幻竜の羅刹

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桜の姫君7



「う~ん…もう朝なの?速いわねぇ」と背伸びをする

「まぁ昨日は遅かったからね」と言うと首にかかるペンダントに手を伸ばした

日の光を反射して眩しく輝いていた

「さて…散歩にでも行きますか」というと丘の周りを散歩に出かけた

朝早くなのでウォーキングをしている人々が多い

それに、今の時期は桜が咲き誇っているので普段よりウォーキングに訪れている人の数は多かった

「みんな頑張るわねぇ…健康のために歩くなんて…絶対にそんなことしようと思わないわ」というと扇子で口を隠し、大きなあくびをした

「あら、幽々子じゃない」と声をかけてきたのは魅魔だった

「こんな時間から珍しいわね。一緒に歩きましょうよ」 「うん」

とりあえず二人は頂上を目指した 朝の心地よい風を浴びたいという魅魔が言ったからである

桜の花が朝風に揺れている桜並木の道を歩く

「いつ見ても綺麗ね、桜」 「そうね。まぁ私は毎年ここにいるから桜ばかりなんだけどね」と苦笑した

「ふふ、そうね。…あら?幽々子ってそんなペンダントつけてたっけ?」 「あ、気づいた?」

「誰からもらったの?」 「私の最愛の人からよ」と自分で言ったのが恥ずかしくなったのか扇子で顔を覆った

「あらぁ~。この幸せ者め~」とひじで幽々子をぐいぐいと押した

「へへ~。似合ってるでしょ?」 「うん、すっごく似合ってるよ」というと幽々子は満面の笑みを浮かべた

(こんなに嬉しそうな幽々子の顔を見るのは久々ね…。幸せそうで何よりだわ)と魅魔は心の中で笑った

そうして二人は雑談を交えながら頂上まで歩いた

「あ~やっぱり朝一っていうのは良いわね~」と手を広げ、全身で風を感じとった

「景色が綺麗ね」 「そうだね」

丘は桃色の花びらで染まっている。優しく吹く風に揺られ、木々達のざわめきが聞こえ、また鳥たちが空で囀(さえず)っている

「ねぇ幽々子。舞い見せてよ」 「え~、この前見たでしょ?」

「この前のはあの二人に対してでしょ?今の喜びを舞いで表現してよ」と笑みを浮かべた

「まぁ・・・いいけど」というともうひとつの扇子を取りだし、静かに舞い始めた

軽やかに舞い、おとなしさよりも華麗さや歓喜を表現している

扇子が風を切り、服は翻り、髪は風に靡く 美しい声と共に華麗に舞う姿は幻想の蝶だった

周りの木々や風も共鳴し始め、木々はざわめきを増し、風はより優しく、そして暖かな風へと変わった

桜の花びらが舞い散るなか、一人の少女は舞いつづけた

周りにいた人々はいきなり木々が騒ぎ始めたのに驚いたが、優しい風に乗って舞い落ちる花びらを見てため息を漏らしていた

舞って何分立ったかはわからない やがて幽々子の舞いが終わると木々や風は元に戻った

「すっごく綺麗!さすが幽々子ね。舞いなら世界一じゃない?」と魅魔は幽々子を誉めた

「世界一って人間は見えないんだから幽霊の中だけね」と答えた

「ありがとうね、いきなり舞ってなんて無茶言ったのに…」 「いいのよ。なんか気持ち良かったし」と笑みを見せた

二人はまた雑談を交え、丘を下り、幽々子の桜の前まで来ると別れた

暇なので何をしようか考えていると恵美が遠くから走ってくるのが見える

「幽々子お姉ちゃ~ん」と元気良く走ってきた

「あら、恵美ちゃん。どうしたの?」

「あのね!!…」というと長々と学校のことや友達のことを話し始めた

「へぇ、そうなの?すごいのね」 「うん!」とすごく喜んでいるようだった

「話を聞いてると…恵美ちゃんは小学校5年生?」 「うん、5年生」と笑顔で答えた

「これから学校生活がもっと楽しくなるわね」 「うん!すっごく楽しみ」と全身から嬉しさを感じ取れる

「あ、私お昼からお友達と遊ぶ約束してるから帰るね!バイバイ」

「じゃあね恵美ちゃん」と言うと笑顔で駆けていった

「幸せそうでいいわねぇ」というと幽々子は首にかかる銀色のペンダントに触れた…

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