とある市立図書館の倉庫にほこりをかぶった一冊の資料がある。
この、紐が掛けられ、「特秘」と書かれた古いファイルの内容は誰も知らない。
ある時、市の職員がこの資料を見つけ、老齢の倉庫係に聞くと、
その資料に書かれている内容は、国を動かす程の政治スキャンダルか、はたまた科学で説明できない呪いの連続殺人事件について書かれているという噂があるという。
なにしろ、それを書いた者、それに関わった者がすべて、原因不明の死をとげているのだという。
この話を聞いて興味を持った職員が、読んでみようと紐をほどこうとすると、倉庫係が制止した。
誰でも、この資料を読むことは禁止されていないが、今まで読んだ者もまた全員、その内容を語る前に謎の死をとげたという。
そのため、内容を知っている者が誰もいないのだという。
「持ち出しは、できないんですよね」と聞くと、倉庫係は、「著作権の関係でコピーもだめです」と言った。
それでも、食い下がった。
「私の妻はこの倉庫に入れますか?」