ここに来た理由

norsk



◆夢ができた瞬間◆

私がノルウェーに単身渡って来ることになったのは、偶然というか、行き先がそれてしまったからです。もともと行きたかったのは、何を隠そうお隣の国、スウェーデン。

大学2年のあるとき、ひょんとしたことで、スウェーデン語を耳にしたときから、私のスカンジナビアへの夢は始まりました。

人生には、パッとひらめく瞬間があるといいますが、私がスウェーデン語を耳にした時が、その数少ない啓示的瞬間(?)のひとつだったのです。「これだ!」「この言葉を話せるようになって、日本とスカンジナビアをつなげたい!」と、そのとき、赤い糸がシュルルーっと音を立てて空の上に伸びていくような素晴らしい感覚を経験したのを覚えています。

それから、自習でスウェーデン語を少しずつやり始め、3回生でカナダに留学したときも大学でスウェーデン語のコースを取り、大学卒業後にスウェーデンに行く機会を獲得するべく、在学中から奨学金や学校の情報などを集め始めました。ですから、就職活動もしませんでした。卒業後は、友人の会社で仕事をしたりアルバイトをしたりしながら、チャンスを待ったのです。


◆奨学金獲得まで2年間のながれ◆

そして何とかとある財団の親善奨学金というものに合格して、一年間分の奨学金を頂けることになり、経済的問題は解決しました。しかし、その奨学金を貰うには財団が指定した学校なり、研究機関に進み、そこでの合格通知が来てからという条件がありました。

それでも自分の希望の国と大学名(同一国で2つまで)を出せたので、スウェーデンと、しょうがないのでノルウェーの大学の名を書いて提出しました。

アメリカ、イギリス、フランスなどの人気のある大学や地域だと、自分の希望が通らないことが多いと聞いていましたが、多分スカンジナビアを選ぶのは私くらいだろうという、予想は当たって、全部の大学を受けていいという承認を財団から貰いました。

そして、学期が始まるぎりぎりで全部の大学から合格通知を貰いました。そして、それでやっとビザの申し込みができるところまで来たのです。

◆学生ビザの問題◆

しかし、学生ビザを取るのにスウェーデンでは半年くらいかかると大使館に問い合わせたところ、言われたのです。それでは奨学金の支給開始期間に間に合わない。しかも授業も半分終わってしまう・・・!

ノルウェーの大使館では、私はその財団の学生だということで、すぐ下りますよ、といわれ、それでもどのくらいかかるかわからず、待っていたのですが、結局4週間前後の超スピードで通知が来ました。で、もうこれ以上日本で長々と先の見えない待ち時間を過ごしているのも嫌だったので、これもこういう運命なのかも知れない、ノルウェーに行こう!と決め、その5日後、ノルウェーに向けて旅立ったわけです。


私の目は、ずっとスウェーデンを向いていただけに、隣のノルウェーのことはほとんど知らないに近かった。来ることになったベルゲンについても、全くというほど知識がなく、でもとりあえず何とかなるだろうと、ノルウェーに来て、そして私のノルウェー暮らしが始まりました。


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