復職するタイミングとは?


どんなことに気をつければよいのでしょう。
復職の判断基準とは?
復職の時期で会社側と意見があわなかったときには?

以下は平成18年朝日新聞「患者を生きる」うつシリーズ 最終回の記事です。


<質問(大学教員 60歳)>

 IT関連企業で働く30代の息子が、うつ病で休職しました。
1年後、通院先の精神科医から復職にゴーサインが出たので会社に
相談しました。
会社の復職プログラムを利用しようとしたところ、「上司の許可が必要」
と言われ、上司に相談すると「復帰は完全に治ってからにしてほしい」と許されませんでした。
「迷惑だ」「辞めてくれ」などとも言われたようです。
よくあることなのでしょうか。
職場復帰を果たすために良い方法はありませんか。


<回答者「うつ・気分障害協会」代表で保健師の山口律子さん>

無理を避け、回復度にあわせて

 主治医から復職可能と判断されても、会社側の産業医・人事担当から見て「まだ復帰は難しい」と判断されることは珍しくありません。
病気は回復していても、職業能力が回復していないと、企業側は安全配慮義務の点から難色を示すことがあります。

 復職の判断基準としては
10時間程度(通勤時間プラス勤務時間)の外出ができること、
80%程度の職業能力の回復、
精神的ストレスに対処できること
 などが求められます。

 半日のリハビリ出勤だからといって半日分の体力で復帰するのではなく、
8時間は働けるまで回復してから始めることが大切です。

会社は、病院やリハビリ施設ではありません。
働くための健康管理は、本人・家族が自分たちできちんとできることが前提です。
復帰に向けての基礎体力作りや、
現在服用している薬が業務に与える影響について知り、
眠気や集中力の低下などの症状をきちんとコントロールできることが
求められます。 

また、各都道府県にある障害者職業センターなどの職業能力判定や適職判定を受けることで、自分の職業能力の回復度や適性がわかります。
復職判定やリハビリ出勤の際に、客観的なデータで会社側と交渉することもできます。

ご相談のケースでは、
産業医や保健師に相談し、上司との仲介役をお願いしてみてはいかがでしょうか。

それでもうまくいかない場合は、
障害者職業センターや労働局の労働相談をお勧めします。


以上です。

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