかった…よかったよ愛…!」と愛を抱きしめた

「え?何泣いてるの雄大。ってか何で私寝てたの?」と少し恥ずかしがりながらも尋ねるが答えは返ってこなかった

ただ愛を抱きしめ、泣いている雄大は、愛が生き返った喜びと共に銀狼との別れを悲しみが入り混じっていた…

空には人の目には見えぬ銀色の閃光が輝いた

「銀狼…お前は兄貴と同じ道を辿ったんだな。人のために死んでいったのか…、かっこつけやがってよ…兄貴みたいに帰ってこなくなったら承知しねぇからな」と白狼は銀の閃光を見つめながら行った

「銀色の 輝く髪を 靡かせて 微笑むあなたを 愛しく思う… 兄貴がよく詠っていたなぁ…」と暗い闇夜に呟いた

こうして長い夜は明けていった…

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