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こんにちはペドです。先月末に勤務医を退職し、見事?プロのアルバイト医になりました。勤務最終日を振り返ってみます。中身がないくせ、ちょっと長いです。ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。勤務最終日。朝はいつも通り起床。普段から朝食はあまり食べられない性分。妻は、最後だね、と言った。医局に着き、使い古したスクラブと白衣に袖を通す。退職直前に白衣を病院クリーニングに出すと回収できなくなる。ここ数日着続けている汚れた白衣だ。朝一番で最後の病棟回診。今日退院予定の方だ。午後に話をしましょうね、と伝える。その日は外来診療日。外来患者全員に異動を詫び、別れを告げた。惜別の言葉をいただき、涙する方もいた。いつもよりやや時間がかかったが、昼過ぎに最後の患者を見送った。保険会社の書類や申し送り、サマリーなどを仕上げた。外来看護師・事務員にも別れを告げた。自分で言うのもナニだが、私は決してスタッフを叱責しない。むしろ意識的に、軽く怒られるキャラ、作戦。「センセ!次回の採血オーダー抜けてますよっ」「はいはーい。さーせーん、あざーす。オーダーしまーす」この関係が業務全体が一番スムーズに回る。と思う。夫婦関係もこれに尽きる。気がする。「先生が開業する時は教えてくださいね」と、本気とも冗談ともとれないことを言われ、笑って濁す。最終日なので当然予定手術はない。午後は諸々の退職手続きだ。しかしその日も緊急手術が入る。どこまで行ってもハイパーだ。しかしこれも最後。手術開始が迫る中、病棟に駆け上がる。最後の入院担当患者に病状説明を行った。癌を克服できるかできないか、ボーダーラインの方だ。異動を詫び、ぜひ癌に打ち勝ってほしいと伝えた。慌てて手術室に向かう。最後の手洗いだ。思うところがないわけではないが、それどころではない。今日は忙しい。事務的な作業は時間内に終わらせる必要がある。幸い短時間で手術が終わった。そこから大急ぎで退職準備。事務職員に現在の健康保険証を返却。新しい健康保険証(任意継続)を受け取る。PHSからストラップを外して、医局秘書に返却。薬局に行き、ソルデムの段ボールを大量に仕入れる。異動の度、段ボールはいつも薬局だ。デスク周りの書籍やPCなどを段ボールに詰め込む。不要な書類はシュレッダー。医局の台車を借り、ソルデムの箱を車まで運ぶ。今後この段ボールの行先はない。自宅保管。そのうち整理しよう。手術室に挨拶に行く。麻酔科医に挨拶。不意にややこみ上げる。泣きはしない。集中治療室に挨拶。院長に挨拶。外科同僚に挨拶。再度ややこみ上げる。泣くことはない。病棟からは時間指定で呼ばれていた。行くと病棟看護師に取り囲まれ、お花をいただく。一言を求められ、何とかクリアする。去り際にムードメーカー的な若い看護師が話しかけてくる。飲み行きましょうよ~と、軽いノリ。いいよー、いつでも。ちゃんと真面目に働くんだよ。とその場を去る。不真面目な選択をした人間がよく言ったものだ。医局に戻り、医局秘書に職員駐車カードを返却。医局のマグカップを回収。ちなみに使用済コップを洗わない医者が多い。誰かが洗ってくれると考えているし、実際はその通りだ。多くの場合は医局秘書だが。私はそこに違和感があり自分で洗っている。他人のものまでは洗わない。荷物がなくなった医局デスクで最後の事務仕事を行う。医局や学会など書類郵送先を”自宅”にする。通常は”次の勤務先”だが、私にはそれがない。退職関係書類で、次の勤務先申告書もあった。意図的に提出せず、しらばっくれ通した。そして捨てた。終業時間は過ぎている。静かに医局を去る。病院ドアをくぐり抜ける。帰宅すると、妻は私の好物を作ってくれていた。「お疲れ様」と。そういえば妻は常勤を辞めることに、一切反対しなかった。ありがたいことだ。退職した病院の建物は大きく、遠くからでもよく見える。子供は「あれはパパの病院」と言っていた。今後は”パパの病院”ではなくなる。じゃあ、今度のパパの病院は?何と答えたらよいものか。夕食時、普段あまり飲まないが、ビールを飲んだ。少し酔ったが、子供と風呂に入り、いつも通り就寝。寝室にスマホを持ち込まなかった。これは今までではありえない行動である。今後どうやって生きて行こうか。ゆっくり考えよう。個人的には色々な思うところもありますが、一勤務医が退職したというだけの、大したことのない出来事です。人生で何回かある大きめの選択の一つに過ぎません。誰にでも選択の瞬間はあります。自分が不安定な立場であるというこの感覚、20年以上前にもありました。〇〇〇時代と同じ感覚よろしければ今後もお付き合いください(^^
2022.04.07
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こんにちはペドです。ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。順調に退職活動は進んでいますか?私は順調ですw。さて、勤務医を辞めるための段取りを簡単にまとめてみます。その前に、われわれ医師、特に医局に属する医師は医局人事により、1~2年単位で病院を移動することが多いです。地方では車通勤が当たり前ですし、ハイパー科であれば呼び出しに備えて病院近隣に住みます。そのため当然異動のたびに転居手続きです。これはかなり面倒です。私も、大学卒業後、7回引っ越しをしました。もういい加減、腰を据えたいですし、そのつもりです。今回は、勤務医の退職についてでした。多くの勤務医業務として①外来業務②入院管理業務③検査・手術業務④院内管理業務⑤研究活動があります。①外来業務勤務病院の異動に伴う業務で一番手間なのがこれです。退職近くなると、来院する担当患者一人一人に「今回異動となりまして、担当医が変更となります。後任の医師は〇〇になりますので、そちらの外来に通ってください。」と話をします。普段でも時間的に余裕のない外来業務ですが、「あらやだ~、センセどこへ行っちゃうの? せっかくお知り合いになれたのに、残念ね~。 センセの次の病院まで追いかけちゃおうかしら。 え?それはできないんですか? 次の先生はどんな人? etc....endless」 これで3分は余分に時間を使います。 勤務終盤は全患者この調子です(ウソ)。 そして、外来の申し送り事項を電子カルテのメモに残したり、 共有フォルダにの残したり、という手間もかかります。 特に治療期間が長く外来受診が頻回の方、 余命が長くない状態の方、 治療経過でトラブルがあった方、 キャラクターのクセが強い方、 などは引き継ぎに神経を使います。 病院異動・退職にあたり一番労力をようするのはこの仕事なんです。②入院管理業務 ほとんどの勤務医は入院患者を担当しています。 異動・退職が決まれば、終盤徐々に調整が入るものの、 勤務終了時点で入院患者を持っていれば、 当然にこちらも他医師に引き継ぎます。 外来と同様のやりとりを行うのですが、 入院継続が必要ということは、病状がまだ不安定である方が多いです。 その分治療方針や経過の共有・申し送りはより綿密に行う必要があります。 ただ、患者数自体は、外来に比べるとずっと少ないものです。③検査・手術業務 医師には検査や手術、処置など、手技を伴う業務があります。 誰でもできる手技だけであれば、私が不在になっても何ら問題ありません。 ただ、自分以外の医師ではそれを実施することが難しい手技 がある場合は話が異なります。 自分の後任がそれを引き継げる人材か、 他の頼れる後輩(先輩)に指導して託すか、 必要時には自分が遠征してきて援助するか、 その手技をあきらめて他の病院へ依頼せざるを得ないか、 その辺の方針を事前に整えないと、患者に不利益となります。④院内管理業務 これはエクストラ業務です。 例えば、病院運営会議、感染対策委員会、医療安全委員会、〇〇ワーキンググループ、褥瘡回診チーム、栄養サポートチーム などです。 多くの勤務医にとってはそもそも面倒な業務ですから、 引継ぎにはそれほど情熱はありませんw。 ⑤研究業務 大まかに言うと、学会発表と論文作成、データベース管理です。 勤務医には、自分たちの診療経験を 学会で発表したり、 統計解析を行い論文執筆したり 院内のデータベースに患者情報を入力したり、 そんな業務があります。 学会発表、論文作成は、基本的に自力で行うものです。 勤務先が変わってしまうと、後からデータを取ることは非常に面倒です。 可能な限り在職中にデータをまとめてしまいたいわけです。 ただ、学会発表は演題登録から、本番まで何か月もタイムラグがあります。 そのため、どうしても追加データ収集や、 新たな統計解析が必要になることがあります。 さらに全職場の上司にプレゼンしたり、 発表の予行演習(予演と言います)したりすることも多く、 これは大変面倒です。 さらに長期間の追跡が必要な論文などは、 その活動を継続してくれる後任医師への引継ぎが必要です。 このような引き継ぎ業務を行い、 多くの場合は年度末にその病院を退職します。 転居が伴う場合は大慌てです。 住民票の異動に始まり、運転免許証、マイナンバーカード、 そのほか諸々の住所変更、 新居での生活立て直し、 子供の幼保、転校手続きなどなど。 本当に慌ただしさしかありません。 