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闘魂 サバイバル生活者のブログ
競争と公平感
鳩山内閣総理大臣記者会見-平成22年3月26日
。37分に神保氏が検察、内閣官房のオープン化について質問。首相は、オープン化を進めていくと回答。44分に日本インターネット新聞。あっと驚く、平野官房長官の更迭を首相に。首相回答に窮す。51分に岩上氏が質問。記者クラブ主催ではなく、首相主催の会見をとの声を伝える。政府記者会見HPに質問者の所属と名前を明らかにされていない現状を批判。
●本当につまらないことで反吐が出るほどだが、学生時代に身近にいた知人がヒットしている。大竹(文雄)先輩と中西(寛)君の2人である。この際、はっきり、言ってしまう。いまの自分との接点はない。しかし、本屋や新聞で、名前を見る。これは苦痛だ。拷問である。たとえば、大竹文雄「競争と公平感」を本屋で見る。関係がないのに、錯覚してしまう。ぼくは法学部だし、世の中の価値観は、メリット・デメリットに尽きるものでなく、行動の契機は、もちろんそれは大事だが、それだけではない。真・善・美、そして正義がぱっと思いつく。それ以外に。ぼくは正義を愛するし、経済は関心はあっても、経済学には興味はない。ウォールストリートの金融工学のイメージがつきまとう。
さて、陰謀論を集めているので、以下、アーカイブ用に記録。随時、●でコメントをはさむ。
副島隆彦の学問道場
への投稿より。
[1550]佐藤優(さとうまさる)氏の 「国際ニュース解説室 第7回」 を転載します。 投稿者:奥村投稿日:2010/03/24(Wed) 17:03:52…
●昔、京大の政治学の授業で、エリーティズムとプルーラリズムというコンセプトを漫然と聴いていたが、歴史学と大仰に言える立場ではないけれども、歴史を語る上において、少数のエリートにフォーカスする視座とマクロの視点に立って多数の人民にフォーカスする視座がある。佐藤氏のイルミナティやフリーメイソンの言及の仕方はカメラを引いてロングショットにして風景の一部にする姿勢である。こうした姿勢は、陰謀論という滋養たっぷりの素材との接し方として大いに必要だと思う。
(貼り付け転載開始)
「佐藤優(さとうまさる) の 国際ニュース解説室」 第7回
今月の質問
よく陰謀史観に出てくるフリーメーソンやイルミナティといった組織は、実際に国際関係に影響を与えているのでしょうか? 同様に、ロックフェラー家やロスチャイルド家は、現代でも大きな影響力をもっているのですか?
ペンネーム:台風一過(30歳・男性・会社員)より
●
副島隆彦『世界権力者 人物図鑑』
を読む。これに尽きる。入門者は、これを読んだ上で、以下の佐藤氏の解説を読むといい。
佐藤優による解説
フリーメーソンやイルミナティといった秘密結社があり、国際政治を裏で操っているという類(たぐい)の陰謀史観には、根拠がありません。 フリーメーソンとは、中世の石工(いしく)のことです。イルミナティとは、光明会(こうみょうかい)、すなわち理性(りせい)を信じる人々の集団という意味です。
陰謀史観が荒唐無稽(こうとうむけい)であること と、フリーメーソンやイルミナティの思想の重要性は区別して考えなくてはなりません。 私が知る日本人の中で、この問題をもっとも正確に説明しているのが副島隆彦氏です。 副島氏は、私との対談で近代のフリーメーソンやイルミナティの起源についてこう述べています。
(引用始め)
「 ヨーロッパで、フリーメーソンやイルミナティなる奇怪なもの が 生まれました。このイルミナティの創始者は神学者のアダム・ヴァイスハウプト(1748~1830年)です。
岩波書店刊行の『岩波・西洋人名辞典増補版』(1981年版)にヴァイスハウプトについて次のように書かれています。
ヴァイスハウプト Weishaupt, Adam 1748・2・6~1830・11・18 ドイツの哲学者。インゴルシュタット大学教会法教授(1772~85)。カントに反対し、ロックを信奉した。理性の支配と世界主義 の立場とを主張する秘密結社(光明会Illuminatenorden)を創設したが (76)、これが禁止されてからレーゲンスブルク(Regensburg)およびゴータ(Gotha)に移った(85)。
彼はドイツのバイエルン王国の出身のインゴルシュタット大学の実践哲学教授でした。24歳で教授になった。 ヴァイスハウプトは、その後、大学を追われ、ミュンヘンで1776年にイルミナティが生まれました (佐藤注:イルミナティが生まれたときは大学教授でしたが、その後、1785年に大学を追われました)。 そのあとヨーロッパ全体の主要な都市すべてでこの世俗化運動(セキュラリズム)がワーッと沸き起こったようです。
神学者ヴァイスハウプトは、 「理性(リーズン)が人間の唯一の法典となるだろう。このことが私たち人類のもっとも大きな秘密のひとつである。ついに理性が人間の宗教となるとき、そのときに、すべての間題が解決するだろう」と述べています。
ヴァイスハウプトのいう「理性」(合理性)とはラチオのことです。ラチオとは、「測定する」こと「分割する」という意味です。」
(引用終わり)
(副島隆彦/佐藤優『暴走する国家 恐慌化する世界』日本文芸社、2008年、113~115頁より)
●本書は、私も
陰謀論の系譜
と称して、アーカイブ化してある。副島氏は、ラチオを否定するわけではないが、極端なラチオはさすがに否定する。金融工学が暴走して崩壊したウォールストリートの強欲さには嫌悪感を覚えるし、したがって、昨今の亀井金融大臣の民間の役員賞与の開示決定による「成果」に注目しているのだが、日本人として、アメリカ的なゲーテッドコミュニティは受け入れがたい。
