【今昔風景画】
穏やかな日差しの中で生まれ
麦畑のゆりかごで育った記憶
懐かしい風景ののどかな故郷
餌をやると
日が暮れるまで働いてくれた牛たち
どんなに遠くで遊んでいても
決まった時間には必ず帰ってきた羊たち
今僕があの日の牛であり羊なのかも知れない
そんな記憶の夢から目覚め
今日も朝の訪れとともに労働の場へと向かう
そして列車のゆりかごに揺られながら
麦畑の風景画の夢を見ている
【ハートビート】
きっと笑顔は戻るだろう
「ゴメンナサイ」の言葉を
胸のポケットに持っていたから
優しさは僕だけのものじゃなくて
哀しみは君だけのものじゃなくて
いつかすべてを分かち合えたなら
素直な気持ち同志で抱きしめ合えるから
それでも涙がこぼれたなら
胸のポケットの言葉を鼓動に変えて
心と心 語り合えばいいから
【小鳥よ】
小鳥よ
なんとなくおまえの気持ちがわかる
窓を開けてあげよう
空はこんなにも広く
風はこんなにもやさしい
小鳥よ
なんとなくおまえの気持ちがわかる
この部屋から羽ばたいてお行き
小鳥よ
おまえだけは自由になるのだ
それが幸であれ不幸であっても
瞳は空だけを見つめ
翼は風だけを感じる
小鳥よ
なんとなくおまえの気持ちがわかる
僕の窓辺から羽ばたいてお行き
【タンポポ紀行】
幸福の予感漂う草原で
大の字になって深呼吸
まどろむ耳元に聴こえてくる心地いいささやきは
ラヴレターの下書きの文字?
音楽ノートのバラードのおたまじゃくし?
四つ葉のクローバーのいびき?
タンポポの種は風の時刻表にもたれて
目覚めたばかりの花を口説いている
突然の通り雨
あわてて木陰に逃げ込んで
置き忘れてしまったのは
麦わら帽子?
飲みかけのサイダー?
大切な人への思いやり?
タンポポの種は風の時刻表にもたれて
恋人たちが気づかない虹を見ている
あたたかさがにじむ風景画のような
心癒される景色の中
心ある人と巡り会い
心ある笑みを交し合い
心ある時間を分かち合う
タンポポの種は風の時刻表の時間どおり
春の手紙の切手と共に
穏やかな景色を求めて旅に出る