ただ、この異動の隙間期間だけは病院からの呼び出しから解放されます。 そう、あの応召義務から解放された状態なのです。 我々にとってはスター状態を意味しますので、 忙しくも、本当に晴れやかな気分です。 そして通常は、次の月初に新病院でPHSを受け取り、 再度あの呪縛にからめとられる訳です。 みな当たり前にこれを繰り返しているわけです。 当然今までの私も例外ではありませんでしたが、 私はそのループから脱却します。 自らの意思で、 犠牲を払い、 リスクを冒し、 勤務医を辞めます。 これはその過程の記録日記です。 よろしければ今後もお付き合いください(^^ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。
2021.12.13
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こんにちはペドです。ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。勤務医を辞める理由は前回書きました。参考記事:勤務医を辞める理由勤務医を続ける理由では、なぜ多くの勤務医が勤務医を続けるのでしょうか。勤務医とは要するにサラリーマンです。業務内容が診療行為であるサラリーマン、ということにすぎません。ただ、診療の中には緊急の判断を要求されたり、自分の判断が人命に直結したりすることが少なくありません。私が考えるサラリーマン医師を続ける理由安定収入社会的信用力安心感アイデンティティ社会保障医師としてのキャリア形成専門医・指導医取得維持高度急性期医療学術活動他の選択肢を知らない(開業以外)この中で、一番多いのは「他の選択肢を知らない」ではないでしょうか。サラリーマン医師を卑下する意図はありません。勤務医を20年30年続けることは容易なことではありません。50歳過ぎて全科当直、さぞかし体にこたえることでしょう。本当にベテラン勤務医の皆様にはリスペクトしかありません。でも私は異なる生き方を選択します。勤務医を辞めることで失うもの私が思うものは、社会的信用力医師としてのキャリア形成専門医・指導医取得維持急性期医療・集学的治療学術活動です。結構多いですね(汗。社会的信用力例えば住宅ローン借入を思い浮かべて下さい。常勤先のないフラリ医マンと大病院の常勤勤務医、銀行はどちらにお金を安心してかしてくれるでしょうか。そういうことですね。融資を断られると寂しい気持ちになるものです(笑)医師としてのキャリア形成一般的な模範医師のキャリは。研修医 → 後期研修医 → 専門医取得→ さらに研鑽 → 上位の資格・学位取得→ 一般病院勤務 → 部長 → 副院長 →院長もしくは→ 大学病院で臨床・研究・教育 → 助教 → 講師→ 准教授 → 教授さらには→ 学部長 → 病院長 → 学長学長になればもう天上天下唯我独尊状態。旭川医大の件が思い出されてしまいます。でも私にとっては、どちらのキャリアにも魅力的に感じませんでした。それだけなんです。個人の価値観の問題なので、悪しからず。専門医・指導医取得維持私は相当数の資格を取得しました。正直に申し上げて、医局同期の中では一番多く、一番早く高難度の資格も取りました。しかし、常勤医を辞めるとと維持することが難しい資格が少なくありません。お金と時間と労力をかけて取得した資格を手放すことは一抹の寂しさを感じます。フリーランスでも維持できるものもありますけどね。ただ、私は自分の時間を選択しました。急性期医療・集学的治療大きな病院でこそできる治療というものがあります。救急車をバンバン受け入れ、心マしながら気管挿管!緊急内視鏡!緊急手術!緊急カテーテル!自分も患者もアドレナリン全開で救命に全集中。つきっきりで昇圧剤や利尿剤、人工呼吸器をコントロール。止まりかけていた心臓が動き始め、自発呼吸も再開。ご飯を食べて、リハビリ実施、壮絶な闘病の末、独歩退院。外来で「先生は命の恩人ですから」これ、やりがいはあるんですよ。確かに。私にも自分の時間や労力は度外視で、本当によかったと実感する場面はたくさんありました。退職後は急性期医療とは距離を置く形になります。気が早いようですが、働き方を変えるからには、違うステージでやりがいを見つけないと継続が難しい気もします。学術活動論文執筆って、ブログ執筆に似ているところがあります。要するにブームなんです。なんだか論文書くのがブームの年は、年間何本も書きます。投稿作業も習慣になれば、当たり前のように英文を推敲します。ブログもそんな感じですよね。多分。知りませんけど。逆にブームが去ると、習慣でなくなると、論文執筆から足が遠のきます。ブログもそんな感じですよね。多分。知りませんけど。