イルミナティの思想とは、理性(りせい)を中心に世界観を構築する啓蒙主義のことです。18世紀後半から19世紀初頭までは、このような啓蒙主義思想は、教会の教えに反する思想として弾圧の対象となりました。
また、理性は何人(なんぴと)にも等しく付与されているので、イルミナティの思想は、王とか貴族に特別の地位を認めることをせず、市民による共和制を志向します。この点もイルミナティが政治的に危険と見なされた理由です。
そのため、イルミナティの思想を信じる人々は、秘密結社をつくり、自らの理想と結びつけようとしました。これが、中世から国境を越えて活動していた石工の職能集団であるフリーメーソンと結びつきました。フリーメーソンの技能は普遍的なものなので、合理性(ラチオ)の思想とうまく噛み合ったのでしょう。
19世紀後半から、世界的規模で世俗化が拡大し、フリーメーソンやイルミナティの合理性を重視する思想が主流となったので、これらの組織はもはや秘密結社である必要がなくなりました。
●こういう見方を知れば、一部の著述家(陰謀論者)たちが盛んに訴える、闇の支配者などという悲観的なものの見方から解放されるだろう。問題の本質は、
金貸しと戦争―副島隆彦の仕事
や
無から有を生む信用創造(信用創造というペテン)
で示したような「手ごわい陰謀論」に見て取れる。安部裕芳だって、初期はよかったということだ。超マクロの視点に立つと利息を生む貨幣には、競争という名の公正さを装うイデオロギーによって正当化された欺瞞がある。利息を払うために成長を強いられ、椅子取りゲームのごとく、効率の悪い者は市場から退場させられる。そもそもが椅子数が足りないシステムなのだ。したがって、再配分の問題が常につきまとう。利益配当は景気の悪いときはしなくていいが、利子は当初の約定にしたがって、景気とは関係なく、取り立てる。時間泥棒である。ミヒャエル・エンデは、金融資本に原罪を見ていた。そして、
シルビオ・ゲゼル
を発見する。
鳩山由紀夫総理の祖父、鳩山一郎元総理がフリーメーソンの会員であったことは有名ですが、これは鳩山一郎氏が国際的な秘密結社に加わっていたということではありません。大学の同窓会よりはもう少し、結束の固い、体育会や応援団のOB会のイメージでフリーメーソンやイルミナティを考えるとよいでしょう。
体育会や応援団のOB会は、「同じ釜のメシを食った」というイメージで結びつけられた集団です。この内部では、通常のビジネスの論理とは異なる協力関係を構築することができます。
現在の日本の政治では、松下政経塾(まつしたせいけいじゅく)出身者が、大学の同窓会をもう少し濃くしたようなフリーメーソン的関係を維持しています。ロータリークラブやライオンズクラブ、青年会議所(JC、ジェイ・シー) なども地域を基盤に、仲間意識の強い集団を組織しているので、フリーメーソン型の組織と言ってよいでしょう。
●同窓会である。こういう風に喩えてくれると実感として理解できる。
一方、ロックフェラーやロスチャイルドなどの財閥の影響は、フリーメーソン、イルミナティとは別の切り口から考えるべきです。
これらの財閥は主に2つのことをしています。まず1つは、財閥が所属する国家の利益のために外交面で活動することです。そしてもう1つは、慈善事業(フィランソロピー)です。この2つの分野での活動の具体例については、デイヴィッド・ロックフェラーの自伝『ロックフェラー回顧録』(新潮社、2007年) に詳しく書かれています。
資本主義社会においてカネは力です。カネが集中する集団には権力も集中します。特定の人間に権力が集まると、国家は「いつかこの人間が権力を纂奪(さんだつ)するのではないか」という猜疑心をもちます。一般の国民からは、「なんでこいつは膨大な富をもっているのだ」と嫉妬されます。
そのため、国家による猜疑心や国民の嫉妬を買わないように、ロックフェラー、ロスチャイルドなどの財閥のトップはいつも気を遣っています。
世界の資本主義体制を維持するという視点を、ロックフェラー、ロスチャイルドという2つの巨大財閥はもっています。これは、国際政治を読み解く上で無視できない要因です。
●昔の私は、ここを理解していなかったから高坂正尭の試験は及第できなかった。逆に、ここを理解していたから、虎の尾を踏まずに、要領よく世渡りした者もいるんだろう。欧米人に世話になって、人脈が出来てしまうと、
内田樹「日本辺境論」
ではないが、場の空気に押されて、日本の国益に反することをしでかすバカも出てくる。
(貼り付け転載終了)
奥村が、「クーリエ・ジャポン」誌から、以上の文を、抜き書きで転載しました。
●振り子は逆に振れて、英雄史観(陰謀史観)ではなく、唯物史観だ。陰謀論のコアのコアはあくまで、銀行の信用創造と貨幣の利子の問題に収斂すべきで、間違っても、闇の権力などというものを過大評価してはいけないし、地震兵器やケムトレイル、そして疑似科学に惑わされてはいけない。利子とはなにか、なぜ、世界宗教は利子を禁止していたのか、問題の糸口はこれだ。財閥だけでなく、ローマ教皇や英国王室、ハプスブルグ家といったものは否定すればいいというものではなく、競争と公平感(公正さ)のイデオロギーの欺瞞を暴き、システムの問題を解明し、システムを改革する運動家をめざすべきだろう。
2010年3月29日 根賀源三
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