堕落の天使

No4



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ゆっくりと夏の雲が空をたゆたう晴れ間の中に一筋の亀裂が奔った。
「凪!きたよ」「・・どうしても、免れないのか…!」
「行こう、壊れる前に、消される前に私達で…終わらせよう」
珠洲樺の決心の固さに気付いたのか凪、イブはコクリと頷き
「行こう。」

ソレは膨大な肉塊とも腐敗の塊にもとれるような黒い憎悪だった。
最もソレが悪魔と呼ばれる魔物だが。
「今、この地と我力を以て悪しき悪魔浄化せん」厳かに珠洲樺は呟きバッと塊に向かい飛び出し身の丈4メートルの刀を華麗なまでの裁きで突き立てる。
それが利いているのか否か悪魔はこの世のモノとはかけ離れた金切り声と
絞殺される者の呻きにも似たものが混じり合ったモノが喉から零れて「・・なんなの…」
「迷わず。前に行こう、珠洲樺の様に」凪はイブを直視しイブは其れに答えるように頷き
「消そう。此処で終わらせよう、決して来世にまでこの辛さを招かぬように」
バッと跳躍した刹那互いから見て右に真紅の花びらが散った。
「珠洲?…珠洲樺!」凪はそのまま純白の羽根の爆弾を幾つか召還し敵へ少ない怪我を負わせていたが凪自身もカギ爪かなにかの切り傷を幾つか浴びていたが突き進んでいた。
-何もかもを此処で終わらせるためなのか。
薄れゆく意識の中珠洲樺はそう思っていた。
「イブ…私はなんでもない、だから‥けじめつけようよ・ケリつけよう」
ホントは笑えないくらい痛みは強いはずだが彼女は笑ってイブへ言った
「・・珠洲‥約束だからね」
「うん」だが刹那「イブ!」「後ろ」一刹那気付くのに送れた故彼女はヤツに背後を捕られた「っ!!」-これまでか-
だが敵のワザはイブを消さず代わりに耳をつんざくあの咆哮が聞こえゴボッとどす黒い悪魔の血がイブを染め変え
ゴロンと大きな肉塊がまっぷたつになり欠片はちりぢりに粉砕していった。「え・・」
「どう云うことだ?・・あ」
「あ・・!」乾いた風が全てのゴミを吹き消した其処に彼女はいた。
「珠洲樺!」
「・・・ぁ大丈夫?」
「なにやってんの」フッと笑んで口だけが動き虚しく空気だけが其処から漏れていた。
彼女はイブを守るために己の躯全ての細胞で爆発を起こし悪魔を殺したのだ。 
そして、彼女の躯も風に吹かれ消えた。
悲しみをぶちまけた青年と女性の泣き声と共に・・・。
nexst?

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