★天使/サルヴァトーレ・クァジーモド




        ―天使―

        天使が眠っている
        微風(そよかぜ)の薔薇の花園で、白じろと、
        横になって、
        母なる膝のかげに
        美しい両手を十字に組んで。

        呼び覚ませば、
        ぼくに微笑み返す、
        やすらいでいた頬は
        花粉にまみれて。

        歌声が湧く。ぼくの心に襲いかかってくる、
        暁の青白い空よ。
        その天使はぼくのものだ、
        ぼくは掴んでいる、冷たくなったその手を。


        (サルヴァトーレ・クァジーモド)
        そしてすぐ日が暮れる・河島英昭訳/平凡社ライブラリーより引用




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