また学会参加も、年数回のお楽しみです。友人や過去の同僚と久しぶりに会う数少ないチャンスです。旧友と知らない町の繁華街で飲み明かす、これは本当に楽しいものです。一般的には、普通に旅行で行けばいいではないか、ということになると思います。でもね、普通の旅行には自由に行けないんですよ、勤務医は。涙私が勤務医を辞めることで手放すことは上記のように少なくないように思います。しかし自分の時間は決して取り戻せません。どんなにお金を積んでも取り戻せないもの、健康と時間。私はこれからの人生、時間の使い方を意識していくことを決めました。仲間との時間、家族との時間。仲間の健康、家族の健康。わがままな人生を選択するわけです。そのための代償は甘んじて受け入れましょう。その先にはどんな生活があるのでしょうか。リアルタイムに情報提供していきます。よろしければ今後もお付き合いください。ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。
2021.12.12
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こんにちはペドです。ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。私が勤務医を辞める理由いきなりですが、限られた自分時間を別の活動に使いたいからです。医学部卒業後十数年、自分時間の多くを病院に捧げてきました。これが医師の本分であることは理解しているつもりです。一方で、長年自分の生活は二の次になってきました。外科などのハイパー科医師はどのような生活か、ご存じない方もいるでしょう。ハイパー科についてまず、時間の公私区別が限りなくあいまいです。業務の性質上、今日は完璧に仕事を終わらせたから、今晩は安心♪ということがありえません。休日朝から晩まで緊急対応をこなして帰宅しました。それでも患者の血圧が下がるかもしれない、高熱が出るかもしれない、安定していた別患者の容体が急変するかもしれない、担当患者が救急外来に飛び込んでくるかもしれない、緊急処置で呼び出されるかもしれない、後輩からSOSが入るかもしれない、AとBの仕事に相互の関連性がなく、それぞれが突発的に発生し、かつ自分ではコントロールが不可能なんです。こちらがどんなに疲労困憊であろうと、患者には関係ありません。今日は疲れてるから、明日にしてくれる?は通用しません。もちろんチーム制、当番制でやっていることもありますが、それでも完全な分業はできません。つまり、いつ何時でも病院から電話がかかってくる可能性があるわけです。勤務医の呪縛極めつけは、患者の要求があった場合には医師は診察を断ることができない、のです。これが勤務医の呪縛「応召義務」です。参考:応召義務の記事この呪縛のために勤務医のプライベートには常に制限が伴います。医師以外の職業の方が当たり前のようにしていること1日の疲れを晩酌で癒すスキーや一泊キャンプに行く友人と食事の約束を立てる大事な打ち合わせを入れるいずれも不可能ではありませんが、いつでもドタキャンのリスクがあります。病院から呼ばれた場合はこうしよう、ということを常に頭の片隅で考えているのです。文字通り、携帯電話は肌身離さず携帯しています。子供とスキーに行っても、リフトに乗るたび着信確認。入浴後も着信を確認。もちろん寝るときは携帯は枕元、起床時も着信を確認。翌日になって「ごめんごめん、着信に気づかなかった(笑)」は許されないのです。「作業に集中/頭を空っぽにするために、たまにはスマホを家に置いて出かけてましょう♪」みたいなゆるふわ発信を目にすることがあります。それ、我々にはできないんですよ。しちゃいけないんです。法律でNGとなっているんです。どうしても愚痴っぽくなってしまいますが、いかがでしょうか?勤務医はこんな生活を続けているわけです。そして外科医の携帯電話は実際によく鳴ります。本当によく鳴ってくれます。本当に。。逆にハイポ科と呼ばれる科の医師が休日に呼び出されることはほぼありません。だからこそそう呼ばれるので当然と言えば当然ですね。病院からの呼び出しのない生活これは一体どんな生活なのでしょうか。夢のような生活にも思われます。時間的自由を増やすために、私は勤務医を辞めます。その代償として諦めるものも少なからずあります。参考:勤務医を辞めて失うものよろしければ今後もお付き合いください(^^ランキングボタンをポチっとお願いします。ブログ継続のモチベーションになります。twitterやってます。
2021.12.11
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