ポエムガーデン

音のポエム




ジュース

【初恋の唄】

僕が見ている小川のせせらぎは
僕が忘れていたふるさとの唄かもしれない と
ふと思う

いくつものロックンロールを聴いてきて
いくつものバラードを聴いてきて
数えきれないほどの唄が
僕を成長させてくれたけれど
成長させてくれたその分だけ
忘れてはいけない唄をいつしか遠ざけてしまっていた

久し振りに訪れて
ポカポカ陽気にふと思う
僕が見ている小川のせせらぎは
僕が愛した最初の唄なのかもしれない と










【願い】

あの願いはどこまで届いただろう
あの願いは・・・
せせらぎの優しさを聴きながら
雪解けの時を待ち続けていた
梢のつぼみにたたずんでいる

あの願いは風に吹かれている
気まぐれな寄り道に
陽だまりの誘惑に
春の香りをいっぱい抱え込んで
あてのない景色の中にいる

あの願いは唄い始めている
季節をさえずる鳥たちの
電線の五線紙に
ごきげんな転調を繰り返しながら
桜色の音符を並べたてている


あの願いはどこまで届いただろう
遠い日に掛けた願い・・・
あの願いは微笑み掛けている
春を待ちながら花びらを数える少女の
けがれのないまっすぐな心に










【ロックンロール牧師のバラード】

いつもギターで僕らを勇気づけてくれるロックンロール牧師が 
今日はまるでサヨナラホームランをくらったピッチャーみたいに
肩を落としていつまでも手に取ったボールを眺めてる

そばでは犬のジョジョが
散歩の時間を待ちわびている

遠い丘の木かげに置き忘れられた本には
牧師が恋した女の名前が刻まれてある

もう誰もここへは戻っては来ない
そんな風が丘を吹き抜けている

”私はピッチャーだからカーブだって投げるさ”
牧師のつぶやきにジョジョがしっぽで嬉しそうに応える

僕はベンチに腰掛けて
ロックンロールの歌い出しのコードを奏で始める

”試合はまだまだこれから
   チャンスはいくらだってやって来る”
いつかあなたが唄ってくれたこのナンバーを
今日は僕たちが唄います










【ローマンス】

「ローマンス」
「ロマンス」
レモネードの氷ストローで
沈めたり浮かべたり
ぼんやりと君がつぶやいて「ローマンス」
目と目が合ってニッコリと
グラスの中で氷がカラカラと
心はいずこ
僕を見つめてはいるけれど

君の興味のあるものになりたくて
昨日はみかんの花
今日はレモネードの氷
沈んだり浮かんだり
なんとなくのローマンス

君のときめきの瞳に会いたくて
朝はソックスの中のプレゼント
昼はスープの底の小鳥の絵
隠れたり現れたり
照れてるみたいにローマンス

BGMに耳を傾けて君がぼんやりと
「抱きしめたいのビートルズ?」
僕はグラスの中から
「ビートルズの抱きしめたい♪」










【メロディー】

お気に入りのメロディー流れているよ
ラジオのスピーカーから流れているよ
ボリューム少し小さくして
けれど変わらず聴こえているよ
ボリュームもっと小さくして
それでも変わらず聴こえているよ
ボリュームもっと小さくして
けれどまだまだ聴こえてくるよ
ボリュームすっかりゼロにして
それでもメロディー聴こえてくるよ・・・

お気に入りのメロディー流れているよ
静かな部屋に流れているよ
だまって みつめて
ただそれだけの君だけれど
君の気持ち(メロディー)
しっかりと聴こえているよ









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