楽しい夢でも、悲しい夢でも、いつか終わりはやってくる。

目が覚めれば、何時も通り。

どう足掻こうと、夢から出なきゃいけない時が来る。

それが怖くて。

それが悲しくて。

目を擦ることが出来ないまま、今を過ごしてて。

時計のアラームが鳴っているのを気付かないふりをして、今を過ごしてて。

夢は妄想。

夢は逃げ場所。

夢は気持ち。

本当は知っている。

永遠の夢なんか無いって。

そんな都合の良いものなんて、無いって。

知りたくなんて無いけど、分かってる。

僕が目覚める時、もうきっと君はそこに居ない――――――――――――。

「手塚!」
手塚が僕の声に気付いて、振り返る。
「不二・・・・・・。」
「今日一緒に・・・・・。」
手塚の隣には越前。
二人の会話が不自然に止まって、二人の視線が僕に突き刺さった。
「・・・・・・何でも無い。ごめんね邪魔して。」
僕はなるべく二人の顔を見ないようにして、その場を離れた。
――――――分かってるよ。手塚の一番が越前だ、っていう事位。

頭で分かっているつもりでも、心が受け入れ切れてない。
手塚が悪いんじゃない。
僕が悪いんだ。
僕は手塚を好きになった時から、分かっているつもりだった。
手塚の心は、越前に在るんだって。
でも僕は、手塚が好きになった。
諦めるなんて、無理だと思った。
近くに居れれば、それで自分の気持ちが済むと思ってた。
――――――――僕は馬鹿だ。
手塚は越前の事が好き。
僕の事を一番好きになってはくれない。
これだけ分かっているというのに、僕は今、嫉妬している。
これが自分の選んだ道なのに、手塚に愛して欲しいと思ってる。
――――――――だからといって、手塚の気持ちが変わる訳無いのに。

「不二ッ、ど~したの?」
英二が僕に抱きつく。
「・・・・・・・・・・英二は、いつか終わる楽しい夢を見ていたい?」
自分でも、変な質問をしたと思った。
だけど、英二は即答した。
「うん。」
「いつか終わっちゃうんだよ?」
「・・・・・う~んとね、俺はそれでも良いよ。」
「なんで?」
「今がハッピーなら!」
楽天家、英二。羨ましい限りだよ、ホント。
「それにさ、終わってもまた見ればいいんだよ!楽しい夢をさ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そんな事出来るなら、そうしたい。
でも、目が覚めたらきっと悲しい。
楽しい夢も嫌な夢へと変わるかもしれない。

それだけのことを知っていても、僕はまだ夢の中に居たい。

僕が目覚める時、もうきっと君はそこに居ない――――――――――――――――。

☆★あとがき★☆
あぁ、もう何したいのか・・・。
というか、なんだこの短さは!!!SSっぽいです・・・。(涙)本当はもっと長くするつもりだったのにぃ。
上手くいっていれば、不二の儚い恋物語になっていたハズです。それがこんな結果に・・・。
いつかリベンジ・・・・したいです!!
        BY 千影



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