USJ紀行―2「中生代的公園」


 自由落下って、何が自由なんでしょう?あんな不自由なものはありません。あんなことで自由を感じられるのは、Z戦士しかいない筈です!!って、そういう意味の「自由」ではないことは百も承知なのですが、突っ込まずにいられないほど、絶叫マシンが嫌いなんです(USJ紀行1参照)。

 以前、男ばかりが乗ったジュラシックパーク・ザ・ライドのお話はご披露致しましたが、今回は自分自身が乗った時のお話です。

 それまで何となく、なるべく気づかれないように避け続けてきたジュラシックパークですが、とうとう逃げられない状況に追い込まれてしまいました。妹に見抜かれてしまったのでした。
「お兄ちゃん、怖いんちゃうん?」
「そ、そ、そんなわけあるかい!」
「じゃあ行こうや」
「お、おう。あったりまえやんけ!」
売り言葉に買い言葉、絶叫マシン愛好家の妹に意地を張って、今まで避け続けた、あの、自由落下体験マシンに、乗ることになってしまいました…(*_*)

 虚しく響くモニターから流れる映像と音声、はしゃぎながら順番を待つ子供たち、ぺちゃくちゃ喋りながら待つ女の人たち、楽しそうな家族連れ(僕以外はこのカテゴリーに含まれるのでしょう…)、いちゃいちゃしているかっぽー…。それらすべてが目の前の光景でありながら、遥か彼方の光景のようでもありました。

 とうとう順番が回ってきました。のり口からすっと横にそれて、みんなを見送りたい衝動を抑えながら、すごすごと乗り込みました。座って、安全バーを下ろすと、ボートが動き始めました。みんなの期待と、胃のあたりにキューンと刺し込みを感じている少年の不安を乗せて、ボートは進んでいきます…。

 乗船するまでの待ち時間の間に、僕は強がってある提案をしました。写真を撮られるのは、乗る前から分かっていることなので、それに備えての提案です。僕にしてみれば、弱みを見せまいとしての、精一杯の虚勢でした。

僕:「せっかく四人で乗るんやから、四人でワンセットのポーズとらへん?」
妹:「えー、どんなん?」
僕:「1人1文字、4人で4文字♪」
妹:「ま、まさか?!」
僕:「そう、日本が誇るエンターテイナー」
妹:「!!!」
僕:「HIDEKI SAIJO♪」
妹:「もう分かったって。でもおもろいやん!やろやろ♪」

さすがは我が妹、僕の考えそうなことはすぐに御見通し(^_^;)
という訳で、落下の瞬間に写真を撮られるタイミングで、並んだ順に
「Y・M・C・A」のポーズをとることになったのです。

 そんな僕らを乗せて、ボートはどんどん恐竜に囲まれたプールを進んでいきます。恐竜の鳴き声も、噴き出す水も、僕にとっては遠い出来事…。僕は、不必要なことを考えて、これ以上不安を大きくしてしまうのを避ける為に、とにかく最後の「Y・M・C・A」のことだけを考えていました。
 ボートは建物の中に入っていきます。そして、チェーンの音と共にボートは次第に勾配を上っていきます。上った高さ分だけ落ちる、というのは当然のこと、僕は意に反してその高さのことを考えてしまい、
「ここでボートを降りて、歩いて戻りたい!!」
という強い衝動が沸き起こりましたが、安全バーがそれを許してはくれませんでした。僕は覚悟を決めて、YMCAに意識を集中させました。 ティラノザウルスが出てきたら、次の瞬間落ちる!というのは、事前に知っていたので、その瞬間を逸しないように、前方に注意し続けました。

 きました!ティラノザウルスです。くるぞー!せぇーのー!!!!!

 僕は確かにやりました。勇気を振り絞って両手を挙げて「C」のポーズをとった筈でした。そしてその直後にボートの座席から中に浮く自分の体が安全バーによって抑えされていることしか感じませんでした。でも、やりました。僕はやり遂げたのです!!(^_^)v

 ボートを降りて、早速写真の注文カウンターに行きました。家族四人でYMCA!あぁ、なんて微笑ましい心温まる家族写真♪

 しかし、僕はディスプレイに映し出されている画像を見て、唖然としました( ̄□ ̄;)!!
『Y・M・ ・A』
 何度見ても、僕は苦痛に歪んだ顔で、挙げていた筈の両の手は、前方に広がる虚空を掴もうとしているかのようでした…。

 あんなに頑張ったのに、確かに「C」だった筈なのに…。そうです。僕は確かに「C」のポーズをとったのに、シャッターのその瞬間までその姿勢をキープすることができなかったのです…。もう1秒、いや、もう0.5秒シャッターが早ければ、楽しい家族の思い出の1ページになる筈だったのに…(T^T)

 ちっきしょー!
もう強がったりしないぞ!!
僕は絶叫マシンが大っ嫌いだぁー!!!
二度と乗るかー!!!!
スパイダーマンにも乗るもんかー!!!!!(TOT)

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