Episode 2 『自慢』



 その日はなぜか、父親が平日であるにも関わらず、仕事が休みで家にいました。近所の女の子と2人で遊んでいると、家の中から父親が出てきました。

父 親:「こんにちは」
女の子:「こんにちは」
 僕 :「今日はお父さんお仕事休みやから家におんねん♪」
女の子:「うちのお父さんなんかなー、今お仕事してへんから、ずーっと家におんねんでー!」
父と僕:「・・・・・・。」( ̄□||||!!

 それが自慢のつもりで出た言葉であることは、彼女のきらきら輝く瞳を見れば、どんな人にも間違いなく分かるはずです。そして、その言葉の内容が、自慢すべき内容ではないことは、父にも僕にも理解できたのですが、彼女にはまだ理解できていないようでした…。

 とまあ、これは本題ではありませんので、話を池…、いや、王子様に戻します。

 それは、小学校5年生の秋のことでした。いつものようにパス練習をしていると、隣にいた王子がニヤニヤしながら辺りを窺いながら、僕のほうに寄ってきました。「どうしたのかな?」と思っていると、彼はおもむろに自分のサッカーパンツと下着のパンツのゴムをつかんでパッと中身を見せて、

「オレ、もうけっこう生えてんねんでー♪」

 王子、僕にそんなこと自慢して嬉しいですか?それに、どうして僕なんですか?そして、それは自慢に値することなんですか?数々の問いが僕の頭の中を駆け巡りました。
(゜ー゜?)(。_。?)(゜-゜?)(。_。?)

 そしてその夜、僕はお風呂で自分のツルツルの下腹部を見て、「なんとなく羨ましいなー」と、ちょっとだけ思ってしまったのでした…。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: