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[1] 読書日記 最近、自分の部屋にいないと、ブログを更新する気にならない。 明日からしばらく部屋を離れる予定なので、よほど気が向かない限りこれから一週間強 ほど、再びブログは更新しないかと。 とりあえずその前に、ここ二、三日の間に読んだ本の中で、感想を書いておきたいモノ を一冊。 深水黎一郎 「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!」(講談社ノベルス) <「ああ。俺は書いた文章と自分がじかにつながっているように思えて、 文章が褒められると、もう天にも昇るような気持ちになる代わり、 逆に否定されると、もう自分自身を否定されたような気になるわけだよ。 つまり俺のような繊細極まりない人間にとって、 文章とは単なる紙の上の文字の配列ではなく、自分の身体の延長であって、 そこには血管も神経も通じていて、褒められるとくすぐったく、 貶されるとズキズキと痛いわけだ」> 第36回メフィスト賞受賞作。 題名の「ウルチモ・トルッコ」とはスペイン語で「究極のトリック」のことらしい。 【ジャンル】 本格ミステリ。 メタ・ミステリ。 メフィスト賞受賞作品らしいミステリ。 【簡単な内容説明】 新聞に連載小説を持つ作家である主人公のもとに、聞き覚えのない人物からの手紙が 届く。その手紙には、自分は究極の意外な犯人を可能にするアイデアを持っているので、 それを買ってくれないか、と記されていた……。 【感想・印象】 この作品で世に出たとは思えないほど、文書も内容も落ち着いた筆致。 ミステリとしての構成が抜群に巧い。 ただタイトルからして、間口が狭い。読者を選びそう。 内容にしても先に書いたようにあまりに落ち着きをはらいすぎてて、かなり地味な 印象を受けてしまい、やはり読者の好き嫌いがはっきりと別れそう。 ペンネームにしてもメフィスト賞受賞作家の中ではかなり地味で、それが既に作品の カラーについて何よりも如実に物語っているとも……。 でも、私は完全に「好き」な方の人間なので、とにかく次回作が読みたい。 これからの活躍を期待できる作家。
2007年09月06日
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[1] 読書日記 これは面白かった。 筒井康隆 「脱走と追跡のサンバ」(角川文庫リバイバルコレクション) を読了。 このブログで取り上げた本で言えば、町田康「パンク侍、斬られて候」以来のめちゃ めちゃ面白かった本だと思う。 その町田康いわく、 <すべての作品は十回以上読んでいるが、 『脱走と追跡のサンバ』は百回くらい読んだと思う。 言葉が溢れ出て設定が沸騰したみたいな状態で、 この時点ではそんなことは夢にも思わなかったが、 二十数年後に小説家になり、 その影響が大なのは誰の目にも明らかであろう> (本の雑誌社「本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2006年度版』」より) とにかく良い。
2007年09月03日
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